JPH0358912B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、印刷媒体（インキ、湿し水）をイン
キ装置内で、インキ装置の、長手軸心まわりに回
転可能なインキ装置の長手軸心に沿つて移送する
移送装置を備えたインキ装置に関する。

［従来の技術］ 輪転印刷機においてはインキ装置ローラの上の
インキ等の印刷媒体の層厚さに変化が生じること
によつて申し分のない印刷工程が妨げられる。即
ち、例えばオフセツト輪転印刷機においてはいわ
ゆる“インキ盛上がり”の問題が知られている。
この場合、インキの中での水の過剰な乳化が問題
となる。即ち、インキと水の混合物がインキ着け
装置と湿し装置の種々のローラの上に盛上がるの
である。それによつて、インキのはぎとりや側方
への練延ばしによつては容易には除去できない、
局部的により厚い層が生ずる。その結果、種々の
印刷障害を伴なつた、ローラへの縞状に異なつた
供給が生じる。

この現象は、幅の異なつた種々の印刷用材が通
常用いられることによつて引き起こされる。印刷
機の幅、したがつてそのインキ着け装置と湿し装
置のローラ並びに印刷装置の胴の長さは枚葉紙ま
たは巻取り紙の最大幅に合わせなければならな
い。ローラおよび胴の湿しは通常それらの全幅に
わたつて行なわれる。これが、幅の狭い枚葉紙ま
たは巻取り紙の印刷に際してそれらのローラの縁
部における湿し水の過剰を必然的にもたらす。そ
の結果、ほとんどの場合に、上述の印刷を受けな
い縁部にインキと水のエマルジヨンの盛上がりが
形成される。

先行技術としては西ドイツ特許出願公告第
3014144号を挙げることができる。この公報には
平行に配置されたいくつかのローラを有する輪転
印刷機の版胴の上に液体を塗布する装置が記述さ
れている。この装置の特徴は、軸心が平行な２本
の方向転換ローラの間で、かつ上下に重なりあう
平行な平面内に斜めに延びる２本の案内ロツドが
設けられており、そして上側端において上側案内
ロツドを少なくとも一回スパイラル状に巡りかつ
下側端において下側案内ロツドを少なくとも一回
スパイラル状に巡る閉じたループ状の搬送用ベル
トがそれぞれ対応する方向転換ローラを巡つてそ
れぞれ方向を変えるために導かれており、それに
よつてこの方向転換ローラを同じ方向に回転する
種々のローラに接触させた時に前記液体が第１の
ローラから第２のローラへ斜めに移送されるよう
になつていることである。

［発明が解決しようとする課題］ このような装置では同じローラ上でインキの軸
心方向の移送が不可能である。さらに、インキが
搬送用ベルトの下側に付着するのを避けることが
できないので、搬送用ベルトが汚れるという本質
的な欠点がある。

したがつて、本発明の目的は、局部的に狭く限
られた領域においても、例えばあるローラ上の非
印刷領域から、この同じローラ上の印刷工程に用
いられあるいはより多量のインキまたは湿し水を
必要とするような領域へのインキおよび／または
湿し水の移送を可能とするインキ装置を提供する
ことである。

［課題を解決するための手段］ この目的は本発明によれば、移送装置が、中心
軸線のまわりを回転可能な、円板の形をした少な
くとも１つの回転体を有し、該回転体がその端面
の第１の部分においてインキ装置ローラの第１の
領域と、前記端面の第２の部分においてインキ装
置ローラの、第１の領域とは長手軸心方向に異な
つた第２の領域といずれも印刷媒体を移すように
直接または間接に作用結合していることによつて
達成される。

［作用］ 本発明による装置は適宜な支持手段によつて作
動状態にしたり、あるいは作動状態を解除するこ
とが可能であり、更に、多くの異なつた印刷条件
への適合が可能なように、インキ装置ローラの所
望の区間にセツトすることが可能である。

［実施例］ 以下、本発明を添付する図面に示した若干の実
施例によつて説明する。

第１図は本発明の第１の実施例を示す図であ
る。

本実施例では、円板の形をした回転体１９が、
その回転軸心２３が、インキ装置ローラ１の長手
軸心２１と直角からわずかの角度偏差２２だけず
れた角度をなすように配置され、回転体１９の端
面２０がインキ装置ローラ１の領域４と直接接触
している。

