JPH0355247Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、小形機器内の電池収容装置、特にボ
タン型電池の如き小形乾電池の収容に好適な電池
収容装置に関する。

〔考案の背景〕

電子技術の発達に伴い、小型カメラのような携
帯用精密機器においても各種の計測や調節操作が
自動化され、そのエネルギー源としての乾電池を
機器本体内に交換可能に内蔵するものが多くなつ
た。殊にその精密機器の小型軽量化が進むに従つ
て、乾電池も小型で容量の大きいボタン型の水銀
電池、酸化銀電池や２酸化マンガンリチウム電池
などが多く使用されている。このボタン型の電池
は、極めて小形なためにつまみ難く、機器本体に
設けられた電池室内に極性を合わせて挿入した
り、これを電池室から取り出したりする操作が容
易で無い欠点が有る。そのため、第６図に示すよ
うに、機器本体１の電池室２を密閉するための電
池蓋３に絶縁性の円筒４を設け、その円筒４内に
ボタン型電池５を収納してその円筒４と共に電池
５を電池室２内に挿入するように構成された電池
収容装置が知られている。

この従来の電池収容装置の電池蓋３に設けられ
た円筒４の外周には、電池５の抜き取りを容易に
するために、互いに対向する幅の広い２つの切欠
き溝４ａが設けられ、ボタン型電池の陽極と一体
のすなわち陽極に連なつた外周面５ａの一部が、
この切欠き溝４ａから大きく露出するように構成
され、また、ボタン型電池の陰極をなす一方の端
面５ｂは、金属性の電池蓋３の内部突出面３ａに
接触するように構成されている。そのため、この
従来装置においては、切欠き溝４ａから露出する
電池外周と電池蓋３とに誤つて金属片が触れると
シヨートしてしまう欠点が有り、また、電池５が
収納された電池蓋３を電気的に導通性のある台上
で誤つて倒した場合にも電池蓋３を介して、電池
５がシヨートする恐れが有つた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記従来装置の欠点を解決し、電池
の外周と電池蓋との両者に金属片等が接触しても
シヨートする恐れが無く、電池室への電池の装填
および取り出しが容易でしかも安価な電池収容装
置を提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

上記の目的を達成するために本考案は、電池室
の電池挿入口に着脱可能に設けられ且つ小型電池
の一方の端面に接触可能な接点部を有する電池蓋
とその電池蓋から突出して電池蓋に支持され、且
つ小型電池を内部に保持する電池保持筒と、その
電池蓋内に設けられ且つ電池蓋を電池室の電池挿
入口からはずしたときに小型電池の一方の端面を
前記の接点部から離間させるように付勢するばね
手段とを設け、電池を電池室から取り出したとき
は、その電池は電池室から絶縁されるように構成
することを技術的要点とするものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を添付の図面に基づいて
詳しく説明する。

第１図はカメラに設けられた本考案の実施例を
示す断面図で、第２図は第１図に示す本考案実施
例の要部をなす電池収容蓋の断面図、第３図は第
２図のＡ−Ａ断面図である。

第１図において、カメラ本体の底壁１０には電
池室１１を区画する電気的に不良導体の電池箱１
２が固設され、その電池箱１２の上部内面には接
点ばね１３が設けられている。この接点ばね１３
は、電気コード１４を介してカメラ本体内の図示
されない電気装置に接続している。また、カメラ
本体底壁１０の下面に小ねじ１５によつて固設さ
れた導電性を有する底カバー１６には金属製の電
池室口金１７が固設され、この電池室口金１７に
電気的良導体にて形成された電池蓋１８が着脱可
能に螺合している。

