JPH0353983B2 - - Google Patents

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JPH0353983B2
JPH0353983B2 JP58150593A JP15059383A JPH0353983B2 JP H0353983 B2 JPH0353983 B2 JP H0353983B2 JP 58150593 A JP58150593 A JP 58150593A JP 15059383 A JP15059383 A JP 15059383A JP H0353983 B2 JPH0353983 B2 JP H0353983B2
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centrifuge
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、洗浄用遠心機、さらに詳しくは、
たとえば遠沈管(たとえばガラス製試験管、プラ
スチツク製試験管など)に入れられた赤血球など
を生理食塩水などの洗浄液で自動的に洗浄して上
澄を排出する遠心機に関する。
このような遠心機として、直接クームス試験ま
たは間接クームス試験において試験管に入れられ
た赤血球を生理食塩水で洗浄するサイクルおよび
試験管法による直接クームス試験または間接クー
ムス試験において試験管内の洗浄後の赤血球にク
ームス血清(抗ヒトグロブリン血清)を加えて混
合したのち遠心沈澱するサイクルを自動的に行な
う自動クームス試験遠心機がある。
クームス試験は血液型免疫抗体のうち非定型抗
体を検出するためのものであり、これには直接ク
ームス試験と間接クームス試験がある。また、直
接クームス試験および間接クームス試験には、そ
れぞれ、試験管法とのせガラス法がある。
直接クームス試験は、患者の赤血球に非定型抗
体が結合しているかどうかを調べるものであり、
患者から採取した赤血球をすぐによく洗浄して、
これにクームス血清を加え、赤血球の凝集の有無
で判定する。次に、試験管法による直接クームス
試験の操作手順の1例を示す。
A 被検赤血球の2%生理食塩水浮遊液をつく
り、この液の1滴を小試験管に入れる。
B この試験管に生理食塩水を満たし、強く遠心
して上澄を捨てる。
C 上記の洗浄をさらに2回繰返し、3回目の洗
浄後、上澄をできるだけ完全に捨てる。
D この試験管にクームス血清1滴を加えてよく
混合し、500〜1000rpmで1分間遠心沈澱する。
E この試験管を軽く振つて肉眼で凝集の有無を
観察し、凝集を認めた場合を陽性、凝集を認め
ない場合を陰性とする。
間接クームス試験は、患者の血清中に非定型抗
体が発生しているかどうかを調べるものであり、
患者の血清と抗原因子がわかつている赤血球とを
試験管内で反応させ、この赤血球と非定型抗体と
が結合したかどうかを直接クームス試験の場合と
同様にして判定する。次に、試験管法による間接
クームス試験の操作手順の1例を示す。
a 検査に使う赤血球の2%生理食塩水浮遊液を
つくり、この液の1滴を小試験管に入れる。
b この試験管に被検血清を1滴加えて、よく混
合する。
c この試験管を37℃の油槽で60分間加温する。
d この試験管に生理食塩水を満たし、強く遠心
して上澄を捨てる。
e 上記の洗浄をさらに2回繰返し、3回目の洗
浄後、上澄をできるだけ完全に捨てる。
f この試験管にクームス血清1滴を加えてよく
混合し、500〜1000rpmで1分間遠心沈澱する。
g この試験管を軽く振つて肉眼で凝集の有無を
観察し、凝集を認めた場合を陽性、凝集を認め
ない場合を陰性とする。
なお、直接クームス試験および間接クームス試
験ののせガラス法の場合も、試験管に入れられた
赤血球を生理食塩水で洗浄する作業が必要であ
る。
上記のような赤血球の洗浄およびクームス血清
の添加、混合、遠心沈澱を自動的に行なう遠心機
として、第1図に示すものが知られている。この
遠心機は、上部が開口した筐体1と、筐体1内に
固定され上部が開口した容器2と、容器2の上方
を塞ぐ蓋(図示略)と、容器2内に配置され複数
本の小試験管3を所要姿勢に保持して回転する回
転部4と、回転部4を略垂直軸を中心にして回転
させる駆動部(図示略)と、回転部4に保持され
て移動してくる試験管3に生理食塩水またはクー
ムス血清を注入する注入部5とを備えている。回
転部4は、回転部材6と、複数本の試験管3が挿
入され下部が放射方向に揺動しうるように上部が
回転部材6の外周部に取付けられた複数の磁性材
料製試験管ホルダ7とを備えている。図示は省略
したが、駆動部は、試験管ホルダ7の下部を放射
方向内側に吸引するために回転部材6下方のホル
ダ7下部より内側に配置された電磁石を備えてい
る。注入部5の生理食塩水およびクームス血清の
注入ノズル8は、容器2の開口周縁部に固定され
ており、これにクームス血清のびん9が直接取付
けられている。
上記の遠心機を使用してたとえば試験管法によ
る直接クームス試験を行なう場合、前記Aのよう
にして被検赤血球の2%生理食塩水浮遊液1滴を
入れた試験管3をホルダ7に挿入し、このホルダ
7を回転部材6に取付けたのち、始動ボタン(図
示略)を押すことにより、次のように、赤血球の
洗浄およびクームス血清の添加、混合、遠心沈澱
が自動的に行なわれる。すなわち、始動ボタンを
押すと、まず、試験管3を振盪するために、駆動
部の電磁石の励磁と励磁の解除が数回繰返され
る。電磁石が非励磁状態のときには、ホルダ7は
自重により垂下して、試験管3はほぼ直立した状
態にある。そして、電磁石が励磁されると、ホル
ダ7の下部はこれに吸引されて垂下状態より放射
方向内側に振れ、この状態で電磁石が非励磁状態
になると、ホルダ7の下部は自重により垂下状態
より放射方向外側に振れたのち垂下状態に戻ろう
とする。したがつて、適当な間隔で電磁石の励磁
と励磁の解除を繰返すことにより、試験管3が放
