JPH0354095A - 水中窓を有する浮体 - Google Patents

水中窓を有する浮体

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JPH0354095A
JPH0354095A JP18751689A JP18751689A JPH0354095A JP H0354095 A JPH0354095 A JP H0354095A JP 18751689 A JP18751689 A JP 18751689A JP 18751689 A JP18751689 A JP 18751689A JP H0354095 A JPH0354095 A JP H0354095A
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underwater
water
window
floating
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JP18751689A
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Shigemi Ando
安東 重美
Kiyoshi Jinrei
神例 清
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KANREI ZOSEN KK
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KANREI ZOSEN KK
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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、海中を遊泳する魚類を観賞しながら食事がで
きる海中展望式レストラン等に採用される水中窓を有す
る浮体に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、上記のごとき水中窓を有する浮遊式レストランバ
ージ等が実現し、湾内の海中展望室として使用されてき
ている。
この種のパージは、平面形状が長方形の浮体に形威され
ており、第6図の従来例にその断面を示すごとく、上甲
板1と、第2甲板2との間のスペースを海中食堂とし、
その周囲に水中窓3を水面4より下方に設けており、ま
た上甲板1の上には海上食堂を設け、中央に魚観賞用の
小いけす5を設けている。
なお、この場合、供食用の魚類を収容するいけすは、こ
の浮体とは別個に独立して設置している。
そこで、上記のごとき海中展望室の水中窓などの窓ガラ
スが破損した時、または、船舶が衝突して浮体の外板に
破口を生じた時には、浮体は沈没濶坐するが、その設置
場所の水深Hが浅いため屋上6は水面4上にあり、海中
展望室内の客は、第2甲板2より屋上6までの非常階段
7を利用して屋上6に避難することになる.そして、破
損した窓ガラスを取り替えると共に、船舶衝突により生
じた破口を修復する要のあるときは、窓ガラスに外蓋を
臨時に設け、破口及び上甲板1上のハウス間壁諸開口に
は外より仮押え板を設け、浮体の内部の浸人水を臨時に
設けたポンプにより排出して、浮体を浮上させ、回航し
て造船所のドック等に入れて修復工事をすることとなる
このような浮遊式レストランバージ等の浮体が極めて小
規模で、かつ水深Hも極めて浅いところに設置される場
合には、このような人員の避難及び破損修復の方法に対
する考え方で計画されても従来差支えなかったが、近年
、マリンレゾートの一環として、大規模な食卓数を有す
る浮体を、比較的大水深の場所に設置することが計画さ
れるようになり、そのような浮体に対しては、第6図の
従来例における来客の避難の方法及び破損の修復の方法
についての考え方では、下記のごとき諸問題点が発生す
る。
まず、多数の来客の非常時の安全を期しがたいという問
題がある。
即ち、浸水がはじまれば、海中食堂の床上水位は時々刻
々増大し、この状態では群集がパニック状態におちいり
、水をかきわけ、または泳いで非常階段にたどりつくこ
とが極めて困難になり、特に身長の低い幼児や小児を溺
れさせないためには、大人かだきかかえ、または背負っ
て逃げねばならぬが、この時行動が不自由となり、他の
者の脱出速度との差異が顕著となり、他の者の脱出速度
まで渋滞のために大幅低下してしまう。
さらに、床上水位の増大と共に、パニックの度合は甚だ
しくなり、施設従業員による誘導も実際的には行い得な
い状態におちいり、多数の未脱出の来客を水中食堂に残
したままで水中食堂は天井まで完全に水没するに至る. また、浸水した水は、その重量のため、破口が低くなる
ような微少なヒール・トリムをその初期に生じ、これに
より流入水の重量の重心は浮面心より破口側にあり、破
口がさらに低くなるように働き、この結果、破口の木頭
が増大し、浸水速度が大きくなるが、これがさらにヒー
ル・トリムを増大する悪循環におちいる。
これは一般に船体の沈没が、船首尾方向の逆立ち、また
は船側方向の転覆を伴うことよりも容易に想像できる。
この浮体のヒール・トリムは浸水した水の水面と、空気