インキ装置ローラ１が回転すると、回転体１９
が、インキ装置ローラ１と回転体１９の間に働く
摩擦力により回転軸心２３のまわりを回転する。
この回転により、インキ装置ローラ１の領域４上
のインキが回転体１９の端面２０に移送される。
端面２０とインキ装置ローラ１の領域５の間の間
〓は極めて小さいので、端面２０に移送されたイ
ンキはインキ装置ローラ１の領域５に移送され、
インキ装置ローラ１の帯域４から帯域５へインキ
が移送されたことになる。回転帯１９をインキ装
置ローラ１の長手軸心２１の方向にスライドさ
せ、かつ作動状態に入れたり作動状態を解除した
りする目的で、回転帯１９は第１図には示されて
いないベアリング部材によつてトラバースの上に
支承されている。この回転体１９を用いてもイン
キ装置ローラ１の周方向への湿し水またはインキ
の練延ばしが可能である。その理由は回転体１９
のインキ装置ローラ１との接触面が回転軸心２３
からの半径方向の距離に応じて異なつた周速度を
有するからである。

第２図は本発明の第２の実施例を示す図であ
る。

この場合、回転体１９の回転軸心２３はインキ
装置ローラ１の長手軸心２１に垂直になつてい
る。そして領域４と５の間における、インキの移
送は、回転軸心２６，２７がインキ装置ローラ１
の長手軸心２１に平行に延びている円柱状の１個
のローラ２４と２個のローラ２５を介して行なわ
れる。

本発明はこれらの図面に示された実施例に限定
されるものではない。例えばこのような装置が多
数同一のトラバース上に設けられていてもよい。
さらに、作動状態に入れたり作動状態を解除した
りすることを、回転によつてではなく、適宜なス
ライド手段によつてこの装置を直線運動させるこ
とによつても可能である。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明は、端面が、インキ
装置ローラの長手軸心の方向の異なつた２つの領
域と印刷媒体を移すように直接または間接に作用
結合する、円板の形をした回転体を用いることに
より、同じインキ装置ローラ上でのインキや湿し
水の長手軸心方向の移送を、ベルトを使わず、か
つ簡単な機構で行うことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ本発明の第１、
第２の実施例を示す図である。 １……インキ装置ローラ、４，５……領域、１
９……回転体、２０……端面、２１……長手軸
心、２２……角度偏差、２４，２５……円柱状の
ローラ、２３……回転軸心、２６，２７……回転
軸心。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印刷媒体をインキ装置内で、該インキ装置の
   長手軸心まわりに回転可能なインキ装置ローラの
   前記長手軸心に沿つて移送する移送装置を備えた
   インキ装置において、 前記移送装置が、中心軸線のまわりを回転可能
   な円板の形をした少なくとも１つの回転体１９を
   有し、該回転体１９がその端面２０の第１の部分
   において前記インキ装置ローラ１の第１の領域４
   と、前記端面２０の第２の部分において前記イン
   キ装置ローラ１の、前記第１の領域４とは長手軸
   心方向に異なつた第２の領域５といずれも印刷媒
   体を移すように直接または間接に作用結合してい
   ることを特徴とするインキ装置。 ２ 前記回転体１９の回転軸心２３が前記インキ
   装置ローラ１の長手軸心２１と直角からわずかの
   角度偏差２２だけずれた角度をなすように前記回
   転体１９が配置され、前記回転体１９の端面２０
   が前記第１の領域４と直接接触している特許請求
   の範囲第１項記載のインキ装置。 ３ 前記回転体１９の回転軸心２３が前記インキ
   装ローラ１の長手軸心２１と直交するように前記
   回転体１９が配置され、回転軸心２６が前記長手
   軸心２１と平行で、外周面が前記回転体１９の端
   面２０と前記インキ装置ローラ１の第１の領域４
   とに接触する円柱状のローラ２４と、回転軸心２
   ７が前記長手軸心２１と平行で、外周面が互いに
   接触するとともに、一方が前記回転体１９の端面
   ２０と、他方が前記インキ装置ローラ１の第２の
   領域５と接触する２個の円柱状のローラ２５が前
   記回転体１９と前記インキ装置ローラ１の間に配
   置されている特許請求の範囲第１項記載のインキ
   装置。