射方向に振盪される。次に、電磁石の励磁を解除
した状態で、回転部材6がホルダ7に挿入された
試験管31ピツチ分ずつ間欠的に回転し、注入部
5のノズル8の下に移動してくる試験管3に生理
食塩水が順次注入される。全ての試験管3に生理
食塩水が注入されたならば、赤血球を遠心沈澱さ
せるために、回転部材6が高速(たとえば
2500rpm)で一定時間回転する。このとき、電磁
石は非励磁状態であり、ホルダ7の下部は遠心力
により放射方向外側に振れる。このため、試験管
3はその口が放射方向内側を向くように傾斜した
状態で回転し、生理食塩水より比重の大きい赤血
球が遠心力によつて試験管3の底に沈澱する。次
に、試験管3内の生理食塩水の上澄を排出するた
めに、電磁石を励磁した状態で、回転部材6が低
速(たとえば230〜270rpm)で一定時間回転す
る。このとき、ホルダ7の下部は、電磁石により
吸引されているので、遠心力によつて放射方向外
側に振れることがない。このため、試験管3はそ
の口がほぼ真上か若干放射方向外側を向いた状態
で回転し、比重の小さい生理食塩水は遠心力によ
つて試験管3の口から容器2内に排出される。こ
れにより、試験管3の振盪、生理食塩水の注入、
遠心沈澱および生理食塩水の上澄排出よりなる赤
血球の洗浄サイクルが1回終了し、引続き、同様
の洗浄サイクルがさらに2回繰返される。次に、
駆動部の電磁石の励磁と励磁の解除を数回繰返し
て試験管3を振盪したのち、電磁石の励磁を解除
した状態で、回転部材6がホルダ7に挿入された
試験管31ピツチ分ずつ間欠的に回転し、注入部
5のノズル8の下に移動してくる試験管3にクー
ムス血清が順次注入される。全ての試験管3にク
ームス血清が注入されたならば、再び試験管3を
振盪したのち、赤血球を遠心沈澱させるために、
電磁石の励磁を解除した状態で、回転部材6が中
速(たとえば1300rpm)で一定時間回転する。最
後に、ホルダ7を回転部材6から取外して試験管
3を取出し、試験管3を手で軽く振つて肉眼で凝
集の有無を判定する。
上記の遠心機では、駆動部の電磁石が試験管ホ
ルダ7の下部を遠心力に抗して放射方向内側に吸
引するものであるから、大きな吸引力が必要であ
るばかりでなく、生理食塩水の上澄を排出すると
きのホルダ7すなわち試験管3の角度の調整が困
難で生理食塩水の残量が装置によつて変動するお
それがあり、しかも電磁石の吸引力と遠心力の大
きさによつては電磁石がホルダ7を確実に吸引で
きずに作動ミスをおこすおそれがある。また、回
転部材6から突出した試験管ホルダ7によつて大
きな風切音が発生するため、回転時の騒音が大き
いという問題がある。
この発明の目的は、駆動部の電磁石が比較的小
さい吸引力で確実に作動し、洗浄液の上澄を排出
するときの遠沈管の角度の調整が容易で確実であ
り、しかも回転時の騒音が小さい洗浄用遠心機を
提供することにある。
この発明による洗浄用遠心機は、上部が開口し
た筐体と、筐体内に固定され上部が開口した容器
と、容器の上方を塞ぐ蓋と、容器内に配置され複
数本の遠沈管を所要姿勢に保持して回転する回転
部と、回転部を略垂直軸を中心にして回転させる
駆動部とを備えた洗浄用遠心機において、回転部
が、遠沈管が1本ずつ挿入される複数の遠沈管挿
入孔を有し、遠沈管の底部が放射方向に揺動しう
るように遠沈管の上部を受ける上部回転部材と、
遠心力により放射方向外側に振れる遠沈管の底部
を受けるために上部回転部材の外周縁部から遠沈
管挿入孔の下方まで斜め下向きに伸び上部回転部
材と一体状に回転する側部回転部材と、側部回転
部材と一体状に回転するとともにこれに対して上
下方向に所要距離移動しうるように側部回転部材
下端部の内側に配置され上端位置にあるときには
ほぼ直立状態の遠沈管の底部を側部回転部材下端
部とで受けるとともに遠沈管の底部が遠心力によ
り側部回転部材に沿つて放射方向外側に振れるこ
とを可能にし下端位置にあるときにはほぼ直立か
底部が放射方向内側に若干傾斜した状態の遠沈管
の下部側面が側部回転部材下端部に接触するよう
に遠沈管の底部を受けて遠沈管の底部が遠心力に
より放射方向外側に振れることを阻止する磁性材
料製下部回転部材と、下部回転部材を常時上向き
に付勢する弾性体とを備え、駆動部が、下部回転
部材を弾性体による上向きの力に抗して下方に吸
引するために下部回転部材の下方に配置された電
磁石を備えていることを特徴とするものである。
遠沈管内の赤血球などの遠心沈澱を行なう場
合、電磁石の励磁を解除して下部回転部材を上端
位置に位置させた状態で上部回転部材、側部回転
部材および下部回転部材を回転させる。このよう
にすれば、遠沈管の底部が遠心力により上部回転
部材の遠沈管挿入孔の部分を中心に側部回転部材
の傾斜に沿つて放射方向外側に振れ、遠沈管はそ
の口が放射方向内側を向くように傾斜した状態で
回転する。遠沈管内の生理食塩水などの洗浄液の
上澄を排出する場合、電磁石を励磁して下部回転
部材を下端位置に吸引した状態で上部回転部材、
側部回転部材および下部回転部材を回転させる。
このようにすれば、遠沈管の下部側面が側部回転
部材下端部に接触するように遠沈管の底部が下部
回転部材に受けられて、遠沈管の底部が遠心力に
より放射方向外側に振れることが阻止され、遠沈
管はその口がほぼ真上か若干放射方向外側を向い
た状態で回転する。遠沈管の振盪を行なう場合、
電磁石の励磁と励磁の解除を数回繰返し、下部回
転部材を上下に往復移動させて、遠沈管を上下に
揺り動かす。
この発明によれば、駆動部の電磁石が回転部の
下部回転部材を遠心力とほぼ直交する下方に吸引
するものであり、回転によつて吸引力と逆方向の
力がほとんど作用することがないから、比較的小
さい吸引力で確実に作動し、遠心力によつて作動
ミスをおこすようなこともない。また、洗浄液の
上澄排出の場合、上記のように電磁石によつて下
部回転部材を確実に吸引でき、しかも遠沈管の底
部が、側部回転部材下端部に接触して、遠心力に
より放射方向外側に振れることが阻止されるの
