JPH0354127Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、コンクリート製品の経済的な養生
装置に関する。

従来の技術 コンクリート製品を成型した後、従来は養生室
内で加温し、成形物の凝結を促進するのが普通で
あつた。しかし、断熱、保温設備を備えた養生室
の建設費ならびにその設備を運転するための燃料
費その他の経費の負担が製品原価に及ぼす影響は
大きくなつている。特に、高温、高湿の環境では
装置の腐食も早く、耐用年数も少ないのが経費を
一層増大させていた。

考案が解決しようとする問題点 この考案は生コンクリート成形品を比較的簡単
な設備で養生し、従来の養生設備を用いるための
経費を軽減しようとするものである。

問題点を解決するための手段 この考案は、上記問題の解決のために、生コン
クリート成形品が凝結するときに発生する熱を利
用することによつて、比較的簡単な設備で養生を
完成しようとする装置である。そのための構成
は、受板上に積載した生コンクリート成形品を受
板と共に保持する養生棚、コンクリート成形品を
受板と共にこの養生棚に載置または搬出するため
の搬送装置、受板上の生コンクリート成形品を断
熱保温するための被覆物、この被覆物を吊り上
げ、移動、吊り下げることができる着脱装置から
なるコンクリート製品の養生装置である。

この考案の装置の作動を説明すると、成型機に
より成形された生コンクリート成形体（以下生製
品という）を受板上に順次段積みした製品または
整理棚に棚積みされ、一まとめにされた生製品を
養生棚に搬送する前に、受板上に一まとめにされ
た製品単位ごとに、断熱性のある被覆物で覆つ
て、これを養生棚に載置することによつて、生製
品が保有している水分と、凝結の際に発生する反
応熱を充分利用して、コンクリート製品の硬化、
乾燥を行なうもので、養生が終了した硬化製品か
ら取り外した被覆物は新しく養生を開始しようと
する生製品の被覆物として循環使用するものであ
る。

図面を参照して具体的に説明すると、第１図は
この考案の装置を利用したコンクリート成形品の
製品設備の概要を示すために各装置の配列の一例
を示すための平面図であり、第２図は養生棚１と
搬送装置の関係を示す側面図である。

これらの図に記載されているように、搬送装置
２の通路に平行して養生棚１および被覆物着脱装
置４が並んでいる。

この被覆物着脱装置４には成形装置６から搬入
コンベアー５が延びており、その末端が被覆物着
脱装置４の中央部にある。またこの被覆物着脱装
置４からは搬出コンベアー３が搬入コンベアー５
と直角の方向に延びている。

被覆物着脱装置４には第３図に示すように支柱
１３に支えられた走路１４がありその走路１４の
上を移動する横行装置１２に載置された上下動装
置１１とその下端部に着脱装置１０がある。

上記養生棚１は第１図および第２図に示したよ
うに、生製品７を受板１５と共に多段に積み重な
るように載置できる。搬送装置２は養生棚に平行
した走路を有し、生製品７を受板１５とともに支
持し、これを上昇、下降させ、養生棚１の上に載
置、あるいは取り出せる。図面に示したものは天
井走行型の搬送装置て養生棚に平行した走路から
吊下げられているものである。

被覆物９は、受板１５の上の生製品７を断熱保
温できるように全体が断熱性のある壁で構成され
ている。第３〜６図に示したものは側面と上面に
壁があり、下部が開放されているものでこれを生
製品７の上からかぶせることによつて、生製品を
密封断熱保温することができる。

この考案の養生装置を用いたコンクリート成形
品の製造設備によつてコンクリートの生形品を製
造する過程を説明すると、成形装置６で成形され
たコンクリート成製品７が受板１５の上に所定の
個数積重ねられるとそれを搬入コンベアー５によ
つて、被覆物着脱装置４の直下に運ぶ。

一方、養生棚で充分養生が完了した養生済製品
８は搬送装置２によつて養生棚から取り出され、
第３図に示したように被覆物着脱装置４の下にあ
る搬出コンベアーの端部に載置される。この状態
を第３図に示す。

つぎに、第４図に示すように、上下動装置１１
によつて着脱装置１０を降し、養生済製品８から
被覆物９を吊り上げて除く、更に第５図に示すよ
うに、この被覆物９を生製品７の上に移動させ、
第６図に示すように、生製品の上から降して、生
製品７を断熱、被覆する。こうして被覆物９を循
環使用することができる。

養生済製品は搬出コンベアー３によつて搬出
し、新しく被覆物９を被覆した生製品７は搬出装
置２によつて養生棚に運び空いた棚に載置し養生
する。

考案の効果 以上説明したように、この考案の装置によれ
ば、比較的簡単な設備によつて、養生のために特
に燃料を用いなくても、凝結の際の発熱を利用し
て、コンクリート成形品を養生することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の装置を利用したコンクリー
ト成形品の製造設備の平面配置の概略を示す平面
図、第２図は養生棚と搬送装置の関係を示す側面
図、第３図乃至第６図は被覆物着脱装置の作動を
示すための側面図である。 １……養生棚、２……搬送装置、３……搬出コ
ンベアー、４……被覆物着脱装置、５……搬入コ
ンベアー、６……成型装置、７……生製品、８…
…養生済製品、９……被覆物、１０……着脱装
置、１１……上下動装置、１２……横行装置、１
３……支柱、１４……走路、１５……受板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受板上に積載した生コンクリート成形品を受板
   と共に保持する養生棚、コンクリート成形品を受
   板と共にこの養生棚に載置または搬出するための
   搬送装置、受板上の生コンクリート成形品を断熱
   保温するための被覆物、この被覆物を吊り上げ、
   移動、吊り下げることができる着脱装置からなる
   コンクリート製品の養生装置。