JPH0359195A - 塗被紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、塗被紙に関し、特にブレードコーティング時
のストリーク、スタラクタイト及びスクラッチ等が改善
され、白紙品質や印刷適性の極めて優れた塗被加工紙に
関するものである。

「従来の技術」 顔料と接着剤とを含有する塗被液を、基紙に３゜ 塗布して乾燥することからなる塗被紙の製造法に於て、
６０〜７０％と言った高固形分濃度の塗被液を塗工する
ブレードコーティング法は、塗被液層の乾燥速度が速い
ため、乾燥に要する設備、エネルギー、経費を節減でき
るばかりでなく、塗被液層が基紙の凹凸面に沿って移動
する以前に固化するため、優れた光沢度と平滑性を塗被
紙に付与できる利点を備えている。

しかしながら、かかる高固形分濃度を有する塗被液の塗
工は、塗工に伴う種々の技術的問題点及び得られる塗被
紙の品質上の欠陥がいまだ解決されておらないのが実情
である。

例えば、６０％以上の高固形分濃度塗被液を得るために
、従来、紙塗工に使われている塗被液の固形分濃度を単
に高めるだけでは粘度が高くなり、高剪断流動性も悪く
、保水性の低下した塗被液となってしまう。そのため塗
工の際ストリーク、スタラクタイト及びスクラッチ等の
条跡トラブルを引き起し易い。

この為、塗工通性を改善するために比較的平均粒子種の
大きな重質炭酸カルシウムを顔料として併用する方法（
特公昭４６−４３２４４号公報）や、粒度分布を規制し
た微粒の重質炭酸カルシウムを単独に顔料成分として用
いる方法（特開昭５５−６２２９６号公報）なども提案
されているが、いずれも塗工適性の改善に伴って得られ
る塗被紙の光沢度、平滑性が低下するという欠点が不随
する。

また、今日一般的に用いられているブレードコーターに
おいては高固形分濃度塗被液の塗工に関し上記の如き塗
被液の塗工適性のみならず、次のような難点が付随する
。即ち、フラデッドニップタイプのロールアプリケート
機構やファウンテンアプリケート機構を有するトレーリ
ングブレード方式にあっては、 ■　塗工量が付き過ぎるため、ブレードの加圧機構での
コントロールが難しく、しかも均一な塗工量をえること
が至難である。

■　塗工量をコントロールするために、ブレード圧力を
強くすると塗工面ががさつき平滑性が悪くなる。又、紙
切れが起こり易く操業性も悪化する。

■　基紙に過剰の塗被液を供給した後、余剰の塗被液を
掻き落とすまでの時間が長い（例：ペロイト社フラデッ
ドニップコーターでコータ速度１０００ｍ／分の場合０
．０２４秒）ために、塗被液層から基紙中への塗被液の
浸透が進み、高濃度であることも相俟って脱水による塗
被液層の保水性の低下を来たし、塗被液層のゲル化、レ
ベリング不良を引き起す。そのため塗工面が不均一にな
るのみならず、ストリーク、スフラフライト及びスクラ
ッチ等の条跡トラブルを起し易い。

高固形分濃度塗被液を得る為に、分散性及び接着力の優
れた合成ラテックスのみを接着剤として使用すると、保
水性が劣り、ストリーク、スフラフライト、スクラッチ
等が発生する為、一般的には酸化澱粉等の変性澱粉を併
用し、塗料の保水性を向上させている。しかし、かかる
変性Ｂ粉は接着力が弱く、必ずしも良好な保水性向上接
着剤とはいえない。

「発明が解決しようとする課題」 かかる現状に鑑み、本発明者等は、高固形分濃度塗被液
をブレードコーティングする時の上記の如き欠点を解消
すべく鋭意研究の結果、塗被液中に澱粉変性ポリビニル
アルコールを含有せしめることにより、塗布時のストリ
ーク、スフラフライト及びスクラッチ等を防止し、かつ
白紙品質や印刷適性の極めて優れた塗被紙が得られるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。

「課題を解決する為の手段」 本発明は、顔料と接着剤を主成分とする塗被組成物を基
紙上にブレードコーティングしてなる塗被紙において、
該接着剤の一部として澱粉変性ポリビニルアルコールを
使用したことを特徴とする塗被紙である。

「作用」 顔料を基紙上にブレードコーティングして各種塗被紙を
得る場合、高固形分濃度塗料を調製する必要があり、そ
の為一般的には接着剤の主成分として、分散性の良好な
合成ラテックスが使用される。かかる合成ラテックスは
前述の如く接着力に優れている反面、保水性が悪く、ブ
レードコーティング時にストリークやスフラフライト及
びスクラッチ等の操業トラブルを起こし易い。