で、回転中遠沈管の角度が一定に保たれる。した
がつて、洗浄液の残量が装置によつて変動するよ
うなおそれもない。さらに、回転部の上部回転部
材、側部回転部材および下部回転部材が上記の構
成を有するので、これらを幾何学上の回転体に近
い形に形成することが容易であり、したがつて、
回転時の騒音が小さくなる。
以下第2図〜第17図を参照してこの発明の実
施例を説明する。なお、以下の説明において、第
2図の左側を前、右側を後とし、第3図の下側を
左、上側を右とする。
第2図は自動クームス試験遠心機の全体を示し
ており、この遠心機は、上部が開口した筐体10
と、筐体10内に固定され上部が開口した容器1
1と、容器11の上方を塞ぐ蓋12と、容器11
内に配置され複数本の小試験管(遠沈管)13を
所要姿勢に保持して回転する回転部14と、回転
部14を略垂直軸を中心にして回転させる駆動部
15と、回転部14に保持されて移動してくる試
験管13に生理食塩水またはクームス血清を注入
する注入部16とを備えている。
筐体10内後部にプリント配線板支持材17が
垂直に固定されており、図示は省略したが、遠心
機全体を制御するマイクロコンピユータその他の
部品を含むプリント配線板がこの支持材17に取
付けられている。また、この支持材17の下部に
固定された基板支持材18と筐体10内の前側底
部に固定された基板支持台19の上に、水平基板
20が防振ゴム21,22を介して取付けられて
いる。
容器11は水平断面円形のものであり、その底
の外周部が基板20上面に固定されている。容器
11の上部開口端には外側に水平に張出したフラ
ンジ23が一体に形成されており、図示は省略し
たが、容器11の底の外周部に生理食塩水排出口
が設けられ、これに接続されたホースが筐体10
の外に導き出されている。容器11の底は外周部
から内側に向つて上方に傾斜しており、容器11
の底の中心部を貫通するように駆動部15が配置
されている。
駆動部15は、次のように構成されている(第
2図、第5図〜第9図参照)。
すなわち、基板20に円形孔24があけられ、
この孔24の周縁部上面に円環状の電磁石ケース
支持台25が固定されている。この台25の内側
上面には短円筒状の内側電磁石ケース26が固定
され、同外側上面にはこれと同心の外側電磁石ケ
ース27が固定されている。そして、これらのケ
ース26,27の間に円環状の電磁石28が挟み
止められている。電磁石28はボビン29および
これに巻かれたコイル30よりなる。内側電磁石
ケース26の上端に内側に水平に張出したフラン
ジ31が一体に形成され、このフランジ31の上
面に、シール用ビニールシート32および円環状
のハブ固定台33を介してハブ34の下端が固定
されている。シート32は電磁石28および両方
の電磁石ケース26,27の上面と外側電磁石ケ
ース27の外側面上部とを覆つており、外側電磁
石ケース27の上部がこのシート32を挟んで容
器11の底の中心部に密閉状にはめられている。
基板20の円形孔24を貫通するように垂直に
配置された主モータ35の上端面がハブ34の下
面に固定されており、そのモータ軸36は、ハブ
34の中心部を貫通して上方に突出し、ハブ34
の上面に固定されたハウジング37内の軸受38
に回転自在に受けられている。主モータ35のモ
ータ軸36は下方にも突出しており、その下端部
に短円筒状の摩擦車39が固定されている。この
摩擦車39の下部は若干外側に張出しており、こ
の部分の外周面に摩擦伝動面40が形成されてい
る。また、摩擦車39の上端縁には24個の切欠き
41が円周方向に等間隔をあけて設けられてお
り、主モータ35の下端面に固定された水平板4
2の下面に、摩擦車39の切欠き41の部分を内
外両側から挟むように配置された透過式光電検出
器よりなる回転速度検出器43が取付けられてい
る。
主モータ35のすぐ前の基板20下面に、左右
1対の支持材44の上端が固定され、これらの支
持材44の下端相互間に水平な割出しモータ支持
板45がわたし止められている。この支持板45
の中央部上面に、垂直に配置された割出しモータ
46の下端面が固定され、支持板45を貫通して
下方に突出したモータ軸47の下端部に摩擦車4
8が固定されている。
割出しモータ支持板45後縁の左端部およびこ
れより若干右側の部分にそれぞれ後方に水平に突
出した突起49,50が一体に形成されており、
右側の突起50に、次のように、左右に伸びる角
柱状の移動部材51が一定量左右に移動しうるよ
うに取付けられている。すなわち、移動部材51
の左側の部分には、左右に長くて移動部材51を
上下に貫通するスリツト52とこれより若干左右
に長くて移動部材51を前後に貫通するスリツト
53とが互いに交差するように設けられている。
前後のスリツト53の左右長さは突起50の左右
幅より長く、このスリツト53に突起50が左右
移動自在にはめられている。また、この突起50
にはこれを上下に貫通するノツクピン54が固定
されており、このピン54が上下のスリツト52
に左右移動自在にはめられている。そして、これ
らの寸法によつて決まる一定量だけ支持板45に
対して移動部材51が左右に移動しうる。
移動部材51の右端部下面には、中間摩擦車5
5がボルト56によりスペーサ57および軸受5
8を介して回転自在に取付けられている。割出し
モータ支持板45の右端部にソレノイド59が固
定されており、ソレノイド59の心棒60と移動
部材51右端部との間および移動部材51左端部
と左端部の突起49との間にそれぞれ引張コイル
ばね61,62が設けられている。そして、第5
図および第6図に示すようにソレノイド59が作
動状態のときには、移動部材51が右側に引張ら
れて中間摩擦車55が主モータ35の摩擦車39
と割出しモータ46の摩擦車48の両方に同時に
圧接し、ソレノイド59が非作動状態のときに
は、移動部材51が左側に引張られて中間摩擦車
55が主モータ35の摩擦車39から離れる。
回転部14は、次のように、駆動部5の主モー