を求めて泳いでいる来客を避難階段より離れた天井裏の
すみに追いやることになり、この状態になれば、来客が
潜って避難階段に到達することは期待できず、脱出不可
能となるわけである。
また、第6図の従来例では、非常階段7を二階分上り、
屋上6に避難できさえすれば、浮体の欄坐により、屋上
6は水没しないので救助されることになるが、大規模の
浮体をより水深の深いところに設置する場合、多数の群
集に多数階の階段を沈没速度より早く混乱なく駆け登ら
せることは期待できず、一方、船舶の衝突は、往々浮体
の係留索にも損傷を与え、風向きによっては設置位置よ
り水深の大きい場所に浮体は漂流し、そこで沈没するこ
とがありうる。
この時には、幸いにも屋上6にまで到達し得た人員も、
波間に放り出されるという問題がある。
次に、前記従来の浮体の場合、破損の修復が困難である
という問題もある。
即ち、水中窓3を有する浮体は、濶坐した時に船底を損
傷しないようなヘドロ、または砂だけの海底土質のとこ
ろに設置されるとは限らず、水中窓より魚を観賞するた
めの水の透明度に対する要求により、海底の底に岩が混
在している海域に設置されることの方がむしろ多く、こ
のような海底に濶坐するとき船底の外板に破損を生じ、
再浮上不可能となり、この浮体は解体撤去のやむなきに
至り、大きな投資をする大規模浮体になると、そのリス
クは採算計画上耐えがたいものとなる。
また、かりに多額の経費をかけ再浮上に或功したとして
も、仮押え板を当てかった程度の状態で造船所まで大水
深域を超えて回航する時の保険料は高額となり、また大
規模浮体を収容できるドックの数も限られており、タイ
ミング良くドック人渠予定船総表の中に割込めるとは限
らない. また、衝突により浮体の外板に破口を生ずるに至る程の
事故になる確率よりも、衝突の衝撃により、水中窓の窓
ガラスが破損する程度におさまる確率の方がはるかに大
きいが、窓ガラスの取換え程度で造船所に回航し、人渠
させる出費を要することもさりながら、出渠後の再係留
完了まで営業を停止することになり、営業収入が得られ
ず、また、突然の閉場により予約の旅行社などのツアー
客を収容できず、世間の信用及び評判を落し、あとの予
約が取れなくなる等営業上の損失は、はかり知れないと
いう問題が発生する。
〔発明の解決しようとする課題〕
本発明は、前記従来の問題点を解決するためになされた
ものであり、大水深域に設置され、多数の来客を収容す
る水中窓を有する浮体において、船舶、舟艇または流木
等の衝突により、水中窓またはその浮体の外板が破損し
て水面下に破口が生ずる確率を極少にすると共に、もし
水中窓または外板が破損した場合でもその破損した水中
窓または外板の破口が水面レベル上に位置するように浮
体を緊急浮上させ、その修復作業が容易に行なわれうる
ようにすることを解決課題としたものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するための手段として、本発明の水中
窓を有する浮体は、船体の外板に複数の水中窓を有する
浮体において、水面レベルより上方に常時貯水している
緊急自然排水タンクを複数個配設し、動力によるポンプ
が起動しない時でも、これらタンクに取付けたゲートま
たはバルブの開放によりタンク内の水を重力により自然
排出可能にしておき、水中窓が破損したり、または外板
が損傷してそれぞれ破口が生じた時に上記各タンクの水
を選択的に緊急自然排水することにより、単にこの浮体
の平均吃水を少なくするだけでなく、主としてトリム・
ヒールの効果により破損した外板または水中窓の破口の
全部または大部分を水面レベルより上方に位置するまで
浮上させるようにすることにより構威されており、これ
により破口からの浸水を終息または実質的に縫らせて、
人員などを安全に避難させ、そして破損部分の修復を容
易に行なわせるようにしたものである。
また、上記の水中窓に面する区画を浮体内で連続させて
おり、このことは、破口からの浸水が終息または実質的
に終るまでに浸入した水が、トリム・ヒールの効果によ
り、破口を生じた辺の対辺部分に流れることにより、さ
らに浸水することの終息を早める上で好ましい構戊であ
る。
さらに、浮体の外周に設けた水中窓に面する区画の内側
に、水密隔壁を連続して配設すれば、事故の際の対応の
遅れにより浸水阻止のタイミングを失し、浸水するにま
かせる状況におちいった場合においても、最終平衡状態
において、浮体が沈没、転覆することがなくなる。
一方、浮体の本体の平面形状が5辺以上の多辺形で、か
つ各辺の頂点がすべて突出側に形成されていることが、
好ましく、さらにその外側に浮体を囲む外周いけすを配
設すれば、その外周いけすの鋼製等の枠組が、船舶、流
木などに対する衝突防護工として機能し、衝突時の被害
を最少限とできると共に、その外周いけす内での魚の回
遊を容易として、水中窓からの景観を多彩化し活発なも
のとすることができる。
〔実施例〕
以下図面を参照して本発明の実施例を説明するが、集l
図は本発明の水中窓を有する浮体の一実施例における縦
断面図、第2図は第1図の陸岸側から見た楼門部の横断
面図、第3図は第1図の平断面図、第4図は第1図の水
中食堂及びその近傍の区画を示す要部拡大の縦断面図で
ある。
この実施例における浮体は、来客席数約1000人程度