この為、塗料の保水性を向上させる為に酸化澱粉等の各
種変性澱粉を併用せしめている。

しかし、併用されるこれら変性澱粉は、接着力が劣って
おり、必ずしも好ましい保水性向上接着剤とはいえない
。仮に、合成ラテックスと併用される変性澱粉を増量し
て接着力を向上させると、塗被紙の光沢度が劣下し又、
印刷時のインキセットがハードになる為、接着剤の量は
出来るだけ減少させるのが望ましい。

本発明では、条跡トラブル防止効果と接着力の優れた澱
粉変性ポリビニルアルコールを合成ラテックスと併用す
るものであるが、本発明で用いられる澱粉変性ポリビニ
ルアルコールとは、ポリビニルアルコールと澱粉を共重
合せしめた化合物であり、好ましくはポリビニルアルコ
ールと酸（１粉をグラフト共重合した化合物が用いられ
る。

尚、澱粉変性ポリビニルアルコールの特性をコントロー
ルするために、例えばアクリルアマイド、アクリロニト
リル、アクリル酸等のアクリル系化合物が必要に応じて
共重合されるが、その割合は６０重量％以下程度に留め
るのが望ましい。

本発明において、上記の如き特定の澱粉変性ポリビニル
アルコールと併用される主たる接着剤である合成ラテッ
クスについては特に限定されず、例えば、スチレン−ブ
タジェン系、スチレン−アクリル系、酢ビ−アクリル系
、エチレン−酢ビ系、ブタジェン−メチルメタクリル系
、酢ビ−ブチルアクリレート系共重合体エマルジョンや
これらをカルボキシ変成した変成ラテックス等が適宜選
択して使用される。

又、合成ラテックスと併用される澱粉変性ポリビニルア
ルコールの割合は、使用される顔料や基紙の違い等によ
って適宜１ｆｉｆｆされるが、ストリーク、スタラクタ
イト及びスクラッチ等を抑制し、且つ優れた白紙品質や
印刷適性を得る為に、全接着剤の５〜５０重量％、より
好ましくは５〜２５重量％程度の範囲で調節されるのが
望ましい。

因みに、５重量％未満ではストリーク、スタラクタイト
及びスクラッチ等の改善効果に乏しく、又５０重量％以
上では塗料の粘度が高くなり過ぎる恐れがある。

尚、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらにポリ酢酸
ビニル、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸−スチ
レン共重合体、イソブチン−無水マレイン酸共重合体等
の合成接着剤、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化
澱粉、酵素変性澱粉、カゼイン、大豆蛋白等の天然接着
剤を併用しても良い。

塗被液を構成する顔料については特に限定されるもので
はなく、例えば、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質
炭酸カルシウム、サテンホワイト、二酸化チタン、亜硫
酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、
酸化亜鉛、タルク、ゼオライト、硫酸バリウム、無定形
シリカ、焼成りレー、プラスチックピグメントなどが挙
げられる。

尚、顔料に対する接着剤の量は、使用される顔料等によ
り適宜きめられるが、−船釣には対顔料１０〜３０重量
％程度の範囲で調節するのが望ましい。

又、必要に応じて分散剤、増粘剤、消泡剤、耐水化剤、
滑剤、蛍光染料、ＰＨ！Ｊ１節剤等、各種の助剤を適宜
配合することもできる。

本発明に使用される基紙としては、一般に晒又は未晒の
高歩留パルプ、メカニカルパルプ又は、クラフトパルプ
を用いて、酸性又は中性で抄紙された中質コート用原紙
や上質コート用原紙が用いられるが、勿論これらに限定
されるものではない。

かかる基紙上に、Ｂ粉炭性ポリビニルアルコールを含む
特定の高固形分濃度塗被液をブレードコーティングする
ことにより、ストリークやスタラクタイト及びスクラッ
チ等を極めて効率よく改善でき、且つ接着剤を減少する
ことにより、優れた光沢度や、インキセット性を付与で
きるものである。

又、コート量については、特に限定されるものではなく
、乾燥重量で５〜３０ｇ／ｍ”といった広範囲の塗工が
可能である。しかし５ｇ／ｍ”未満では得られる塗被紙
の光沢度、平滑度、印刷後のインキ光沢が不充分となる
為、好ましくは、８ｇ／ｍ”以上のコートａにするのが
望ましく又、３０ｇ／ｍ２以上では紙面強度が低下する
為好ましくない。

尚、塗工は、片面のみならず両面コーティングも可能で
あり、さらにシングルコートのみならずダブルコートも
当然可能である。

本発明により得られる塗被紙は、スーパーキャレンダー
、グロスキャレンダー等の仕上げ装置を経て製品化され
た場合に本発明の優れた特性が顕著に発揮されるが、軽
い仕上げ処理又は仕上げ処理なしにマット調の塗被加工
紙としても使用できる。そして塗被紙に対する印刷方式
はオフセラＩ・印刷、グラビア印刷、活版印刷、フレキ
ソ印刷の何れもが採用可能であり、枚葉又は巻取りの何
れでも使用可能である。