タ35のモータ軸36上部に着脱自在に取付けら
れるように構成されている(第2図、第3図、第
7図〜第9図参照)。
すなわち、このモータ軸36の上部には、テー
パ部が形成されるとともに、テーパ部を水平方向
に貫通して両側に若干突出したノツクピン63が
固定されており、この部分に、回転部材支持体6
4の中心部が上からはめられている。モータ軸3
6のテーパ部は支持体64の上下貫通孔65のテ
ーパ部にきつくはまり、モータ軸36の上端面は
支持体64の上端面の若干下方まで達している。
そして、モータ軸36の上端面にねじ込まれて支
持体64の上端面に圧接した固定ねじ66により
モータ軸36と支持体64とが固定されている。
なお、支持体64上端面と固定ねじ66との間に
は、Oリング67が設けられている。また、支持
体64の孔65の下部両側に、支持体64をモー
タ軸36に上からはめるときにピン63の両端部
がはまる幅の狭いみぞ68が形成されており、こ
のピン63によつてモータ軸36の回転が支持体
64に伝えられる。
支持体64外面の高さの中間部に、外側に水平
に張出したフランジ69が一体に形成されてお
り、このフランジ69の下面には方形断面の環状
みぞ70が形成されている。環状みぞ70の内側
の壁は支持体64の下部外面を上方に延長した円
筒面となつており、環状みぞ70の外側の壁は支
持体64上部の外径とほぼ等しい内径を有する円
筒面となつている。また、支持体64には、上部
から環状みぞ70内に垂直下向きに突出した2本
のノツクピン71が固定されている。
水平円板状の上部回転部材72の中心部にあけ
られた孔の周縁部が回転部材支持体64の上部に
はめられ、両者の上面にまたがる補強リング73
と支持体64のフランジ69との間に挟み止めら
れている。この回転部材72の外周寄りの1円周
上に、試験管13が1本ずつ挿入される24個の試
験管挿入孔74が等間隔をおいてあけられてい
る。各孔74は、挿入された試験管13が孔74
の部分を中心に放射方向に揺動しうるように、放
射方向に若干長く、かつ高さの中間部から上下両
方に向つて若干広がつている。
上部回転部材72の外周縁部に、水平断面円形
の側部回転部材75の上端部が固定されている。
側部回転部材75は、上部回転部材72の外周縁
部から垂直下向きに伸びたのち、試験管挿入孔7
4の下方まで斜め下向きに伸びており、さらにそ
の下端部は垂直下向きに少し伸びている。
側部回転部材75の上部回転部材72外周縁部
から垂直下向きに伸びた部分の内面に、水平断面
円形の試験管案内部材76と四フツ化エチレン樹
脂製緩衝リング77が固定されている。案内部材
76は、側部回転部材75内面に固定された背の
低い外側垂直部78と、この垂直部78の下端か
ら上部回転部材72の試験管挿入孔74よりわず
かに放射方向内側の部分の下方まで達する水平部
79と、水平部79の内周縁から上向きに形成さ
れた内側垂直部80とからなる。案内部材76に
は、内側垂直部80の上部からその下端まで垂直
下向きに伸びたのち水平部79の内周縁から試験
管挿入孔74の下方を通つて水平部79の外周縁
の若干内側まで放射方向外向きに伸びた24個の試
験管案内孔81が円周方向に等間隔をおいてあけ
られており、これらの案内孔81の外側端部は試
験管挿入孔74より放射方向外側にある。緩衝リ
ング77は、試験管案内部材水平部79の外周縁
部下面および側部回転部材75内面に固定され、
試験管案内孔81よりわずかに放射方向外側に位
置している。
回転部材支持体64の環状みぞ70の部分に略
円筒状の昇降部材82が昇降自在に取付けられ、
支持体64の下端面に略円筒状の昇降部材案内部
材83が固定されている。この案内部材83の外
径は支持体64下部の外径より少し大きく、案内
部材83の下端には外側に水平に張出した鍔状ス
トツパ84が一体に形成されている。昇降部材8
2の上端に、内側に水平に張出したフランジ85
が一体に形成されており、昇降部材82の上部が
支持体64の環状みぞ70に上下摺動自在にはめ
られ、同下部が案内部材83の外側に上下摺動自
在にはめられている。また、昇降部材82の上面
に2個の垂直案内穴86が設けられており、支持
体64の2本のノツクピン71がこれらの穴86
に上下摺動自在に挿入されている。そして、昇降
部材82は、支持体64、ノツクピン71および
案内部材83を案内にして、その上端面が環状み
ぞ70の底に接する上端位置とその下端面が案内
部材83のストツパ84に接する下端位置との間
を昇降でき、昇降部材82がどの位置にあるとき
でも、ノツクピン71によつて支持体64の回転
が昇降部材82に伝えられる。案内部材83の上
端面と昇降部材82のフランジ85との間の環状
空間に、昇降部材82を常時上向きに付勢する圧
縮コイルばね(弾性体)87が取付けられてお
り、昇降部材82は、通常、上端位置に停止して
いる。
昇降部材82の下端部には外側に水平に張出し
たフランジ88が一体に形成され、このフランジ
88の下面に水平断面円形の鋼製下部回転部材8
9の中心部にあけられた孔の周縁部が固定されて
いる。この回転部材89の外周寄りに、駆動部1
5の電磁石28の真上に位置する水平部分90が
あり、これより中心寄りの部分が上方に突出して
いる。また、回転部材89の外周部はこの水平部
分90の外周縁部から放射方向外側に向つて斜め
上向きに少し伸びたのち斜め下向きに少し伸びて
おり、さらにその外周縁下端部は垂直下向きに少
し伸びている。下部回転部材89の外周縁下端部
の外径は側部回転部材75の下端部の内径よりわ
ずかに小さく、下部回転部材89は側部回転部材
75の内側に位置している。第7図および第8図
に示すように、昇降部材82が上端位置にあると
き、下部回転部材89も上端位置にあり、その外
周縁下端部は側部回転部材75の下端部とほぼ同
じ高さにある。また、第9図に示すように、昇降
部材82が下端位置に移動すると、下部回転部材
89も下端位置に移動し、その外周縁下端部は側
