JPH0354150Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ダイヤモンド格子状のインターシ
ヤー柄、アーガイル柄（第１２図、第１３図参
照）等の柄模様が編める横編機の柄出機構に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来この種の横編機は、第９図〜第１１図に示
すように、屋根形に配置した２列の針床５１と、
針床の針に上下運動を与えるカム（図示省略）を
内蔵し左右方向に往復運動する対のキヤリツジ５
２と、キヤリツジと共に動いて針に糸を供給する
複数の糸道５３と、糸を立てる棚５４等の要部か
ら構成されている。

対向するキヤリツジ５２は鞍６６で連結され、
鞍の水平部から下向きに糸道作動ピン６７が突出
している。

柄出機構の主要部である糸道５３は、第１１図
に示すように、針床に沿つた水平状ガイドレール
５５に上部の糸道ボツクス５６を介して横方向ス
ライド自在（第１１図矢印方向参照）に取付けら
れており、糸道ボツクスの上面には凹所６０があ
る。

鞍より下向きに出ている糸道作動ピン６７が編
成時、柄に合せて凹所６０に適宜係合しキヤリツ
ジの横移動に合せてその糸道が移動する。

糸道の移動量は、向き合う糸道ストツパ６１の
間隔により決まる。糸道ストツパはフレーム上で
左側に突出した糸道操作部５７（第９図参照）内
の水平方向の長尺の親ねじ５８に螺着し、左右方
向に往復運動する移動杵５９によつて、左右に所
要量移動する。

キヤリツジの糸道作動ピン６７はストツパに突
き当たるとストツパカムにより自動的に糸道から
外れるようになる。また親ねじ５８は、機台側方
に設置されているエレクトロニクス制御器６３
（第９図参照）からの指令により、直結したギヤ
ードモータ６４によつて適宜正逆転される。

糸道５３の下端には供糸口６５を備えている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、この従来の横編機の柄出機構におい
ては、糸道ボツクスに糸道ストツパが突き当たる
際シヨツクで跳ね返ることがあり、編成した柄に
誤差が生じ柄模様の色糸の境界線が不規則になる
と共に、柄に合わせて各糸道ストツパを順次移動
させる間に待ち時間があり機台に停止時間が発生
し、生産効率が低い等の問題点があつた。

この考案は、従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的とす
るところは、各糸道の移動がスムースで正確な柄
模様が得られると共に停止時間が発生せず、高能
率に運転される横編機の柄出機構を提供しようと
するものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この考案における
横編機の柄出機構は、糸道に取付けられたベルト
を駆動するサーボモータと、キヤリツジに取付け
られたベルトを駆動するサーボモータと、各サー
ボモータ回路に接続したエレクトロニクス制御器
とからなり、キヤリツジ駆動サーボモータの回転
から発生するパルスを介して各糸道駆動サーボモ
ータを、編組すべき柄模様に対応してキヤリツジ
のスピードと同期しながら順次所要パルス分回転
させて糸道を順次所要量移動させるようにしたも
のである。

〔作用〕

この様に構成された横編機の柄出機構は、糸道
ストツパが削除でき、キヤリツジ駆動サーボモー
タの回転によるキヤリツジの移動中の位置を基準
とし、エレクトロニクス制御器からの指令で各糸
道駆動サーボモータがキヤリツジのスピードと同
期させながら順次所要パルス分回転させて糸道を
順次所要量移動させる。この際糸道間に待ち時間
がないと共に、例えばキヤリツジ及び糸道の移動
寸法１mmに対し100パルスの信号を用いると全く
誤差のない極めて正確な柄模様が得られる。

〔実施例〕

第１図〜第８図は、この考案の実施例を示し、
この横編機は、第１図及び第２図に示すように、
屋根形に配置した２例の針床１と、針床の針に上
下運動を与えるカムを内蔵し左右方向に往復運動
する対のキヤリツジ２と、キヤリツジ２と共に動
いて針に糸を供給する複数の糸道３と、糸を立て
る棚４等の要部から構成されており、キヤリツジ
２はフレームの右側に取付けられたキヤリツジ駆
動サーボモータ５によつて駆動され、フレームの
左側には柄出用エレクトロニクス制御器６が設置
されている。

対のキヤリツジ２は、逆Ｕ状形鞍７で連結され
ると共に水平状ガイドレール８にスライド自在に
載置され、連結金具９（第３図参照）を介して無
端環状歯付ベルト１０に固着されている。歯付ベ
ルト１０とサーボモータ５との間には２段の減速
用無端環状歯付ベルト１１が設けられている。

柄出機構について詳細に説明する。各糸道３
は、第３図〜第６図に示すように、先端に供糸口
１２を備え糸道支持板１３に糸道受１８を介して
上下スライド自在に支持されている。糸道支持板
は断面工形ガイドレール１４に２対のころ１５を
介して左右スライド自在に嵌合され、無端環状歯
付ベルト１６に止金具１７を介して固着されてい
る。