この電池蓋１８は、底部外面に電池蓋１８を電
池室口金１７に締め付けるためのコイン溝１９を
有し、底部内面には、下部ボタン型電池２０Ｂの
陰極を構成する端面２０ａが接触導通可能な球面
状接点部１８ａが形成されている。また、電池蓋
１８の内面には、２個のボタン電池２０Ａ，２０
Ｂを収納可能な電池保持筒２１が嵌合して設けら
れ、電池保持筒２１を電池蓋１８に押し込んだと
きに、電池保持筒２１の外周に設けられた突起部
２１ａと電池蓋１８の内周に設けられた突起部１
８ｂとが第２図に示すように係合する如く構成さ
れている。その電池保持筒２１は、絶縁性とわず
かな弾性とを有するプラスチツク等の材料にて形
成され、その底面には第３図に示す如く円周方向
に長く伸びた３個の板ばね２１ｂが電池保持筒２
１と一体に形成されている。各板ばね２１ｂは、
それぞれの自由端の上面が、第２図に示すよう
に、電池蓋１８の球面状接点部１８ａの頂点より
高くなるように折り曲げられた状態に形成され、
そのばねの強さは、接点ばね１３の付勢力より弱
く、且つ２個のボタン型電池２０Ａ，２０Ｂの合
計重量よりも十分強い付勢力を有するように構成
されている。さらに、電池保持筒２１の外周に
は、挿入されたボタン型電池２０Ａ，２０Ｂを取
り出すための互いに対向する２つの幅の広い切欠
き溝２２が設けられている。なお、板ばね２１ｂ
を含む電池保持筒２１と電池蓋１８とをもつて、
電池保持蓋２３が構成される。

第１図に示す実施例は上記の如く構成されてい
るので、電池保持蓋２３の電池蓋１８を電池室口
金１７に締め付け固定した第１図の状態において
は、板ばね２１ｂより強い付勢力を有する接点ば
ね１３が上部ボタン型電池２０Ａの陽極を構成す
る端面２０ｂを押圧するので、下部ボタン型電池
２０Ｂの端部陰極面２０ａは、電池蓋１８の球面
状接点部１８ａの頂点に圧接されている。従つ
て、下部ボタン型電池２０の陰極面２０ａは、電
池蓋１８、電池室口金１７、底カバー１６を介し
てカメラ本体底壁１０にボデイアースされてい
る。また、上部ボタン型電池２０Ａの端部陽極面
２０ｂは接点ばね１３、コード１４を介して図示
されない電気装置に接続している。

図示されない硬貨（コイン）を電池蓋１８のコ
イン溝１９に挿入して回転すると、電池蓋１８と
電池室口金１７との螺合が解かれ、電池蓋１８と
共に電池保持筒２１を電池室１１から抜き出すこ
とができる。この場合、２個のボタン型電池２０
Ａ，２０Ｂは電池保持筒２１内に挿入されたまま
分離すること無く電池室１１から抜き出される。
その際、第１図中で上部ボタン型電池２０Ａが接
点ばね１３の自由端１３ａから離れ、その付勢力
から解放されるので、板ばね２１ｂの付勢力によ
り下部ボタン型電池２０Ｂは上部ボタン型電池２
０Ａと共に僅かに上昇し、第２図において２点鎖
線にて示すように、下部ボタン型電池２０Ｂの陰
極面２０ａと電池蓋１８の球面状接点部１８ａと
の間にすき間が生じる。従つて、切欠き溝２２か
ら露出しているボタン型電池２０Ａ，２０Ｂの端
部陽極面２０ｂに連なつて同じ極性を有する外周
面２０ｃと電池蓋１８の外周面とに、ドライバー
や他の金属片のような電気的に導通性を有する部
材が接触してもシヨートするようなことは無い。

また、第４図に示すように、電気的に導通性を
有する台板Ｂ上で誤つて電池保持蓋２３を倒し、
上部ボタン型電池２０Ａの外周端２０ｄと電池蓋
１８のフランジ部１８ｃとが台板Ｂに接しても、
下部ボタン型電池２０Ｂの陰極面２０ａと電池蓋
１８の球面状接点部１８ａとの間には板ばね２１
ｂの付勢力によりすき間ｄが生じているから、シ
ョートする恐れが無い。