部回転部材75の下端部より若干下方に移動す
る。
上記のように組立てられた回転部14は、駆動
部15のモータ軸36に上からはめられ、固定ね
じ66によつてこれに固定される。また、固定ね
じ66を取外せば、回転部14を上方に持上げて
モータ軸36から取外すことができる。回転部1
4がモータ軸36から取外されている場合、下部
回転部材89はばね87の力により上端位置に停
止している。回転部14がモータ軸36に固定さ
れている場合、駆動部15の電磁石28が非励磁
状態のときは、下部回転部材89は、上記同様、
ばね87の力によつて上端位置に停止しており、
電磁石28が励磁状態のときは、下部回転部材8
9は、電磁石28に吸引され、ばね87による上
向きの力に抗して下端位置まで移動する。
試験管13は、回転部14の上方から試験管挿
入孔74およびその下の試験管案内孔81に挿入
され、その上部が上部回転部材72の挿入孔74
の部分で、中間部が試験管案内部材76の案内孔
81の部分で、底部が次のように下部回転部材8
9と側部回転部材75でそれぞれ受けられる。す
なわち、下部回転部材89が上端位置にあるとき
には、第7図に示すように、試験管13の底部は
下部回転部材89の下端部と側部回転部材75の
下端部の間で受けられ、試験管13はほぼ直立状
態になつている。下部回転部材89が下端位置ま
で下降すると、第9図に示すように、試験管13
も下部回転部材89の下端部にのつて若干下降
し、その底部が放射方向内側に若干傾斜した状態
になる。このとき、試験管13の底部が下部回転
部材89の下端部で受けられ、下部側面が側部回
転部材75の下端部に接触している。下部回転部
材89が上端位置まで戻ると、試験管13も下部
回転部材89の下端部にのつて元の位置まで上昇
し、その底部が再び下部回転部材89の下端部と
側部回転部材75の下端部の間で受けられてほぼ
直立な状態に戻る。
筐体10の上部開口端と容器11の上部開口端
との間に、上面が開口した直方体状の固定カバー
91が配置され、このカバー91の上端部が筐体
10の上部開口端に固定されている。また、カバ
ー91の底板92には円形孔があけられており、
この孔の周縁部が容器11上部開口端のフランジ
23上面にシール93を介して密閉状に固定され
ている。
注入部16は、次のように構成されている(第
2図〜第4図、第7図、第10図〜第14図参
照)。
すなわち、基板20上面の後側中央部に左右1
対の垂直支持材94が固定されており、これらの
支持材94の上端部相互間および中間部相互間に
水平な送りねじ支持板95がそれぞれ固定されて
いる。上下の支持板95の間には、3本の垂直案
内棒96が固定されるとともに、これらに沿つて
昇降する水平昇降板97が配置されている。この
昇降板97の中心部を上下に貫通する垂直送りね
じ98の上端部と下端寄りの部分が上下の支持板
95に軸受99を介して回転自在に受けられてお
り、昇降板97の中心部に貫通状に固定されたナ
ツト100が送りねじ98にねじはめられてい
る。一方の垂直支持材94の外側面に送りねじ駆
動モータ101の端面が固定されており、支持材
94を貫通して内側に水平に突出したモータ軸1
02の先端部と送りねじ98の下端部に互いにか
みあうかさ歯車103,104が固定されてい
る。そして、モータ101の回転がかさ歯車10
3,104を介して送りねじ98に伝えられ、こ
れにより、昇降板97が案内棒96に沿つて昇降
する。上部支持板95の若干下方と下部支持板9
6の若干上方の一方の垂直支持材94の内面に、
透過式光電検出器よりなる昇降板上端位置検出器
105と昇降板下端位置検出器106が固定され
ており、昇降板97の適当な位置に各検出器10
5,106の発光素子と受光素子との間を遮断す
るための検出器作動板107が固定されている。
左右の支持材94および上下の支持板95より
わずかに前方に突出した昇降板97の前面に垂直
昇降板108の下端部が固定されており、この板
108の上端部には、固定カバー91の後部垂直
板109に設けられた切欠き110を貫いて前方
に水平に伸びる昇降体111の後端部が固定され
ている。昇降体111の前部は下方に突出し、こ
の部分が上部回転部材72の後側にある試験管挿
入孔74の上方に位置している。また、昇降体1
11の前端部には、前方および下方に開口した凹
所112が形成されている。球状の生理食塩水ノ
ズル支持体113が、昇降体111の前端部上面
に形成された球状凹面に回転自在にのせられ、昇
降体111の前端面にねじ114で固定された押
え板115により押え止められている。この支持
体113内にはその上部から下部に至る生理食塩
水通路(図示略)が形成されており、この通路の
下端には昇降体111の上部を貫通して凹所11
2に臨む斜め後下向きの生理食塩水ノズル116
が固定され、同上端には生理食塩水チユーブ接続
金具117が固定されている。生理食塩水ノズル
支持体113のすぐ後の昇降体111上面に直方
体状のクームス血清ノズル支持体118が固定さ
れており、この支持体118内にはその後面から
下面に至るクームス血清通路119が形成されて
いる。この通路119の下端には昇降体111の
上部を貫通して凹所112に臨む垂直下向きのク
ームス血清ノズル120が固定され、同後端には
クームス血清チユーブ接続金具121が固定され
ている。昇降体111の凹所112の左右の壁
に、左右片側の発光素子と反対側の受光素子より
構成される透過式光電検出器よりなるクームス血
清検出器122,123が上下に2組設けられて
いる。上下の検出器122,123は、クームス
血清ノズル120の下方に前後にわずかにずらし
て配置されている。また、凹所112の後の昇降
体111下端面に、反射式光電検出器よりなる試
験管検出器124が取付けられている。
モータ101が回転して昇降板97が上端位置
と下端位置の間を昇降すると、昇降体111およ
びノズル116,120も上端位置と下端位置の
