JPH0356996Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は変圧器を保護するとともに、電線路
の事故を防止するカツトアウトに係り、さらに詳
しくは避雷ユニツトを内蔵したカツトアウトのリ
ード線接続用の端子金具に関する。

（従来の技術） 従来、カツトアウトはその本体碍子に収納筒を
一体に形成し、同収納筒の内腔に避雷ユニツトを
収容し、収納筒の外端開口部にはキヤツプ金具を
嵌合固定し、その上面には端子金具を取付け、こ
の端子金具にはリード線を接続している。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、従来の端子金具は、収納筒内の避雷
ユニツトに過大な雷サージによつて続流アークが
発生し、収納筒内に高温、高圧ガスが生じた場
合、キヤツプ金具が収納筒から離脱したり、変形
あるいは破口して放圧するが、この際、端子金具
を介してリード線に衝撃力が伝達されるので、リ
ード線が離断して、キヤツプ金具が脱するなどの
問題があつた。

この考案は上記の問題点を解消したカツトアウ
トの提供を目的とするものである。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は前記の問題点を解決するために、磁
器製の本体碍子内に設けた電源側及び負荷側の固
定電極間を接続あるいは開放するヒユーズ筒を具
備したカツトアウトにおいて、 前記本体碍子に内腔を有する収納筒を一体に形
成し、前記内腔には避雷ユニツトを前記負荷側の
固定電極に直列に接続して収納し、かつ前記収納
筒の外部開口縁を放圧可能なキヤツプ金具をもつ
て封口させるとともに、このキヤツプ金具の上面
に取付けられる水平部と、同水平部にほぼ直交す
るように一体形成した垂直部とからなるほぼＬ字
状をなすリード線接続用の端子金具をキヤツプ金
具に取付け、前記水平部と垂直部の境界部付近に
可撓部を設けるという手段を採用している。

（作用） この考案は、放圧によつてキヤツプ金具が収納
筒の端部から離脱したり、変形あるいは破口する
際、端子金具の先端部にはリード線が連結されて
いるので、端子金具の可撓部がリード線に作用す
る衝撃力を吸収あるいは緩和して、リード線の離
断を防ぎ、あわせて、キヤツプ金具の飛脱が防止
される。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を第１図
〜第５図に基づいて説明する。

第５図に示すように、磁器製の本体碍子１内に
は隔壁２，２で区画した電源側電極室３及び負荷
側電極室４が形成されている。該両電極室３，４
内には、それぞれ固定電極５，６及び消弧室７，
８がその基端部分において充填物９により埋込み
固定されている。前記固定電極５，６には、それ
ぞれ接続端子１０，１１が取着され、電源側リー
ド線と負荷側リード線（図示略）とにそれぞれ接
続される。

本体碍子１の開放側（第５図において下側）に
は、絶縁蓋１２が開閉自在に軸着され、該絶縁蓋
１２の内側には前記固定電極５，６間を接続ある
いは開放する一対の接触刃１３ａ，１３ｂを備え
たヒユーズ筒１３が着脱可能に装着されている。

本体碍子１の背面側（第５図において上側）の
中央部には収納筒１４が一体に形成され、その内
部には内腔１４ａが形成されている。該内腔１４
ａはその上部において開口し、下部においては隔
壁２，２間に開口されるとともに、前記負荷側の
隔壁２に設けた導孔２ａを介して前記負荷側電極
室４に連通している。又、該内腔１４ａの内周面
には第４図に示すように上側開口より内径の小さ
な開口を有する環状の断部１４ｂが形成されてい
る。この段部１４ｂの上側に位置する収納筒１４
の内周面は、段部１４ｂ側ほど小径となるテーパ
面１４ｃに形成されている。