電池を交換する場合には、電池保持筒２１の対
向する２つの切欠き溝２２に露出しているボタン
型電池２０Ａ，２０Ｂの外周面を指でつまみ、電
池保持筒２１から抜き出し、新しいボタン型電池
２０Ａ，２０Ｂの陰極面２０ａを電池蓋１８の球
面状接点部１８ａの方に向けて、電池保持筒２１
内に挿入する。その後、これを電池室１１内に挿
入して、電池蓋１８をねじ環１７に締め付けれ
ば、電池室１１が閉じられると同時に、下部ボタ
ン電池２０Ｂの陰極面２０ａは接点ばね１３の付
勢力により、電池蓋１８の球面状接点部１８ａに
圧接され、電池の装填が完了する。この場合、電
池室１１への挿入途中では、電池の陰極面２０ａ
が電池蓋１８の球面状接点部１８ａから離れてい
るので、電池外周面２０ｃと電池蓋１８とが他の
金属部分に接触することが有つてもシヨートする
ようなことは無い。

なお、板ばね２１ｂは、電池保持筒２１と一体
にプラスチツク成型可能なように構成されている
が、電池保持筒２１とは別体の絶縁性と弾性とを
有する部材にて構成してもよい。また、第５図に
示すように、電池保持筒２１Ａが電池蓋１８Ａ内
で軸方向に摺動可能に構成すると共に、電池保持
筒２１Ａと電池蓋１８Ａとの間に金属製の圧縮コ
イルばね２４を設けても、第１図の実施例と同様
の効果が得られる。

さらに、第１図においては本考案をカメラの電
池室に適用した例を示したが、カメラに限ること
無く小型の携帯用機器の電池室にも実施できるこ
とは云うまでも無い。また、電池保持筒２１，２
１Ａ内に挿入される電池には、２個の薄いボタン
型電池２０Ａ，２０Ｂを用いたが、２個と同じ機
能を有する厚い１個の電池を用いてもよく、ある
いは２個以上のボタン型電池を用いても上記の実
施例と同様な効果が得られる。

〔考案の効果〕

以上の如く本考案によれば、電池の一方の電極
を電池蓋の接点部から離間させるように付勢する
ばね手段を設けたので、電池の外周面と電池蓋と
に金属片等が接触しても、シヨートする恐れが無
く、極めて安全性が高い電池ホルダーに構成する
ことができるばかりで無く、小型電池でもその出
し入れが極めて容易で、しかも部品点数が少く安
価に提供できる利点が有る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図で、第２
図は本考案の要部をなす電池蓋部の断面図、第３
図は第２図のＡ−Ａ断面図、第４図は電池が電池
蓋部と共に倒れた状態を示す断面説明図、第５図
は本考案の第１図とは別の実施例を示す電池蓋部
の断面図、第６図は従来装置を示す断面図であ
る。 主要部分の符号の説明、１１……電池室、１７
……電池室口金（電池挿入口）、１８……電池蓋、
１８ａ……球面状接点部（接点部）、２０Ａ，２
０Ｂ……ボタン型電池（小型電池）、２１，２１
Ａ……電池保持筒、｛２１ｂ……板ばね、２４…
…圧縮コイルばね｝（ばね手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の端面とは異なる極性の他方の端面と外周
   面とを有する小型電池を収容する電池室が設けら
   れた機器において、前記電池室の電池挿入口に着
   脱可能に設けられ且つ前記小型電池の前記一方の
   端面に接触可能な接点部を有する電池蓋と、該電
   池蓋に突出して支持され且つ前記小型電池を内部
   に保持する電池保持筒と、前記電池蓋内に設けら
   れ且つ前記電池蓋を前記電池挿入口からはずした
   ときに前記小型電池の前記一方の端面を前記接点
   部から離間させるように付勢するばね手段とから
   成ることを特徴とする小型電池用電池保持装置。