JPH0358735B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、病臥者が敷いている布団等敷物の交
換を病臥者および看護者の肉体的、精神的苦痛を
軽減して容易に行える寝台装置に関する。

（従来の技術） 老齢、重症あるいは身体上の不自由のため寝た
きりの患者の敷布団等敷物を交換する場合、通常
看護者が患者を抱き上げて一旦他に移すなどをし
て交換することが一般的である。そこで、このよ
うな場合に生じる問題点に対する解決方法につい
て、特公昭62−55421号公報や特開昭62−253057
号公報にて提案されている手段がある。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、前記提案の手段は看護者や介助
者の肉体的負担を軽減することはできるが、患者
にとつては身体をなかば回転させたり、感触性に
劣りあるいは不安定な器材上に自助努力も交えて
移すなど患者の肉体的、精神的苦痛は軽減されず
むしろ増加する問題があつた。

本発明は、前記のような問題を解決するための
ものであり、看護者や介助者だけでなく患者にも
肉体的、精神的苦痛を伴わずに前記患者の敷布団
等の敷物を交換することができる寝台装置を提供
することを目的としている。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、 寝台の床部分を第１床部と第２床部との２つの
部分に分割する分割線に平行な、第１受けローラ
ーと第２受けローラーとを備え、 第１床部を構成する第１床部材は、一端を床部
分の一端に固定されると共に他端側を第１受けロ
ーラーを介して床部分下方に掛け回され、 第２床部を構成する第２床部材は、一端を床部
分の他端に固定されると共に他端側を第２受けロ
ーラーを介して床部分下方に掛け回され、 第１受けローラーと第２受けローラーとは、敷
物が通過し得る間隙を保ちながら、分割線と直角
な床面方向に移動可能とされてなることを特徴と
する。

寝台装置である。

上記において、第１床部材の他端と第２床部材
の他端とが連結していてもよい。

また、寝台の床部分を、長手方向に分割して、
前方を前方床とし後方を後方床とするか、又は幅
方向に分割して、左方を左方床とし右方を右方床
としてもよい。

さらにまた、第１受けローラーと第２受けロー
ラーとが、一定の幅の間隙を保つための、受けロ
ーラー連結具を備えていてもよい。

（作用） 以上の構成を有するので、第１受けローラーと
第２受けローラーとが、例えば第１床部方向に移
動されると、第１床部材は他端側から間隙を通つ
て順次床部下方に引き降ろされ、これと同時に第
２床部材が間隙を通つて床部分に引き上げられ
る。これにより、第１床部材上に第１の敷物を敷
き、第２床部材上に第２の敷物を添わせておけ
ば、第１床部材上の第１の敷物を、患者に対して
ずらすことなく第１床部材とともに間隙から床部
分下方に引き込むとともに、第２の敷物を第２床
部材とともに患者の下面に順次当接させることが
できる。

（実施例） 本発明寝台装置の実施例を図面にもとづいて説
明する。

なお、以下の例において、前方床１は請求の範
囲における第１床部を構成し、後方床２は同第２
床部を構成し、前方受けローラー１１は同第１受
けローラーを構成し、後方受けローラー２１は同
第２受けローラーを構成する。

第１図において、床部分は間隙３のところで分
割され、上下方向のみに可曲性を持つ部材で構成
した前方床１と後方床２にしてあり、前方床１の
一端は前方フレーム７に前方固着部７１で固着さ
れ、他端は前方受けローラー１１に掛け回されて
前方巻きローラー５に周着されており、後方床２
の一端は後方フレーム８に後方固着部８１で固着
され、他端は前記間隙３を挟んで前方受けローラ
ー１１と対向する後方受けローラー２１に掛け回
されて後方巻きローラー６に周着されている。

また、前方受けローラー１１と後方受けローラ
ー２１は間隙３の幅を一定に保つため受けローラ
ー連結具３１で連結されている。ローラー連結具
は間隙の幅を敷物の厚さ等により調整可能であつ
てもよい。なお、前記前方受けローラー１１およ
び後方受けローラー２１はともに荷重により下方
へ下がらないようサイドフレーム９で支持され、
前方床１および後方床２は、それぞれ前方巻きロ
ーラー５および後方巻きローラー６で常に巻張さ
れる機構（図示せず）を備えている。サイドフレ
ーム９は、前方受けローラー１１および後方受け
ローラー２１を移動可能に支持する案内手段を構
成し、これによつて、前方受けローラー１１と後
方受けローラー２１とが、分割線と直角な床面方
向に移動可能とされる。前方受けローラー１１、
後方受けローラー１２は、前方床及び後方床を滑
らかに掛け回す作用をなすものであればよい。

第１図において、前方巻きローラー５を（反時
計方向に）回転して前記前方床１の他端から巻き
つけていくと、前方受けローラー１１が連動して
引き寄せられ前方床１が縮むこととなるととも
に、受けローラー連結具３１により一定の幅の間
隙３を保有して後方受けローラー２１も引き寄せ
られて後方巻きローラーから後方床２が繰り出さ
れて伸びることとなり、同時に間隙３の位置も前
方（フレーム７）側へ移動する。