前記内腔１４ａ内には下側導電ユニツト１５、
ギヤツプユニツト１６、非直線抵抗体ユニツト１
７及び上側導電ユニツト１８が順次収容されてい
る。

そこで、ギヤツプユニツト１６及び非直線抵抗
体ユニツト１７を第４図に基づいて説明する。

ギヤツプユニツト１６はアルミナ磁器等の無機
質材料によつて形成された耐圧絶縁筒体１９を備
え、その上端面には溶融金属製の薄板電極２０が
銀ペーストによる焼付けあるいは蝋着等により接
着固定され、その中央部下面には上部放電電極２
１が溶着されている。前記耐圧絶縁筒体１９の外
周面は、前記収納筒１４のテーパ面１４ｃと同様
にテーパ面１９ｃが形成されている。そして、前
記テーパ面１４ｃ，１９ａにより耐圧絶縁筒体１
９が段部１４ｂ側へ押圧された場合、その押圧力
が段部１４ｂ以外にテーパ面１９ａから後記する
絶縁物３０を介してテーパ面１４ｃへ分散され
て、段部１４ｂに局部的な応力の集中が作用する
のを防止して、段部の破損を抑制することができ
るようにしている。

又、耐圧絶縁筒体１９の下面には例えばFe−
Ni合金製の耐圧電極板２２が銀ペーストによる
焼付けあるいは蝋着等により接着固定され、その
中央部上面には下部放電電極２３が溶着されてい
る。この実施例では前記耐圧絶縁筒体１９、薄板
電極２０、耐圧電極板２２及び両放電電極２１，
２３等により、ギヤツプユニツト１６を構成して
いる。前記耐圧電極板２２の中央部下面には後述
する下側導電ユニツト１５の導電棒３５を螺合す
るためのネジ筒２４が固定されている。

前記耐圧電極板２２の下面にはアルミナ磁器等
の無機質材料によつて形成された熱歪防止リング
２５が銀蝋付け等により固定され、耐圧絶縁筒体
１９の耐圧電極板２２の材質上の熱膨脹係数の相
違による耐圧電極板２２の湾曲を防止して両者１
９，２２の接着面の剥離を防止し得るようにして
いる。前記熱歪防止リング２５を前記段部１４ｂ
との間には、平座金２６及びクツシヨン材２７が
介在されている。

前記耐圧絶縁筒体１９の上部外周面と収納筒１
４の内腔１４ａの内周面との間及び耐圧電極板２
２の外周面と前記テーパ面１４ｃとの間には、そ
れぞれ独立発泡ゴム等の衝撃吸収リング２８，２
句が嵌装されている。さらに、前記テーパ面１４
ｃと、ギヤツプユニツト１６の外周面、衝撃吸収
リング２８，２９、熱歪防止リング２５、平座金
２６及びクツシヨン材２７との間には、ウレタン
ゴム等の弾性絶縁物３０が充填されている。

前記非直線抵抗体ユニツト１７は酸化亜鉛ZnO
よりなる所定数の筒状の非直線性抵抗素子３１を
備え、該非直線性抵抗素子３１の上面、下面及び
相互間には電極板３２が配置されて、相互間が接
合されている。そして、非直線抵抗体ユニツト１
７は下方の電極板３２介して前記ギヤツプユニツ
ト１６に直列に接合されている。前記非直線抵抗
体ユニツト１７の外周面はEPR（エチレンプロピ
レンブゴム）を主材とした熱収縮性チユーブ３３
や、耐熱性に優れたシリコンゴムチユーブにより
絶縁包蔵され、かつ、内腔１４ａの周面間に形成
された若干の空隙にはウレタンゴム等の絶縁物３
４が充填されている。

前記ネジ筒２４に装着された下側導電ユニツト
１５について説明すると、同ネジ筒２４に螺合し
た導電棒３５にはＯリング３６を介してシール金
具３７が嵌合され、このシール金具３７の上面と
前記段部１４ｂの下面との間には、Ｏリング３８
が介在されている。前記導電棒３５の下端部には
前記シール金具３７を皿バネ３９及びバネホルダ
ー４０を介して上方へ押圧するナツト４１が螺合
されている。さらに、前記導電棒３５の下端部に
はビス４２により、下側導電ユニツト１５を前記
負荷側固定電極６に接続するリード線４３が装着
されている。なお、前記内腔１４ａの下部には絶
縁物４４が充填されている。