間を昇降する。そして、上端位置まで移動した昇
降体111は、全体が固定カバー91の底板92
より若干上方にある。また、昇降体111が下端
位置まで下降すると、昇降体111の前部下側が
固定カバー底板92より若干下方に突出し、クー
ムス血清検出器122,123およびノズル11
6,120が回転部14後側の試験管挿入孔74
に挿入された試験管13のすぐ上まで下降すると
ともに、試験管検出器124がこの試験管13の
上部後側面に対向してこれを検出できるようにな
る。
上端に外向きのフランジ125が形成された有
底筒状のびん保持体126が、固定カバー91の
底板92の後部左側にあけられた円形孔に上から
はめ止められており、これにクームス血清びん1
27が入れられている。クームス血清チユーブ1
28の一端部がこのびん127の底部まで差込ま
れ、同他端がクームス血清ノズル支持体118の
接続金具121に接続されている。固定カバー底
板92の後端部左側にあけられた開口の上に水平
なポンプ支持板129が固定され、この板129
の下面には、ポンプ駆動モータ130の上端面が
固定されている。このモータ130の軸は支持板
129を貫通して上方に突出しており、この部分
にクームス血清用の微量送液ポンプ(クームス血
清ポンプ)131が取付けられている。このポン
プ131は、モータ130により回転させられる
上下の水平円板状のローラ保持体132,133
の外周部相互間に複数のローラ134が回転自在
に取付けられ、これらのローラ134にクームス
血清チユーブ128の中間部が引張り状に掛けら
れているものである。なお、このポンプ131は
薬液などを微量ずつ送るために一般に使用されて
いるものであるから、詳細に説明は省略する。こ
のポンプ131が一定方向に一定量ずつ間欠的に
回転することにより、クームス血清が、びん12
7からチユーブ128およびクームス血清ノズル
支持体118内の通路119を通つてクームス血
清ノズル120に一定量ずつ送られ、ノズル12
0下端に形成された面取り135の作用によつて
ノズル120から1滴ずつ滴下する。
基板20上面の後端部右側に、生理食塩水用の
ダイアフラムポンプ(生理食塩水ポンプ)136
が固定されており、このポンプ136の吸込側に
第1の生理食塩水チユーブ137が接続されてい
る。図示は省略したが、筐体10の外には生理食
塩水タンクが置かれており、筐体10の外に導き
出された第1のチユーブ137の先端部がこのタ
ンクの底部まで差込まれている。また、このチユ
ーブ137の先端部には、液面検出器が取付けら
れている。第2の生理食塩水チユーブ138の一
端がポンプ136の吐出側に接続され、同他端が
生理食塩水ノズル支持体113の接続金具117
に接続されている。ポンプ136が1回ずつ間欠
的に作動することにより、生理食塩水が、タンク
から第1のチユーブ137を通つてポンプ136
に吸込まれ、さらに第2のチユーブ138および
生理食塩水ノズル支持体113内の通路を通つて
生理食塩水ノズル116に送られ、ノズル116
から一定量ずつ吐出される。
蓋12は、第2図および第4図に示すように、
上部密閉板139と、これの下側に複数の連結棒
140を介して平行に連結された下部密閉板14
1とからなり、上部密閉板139の後端部が筐体
10の上部開口の後端部に螺番142によつて回
動自在に取付けられている。上部密閉板139の
前部上面に取手143が設けられており、蓋12
が閉じたときに、上部密閉板139が筐体10の
上部開口を密閉するとともに、下部密閉板141
が固定カバー底板92のシール93に密接して容
器11の上部開口を密閉する。
蓋12の下部密閉板141の後端部に、注入部
16の昇降体111の前部が通過しうる前後に長
い方形状の開口(切欠き)144が設けられてい
る。この開口144の右側の下部密閉板141上
面に略逆U形のソレノイド支持材145が固定さ
れており、垂直軸を中心にして約90°の範囲を往
復回動するロータリソレノイド146の上端面が
この支持材145に固定されている。下部密閉板
141の上面に接する略L形の板状シヤツタ14
7の一端部がこのソレノイド146の回転部分に
固定されており、シヤツタ147が上から見て時
計方向に回動したときには開口144が完全に開
き、シヤツタ147が反対方向に回動したときに
は開口144が密閉される。
固定カバー底板92の前端部右側に、次のよう
に、蓋固定装置148が設けられている(第2
図、第4図および第15図参照)。
すなわち、蓋12の下部密閉板141の前端面
に下方に直角に突出した固定板149が固定され
ており、固定カバー底板92の対応する部分に
は、蓋12が閉じたときにこの固定板149が進
入する開口150が設けられている。そして、蓋
12が閉じたときに底板92より下方に突出す固
定板149の部分に、ピン挿入孔151が設けら
れている。開口150のすぐ前の底板92下面に
垂直ブロツク152の上端面が固定され、このブ
ロツク152の下端面には前方に水平に張出した
ソレノイド支持板153が固定されている。この
板153の上面にソレノイド154が固定され、
後方に水平に伸びたソレノイド154の心棒15
5の後端に垂直なピン取付板156が固定されて
いる。この板156の後面上部には後方に水平に
伸びる1本の固定ピン157が固定され、同下部
には後方に水平に伸びる左右2本の案内ピン15
8が固定されており、これらのピン157,15
8はブロツク152を前後に貫通する孔159に
前後摺動自在に挿入されている。ブロツク152
とピン取付板156との間の各ピン157,15
8の外周に、ピン取付板156を前向きに付勢す
る圧縮コイルばね160がそれぞれ取付けられて
いる。そして、ソレノイド154が非作動状態の
ときは、固定ピン157がばね160の力により
前端位置まで移動しており、その後端が開口15
0より若干前方にあるため、蓋12は自由に開閉
しうる。蓋12が閉じた状態でソレノイド154
