JPH0355906Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、比較的大電流を取り扱う電源装置の
電流検出回路に関し、特に、実際の動作電流に比
べて遥に少量の電流及び電力によつて、その感度
の調整が可能な電流検出回路に関する。

（従来の技術） 電源装置は、回路の動作状態を確認するため
や、過電流時の保護動作のために電流検出回路を
備えるのが一般的である。従来、この種の電流検
出回路では、負荷に流れる電流を実際に流して、
その感動値を確認する方式が一般的であつた。

（考案が解決しようとする問題点） 然るに、従来の電流検出回路の感動値の確認や
感度の調整の方式に於いては、電源装置へ供給す
べき電力が、少なくともその定常動作時に必要と
される電力に等しいかあるいはそれ以上必要であ
り、また、負荷の過電流に対する感度調整の場合
に於いても、定常動作時に接続されるよりも大き
な負荷電流を流し得る疑似負荷を準備することが
必要であるという問題点があつた。

そこで、本考案の目的は、実負荷や疑似負荷が
なくても感度の確認や調整ができる電流検出回路
の提供にある。

（問題点を解決するための手段） 前述の問題点を解決するために本考案が提供す
る手段は、負荷に直列に接続した低抵抗分流器
と、前記分流器における電圧降下を計測して過大
な負荷電流を検出する回路とが備えてある電流検
出回路であつて、可変抵抗器及び限流抵抗器を直
列に接続してなる抵抗回路と、前記低抵抗分流器
より抵抗値が大きく前記抵抗回路に直流に接続し
てある高抵抗分流器と、前記低抵抗分流器の電圧
降下又は前記高抵抗分流器の電圧降下のいずれか
を選択して前記負荷電流検出回路に導くスイツチ
とからなり、前記抵抗回路及び前記高抵抗分流器
とからなる直列回路は前記負荷に並列に接続して
あることを特徴とする。

（実施例） 次に本考案の実施例について図面を参照して説
明する。

第１図は本考案の一実施例のブロツク図であ
る。１は大電流低感度の低抵抗分流器であり、こ
の例では許容電流が100Aで抵抗値が0.001Ωの温
度安定度に優れた銅板からなる。２は分流された
電流を計測して、負荷電流表示器７に計測値を出
力するとともに、計測値が予め設定した閾値を越
えたとき異常を表しその閾値以下のとき正常を表
す状態表示信号２１を出力する負荷電流検出回路
である。３，３′は試験用切替スイツチであり、
高抵抗分流器４の電圧降下と低抵抗分流器１の電
圧降下とのうちのいずれかを選択して、負荷電流
検出回路２へ接続する。６は源流抵抗器で、高抵
抗分流器４に流す試験電流の最大値を制限する。
５は、その試験電流を調整するための可変抵抗器
である。

第１図に示される試験用切替スイツチ３，３′
の状態は、大電流動作時（負荷に接続してあると
き）に於ける回路接続状態を示す。

試験調整時には、試験用切替スイツチ３，３′
を第１図とは反対側（ｂ−ｃ，b′−c′間がそれぞ
れ導通となる状態）に接続する。高抵抗分流器４
は許容電流が1Aで抵抗値が0.1Ωの温度安定度に
優れた銅板からなり、通電電流が少なくても十分
に大きな検出出力（電圧降下）が得られるので、
負荷電流検出回路２へは、大電流動作時と同等の
入力を加えることができる。

なお、本実施例では分流器１，４の抵抗値等を
具体的に示したが、本考案ではこれらの値は適用
する電流装置の電源や電圧に応じて適切に設定す
る。

（考案の効果） 以上に説明したように、本考案は、低電流高感
度の低抵抗分流器に微少の試験電流を流す回路を
備え、かつ、その電流を試験調整に必要な範囲に
互つて可変できる可変抵抗器を備えているので、
大電流負荷を使用しなくても、負荷電流検出器、
負荷電流表示器及び状態表示信号を受けて応動す
る回路の動作試験調整を簡便に実施することがで
きる。そこで、本考案の電流検出回路では実負荷
や疑似負荷がなくても感度の確認や調整ができ
る。

また、本考案の回路構成に於いては、負荷電流
の有無に係らず、独立に試験調整が可能であるか
ら、本考案の機能を付加された電源装置が実動状
態にあつて試験調整のための停止が不可能な場合
に於いても、その動作に支障を与えること無く試
験調整ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のブロツク図であ
る。 １……低抵抗分流器、２……負荷電流検出回
路、３，３′……試験用切替スイツチ、４……高
抵抗分流器、５……可変抵抗器、６……限流抵抗
器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 負荷に直列に接続した低抵抗分流器と、前記分
   流器における電圧降下を計測して過大な負荷電流
   を検出する回路とが備えてある電流検出回路にお
   いて、可変抵抗器及び限流抵抗器を直列に接続し
   てなる抵抗回路と、前記低抵抗分流器より抵抗値
   が大きく前記抵抗回路に直流に接続してある高抵
   抗分流器と、前記低抵抗分流器の電圧降下又は前
   記高抵抗分流器の電圧降下のいずれかを選択して
   前記負荷電流検出回路に導くスイツチとからな
   り、前記抵抗回路及び前記高抵抗分流器とからな
   る直列回路は前記負荷に並列に接続してあること
   を特徴とする電流検出回路。