の営業規模の浮遊式の海中展望式レストランバージであ
り、第1図、第2図及び第3図に示すごとく、平面形状
が正12辺形の本体部8と、これに付属した楼門部9と
からなり、楼門部9と、陸岸との間は連絡橋10で連結
されているが、まずこの浮体の全構戒の概要を説明する
即ち、この浮体は、水中食堂として、その下段、Bll
/2デッキ15に72個の水中窓20に面する食卓35
4席、下段を見おろす上段B1デッキ14に176席、
合計530席、2Fデッキ16、3Fデッキl7に展望
食堂、展望宴会場として660席、総合計1.190席
のレストラン客席を有している。
次に、上甲板IFデッキ12と2Fデッキl6との間の
中央部は2階ふきぬけの中央いけす21のホールとなっ
ており、上甲板1Fデツキl2上に、平面形状で12辺
形の中央いけす21があり、その周囲の通路及び中央い
けす2l上の歩廊より魚の回遊を見るようになっている
また、周囲の通路に面し、それより外舷側の大部分は多
数の特産品テナント店用のスペースとなっており、また
3Fデッキ17の中央部は、4Fデッキ18のバルコン
を含め506席の劇場となっている。
さらに、以上に説明した以外のスペースは、階段ホール
、通路、ギャリ・パントリ、便所、諸従業員諸室、各種
ユーティリティ、機械室にあてられ、B1デッキl4、
Bll/2デツキ15と船底外板11との間は、各種タ
ンク及びボイドスペースとなっている。
なお、中央いけす21の中心部の下はサンプケーソン2
2が船底まで垂直に通じ、またl2個所にパイプトラン
ク23が船底より本体部屋根l9まで垂直に通じている
ちなみに、この実施例における船舶安全法上の定員は4
,460人、本体部の対辺向距離は58m、楼門部9を
含む船首尾方向の全長は70m強である。
そこで、この船体の船側外板l3は複数の水中窓20を
有しており、それらの水中窓20に面する区画が浮体内
の周囲に連続して設けられ、その区画より内側に、前記
のごと<Blデッキ14、Bll/2デッキ15と船底
外板llとの間などのスペースの水密隔壁を連続して配
設しているが、これら水密隔壁の到達する乾舷甲板上の
区画が水中窓20に面する区画とは支水的には仕切られ
ず連続している。
また、この浮体には、水面24のレベルより上方に常時
貯水している外舷緊急自然排水タンク29及び内舷緊急
自然排水タンク30が本体部8に複数個放射状に、そし
てパラベット緊急自然排水タンク31が楼門部9にそれ
ぞれ配碌サ、れており、上記船側外板l3または水中窓
20の損傷時に、これらのタンク29.30.31内の
水をゲートまたはバルブの開放操作により自然排水する
ことにより、単に平均吃水を少なくするだけでなく、主
としてトリム・ヒールの効果により損傷した船側外板1
3または水中窓20の破口の全部または大部分が水面2
4のレベルより上方に位置するまで、浮上するようにな
っている。
なお、第1図にて28で示すのはトリミング・ウオータ
・タンクである。
次に、本発明の水中窓を有する浮体の実施例における設
計及び構造の詳細につき説明する。
まず、夜間もイルミネーシゴン・シグナルライトをこの
浮体に設けることにより、視認性が良くなり、またどの
方向から見ても側面積が大きいため、レーダへの写りも
明瞭であり、霧中は強力なフォグフォンを吹鳴すること
で、本船クラスが衝突してくる可能性は少なく、むしろ
比較的衝突の確率の高いのは、雑船や流木であり、水中
窓20の上縁高さの設定は通常の営業時に波底が水中窓
20にかかり、水中に居る感じをそこなわない限り、水
面24に近く定められ、この実施例の場合は、水面24
の下方200 mmとし、雑船や流木といえども水中窓
20のガラス面に打撃を与えうる。
そこで、水中窓20のガラスは2重にして、外側ガラス
が破損しても一応は内側ガラスが内部への浸水をとめる
ようにしているが、衝突運動量の大きさや、繰返し回数
によっては内側ガラスも破損する可能性がある。
従って、本実施例では、船側外板l3の外側に浮体の本
体部を囲んで外周いけす25を設け、その鋼製枠組が、
これら雑船や流木に対して衝突防護工として機能するよ
うにしている。
このような外周いけす25を設けるときは、雑船や流木
等に対してだけでなく、本船クラスの船が荒天や機関故
障等により行動不自由となり、投錨後も海底が礫質のた
め走錨して風や潮流により漂流し、この浮体に漂着する
ような場合でも、その運動量が少なければ、その防護工
でくいとめ、運動量が多くて完全にはくいとめ得ない時
でも、その運動量を多少とも減少させ、本体の船側に衝
突する残存運動量を少なくして、水中窓20などの破損
確率及び破口発生確率の極小化をはかり、被害を少なく
できる。
また、従来、供食材料としての魚を畜養するには、浮体
とは別個のいけすを設けていたが、本発明のごとく、浮
体の本体外周に外周いけす25を設ければ、水中窓20
より見える魚の密度を高め、またその種類を増やし、観
賞上の価値の高い魚を投入することができ、自然状態の
魚しか期待できない場合に比し、水中窓20よりの観賞
を売りものにする水中食堂の評判、ひい才はその経営を
安泰、かつ確実にすることができ、供食用の魚を畜養で
きる。
また、第4図に示すごとく、衝突防護工の水平方向外力