なお、これら一連の動き、作用は可逆的に行え
るものである。

第３図は本発明の特許請求の範囲第２項に記載
の寝台装置の実施態様の例を示すもので、この例
により、本発明によつて敷物を交換する手順につ
いて説明する。

前方巻きローラー５を反時計方向に回転して前
方受けローラー１１を引き寄せ、間隙３が、病臥
者Ｍが敷いている敷物Ａの（後方側）端部A′の
下へさしかかつたとき、この端部A′を前記前方
床１に添つて前記間隙３から下方へ差し込み、同
時に別の敷物Ｂの（後方側）端部B′を後方床２
に添つて前記間隙３から上方へ差し込み、ひきつ
づき前記前方巻きローラー５を反時計方向に回転
して前記前方床１を引き寄せ、これによつて前記
間隙３の位置を前方（フレーム７）側へ移動さ
せ、前記敷物Ａ全体を前記後方床２の下方へ取り
除き、同時に前記敷物Ｂ全体を前記後方床２の上
に敷き込むことが完了するまで行うことにより、
前記敷物Ａは敷物Ｂと交換される。

このとき敷物Ａおよび敷物Ｂの厚さに応じて、
本発明の請求項４に記載の受けローラー連結具３
１を用いて間隙３の幅を適切に保てば、敷物Ａが
端部A′から下方へ移した直後にその個所に相当
する敷物Ｂの個所が上方へ移行して病臥者の下に
順次連続的に敷かれ、病臥者は何等の自助努力の
必要がなく、臥寝したままで敷物の交換が行われ
る。なお、これら一連の作動をするための駆動動
力源および交換作業を補助する装置（図示せず）
を備える場合は、より簡易に前記敷物の交換が行
える。図中のローラー１５，１６を回転すること
により、床部材にかかる張力を調整したり、患者
が代わつた際等に床部材の使用位置を変えたりす
る。

本発明を変形・応用することにより、敷物の交
換を行わず単に間隙の移動だけを適切に行えば病
臥者の床擦れ防止にも役立つ。さらに、敷物を単
に除き着衣も除いて第１図に示す受けローラー連
結具を用いずに前方巻きローラーを巻いて間隙を
病臥者の足もとから次第に拡げて、予め前方床の
下に用意した浴槽に病臥者を足から下して入浴さ
せ、逆の操作で浴槽から上げてバスタオルを敷い
た後部床に移す等看護の高度化にも有効である。

なお、従来のように病臥者の移動に用いる装置
や病臥者を一時移すための、余分なスペースを必
要とせず、多数の多数の患者を看護する病院等で
は床面積の有効率を高め、一般家庭では家族の看
護を容易にするなど、経済効果も大きい。

（発明の効果） 本発明は以上説明したように、寝台の床部分を
第１床部と第２床部との２つの部分に分割する分
割線に平行な、第１受けローラーと第２受けロー
ラーとを備え、 第１床部を構成する第１床部材は、一端を床部
分の一端に固定されると共に他端側を第１受けロ
ーラーを介して床部分下方に掛け回され、 第２床部を構成する第２床部材は、一端を床部
分の他端に固定されると共に他端側を第２受けロ
ーラーを介して床部分下方に掛け回され、 第１受けローラーと第２受けローラーとは、敷
物が通過し得る間隙を保ちながら、、分割線と直
角な床面方向に移動可能とされてなるので、第１
受けローラーと第２受けローラーを間隙を保ちな
がら移動させることにより、患者を動かさず、寝
たままで敷物の交換ができ、しかも、床部分に寝
た患者に対して敷物をずらすこともなく、敷物を
交換することができる。

これにより、看護者にも病臥者にもともに肉体
的、精神的苦痛を軽減して病臥者の敷布団等を交
換できるだけでなく、簡便に敷物を交換でき、従
来不衛生になりがちであつた病臥者の敷物を頻繁
に交換して衛生を向上し、上布団等の端部が間隙
への落ち込みが生じないように注意して行えば上
布団等を着たままでも敷物の交換ができ、病臥者
の風邪にかかることを予防したり寝間着姿を他人
に見せずにすむ等の効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明寝台装置の第１実施例の縦断面
図、第２図は第１実施例の平面図、第３図は他の
実施例の縦断面図、第４図は他の実施例の平面図
である。 １……前方床、１１……前方受けローラー、２
……後方床、２１……後方受けローラー、３……
間隙、３１……受けローラー連結具、５……前方
巻きローラー、６……後方巻きローラー、７……
前方フレーム、７１……前方固着部、８……後方
フレーム、８１……後方固着部、９……サイドフ
レーム、Ａ……既設の敷物、A′……Ａの端部、
Ｂ……交換しようとする敷物、B′……Ｂの端部、
Ｍ……患者。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 寝台の床部分を第１床部と第２床部との２つ
   の部分に分割する分割線に平行な、第１受けロー
   ラーと第２受けローラーとを備え、 第１床部を構成する第１床部材は、一端を床部
   分の一端に固定されると共に他端側を第１受けロ
   ーラーを介して床部分下方に掛け回され、 第２床部を構成する第２床部材は、一端を床部
   分の他端に固定されると共に他端側を第２受けロ
   ーラーを介して床部分下方に掛け回され、 第１受けローラーと第２受けローラーとは、敷
   物が通過し得る間隙を保ちながら、分割線と直角
   な床面方向に移動可能とされてなることを特徴と
   する 寝台装置。 ２ 第１床部材の他端と第２床部材の他端とが連
   結している 請求項１記載の寝台装置。 ３ 寝台の床部分を、長手方向に分割して、前方
   を前方床とし後方を後方床とするか、又は幅方向
   に分割して、左方を左方床とし右方を右方床とし
   てなる 請求項１または２記載の寝台装置。 ４ 第１受けローラーと第２受けローラーとが、
   一定の幅の間隙を保つための、受けローラー連結
   具を備えている 請求項１から３のいずれかに記載の寝台装置。