JPH0356733Y2

JPH0356733Y2 -

Info

Publication number: JPH0356733Y2
Application number: JP1986116159U
Authority: JP
Priority date: 1986-07-29
Filing date: 1986-07-29
Publication date: 1991-12-20
Also published as: JPS6323527U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、連続焼鈍炉等においてラジアント
チユーブの温度分布を改善したラジアントチユー
ブ用バーナに関する。

〔従来の技術〕

一般に、連続焼鈍炉等に使用されるラジアント
チユーブ用バーナにおいては、ラジアントチユー
ブの有する耐熱性や寿命の点から、できるだけチ
ユーブ全体を均一に加熱して局部的な高温部が発
生しないようにし、燃焼性を良くして煤の発生を
おさえ、かつこのような燃焼条件で公害上の問題
からNoxの発生量を規制値以下に抑制するなど、
様々な機能が要求される。

そして、このような要求を満たすものとして、
特公昭52−29007、実開昭54−120733、特開昭57
−14106号公報に開示されたような２段燃焼タイ
プのバーナが考案されている。

これらのバーナは、それぞれ上記要求を満たす
ためにノズルに工夫が施されているが、いずれも
燃焼用エアを２系統で燃焼室に供給することで２
段燃焼を行つている。これを第４図に示す。同図
ａは要部を切欠した側面図、同図ｂは同図ａの部
分拡大部、同図ｃは同図ｂのＡ矢視図である。

図において、１はラジアントチユーブで、その
全体図の一例を第１図に示す。２はラジアントチ
ユーブ１内へ挿着されたバーナを示す。３はガス
供給口で、ここからガスチヤンバ４へ供給された
燃焼用ガスは、ガスパイプ５を通つてバーナヘツ
ド６に開口するガスノズル７から吹出して燃焼す
る。８はバーナヘツド６のフランジであつて、ラ
ジアントチユーブ１との間の隙間によつて外流エ
アノズル９を形成している。

１０は燃焼用エアの供給口であつて、ここから
供給されたエアは、バーナヘツド６で画成される
ラジアントチユーブ１内の空間によつて形成され
たエアチヤンバ１１内へ入り、その一部は、前記
外流エアノズル９から吹出してガスと共に一次燃
焼F₁を行い、一方、バーナヘツド６に設けた円
筒状の内流エアノズル１２から吹出すエアは一次
燃焼における未燃分のガスと二次燃焼F₂を行う
ことによつてほぼ完全燃焼し、その結果生じた高
温の燃焼ガスが第１図に示したラジアントチユー
ブ１全体を加熱するようになつている。

以上のような２段燃焼を最適の状態において燃
焼させるためには、上記一次燃焼F₁に消費され
るエア量と二次燃焼F₂で消費されるエア量とを
所定の比率で燃焼室１３へ供給することが必要と
なる。そして、この比率に調整する方法として、
(1)バーナへの供給を２系統で行い、各々の流量調
整を行う、(2)バーナへの供給は１系統とし、外
流、内流のエアノズルの開口面積比率を所定の流
量比率とする、の２方法が考えられるが、ラジア
ントチユーブを使用する燃焼炉の場合、(イ)伝熱効
率を高くするため多数のラジアントチユーブを近
接して配置する必要がある、(ロ)燃焼用エアの予熱
を行う場合、ラジアントチユーブの直後にレキユ
ペレータを付設し各バーナ毎の燃焼用エアの予熱
を行う。このため前記(1)の２系統の流量コントロ
ールを行うためには、複雑な配管が必要であつ
て、設備費の上昇にもつながるので、一般的には
前記(2)の両エアノズルの開口面積を所定の面積比
率とすることで、一次、二次の燃焼比率を調整し
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来のバーナにあつ
ては、エアノズルの開口面積は、内流エアノズル
１２で二次燃焼F₂用エア量を規制し、バーナヘ
ツド６のフランジ８外周とラジアントチユーブ１
内壁との隙間で一次燃焼F₁用のエア量を規制す
るようになつており、一方ラジアントチユーブ１
は通常、第１図に示すようにＭ型であつて、外径
が５〜８インチ、長さｌは1500〜2000mmであるこ
とから製造上の事情によつて内径誤差は±0.5〜
1.0mm程度と比較的精度が悪いため、フランジ８
外周（外径D₁）とラジアントチユーブ１内壁
（内径D₀）との隙間、すなわち外流エアノズル９
の開口面積を一定にかつ隙間の幅を一様に保つこ
とは困難となる。従つて内流エア量と外流エア量
との比率がバーナ設計時の所定値と異なり、前述
の要求された種々のバーナとしての機能を十分に
保有することができないばかりでなく、バーナ自
身が熱によつて変形したり、あるいはバーナ軸心
がラジアントチユーブ軸心に対してずれを生じ、
そのため外流エアのノズル全周への配分が不均一
となつて燃焼にムラが生じる、といつたことが起
きる。また円周方向で不均一な燃焼が生じると、
ラジアントチユーブの周方向温度分布を不均一と
し、ひいては局部的な高温部を生じてラジアント
チユーブの寿命を著しく低下させるという問題が
あつた。

この考案は、このような従来の問題にかんがみ
てなされたものであつて、バーナに円筒体を設け
ることにより、上記問題点を解決することを目的
としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、ラジアントチユーブに挿着するバ
ーナであつて、下流側に突出する二次燃焼用の内
流エアノズルと、その周りに囲むように前記内流
エアノズルより上流側に配置した複数の燃料ガス
ノズルと、その燃料ガスノズルを囲む一次燃料用
の外流エアノズルを形成させるためのフランジと
を有するバーナヘツドを含むラジアントチユーブ
用バーナにおいて、前記フランジの外側に、該フ
ランジと同心に円筒体を設け、該円筒体の内周と
該フランジの外周との間に、幅が全周にわたつて
一様で且つ開口面積が所定の大きさの隙間からな
る円環状の外流エアノズルを形成したことを特徴
とするものである。