が作動すると、固定ピン157はばね160の力
に抗し固定板149の孔151を貫いて後端位置
まで移動するため、蓋12はロツクされて開くこ
とが不可能になる。このような状態でソレノイド
154が再び非作動状態になると、固定ピン15
7が固定板149の孔151から抜け出て前端位
置まで移動するため、蓋12は開放されて自由に
開閉しうるようになる。
筐体10の前面上部に、第16図のような第1
の操作パネル161が設けられており、このパネ
ル161には、ランプ付電源スイツチ162、始
動スイツチ163、リセツトスイツチ164、停
止スイツチ165、停止ランプ166、クームス
遠心スイツチ167およびランプ168、洗浄サ
イクル3回選択スイツチ169およびランプ17
0、洗浄サイクル2回選択スイツチ171および
ランプ172、洗浄サイクル1回選択スイツチ1
73およびランプ174、クームス遠心サイクル
選択スイツチ175およびランプ176、ならび
にアラームランプ177が設けられている。
筐体10前面の下部に、第2図に示すように、
筐体10に固定された永久磁石178によつて格
納状態に保持される格納式操作箱179の下端部
が回動自在に取付けられている。この操作箱17
9は前面の取手180をもつて上部を前方に引出
した状態で使用されるものであり、このときに筐
体10の外に露出する操作箱179の上面に、第
17図のような第2の操作パネル181が設けら
れている。そして、このパネル181には、ポン
プ操作スイツチ182、クームス血清注入量選択
スイツチ183、ノズル操作スイツチ184、生
理食塩水残量選択スイツチ185、クームス遠心
回転速度選択スイツチ186、4種類のサイクル
表示ランプすなわち振盪ランプ187、注入ラン
プ188、遠心ランプ189および生理食塩水排
水ランプ190、ならびに3種類のアラーム表示
ランプすなわち操作ミス表示ランプ191、注入
エラー表示ランプ192および生理食塩水不足表
示ランプ196が設けられている。
電源スイツチ162を押すと、電源が投入され
てこのスイツチ162のランプと停止ランプ16
6が点灯し、次のように、手動操作と自動運転が
可能になる。停止ランプ166は、動作が停止ま
たは中断されていることを示すものである。
手動操作には、注入部16の生理食塩水ポンプ
136およびクームス血清ポンプ131の操作
と、注入部116の生理食塩水ノズル116およ
びクームス血清ノズル120の昇降操作とがあ
り、これらは停止ランプ166が点灯していると
きに行なう。
ポンプ136,131の手動操作は、後述する
自動サイクル運転を始める前などに、ポンプ操作
スイツチ182を使用して行なう。このスイツチ
182は、SALINE側(第17図上側)と
COOMBS側(同図下側)の2個の接点を有する
復帰形のものである。そして、ポンプ操作スイツ
チ182のSALINE側を1回押すと、生理食塩
水ポンプ136が1回作動する。スイツチ182
のSALINE側を1回押しても生理食塩水ノズル
116から生理食塩水が出ない場合は、生理食塩
水が出るようになるまでさらに1回〜数回これを
押す。このあとは、これを1回押すたびにノズル
116から一定量の生理食塩水が出るようにな
り、生理食塩水の自動注入が可能な状態となる。
ポンプ操作スイツチ182のCOOMBS側を1回
押すと、クームス血清がノズル120から滴下す
るようになるまでクームス血清ポンプ131が作
動する。ノズル120からクームス血清が滴下す
ると、前後にわずかにずれた上下2組のクームス
血清検出器122,123の少なくとも一方で確
実にこれが検出され、ポンプ131は停止する。
これにより、クームス血清の自動注入が可能な状
態となる。
ノズル116,120の手動昇降操作は、ノズ
ル操作スイツチ184を使用して行なう。このス
イツチ184は、ポンプ操作スイツチ182と同
様のものである。ノズル操作スイツチ184の
UP側(第17図上側)を押すと、昇降体111
およびノズル116,120が上端位置まで上昇
して停止する。なお、スイツチ184のUP側を
押し続けていても、ノズル166,120が上端
位置まで上昇すれば、昇降体111は停止する。
ノズル操作スイツチ184のDOWN側(同図下
側)を押すと、昇降体111およびノズル11
6,120が下端位置まで下降して停止する。な
お、スイツチ184のDOWN側を押し続けてい
ても、ノズル116,120が下端位置まで下降
すれば、昇降体111は停止する。
自動運転には、自動サイクル運転とクームス遠
心運転とがある。
自動サイクル運転には、試験管13の振盪、生
理食塩水の注入、遠心沈澱および生理食塩水の上
澄排出よりなる1〜6回の洗浄サイクルと、試験
管13の振盪、クームス血清の注入、試験管13
の振盪および遠心沈澱よりなるクームス遠心サイ
クルとが含まれ、洗浄サイクルとクームス遠心サ
イクルを連続して行なう場合と、いずれか一方だ
けを行なう場合とがある。
自動サイクル運転は、次のようにして行なわれ
る。
すなわち、まず、生理食塩水ポンプ136およ
びクームス血清ポンプ131を手動で操作して、
生理食塩水およびクームス血清の自動注入が可能
な状態にする。
次に、クームス遠心回転速度選択スイツチ18
6を操作して、クームス遠心サイクルにおける遠
心沈澱時の回転部14の回転速度(クームス遠心
回転速度)を設定する。このスイツチ186は、
クームス遠心回転速度が4段階に切換えられるロ
ータリスイツチである。また、生理食塩水残量選
択スイツチ185を操作して、洗浄サイクルにお
ける生理食塩水の排出後の残量を設定する。この
スイツチ185は、生理食塩水の残量がWET、
MEDIUM、DAYの3段階に切換えられるロー
タリスイツチであり、生理食塩水の残量は、
WETに設定されたときに最も多く、DRYのとき
に最も少なく、MEDIUMのときはこれらの中間
である。また、クームス血清注入量選択スイツチ
183を操作して、クームス遠心サイクルにおけ
るクームス血清の注入量を設定する。このスイツ