次に、上側導電ユニツト１８について説明する
と、該ユニツト１８は内腔１４ａ内において非直
線抵抗体ユニツト１７の上側に配置され、かつ同
ユニツト１７を構成する導電筒４５は小径の円筒
部４５ａと、該円筒部４５ａの下部外周に形成さ
れた底板４５ｂと、該底板４５ｂの外周に突設さ
れた周壁部４５ｃとを備え、該底板４５ｂにおい
て非直線抵抗体ユニツト１７の電極板３２に接合
されている。前記円筒部４５ａの上端開口部は
鉛、銅等よりなる蓋４６によつて閉鎖されてい
る。又、導電筒４５と内腔１４ａ内周面との間に
も前記絶縁物３４が充填されている。

前記収納筒１４の上端部に、シールリング４７
を介してカシメ着されたキヤツプ金具４８と前記
導電筒４５の底板４５ｂとの間に、その上下両端
を可撓導体４９によつて接続したバネ導体５０が
介装されている。

なお、前記キヤツプ金具４８は続流遮断不能時
の短絡電流アークによる内部ガス圧力で膨出変形
して放圧し易いように、その中央面を帽状に突出
させた銅板等の薄肉金属板をもつて形成され、か
つ、破口のためのノツチ（図示略）等を設けてい
る。又、放電電極２１，２３は低融点合金等の薄
肉金属板製とし、ノツチ等を適宜設けてガスによ
る溶失あるいは破口可能に構成しておくことが望
ましい。

前記キヤツプ金具４８の上面にはリード線５１
接続用の端子金具５２が設けられている。端子金
具５２の片面にはクランプ板５３がボルト５４に
より締付固定され、クランプ板５３と端子金具５
２との間にリード線５１が挟着されている。又、
このリード線５１の他端は例えば腕金（図示略）
等の接地導体に止着されている。さらに、前記端
子金具５２はキヤツプ金具４８に接着固定される
水平部５２ａと同水平部５２ａに直交する垂直部
５２ｂとからなり、水平部５２ａは二股上に分岐
され、両部５２ａ，５２ｂの境界部を撓みを許容
する可撓部５２ｃとしている。そして、収納筒１
４内の異常高圧により、キヤツプ金具４８が第２
図に示すように収納筒１４から離脱したり、ある
いは第３図に示すようにキヤツプ金具４８の一部
が破口して部分的に離脱したりする際、前記垂直
部５２ｂが可撓部５２ｃを中心に展開され、この
キヤツプ金具４８の移動エネルギによるリード線
５１への衝撃的な引つ張り力を緩和してリード線
５１の離断によるキヤツプ金具４８の飛散を防止
するようにしている。

次に、上記のように構成されたカツトアウトに
ついて、その作用を説明する。

本考案では端子金具５２の水平部５５ａと垂直
部５２ｂとの境界部を可撓部５２ｃとしたので、
避雷ユニツトが過大な雷サージによつて続流アー
クを発生して収納筒１４内が高圧となり、キヤツ
プ金具４８が収納筒１４から離脱した場合、端子
金具５２の可撓部５２ｃにより、垂直部５２ｂが
水平部５２ａに対して撓むため、リード線５１に
作用する瞬時の引つ張り力を緩和してその離断を
防止し、キヤツプ金具４８の飛散を防止すること
ができる。

なお、本考案は次のように具体化することも可
能である。

(1) 第６図に示すように端子金具５２の湾曲部に
切欠形成した狭隘部を可撓部５２ｃとしたり、
第７図に示すように垂直部５２ｂの基端部に複
数の透孔５２ｄを多数設けて、同部を可撓部５
２ｃとしたり、第８図に示すように湾曲部に溝
５２ｅあるいは長孔（図示略）を形成して可撓
部５２ｃを形成したりするこ。

