JPH0356884Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、テープレコーダ等の磁気ヘツドを消
磁するための消磁器に関し、更に詳しくは、所謂
フイリツプス型のカセツトと外形が同一規格のカ
セツト内に消磁ヘツド等を内蔵し、この消磁器カ
セツトをテープレコーダに装着してPLAY釦を押
すことによつて、テープレコーダの磁気ヘツド
（被消磁用ヘツド）が自動的に消磁器カセツトの
消磁ヘツドと当接すると共に、消磁器カセツト内
の消磁回路駆動用のマイクロスイツチがバネ材を
介してONするようにしてなる消磁器に係る。

〔従来技術およびその問題点〕

通常テープレコーダは、長期に亘り使用し続け
ると、その発生する磁界により磁気ヘツド等が帯
磁し、録音再生特性が劣下する傾向にあるため、
一定期間毎に消磁を行なう必要がある。

そこで、カセツト式テープレコーダにおける磁
気ヘツドの消磁を容易にするため、第８図に示す
ようなフイリツプス型のコンパクトカセツトと同
一規格のケース１内に消磁信号発生回路２を組込
み、被消磁用ヘツドの挿入窓３にその前面を臨ま
せた消磁ヘツド４をケース１内に後退自在に配設
すると共に、この消磁ヘツド４にその中央部を当
接させて消磁ヘツド４を挿入窓３方向に押圧する
両端支持の長尺のバネ材５を設け、消磁ヘツド４
の後退に伴つて弾性変形するバネ材５によつて、
マイクロスイツチ６をONさせるようにした消磁
器Ａが提案されている。かかる消磁器Ａは、通常
のテープ再生操作、即ち、ケース１をテープレコ
ーダ内に適正にセツトした後、PLAY（再生）釦
を押すだけで被消磁ヘツドにより消磁ヘツド４が
押されて後退し、マイクロスイツチ６がONして
消磁信号発生回路２が作動して減衰交番電圧を発
生させ、自動的に消磁ヘツド４によつてテープレ
コーダの磁気ヘツドが消磁されるようになつてい
る。従つて、消磁操作に何ら熟練を要さず、極め
て使い勝手の良いものである。なお、第８図にお
いて、７はボタン型水銀電池等よりなる消磁器Ａ
の電源部、８はテープレコーダの回転軸挿入孔で
ある。

しかしながら上記構成においては、第９図に示
すように、両端を例えばピン状の支持部材９に保
持されたバネ材が、消磁ヘツド４の後退によつて
その中央部を押されて突出変形する際に、マイク
ロスイツチ６内の復帰用リーフスプリングよりな
る作動片１０によつて反力を受けるため、消磁ヘ
ツド４の左右において反力がアンバランスとなる
ものであつた。何んとなれば、バネ材５における
消磁ヘツド４との当接箇所から支持部材９までの
長さが左右同一であると、第９図において右側の
反力はバネ材５の反力だけであるが、左側のそれ
はバネ材５と作動片１０との反力を合わせたもの
となるため、消磁ヘツド４を押返す力が左右アン
バランスとなつた。このため、消磁ヘツド４と当
接する被消磁ヘツド１１の先端の曲率半径が小さ
いと特に顕著であるが、消磁ヘツド４が傾いて両
ヘツド４，１１が適正状態で接触できず、消磁が
不完全になる恐れのあるものであつた。

〔考案の目的〕

従つて本考案の目的とするところは、上記従来
技術のもつ欠点を解消し、マイクロスイツチの作
動片の反力があつても、バネ材における消磁ヘツ
ドとの当接箇所の左右において、消磁ヘツドを押
返す力が左右均等となるようにし、消磁ヘツドが
傾くことなく常に適正状態で被消磁ヘツドと当接
する消磁器を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案の消磁器は上記目的を達成するため、前
記バネ材の２つの支持箇所の一方から、マイクロ
スイツチの作動片を駆動するための延出自由端部
を略直角に折曲げて形成してなる。