に対してエネルギー吸収能力をもたせるため、水面24
付近に水平面構造の外周いけす歩廊26をめぐらしてい
るが、これは即ち、水面24に近い歩廊となり、上甲板
IFデッキ12よりこの歩廊26に降りる階段27を設
けることにより、来客は歩廊27より身近に外周いけす
25の魚を観賞したり、あるいは、外周いけす25の外
側の海の魚を釣ったりすることができる。
一方、施設側従業員は、所要に応じ、場合によっては来
客の希望指定に応えながら、外周いけす25より供食用
魚をすくったり、必要に応じ集魚等のために餌をまいた
りすることが容易となる。
次に、浮体本体の平面形状を本発明では、従来の長方形
ではなく、5辺以上の辺をもった多角形とすることの主
たる利点は、後述の緊急自然排水の説明においてもあげ
ているが、副次的な効果として、この外周いけす25の
形状を魚の回遊を容易な形状とし、水中窓20よりの景
観を多彩活発なものとする効果もある。
即ち、魚は水に流速があれば、その上流に向って泳ぎ、
また、当然回遊コースは角度的な急変がなく、順整な程
回遊速度があがることが知られており、できるだけ多辺
の多辺形状で、かつその各辺の頂点をすべて突出側に形
威することが望ましい。
外周いけす25の本体頂点におけるコース角度は、通常
の本体平面形状が長方形の場合の90゜に比し、隣接辺
同志のなす角を等しくした多辺形の場合は、それぞれ、
5辺形で72゜、6辺形で60’ 、7辺形で51°強
、8辺形で45゜、9辺形で40” 、10辺形で36
°、11辺形で336弱、そして12辺形で30”とな
り、辺数が増える程魚の回遊は容易、かつ高速になり、
回遊速度をあげるため、人工的に水のジェッティングを
行うとき、外周いけす25内を周回する水の流速に与え
る効果も増える。
次に、この実施例の浮体における緊急自然排水タンクに
よる急速浮上と浸入水による加速について説明すると、
この実施例のごとき大規模の浮体においては、陸岸から
の商業電力の供給が送電系の災害のために途絶している
場合や、または衝突に伴う連絡橋10との接点付近の送
受電ケーブルの損傷による二次災害の防止のため、陸岸
のブレーカが自動開放された場合に備え、浮体内にディ
ーゼルまたはガスタービン駆動による発電機を備えてお
くことになる。
しかしながら、衝突発生後、ディーゼルまたはガスター
ビンを暖機運転して定格能力まで立ち上らせるには時間
を要し、それまでビルジ系のポンプは動かなく、また立
ち上った後でも、ポンプによる排水能力は限られている
一方、水中窓20を有する浮体では、衝突後水中窓20
または破口より海中食堂に浸入した水量が時々刻々増す
程、流入水頭が増え、悪循環的に沈没速度が速くなり、
大規模浮体では来客が避難する時間的余裕がなくなり、
来客の安全のためには、一刻も早く破れた水中窓20ま
たは衝突による破口が水面24上に上がるまで、浮体を
浮上させ、浸水の継続を遮断することが最も緊急かつ重
要である。
本発明ではあらかじめ、水面24のレベルより上方に常
時貯水している前記の外舷緊急自然排水タンク29、内
舷緊急自然排水タンク30及びパラベット緊急自然排水
タンク3l等複数のタンクを配設しておき、これら各タ
ンクのフラップゲートまたはバルブを選択的に開放して
、緊急自然排水させることによりその解決策としている
が、このようなタンクは、従来、水中窓20を有する浮
体において考えられたことはなかった。
即ち、このような目的にかなうタンクの所要スペース及
びタンク中の水の重量は極めて大きく、限られた浮体の
スペースや排水量との整合は不可能と従来あきらめられ
ていたものである。
本実施例においても、かりにこの浮体を一様に浮上させ
るとすると、その所要浮上量は窓下縁の吃水700 m
mに、避けられない微少の動揺に対する余裕40[II
Il1、侵人水の重量モーメントの影響を補償するため
の余裕、例えば660 mm、合計1.4mとすると、
排水しなければならぬ重量は、1,025 t / r
d X 1.4m X浮体水線面積2,804.5n{
=4,025 t,所要スペースは、1 /0.990
 x 1.4m x2,804.5 m #4000r
y?となり、この営業に直接的にも間接的にも役立たぬ
邪魔になる膨大なスペース及び重量を受け入れる余地は
全くないが、この所要重量及び所要スペースを画期的に
軽減して、はじめて本発明の発想が実現可能となった。
上記の所要重量及び所要スペースを軽減するためには、
衝突された辺のみを浮き上らせばよいことに着目し、自
動的に最も有効な浮体全体の船首尾方向の縦傾斜、即ち
トリムと、船首尾直角方向の横傾斜、即ちヒールとの組
合せが得られるようにすればよい。
また、浸水が止まるまでに侵入して水の重量の浮体内に
おける分布が、自動的にこのヒール・トリムを助長し、
達威を加速するようにすればよい. 次に、本発明において、いかに少ない水量で所要のヒー
ル・トリムの組合せを得るかを説明すると、まず考えら
れることは、各緊急自然排水タンク29.30.31を
各所に複数個配設して、これらを選択的に開放し、ヒー
ル・トリムの最適の組合せが得られるようにし、また、
これらの各緊急自然排水タンク29,30.31を極力
浮体の浮心より遠い方に配設して、浮力まわりの偶力の
