JPH03576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ばねで軸線方向に移動可能に支持
されている制動板を、電磁石の摩擦板と対向配置
した電磁ブレーキに関するものである。

〔従来技術〕

一般に、この種の電磁ブレーキにおいては、電
磁石の摩擦板と制動板とが摩擦することによりブ
レーキをかけている。ところが、従来の電磁ブレ
ーキは摩擦板が摩耗してくると、制動板の移動距
離が大きくなり、それにともない、制動板を支持
しているばねのたわみ量も大きくなつて、ばねが
疲労破壊してしまう欠点があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この考案は前記の従来の技術に鑑みてなされた
ものであり、考案が解決しようとする問題点は、
摩擦板の摩耗によるばねの破壊を防ぐことにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するためにこの考案におい
ては、固定部位に設けられ、所定厚さのリング状
の摩擦板を有する電磁石と、前記摩擦板と直交す
る方向に延びる回転軸に一体的に回転するように
設けられた回転板と、前記摩擦板と対向位置する
リング状の制動板と、その制動板を前記回転板に
軸線方向に移動可能に支持するばねとを有する電
磁ブレーキにおいて、前記リング状制動板は、前
記リング状摩擦板と重合させた時に、摩擦板側に
露出する部分を有するように設けられていること
と、前記リング状制動板の摩擦板側に露出する部
分に対向配置され、且つ前記摩擦板の前記制動板
に対向する制動面よりも前記電磁石の吸引方向に
沿つて偏倚させてストツパーを設けている。

〔作用〕

上記構成により、摩擦板が摩耗したとしても、
制動板がストツパーに当接するので、制動板を支
持するばねのたわみ量が制限され、ばねの破壊を
防ぐことができる。しかも、摩擦板が所定量摩耗
するまでは、ストツパーは制動板の移動に何ら影
響を与えず、本来のブレーキ作用は損なわれな
い。

〔実施例〕

以下に、この考案を具体化した一実施例を図面
に従つて説明する。１はモータで、外箱１ａ内に
ステータ１ｂを有し、その外箱１ａに両端を回転
自在に支持した回転軸２にロータ１ｃが固定され
ている。３はプーリで、後述する回転板４に、前
記回転軸２と一体的に回転するように固定されて
いる。そのプーリ３はベルト（図示せず）を介し
て工業用ミシンなどの外部負荷と連結されてい
る。５は電磁石で、モータ１の外箱１ａの一端に
ネジ６で固定されたリング状のフレーム５ａと、
そのフレーム５ａの端面に沿つて形成した溝内に
配置されたコイル５ｂと、そのコイルを覆うコル
ク，アスベストなどの摩擦板５ｃとから構成さ
れ、摩擦板５ｃの外面は、回転軸２の軸線方向と
直交するリング状の制動面となつている。４は回
転板で、モータ１の軸受７との間に数枚のワツシ
ヤ８を挾んで回転軸２にナツト９で固定されてい
る。その回転板４は、ワツシヤ８の数を増減する
ことにより、回転軸２との間に挿入した半月キー
１０に沿つて軸線方向に移動調節できる。また回
転板４は、第２図に示すように放射状に延びる３
個の腕を有している。１１はリング状の板ばね
で、回転板４の腕にリベツトで固定されている。
１２はリング状の制動板で、回転板４と板ばね１
１とを固定した箇所から60度ずれた位置の３箇所
で板ばね１１にリベツトで固定され、板ばねの弾
性を利用して軸線方向に移動可能に支持されてい
る。１３はストツパーで、制動板１２の内径より
大きな外径を持ち、制動板１２よりも電磁石側に
おいて回転板４にネジ１４で固定されている。

常には前記制動板１２は、電磁石５の制動面と
わずかな間隔をおいて対向位置し、ブレーキ時に
コイル５ｂに電流を流すと、板ばね１１の作用に
抗して制動面に圧接するように制動板１２を引き
つける。

長期にわたつて使用していると、制動面の摩擦
板５ｃが摩耗して、制動板１２の移動量が大きく
なり板ばね１１が疲労破壊してしまう。

しかし、回転板４に固定されたストツパー１３
があるために制動板１２の移動量が制限され、板
ばね１１が疲労破壊することもなくなる。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案は、回転軸と一体
回転する回転板に、回転軸の軸線方向に移動可能
にばね支持されたリング状の制動板が、固定部位
に設けられた電磁石のリング状の摩擦板と重合し
た時に、摩擦板側に露出する部分を有するように
設けられており、前記リング状制動板の摩擦板側
に露出する部分に対向するとともに、前記摩擦板
の制動面よりも前記電磁石の吸引方向に沿つて偏
倚させてストツパーが設けられた構成のため、摩
擦板が摩耗すると制動板がストツパーに当接して
それ以上の制動板の移動が規制されてばねの破壊
が防止され、ブレーキの耐久性を増すことができ
る。

しかも、ストツパーは、摩擦板が所定量摩耗す
るまでは制動板に当接しないので、制動板の移動
に何ら影響を与えず、本来のブレーキ作用を確実
に発揮させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化した実施例の断面図、
第２図は第１図の主要部分解斜視図である。 図中、１はモータ、２は回転軸、４は回転板、
５は電磁石、１１は板ばね、１２は制動板、１３
はストツパーである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 固定部位１５に設けられ、所定厚さのリング状
   の摩擦板５ｃを有する電磁石５と、前記摩擦板５
   ｃと直交する方向に伸びる回転軸２に一体的に回
   転するように設けられた回転板４と、前記摩擦板
   ５ｃと対向位置するリング状の制動板１２と、そ
   の制動板１２を前記回転板４に軸線方向に移動可
   能に支持するばねと１１を有する電磁ブレーキに
   おいて、 前記リング状制動板１２は、前記リング状摩擦
   板５ｃと重合させた時に、摩擦板側に露出する部
   分を有するように設けられていることと、 前記リング状制動板１２の摩擦板側に露出する
   部分に対向配置され、且つ前記摩擦板の前記制動
   板に対向する制動面よりも前記電磁石の吸引方向
   に沿つて偏倚させてストツパー１３を設けたこと を特徴とする電磁ブレーキ。