〔考案の実施例〕

第１図は本考案の１実施例に係り、同図におい
て従来と同一の部材には同一の符号を付してあ
る。

同図において、１２は前記バネ材５と同一機能
をもつバネ材で、略く字形を呈し、金属又は合成
樹脂製の板バネからなる。このバネ材１２は、そ
の一方端および略直角に折曲げた折曲げ部の２箇
所で支持部材９によつて保持されており、自由端
部をマイクロスイツチ６の作動片１０に対向させ
ている。このマイクロスイツチ６は前記したた従
来例から90°だけ回転した位置関係にあり、消磁
ヘツド４の後退によつて、第１図２点鎖線図示の
ように弾性変形するバネ材１２の自由端側で駆動
される。この際、消磁ヘツド４の左右におけるバ
ネ材１２からの反力は、バネ材１２がＬ形を呈し
ていることから、作動片１０の反力がバネ材１２
の自由端側に作用してもこれが自由端側と直角な
バネ部材部分には消磁ヘツド４を押戻す力成分と
してはあまり作用しないため、左右の反力が略々
均等となり、前述したように消磁ヘツド４が傾く
恐れは殆んどない。

なお、上記バネ部材１２の折曲げ部に、第２図
のように突条１２ａを設ければ折曲げ部が補強さ
れるし、第３図のように、両面に突条１２ａを設
ければ、支持部材９との滑りが良く一層好都合で
ある。又、或いは第４図示のように、折曲げ部に
補強部材１３を固着しても良いし、第５図示のよ
うに折曲げ部に固着した補強部材１４に孔１４ａ
を設け、ここに支持部材９を嵌入するようにすれ
ば取付けも容易となる。

第６図は本考案の他の実施例を示しており、該
実施例において、バネ材１５は２箇所の支持部材
９，９からそれぞれ略直角に折曲げられた自由端
部を有しており、その一方に作動片１０が、他方
に前記作動片１０のバネ力に見合う補強バネ材１
６が設けられており、この場合は前述した消磁ヘ
ツド４の左右の反力がより均等となり、一層消磁
ヘツド４の傾き防止効果が高まる上、バネ材１５
の取付けに左右逆でも良いので組立て性も良好と
なる。

第７図は本考案の更に他の実施例に係り、この
場合は、バネ材１７の一方の折曲げ自由端側に長
孔１７ａを設けてバネ力を他方自由端よりも弱く
すると共に、長孔１７ａを設けた側に作動片１０
を配し、他方にストツパ１８を配し、やはり同様
に消磁ヘツド４の左右の反力を均等にするように
してある。

なお、前述した実施例においてはバネ部材とし
て板バネを示したが、線バネにも適用可能である
ことは言うまでもない。

〔考案の効果〕 以上詳述したように本考案によれば、消磁ヘツ
ドを押返す左右の力が略均等になるので、消磁ヘ
ツドが傾くことなく、消磁ヘツドと被消磁ヘツド
とが常に適正状態で接触でき、従つて消磁不良の
恐れのない信頼性の高い消磁器を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第７図は本考案に係り、第１図はその
１実施例の要部斜面図、第２図、第３図はバネ材
の折曲げ部の異なる実施態様を示す説明図、第４
図、第５図はバネ部材の折曲げ部に補強部材を取
付けた２つの実施例の説明図、第６図は補強バネ
材を設けた実施例の説明図、第７図はバネ材に長
孔を設けた実施例の要部斜視図、第８図および第
９図は従来例に係り、第８図は消磁器全体を示す
ケース上面部を取去つた状態の平面図、第９図は
動作説明のための要部平面図である。 Ａ……消磁器、１……ケース、２……消磁信号
発生回路、４……消磁ヘツド、５，５Ａ，５Ｂ…
…バネ材、６……マイクロスイツチ、９……支持
部材、１０……作動片、１１……被消磁ヘツド、
１２，１５，１７……バネ材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 消磁器のケース本体内には、交番電圧を発生す
   る消磁信号発生回路と、該消磁信号発生回路の駆
   動を制御するマイクロスイツチと、ケース本体に
   設けられた被消磁用ヘツドの挿入窓にその前面を
   臨ませ且つケース本体内部に後退自在に保持され
   た消磁ヘツドと、該消磁ヘツドの後端部にその一
   部を当接させ消磁ヘツドを前記挿入窓方向に押圧
   する長尺のバネ材と、前記消磁ヘツドの後退によ
   つて弾性変形する前記バネ材によつて駆動される
   前記マイクロスイツチの作動片とが設けられた構
   成において、前記バネ材は消磁ヘツドとの当接箇
   所から離れた両側でそれぞれ保持され、この保持
   箇所の一方から略直角に延びた自由端において前
   記作動片を駆動するようにしたことを特徴とする
   消磁器。