レバーを大きくすることである。
この時、第6図の従来例の四辺形平面形状の浮体と、第
3図の本発明の多辺形平面形状の浮体とでは、いづれが
この目的を達成しやすいかを次に説明する. 比較のモデルとして、内接円の径が同一であるような正
四辺形平面のものと、正多辺形平面のものを取り上げ、
正四辺形平面のものを単位吃水差だけ一様に浮上させる
場合の所要バラスト量をベースとし、ヒール・トリム効
果を取りこむため、浮心より0.8 X (浮体内接円
半径)の位置にタンクの重心を置いた正四辺形及び正多
辺形において、着目辺を単位吃水差だけ浮上させる場合
の所要バラスト量を比較する。
なお、ここでは二つの浮体の比較であるから、説明の簡
易化のため、各ケース共通に、内接円半径を1、水の比
重を1としている。
ケースA) 正四辺形を一様に浮上: 面積Aは、 A=4、 従って単位だけ浮上さ せるには、 4のバラストを排水することを要 する。
ケースB) 正四辺形をトリム・ ヒールをつけ て浮上: 単位の重量の水を排水した時の一様浮上量一をΔ軸とす
れば、 面積A=4であるので、 ーメントMは0.8 図形の浮心まわりの慣性 12 つけるに要するモーメントMTu は、 従って、 生ずる トリムTは、 24 このトリムによる浮心より lの個所での浮 24 総浮上量Δdは、 24 着目辺を単位だけ浮上らせるに要する所要排水バラスト
量は、 24 これはケースA) の所要排水バラスト量の 4 ケースC) 正i辺形をトリム・ ヒールをっけ て浮上: 180 面積AはA = i tan一であるので、l 単位 の重量の水を排水した時の一様浮上量Δd+++は、i
  tan  − i この水によるトリ ミングモーメントMは、 M=0.8 図形の浮心まわりの慣性モーメン 単位だけトリムをつけるに要するモーメントMTu は、 MTu 生ずるトリムTは、 M T= MTu このト ノムによる浮心より ■の個所におけ る浮上量Δdtは、 2 2 MTu 2 0.8 2×48 0.8 × 48 総浮上量Δdは、 Δd=Δdm+Δdt, 着目 辺を単位だけ浮上らせるに要する所要排水バ例として、 i=5, 6, 8. 10, l2に対す る値を求めると下表のごとくなる。
(以下余白) ちなみに、iが無限である場合、即ち平面形状が円形で
ある場合はケースA)に対する比は18.7%となる. 一方、浮体全体に対する排水量上の負担、スペース上の
負担の程度を見るためには、浮体全体の平面面積を共通
とした比較でないと公正でないので、この見地でケース
A)に対する比を修正すると下表となる. (以下余白) 以上は衝突される辺が定っている場合に対するもので、
いづれの辺から衝突されるか不定である時は、浮心に対
して点対称に配置されたタンクのうち、衝突された辺よ
りの距離が約1.45よりも遠いところに重心をもつタ
ンクの水は排水せずに残す。
従って、全所要タンクはそれを考慮したものでなければ
ならない。
なお、1.45よりも遠いタンクの水を排水すると、平
均浮上量への寄与量よりも、付けたいトリム・ヒールを
減殺する量の方が大きいので排水せずに残さねばならな
い。
それに対する割増はケースB)のとき2倍、i=12〜
■のとき1.5倍ぐらいで、中間は内挿して全タンク量
(排水するタンク+排水せずに残すタンク)を求めると
下表となる。
即ち、正5辺形のとき約172量、辺数が増えるにつれ
約1/3量程度の保有量で済むことになる. 以上の計算は、すべて浸入水の影響を無視したものであ
り、もし浸入水が衝突された辺附近の区画にのみ入ると
きは、浸入水は衝突辺を沈めるように働き、この計算バ
ラスト全タンク量では過小である. 一方、もし浸入水が衝突された辺の対辺方向に流れて行
き、対辺附近でたまるようにすれば、この計算バラスト
全タンク量は安全側である.そのためには、この緊急自
然排水により先ず衝突された辺が他の辺より高くなるの
で、水中食堂部が、途中に浸入水の床上の流れを阻害す
るような隔壁がなく、全範囲にわたって互に通じあって
おればよい。
従来、浸入水の影響を小さくするためには、先ず浸入し
た水量を極小とするため支水隔壁を多数設ける程安全で
あるという基本的なコンセプトがあったが、本発明によ
る緊急排水を行うときはむしろ逆に支水隔壁を水中食堂
部では全廃する方がよくなる. もし、緊急自然排水が何等かの人為的過失または機械的
故障のため行われなかったと仮定した最悪の場合でも、
浮体を沈没、転覆させないような支水隔壁配置を要する
ことと両立させるためには、水中窓20のある外周水中
食堂部を全周連続させ、その内側に支水隔壁をめぐらせ
ればよい. 本発明のように区画が浮体内で連続に全通した水中窓2
0に面する水中食堂と、従来の考え方により多数の区画
に細分した水中食堂とを比べると、本発明によるとき、
副次的効果利点として、広間な客室スペースが得られ、
閉塞感を与えずにすむと共に、来客の空席または指定席
への誘導が楽で、来客へのサービスが楽で、かつ広範囲
の来客の状況を常に把握しやすく、効果的なサービスが
できる他、危急のとき、来客の誘導避難に便利であり、
さらに浸水している場所の床上水位が上らずに済み、浸
水した水は水中食堂全面積に分布されるので、来客は浸
水している場所附近のものを含め床上を浅く流れている