〔作用〕

ラジアントチユーブ用バーナに設けた円筒体
は、バーナのフランジと同心に設けられており、
また円筒体の内周とフランジの外周との間に形成
される隙間の幅は全周にわたつて一様であるた
め、この隙間で構成される外流エアノズルを通つ
て供給されるエアの流量はフランジの全周にわた
つて一様であり、且つエアの時間あたりの流量は
一定の流速の下では一定に保たれ、これによりフ
ランジ周方向での燃焼の不均一は生じない。

また、前記隙間の開口面積は所定の大きさであ
るため、この隙間で構成される外流エアノズルと
内流エアノズルとの開口面積の比率を所定値とす
ることができる。

さらにバーナ自身が前記隙間からなる外流エア
ノズルを形成しているため、バーナの熱変形やバ
ーナとラジアントチユーブとの軸心のずれが生じ
ても、フランジ周方向のエア量分布は常に一定に
保つことができることから、ラジアントチユーブ
内径の精度に関係なく正常で円周方向に均一な燃
焼を行わせることができる。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に基づいて説明する。第
１〜３図はこの考案の一実施例を示す図である。
なお、従来例と同一の部分については同一符号を
付し、重複する説明は省略する。

図において、２０は精度の高い内径D₂を有す
る円筒体であつてバーナ２２にバーナヘツド６と
同心に設けられたものである。２９は外流エアノ
ズルであつて、前記円筒体２０とバーナヘツド６
の外径D₁なるフランジ８の外周との間にその幅
１／２（D₂−D₁）が一様な隙間によつて形成された
ものである。さらに、このエアノズル２９の開口
面積は内流エアノズル１２の開口面積との比率が
一定となるような大きさに形成されている。２１
はエアチヤンバであつて、円筒体２０とバーナヘ
ツド６によつて画成された空間であり、ここから
外流エアノズル２９及び内流エアノズル１２を経
て燃焼用エアが燃焼室１３へ供給される。

以上の構成において、燃焼用エア供給口１０か
らエアチヤンバ２１へ供給されたエアは、外流エ
アノズル２９と内流エアノズル１２とから一定の
比率の流量に分かれて吹出し、一方、ガスノズル
７から吹出した燃焼用ガスと共に燃焼室１３にお
いて、それぞれ一次燃焼F₁及び二次燃焼F₂を行
う。その結果、ラジアントチユーブ１はその管壁
の全周にわたつて均等に加熱され、局所的な加熱
部などを生じない。これを第３，５図において、
実施例と従来例とを比較して示す。図において縦
軸にラジアントチユーブの周方向の温度の高い値
と低い値を示し、横軸にバーナヘツドからの距離
を示す。第５図の従来例においては、バーナの軸
心がラジアントチユーブの軸心とずれていたため
に、外流エアノズル９の幅が一様でなく、円周方
向の温度分布において高低差ΔTが約110℃も生
じたことを示しており、この値は平均温度に対し
て50〜60℃高温の部分が生じたことを意味し、こ
れはラジアントチユーブの寿命を短くする原因と
なる。

一方、第３図の実施例においては、上記ΔT≒
20℃で、平均温度に対する差は約10℃にすぎず、
ラジアントチユーブの周方向温度分布は大幅に改
善されたことを示している。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によればバーナ
のフランジの外側に、該フランジと同心に円筒体
を設け、該円筒体の内周とフランジの外周との間
に、幅が全周にわたつて一様で且つ開口面積が所
定の大きさの隙間からなる外流エアノズルを形成
する構造としたために、該外流エアノズルから供
給されるエアの流量・流速は、その全周にわたつ
て常時安定し、ラジアントチユーブの全長にわた
つて局部加熱がなくなり、ラジアントチユーブの
寿命を大幅に延長できるという効果が得られる。
この効果の実施例を次の寿命年数の長さで示す。

Ａ炉（800℃）で従来例は４〜５年、実施例は
７〜８年。

Ｂ炉（950℃）で従来例は３〜４年、実施例は
５〜６年。

【図面の簡単な説明】

第１図はラジアントチユーブの全体図、第２図
は本考案に係る実施例の概要図であつて、同図ａ
はその側面図、同図ｂは同図ａの部分拡大図、同
図ｃは同図ｂにおけるＡ矢視図、第３図は実施例
の作用及び効果説明図、第４図は従来例のバーナ
の概要図であつて、同図ａはその側面図、同図ｂ
は同図ａの部分拡大図、同図ｃは同図ｂのＡ矢視
図、第５図は従来例の作用及び効果説明図であ
る。１……ラジアントチユーブ、２，２２……バー
ナ、８……フランジ、２０……円筒体、２９……
間隙（外流エアノズル）。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ラジアントチユーブに挿着するバーナであつ
て、下流側に突出する二次燃焼用の内流エアノズ
ルと、その周りに囲むように前記内流エアノズル
より上流側に配置した複数の燃料ガスノズルと、
その燃料ガスノズルを囲む一次燃料用の外流エア
ノズルを形成させるためのフランジとを有するバ
ーナヘツドを含むラジアントチユーブ用バーナに
おいて、前記フランジの外側に、該フランジと同
心に円筒体を設け、該円筒体の内周と該フランジ
の外周との間に、幅が全周にわたつて一様で且つ
開口面積が所定の大きさの隙間からなる円環状の
外流エアノズルを形成したことを特徴とするラジ
アントチユーブ用バーナ。