「実施例」 以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが
、本発明はこれらの実施例によって限定されるものでは
ない。尚、実施例において示す部および％は特に記載の
ない限り重量部及び重量％を示す。

実施例−ｌ （基紙の調製） ＮＢＫＰ２０部及びＬＢＫＰ８０部から成るバルブ組成
にロジンサイズ０．３部、抄紙用タルク１５部を添加し
、硫酸バンドで抄１ＰＨ４，５に調製して、長網抄紙機
にて抄紙し、酸化澱粉を両面で１、５　ｇ　／ｍｚ付着
するようにサイズプレス処理を行い、米坪５５ｇ／ｍ”
の塗被加工紙用原紙を得た。

（塗料の調製） カオリン（商品名：ＵＷ−９Ｑ　　ＥＭＣ社製）２０部 重質炭酸カルシウム（商品名：ソフトン２２００　備北
粉化社製）　　　　　　　　　　８０部スチレン−ブタ
ジェン共重合体ラテックス（商品名：　５Ｎ−３０７住
友ノーガタツタ社製）１５部 澱粉変性ポリビニルアルコール（試作品名：パビロール
Ｃ−２００６昭和電工社製）　３部分散剤（商品名ニア
ロンＴ−４０東亜合成社製）０．５部 コーレス分散機で上記配合の塗液を調製し、塗料濃度６
３％の高固形分塗液を得た。

尚、各実施例で使用した澱粉変性ポリビニルアルコール
の製造時の仕込み重ｆｆｉ＆ｆｌ戒を表−２に示す。

次にフラデッドニップブレードコーターにて乾燥コート
量が片面１５ｇ／ｍ”、両面で３０ｇ／ｍ２となる様に
両面塗工し、その後スーパーキャレンダー掛けを行い塗
被加工紙を得た。

実施例−２ 実施例１の澱粉変性ポリビニルアルコールをパビロール
Ｃ−２００５に代えた以外は全て実施例１と同様にして
塗被加工紙を得た。

実施例−３ 実施例１の澱粉変性ポリビニルアルコール３部をバピロ
ールＣ−２００５Ｈ２部に代えた以外は全て実施例１と
同様にして塗被加工紙を得た。

実施例−４ 実施例１の澱粉変性ポリビニルアルコールをパピロール
Ｃ−２００８に代えた以外は全て実施例１と同様にして
塗被加工紙を得た。

比較例−１ 実施例Ｉの澱粉変性ポリビニルアルコールをスチレン−
ブタジェン共重合ラテックスに代えた以外は全て実施例
１と同様にして塗被加工紙を得た。

比較例−２ 実施例１の澱粉変性ポリビニルアルコール３部を酸化Ｒ
８５３（商品名：エースＡ　玉子コンスターチ社製）６
部に代えた以外は全て実施例１と同様にして塗被加工紙
を得た。

比較例−３ 実施例１の澱粉変性ポリビニルアルコール３部をヒドロ
シキエチル化澱ｔｒＩＡ（商品名ニアペレックス２５３
０アベベ社製）６部に代えた以外は全て実施例１と同様
にして塗被加工紙を得た。

かくして得られる７種類の塗被紙の塗工時の操業性をス
トリーク、スタラクタイト、スクラ・ノチの項目で目視
評価し、その結果を表−１に示した。

「評価基準」 ◎−・・・・・・−一−−−・−・Ｏ−・・・・・・・
・・−−−−一・−・・×極めて良好　　良好　　　極
めて不良 また得られた７種類の塗被紙の白紙光沢度を村上式光沢
度計により７５°／７５°に於いて測定し、その値を（
％）で表−１に示した。次にインキセットの速さを明製
作所製Ｒ１型印刷試験機を使用し、浅黄インキ０．５ｃ
ｃにて印刷し、そのインキセットの速さを観察し、その
結果も表−１に併記した。

「評価基準」 ○・・−・−・・・・・・−・・−・−Δ〜・・・・−
・−・・−・−・−・・×速い　　　やや遅い　　　　
遅い 表 １ 表−２ 「効果」 表−１からも明らかな様に、本発明の塗被紙は塗工操業
性に優れ、又、光沢度、インキセットにも優れた塗被加
工紙であった。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）顔料と接着剤を主成分とする塗被組成物を基紙上
   にブレードコーティングしてなる塗被紙において、該接
   着剤の一部として澱粉変性ポリビニルアルコールを使用
   したことを特徴とする塗被紙。
2. （２）接着剤の主成分が合成ラテックスであり、かつ澱
   粉変性ポリビニルアルコールの使用量が全接着剤の５〜
   ５０重量％である請求項（１）記載の塗被紙。