水に靴が濡れる程度で最寄りの階段に容易に到達できる
という利点がある. 以上本実施例において、定性的及び傾向的な記述で、最
少の貯水量での緊急自然排水による急速浮上及び浸入水
による浮上加速に関する本発明につき説明したが、さら
に正12辺形の本体部をもつ本発明の実施例につき、こ
の考え方が戒立可能であることを説明する。
即ち、この浮体は営業状態では浮体上のライブロード、
即ち廃水、清水、燃料、諸倉庫品、来客、従業員等の重
量及び浮心に対するモーメントの吃水、姿勢に関する影
響を補正するため、水中食堂部床上全周に配したトリミ
ング・ウオータ・タンク28の水量及び分布を常に調節
して、営業状態では所定の吃水でトリムもヒールもなく
水平に浮いている。
そこで、緊急自然排水タンクとしては、外舷緊急自然俳
水タンク29を本体の肩部全周にわたって12タンク、
内舷緊急自然排水タンク30を本体のIF回廊の内側に
12タンク、そしてバラペット緊急自然排水タンク31
を楼門部9の連絡橋10支承用パラベットの下方に1タ
ンクそれぞれ配設しており、いずれも営業上利用できな
いデッドスペースをそのタンクスペースに引当てている
. また、中央いけす21をIF中央ホールに1タンク(実
際はスコッシング防止のため外周部と中央部とを分けて
いるが、区画的には連通させてあり、この中央いけす2
lは来客の魚の観賞用をかねて設けてある)用意してお
り、外舷緊急自然排水タンク29とパラペット緊急自然
排水タンク3lとは直接外舷に、内舷緊急自然排水タン
ク30は隣接するパイプトランク23内を導設する大断
面パイプにより船底下に、中央いけす21はその直下の
サンブケーソン22内に緊急自然排水する。
これらのタンク内の水量は合計僅か1.451 tで、
さきに示した一様浮上のときの所要14.025Lの3
6%に過ぎない。
例えば、効率の悪い中央いけす21を設けることをやめ
、その分外、舷緊急自然排水タンク29の断面積を大き
くすれば、この36%はさらに下げられるが、水中食堂
部の天井高さは来客に与える広閑感確保上の限界があり
、また中央いけす2lは営業上の見地より必要であるの
で、このようなものとなっている。次に、船舶や流木な
どが浮体の各辺に衝突したとき、12個の外舷緊急自然
排水タンク29のうち、衝突によりガラス破損または破
口発生のあった辺より最も遠い5個のタンクを排水せず
に残し、他の7個のタンクを排水する. また、12個の内舷緊急自然排水タンク30のうち、衝
突によりガラス破損、または破口発生のあった辺より最
も遠い4個のタンクを排水せずに残し、他の8個のタン
クを排水する。
さらに、岸に直角の辺及びそれより岸側を向く辺に衝突
されたときは、パラペット緊急自然排水タンク31を排
水する。
衝突された辺がいずれの辺であれ、中央いけす21の水
は常に排水することになるが、この場合、中に畜養して
いる魚のため下部の水は残すものとする. 次に、両舷側が対称である多辺形のこの浮体の各辺に船
舶や流木が衝突し、その辺にある船側外板13または水
中窓20などが破損し、そして破口が生じた時の各ケー
スにつき、緊急自然排水するタンクと、排水せずに貯水
したまま水を残すタンクとの配置を第5−A図から第5
−F図までに示しており、図中斜線をほどこしたタンク
は各ケースに応じ排水せずに貯水したままのタンクを示
しており、図中の33は衝突船を示している. まず、沖側より衝突される第5−A図より第5−B図、
第5−C図、第5−D図及び第5一E図の順に衝突され
る公算は少なくなるが、岸側を向く3辺については、他
船が岸よりこの浮体に衝突することはあり得す、特に岸
に正対する辺は連絡橋10、楼門部9が強力な防護工と
なっているので絶対あり得ない。
岸側を向く3辺のうち、岸に正対する辺を除く2辺につ
いては、衝突される可能性は先ずなく、例えあっても衝
突する角度は辺に平行に近いので、外周いけす25で充
分衝突エネルギーを吸収し、衝突船33の船首が本体部
外板に有害な損傷を与えることはないが、参考のため、
この辺に損傷を生じた場合を第5−F図に示している。
衝突された辺がいつれであるかにより、第5−A図から
第5−F図に示すごとき緊急自然排水を行うとき、窓ガ
ラスの破損した水中窓20の下縁の水面上の高さは、下
表のごとくなり、辺の頂点は第6−A図に示すごとく左
舷沖側より岸側に順にA,B,C,D,E,F,右舷沖
側より岸側に順にA’,B’,C’,D’,E’F′と
名付けており、左右対称であるので、片舷側のみ表記す
る。
なお、この計算は安全側に浸入水の影響を無視した場合
に対するものである。
(以下余白) 衝突された辺より緊急自然排水を行ったあとの水中窓2
0の下縁の水面24上の高さは異なるが、これは、この
実施例においては楼門部9の存在により船首尾に直交す
る軸については対称性がなく、浮心位置、浮面心位置も
楼門部9側にシフトしているからである。
上記の表を見ると、この多辺形の浮体においては、可能
性のあるAA’ ,A’ B’ ,B’ C’C’ D
’ ,D’ E’のいずれの辺に衝突され、水中窓20
の外側ガラスのみならず内側ガラスまで破損されても、
この比較的僅少な貯水量の、また、営業上は使用できな
いデッドスペースを引当てた緊急自然排水タンク29.