(2) 図示しないが、筒型のカツトアウトに具体化
するこ。

ここで、本考案のカツトアウトの要部である端
子金具５２の構造を、避雷器に応用した実施例を
第９図に基づいて説明する。

この応用例は磁器、ガラスあるいはゴム等の絶
縁物よりなる円筒型の碍管６１内の上端部にギヤ
ツプユニツト１６を内蔵するとともに、その下部
に非直線抵抗体ユニツト１７を内蔵し、碍管６１
の下部に上側導電ユニツト１８と同様の導電ユニ
ツト１８′を介してキヤツプ金具４８を装着して
いる。

前記碍管６１の内周面にはテフロンシートある
いはアスベスト入ゴムシート等の耐熱性に富む材
料よりなる熱遮蔽シート６２が設けられ、同シー
ト６２と非直線性抵抗素子３１の外周面との間
を、異常放圧時に高圧のガスが下方へ移動する空
隙６３としている。又、前記導電棒３５の上端露
出部には高圧側リード線４３が接続されている。

この応用例においても、前記実施例と同様に異
常放圧時に空隙６３から高圧のガスがキヤツプ金
具４８側へ吹き出した場合、同キヤツプ金具４８
の飛散を防止することができる。

考案の効果 以上詳述したように、この考案は過大な雷サー
ジによつて非直線抵抗体ユニツトが続流遮断不能
になり、続流アークによる高温、高圧のガスによ
りキヤツプ金具が収納筒から離脱した場合に、端
子金具の可撓部により端子金具の垂直部を撓ませ
てリード線に作用する衝撃的な引つ張り力を緩和
し、リード線の離断を防止することができ、この
結果キヤツプ金具をリード線に連結したままの状
態に保持し、カツトアウトの避雷ユニツトが正常
かいなかの判断を用意に行い、復旧作業を用意に
行うことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化したカツトアウトの
要部である端子金具のみの斜視図、第２図及び第
３図はキヤツプ金具が収納筒から離脱した状態を
示す部分断面図、第４図はカツトアウトに装着し
た避雷ユニツトの縦断面図、第５図はカツトアウ
トの全体を示す断面図、第６図〜第８図はそれぞ
れ端子金具の別例を示す斜視図、第９図は本考案
を避雷器に応用した例を示す中央部縦断面図であ
る。 １……本体碍子、５，６……固定電極、１３…
…ヒユーズ筒、１４……収納筒、１４ａ……内
腔、１５……下側導電ユニツト、１６……ギヤツ
プユニツト、１７……非直線抵抗体ユニツト、１
８……上側導電ユニツト、１９……耐圧絶縁筒
体、２１，２３……上部（下部）放電電極、２２
……耐圧電極板、２４……ネジ筒、３１……非直
線性抵抗素子、３５……導電棒、４５……導電
筒、５１……リード線、５２……端子金具、５２
ａ……水平部、５２ｂ……垂直部、５２ｃ……可
撓部、５２ｄ……透孔、５２ｅ……溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁器製の本体碍子１内に設けた電源側及び負荷
   側の固定電極５，６間を接続あるいは開放するヒ
   ユーズ筒１３を具備したカツトアウトにおいて、 前記本体碍子１に内腔１４ａを有する収納筒１
   ４を一体に形成し、前記内腔１４ａには避雷ユニ
   ツトを前記負荷側の固定電極６に直列に接続して
   収納し、かつ前記収納筒１４の外部開口縁を放圧
   可能なキヤツプ金具４８をもつて封口させるとと
   もに、このキヤツプ金具４８の上面に取付けられ
   る水平部５２ａと、同水平部にほぼ直交するよう
   に一体形成した垂直部５２ｂとからなるほぼＬ字
   状をなすリード線接続用の端子金具５２をキヤツ
   プ金具４８に取付け、前記水平部５２ａと垂直部
   ５２ｂの境界部付近に可撓部５２ｃを設けたこと
   を特徴とするカツトアウト。