糸道３の直上にある屈曲板状糸道受１８は、糸
道支持板の中央縦溝１９に上下スライド自在に挿
入され、コイルばね２０で常時上向きの弾性が付
勢され、柄により必要時に少し上下動する。

無端環状の歯付ベルト１６は、糸道駆動サーボ
モータ２２によつて駆動され他端のテンシヨンプ
ーリー２３によつて引張られている。糸道駆動サ
ーボモータは、機台フレームに左側と右側とに向
き合つて複数個が取付けられており、柄糸数に対
応して適宜セツトされる。

また、ガイドレール１４には向き合つて２個の
糸道支持板１３が嵌合されている。

次に柄出機構の作用を、第７図及び第８図に基
づいて説明する。マイクロコンピユーター即ちエ
レクトロニクス制御機に、編立柄模様のデータを
記録させたカセツトテープ又はフロツピイー等を
セツトし、ここからの指令によつてドライバを介
してキヤリツジ用サーボモータが回転して、例え
ばキヤリツジが1350mm幅間を２、３秒間で往復運
動し編立幅1000mmの製品が編成される。

キヤリツジ用サーボモータに付設してあるエン
コーダから、キヤリツジ移動寸法１mmに対して
100パルスの信号（全ストロークでは135000パル
ス）をマイクロコンピユーターに向けて発生し、
移動中のキヤリツジの位置が極めて正確に把握さ
れる。

マイクロコンピユーターからは、これを基準
に、且つカセツトテープ又はフロツピイーのデー
ターを基にしてそれぞれドライバを介して、例え
ば12個あるうちの糸道駆動サーボモータを所要パ
ルス分回転させて各糸道をキヤリツジのスピード
と同期させながら所要寸法順次移動させ所要の柄
模様の編地を編立てることができる。なお、各糸
道駆動サーボモータは回転に伴つてエンコーダを
介してパルスをマイクロコンピユーターに向けて
伝え位置を知らせる。

第８図は、例えば７個の糸道を用いたインター
シヤー柄編立図を示し、第１糸道は100mm移動し、
次に第２糸道は200mm移動するようにして順次糸
道が移動して所要の柄を編たてることを示し、各
糸道は５mm（１針分）交差して柄の完全な境目線
が形成される。

キヤリツジ駆動サーボモータと糸道駆動サーボ
モータとは同期モータであつて、キヤリツジ及び
糸道が１mm移動する寸法に対し100パルス発信し
てそれぞれが詳細に位置決めされており、連続し
た編立運転が行われると共に色糸の境界線の正し
い極めて正確な柄が得られる。

このため、例えば第１３図に示すように、糸道
が一気に大きく横移動しなければならないような
インターシヤー柄を編立てる場合、従来の柄出機
構の親ねじ棒が回転して糸道ストツパを移動させ
る機構では機台が一時停止していたが、本考案の
柄出機構では連続して編立運転ができ柄によつて
２倍程度の生産効率が向上する。また、フレーム
の左側に親ねじ等がないため構造が簡単で且つ機
械全長が約2/3に短縮でき工場の有効利用が図ら
れる利点がある。

〔考案の効果〕 この考案は、上述の通り構成されているので、
次に記載する効果を奏する。

キヤリツジ及び糸道を無端環状歯付ベルトに取
付けると共にそれぞれ同期のサーボモータで駆動
させ、各サーボモータをエレクトロニクス制御器
で制御させるようにしたものであつて、極めて正
確な柄模様が得られると共に糸道替え時に待ち時
間がないので生産効率が大幅に向上する等の効果
がある。

更に機械幅が短縮化され据付面積が少なくてす
む。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例を示す正面図、第
２図は同上の側面図、第３図は同上の要部平面
図、第４図及び第５図は糸道の正面図及び側面
図、第６図は糸道とサーボモータとの関係図、第
７図及び第８図はキヤリツジと糸道との運動系統
図である。また第９図及び第１０図は従来例を示
す正面図及び側面図、第１１図は同上の糸道駆動
機構概略図、第１２図及び第１３図はインターシ
ヤー柄を示す正面図である。 １，５１……針床、２，５２……キヤリツジ、
３，５３……糸道、５……キヤリツジ駆動サーボ
モータ、６，６３……エレクトロニクス制御器、
１０，１６……無端環状歯付ベルト、２２……糸
道駆動サーボモータ、５８……親ねじ、５９……
移動杵。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 糸道に取付けられたベルトを駆動するサーボモ
   ータと、キヤリツジに取付けられたベルトを駆動
   するサーボモータと、各サーボモータ回路に接続
   したエレクトロニクス制御器とからなり、キヤリ
   ツジ駆動サーボモータの回転から発生するパルス
   を介して各糸道駆動サーボモータを、編組すべき
   柄模様に対応してキヤリツジのスピードと同期し
   ながら順次所要パルス分回転させて糸道を順次所
   要量移動させるようにした横編機の柄出機構。