30.31の水の選択的排水により、破損した水中窓2
0を水面24上に早急に浮び上らせ、避けられない微少
の動揺に対する余裕40mmを確保していることがわか
る。
また、可能性はないが、第5−F図のケースのその6に
おいても、25閣の余裕が残されていることがわかる。
衝突により水中窓20の窓ガラスの破損だけでなく、船
側外板13等の外板に破口を生じたときも、その破口の
下縁が水中窓20の下縁と同程度の高さであるとき、即
ち破口の実質部が水線下7001mよりも上方にのみ発
生したときも同様であり、本船クラスの船の通常の船首
形状より見て、船首方向に張り出している上甲板、また
は船首楼が先ず浮体に衝突するが、これらの高さは、一
般にこの浮体の外舷緊急自然排水タンク29の位置より
上方であり、水面より上方の構造物の破壊により、先ず
エネルギー吸収が行われ、それで吸収しきれないとき、
水面よりかなり下方のバルブスズウの高さでのエネルギ
ーの吸収が行われる. このバルブスバウ先端高さは、水中食堂床面より下であ
る公算が強く水中窓20の高さ附近は最も損傷を受けが
たい確率が多いので、この浮体は実質的に極めて人命安
全確保の程度が高く構威されているといえる。
さらに、本発明の浮体における最悪事態における沈設防
止及び復原性確保について説明すると、そのような場合
、最初に接触した衝突船33及び浮体の構造部位の破壊
にはじまり、ベネトレイシッンの進行にともない順次破
壊範囲が増え、衝突運動量は破壊エネルギーに吸収され
ていくが、その公算は少なくても、衝突運動量が極めて
大きくて、外板破口が大きく、水面下700師以下に及
び、また起動したビルジボンプも排水能力不足であるよ
うな最悪の事態即ち浸入水の水位が外界の水面24と最
終的には一致するまで浸入を許した場合においても、こ
の浮体は絶対に沈設せず、復原性も充分残存して安定し
て浮いていなければならない。
このように浮いている限りは、来客はたとえ水中食堂か
ら、最寄りの階段に到達し、階段を昇るまでは水に浸る
ことがあっても、階段上の回廊に上れば常に浸入氷水面
よりは上で、あとはゆっくりと整然と浮体外に避難する
ことができ、人命安全の確保ができることになる。
これに反し、とめどなく沈没するに任せたときは、その
悲惨な様相は想像を絶するものとなる. そこで、水中窓20に面する区画は、その区画の用途が
食堂であれ、水中景観の観賞用であれ、営業上最も貴重
なスペースとなり、一方、これより内舷側の下層はタン
ク類に、上層は営業支援スペース、例えば営業目的が食
堂であれば、厨房、バントリ、諸倉庫、従業員用諸室、
便所、諸機械室、諸ユーティリティ等となる.上記のご
とく、緊急自然排水の効果を、浸入水の流れ分布により
加速するためには、水中窓20に面する区画は浸水前水
平平坦で、かつ反対舷にまで途中支水隔壁がなく、連通
していることが必要である。
このため、支水隔壁は、外周の食堂区画を残し、その内
舷側に設けることになり、内舷側であれば衝突船33の
ペネトレイションがこの支水隔壁に及ぶこともなく、そ
の点でも極めて信頼度の高いものとなる。
一方、内舷側の上層は営業支援スペースであり、このス
ペースが水中食堂と支水隔壁で仕切られ、水密扉のみで
通じている程度では、水中食堂の運営上極めて不都合で
ある。
例えば、内舷側の厨房、バントリで用意した客に供食す
る料理を水中食堂回廊まで運搬するカートを水密扉を通
過するたびに持上げて、そのシル、即ちかまちを越えさ
せねばならぬようでは、いくら従業員を多数用意しても
サービスが混乱するばかりで、大規模客席数へのサービ
スはできず、このことは来客が離席した後の皿の厨房へ
の取り下げ過程においても同様である。
従って、内舷側上層区画は、水中食堂区画と支水隔壁で
仕切られず、水密区画配置的には連通させておかねばな
らない. 以上により、支水隔壁の到達する最悪事態における乾舷
甲板は、上層区画の床、即ちBlデッキ14でなければ
ならないことになる。
即ち、諸タンクにあてられ、どうせ水密に製作させねば
ならない下層スペースのみで沈没を防止し、復原性を確
保することが可能であるならば、すべての面より見て極
めて好都合である。
また、浮体外周の水中食堂の区画は、幅が狭いと食堂と
しての客席スペース、来客やサービスする従業員の所要
の通行スペース、Blデッキ14に昇る多数配置する階
段のスペースがとれないので、ある程度の幅は必要であ
り、従って、これをとると従来の長方形平面形状の浮体
では、残存内舷部の幅が小さくなり、たとえ排水量的に
は戒立しても、復原性がとれないことになりがちである
また、B1デッキ14が水中食堂床面より高くなりすぎ
ては、客や従業員の交通、非常時の客の避難の容易さ、
混乱防止の見地より都合が悪い。
以上の実施例を例にとり、これら諸制約のなかで現実に
本発明の意図が達戒可能であることを以下に説明する。
即ち、水中食堂部の断面詳細を第4図に示しているが、
幅はこの実施例では3.860肺で、81デッキ14に
通ずる階段32をとっても充分な幅がある。
また、Blデフキl4からB 1 1/2デッキl5ま
での間の高さの差は僅か1.850 tanで、階段3
2の段数は9段に過ぎない。
水中食堂部の平面配置は第3図に示すごとくで、24個
所の階段32が配され、階段下端より最も遠い席の客で
も僅か4m程度歩けば最寄りの階段32に到達できる。
この計画において、浸水の最終平衡時に、人の避難行動
による影響を無視したとき、Blデッキ14の乾舷は沖
側端で55mm、岸側端で223mm、人の避難行動を
モデリングし、その影響を考慮したとき、沖側端で22
4 am、岸側端で95a+mとなり、いずれにしろ充
分である。
また、この状態におけるメタセンタ高さは48mもあり
、復原性についてはいささかの危惧もない。
以上のような好都合の計画案が得られたのは、本発明の
浮体が従来の四辺形でなく、多辺形であり、本質的に威
立しやすい図形性質をもっていることに起因している。
〔発明の効果〕
以上に説明した本発明の水中窓を有する浮体によれば、
不幸にも水中窓の窓ガラスが破損したり、または下縁の
高さが水中窓の下縁の同程度の外板の破損が発生し、か
つ電源がフェイルしていてビルジボンプ等が急速に作動
し得ない場合でも、あらかじめ貯水してある9M急自然
排水可能な各タンクのバルプまたはゲートを選択的に遠
隔操作、または手動により開放することにより、上記の
緊象、自然排水可能なタンクから緊急、かつ動力の使用
なしに自然排水して、破損した水中窓や外板の破口を水
面上に浮き上がらせることができるので、浸水の継続を
阻止でき、浸水を最少限にすることができるという効果
がある。
また、本発明の浮体では船側外板の外側に浮体本体部を
囲んで外周いけすを設け、その鋼製枠組等に船舶や流木
に対する衝突防護工としての機能をもたせることにより
、水中窓破損や外板破損の発生確率を極小化でき、しか
も外周いけすは多辺形平面形状の浮体の外周に設けられ
ているので、魚の回遊を容易にし、水中窓からの景観を
多彩活発化するという利点がある。
また、この浮体に船舶や流木が衝突した場合、その水中
窓や、外板の損傷した辺のみを浮き上がらせるように、
各所に配設された緊急自然排水タンクを、ヒール・トリ
ムの最適な組合せが得られるように選択的に開放して緊
急自然排水させればよいので、限られた浮体の排水量の
なかで、この緊急自然排水タンクの所要量を最少にする
ことができ、大規模で、かつ大水深用の浮体に対しても
有効に本発明を適用できることになる. さらに、本発明の浮体では、水中窓に面する区画より内
側に、水密隔壁を連続して配設しており、最悪事態にお
ける沈没を防止し、復原性が確保されており、また水中
窓に面する区画が浮体内で連続しているので人員の移動
が容易であり、かつ浸入した水も平均的にたまるので、
事故時においても水中食堂の来客は大部分のものは流入
した水には濡れずに、階段にとりつくのが多少遅れるの
みで、床上を流れる水が靴に浸みる程度で混乱もなく円
滑に避難ができるという利点がある。
また、一旦事故が発生した後も、その修復はその設置位
置で容易に行われ、再び緊急自然排水タンクに貯水する
ことにより直ちに使用開始でき、最少限の費用での修復
ができ、営業休止による損害を最少にできるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の水中窓を有する浮体の一実施例におけ
る縦断面図、第2図は第1図の陸岸から見た楼門部の横
断面図、第3図は第1図の平断面図、第4図は第1図の
水中食堂及びその近傍の区画を示す要部拡大の縦断面図
、第5−A図から第5−F図までは第1図の浮体の多辺
形平面形状の船側外板の各辺に衝突船が衝突してその水
中窓などに破損が生じた時に緊急自然排水するタンクの
選択的な開放状態を示す一連の平面図、第6図は従来の
水中窓を有する浮体の側断面図である。 8・・・本体部、9・・・楼門部、13・・・船側外板
、20・・・水中窓、24・・・水面、25・・・外周
いけす、29・・・外舷緊急自然排水タンク、30・・
・内舷緊急自然排水タンク、3l・・・バラペット緊急
自然排水タンク。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、船体の外板に複数の水中窓を有する浮体に、水面レ
    ベルより上方に常時貯水しているタンクを複数個配設し
    、上記外板または水中窓の損傷時にこれらのタンク内の
    水を選択的に緊急自然排水させて、損傷した外板または
    水中窓の破口の全部または大部分を水面レベルより上方
    に位置するまで浮上させる水中窓を有する浮体。 2、水中窓に面する区画が浮体内で連続している請求項
    1記載の水中窓を有する浮体。 3、浮体の外周の水中窓に面する区画より内側に、水密
    隔壁を連続して配設した請求項1または2記載の水中窓
    を有する浮体。 4、浮体の本体の平面形状が5辺以上の多辺形で、かつ
    各辺の頂点がすべて突出側に形成されている請求項1、
    2または3記載の水中窓を有する浮体。 5、浮体の本体の外側に、浮体を囲む外周いけすを配設
    している請求項4記載の水中窓を有する浮体。
JP18751689A 1989-07-21 1989-07-21 水中窓を有する浮体 Pending JPH0354095A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005145320A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 浮体設備

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