チ183は、DOUBLE側(第17図上側)と
STADARD側(同図下側)の2つの接点を有し、
いずれか片側に倒された状態に保持される切換ス
イツチであり、クームス血清の注入量は、
DOUBLE側に倒されたときは2滴、
STANDARD側に倒されたときは1滴である。
次に、3個の洗浄サイクル選択スイツチ16
9,171,173およびクームス遠心サイクル
選択スイツチ175を操作して、洗浄サイクルの
有無および回数ならびにクームス遠心サイクルの
有無を設定する。これらのスイツチ169,17
1,173,175は、1回押すたびにオンとオ
フを繰返す保持形押しボタンスイツチであり、オ
ンのときには押し込まれた状態に保持され、オフ
のときには復帰状態に保持される。また、洗浄サ
イクル3回選択スイツチ169は3回、2回洗浄
スイツチ171は2回、1回選択スイツチ173
は1回洗浄サイクルを行なうことを示しており、
これらが2個以上オンになつているときには、オ
ンのものが示す回数を合計した回数だけ洗浄サイ
クルが行なわれる。したがつて、洗浄サイクルを
1回行なうときには1回選択スイツチ173だ
け、2回のときには2回選択スイツチ171だ
け、3回のときは3回選択スイツチ169だけま
たは2回選択スイツチ171と1回選択スイツチ
173、4回のときは3回選択スイツチ169と
1回選択スイツチ173、5回のときは3回選択
スイツチ169と2回選択スイツチ171、6回
のときは3個の選択スイツチ169,171,1
73をオンにしておく。洗浄サイクルを1回も行
なわないときは、3個の選択スイツチ169,1
71,173を全てオフにしておく。また、クー
ムス遠心サイクルを行なうときはクームス遠心サ
イクル選択スイツチ175をオンにし、このサイ
クルを行なわないときはこのスイツチ175をオ
フにしておく。
一方、回転部14の試験管挿入孔74およびそ
の下の試験管案内孔81に、試験管13を上方か
ら挿入して取付ける。洗浄サイクルを行なう場
合、試験管13には洗浄前の赤血球が入つてお
り、洗浄サイクルを行なわずにクームス遠心サイ
クルだけを行なう場合、試験管13には洗浄後の
赤血球が入つている。また、試験管13は2本を
1組として複数本使用し、1組の2本の試験管1
3を対称位置にくるように配置する。このとき、
第7図に示すように、下部回転部材89は上端位
置にあり、各試験管13の底部は下部回転部材8
9の下端部と側部回転部材75の下端部の間で、
中間部は試験管案内部材76で、上部は上部回転
部材72でそれぞれ受けられ、試験管13はほぼ
直立状態になつている。
以上の準備が終了したならば、始動スイツチ1
63を押す。
始動スイツチ163を押すと、蓋固定装置14
8によつて蓋12がロツクされ、停止ランプ16
6が消灯する。このように、自動運転が始まる
と、蓋12がロツクされ、運転中は蓋12を開く
ことができなくなり、誤操作による事故が防止さ
れる。また、後述するように自動運転中でも停止
スイツチ165を押すことによつて動作を中断さ
せることができるが、この場合には、蓋12が解
放されて開閉が可能になる。
そして、洗浄サイクル選択スイツチ169,1
71,173が全てオフのときには後述するクー
ムス遠心サイクルに移り、これらのスイツチ16
9,171,173が1個でもオンになつている
ときには、次のように、1回目の洗浄サイクルの
試験管13の振盪が行なわれる。
すなわち、まず、注入部16のノズル116,
120が上端位置まで上昇して停止したのち、蓋
12の下部密閉板141の開口144がシヤツタ
147によつて密閉され、振盪ランプ187が点
灯する。そして、一定時間(たとえば7秒間)、
約10Hzで駆動部15の電磁石28の励磁と励磁の
解除が繰返され、電磁石28を非励磁状態にした
のち、振盪ランプ187が消灯する。電磁石28
が励磁されると、下部回転部材89が下端位置ま
で吸引されるため、試験管13も若干下方に移動
し、電磁石28の励磁が解除されると、下部回転
部材89は上端位置まで戻るため、試験管13は
再び上方に持上げられる。したがつて、電磁石2
8の励磁と励磁の解除を繰返すことにより、下部
回転部材89が上下に往復移動して、試験管13
が上下方向に揺り動かされる。なお、試験管13
の振盪中に停止スイツチ165を押すと、動作が
中断されて、停止ランプ166が点灯し、再び始
動スイツチ163を押すと、動作が再開されて、
停止ランプ166が消灯する。また、停止スイツ
チ165を押して動作が中断されたときには、ブ
ザーが警報を発する。
試験管13の振盪が終了すると、次のように、
1回目の生理食塩水の注入が行なわれる。
すなわち、まず、蓋12の下部密閉板141の
開口144のシヤツタ147が開いたのち、注入
部16のノズル116,120が下端位置まで下
降して停止し、注入ランプ188が点灯する。
次に、駆動部15のソレノイド59が作動し
て、中間摩擦車55が主モータ35の摩擦車39
と割出しモータ46の摩擦車48の両方に同時に
圧接したのち、割出しモータ46が非常に低速で
回転する。このとき、主モータ35のモータ軸3
6は自由に回転できる状態にあり、割出しモータ
46の回転は3個の摩擦車48,55,39によ
つて主モータ35のモータ軸36に伝えられ、回
転部14の試験管挿入孔74が次々にノズル11
6,120の下方を通過する。
割出しモータ46が回転を始めたのち挿入孔7
4に挿入された試験管13がノズル116,12
0の下方に移動してくると、試験管検出器124
によつてこれが検出され、割出しモータ46が停
止する。そして、生理食塩水ポンプ136が1回
作動して、生理食塩水ノズル116からその下方
に停止している試験管13の中に一定量の生理食
塩水が注入される。このとき、生理食塩水ポンプ
136に設けられた検出器(図示略)がポンプ1
36の作動状態をチエツクしており、ポンプ13
6が正常に作動しなかつたときには、アラームア
ンプ177と注入エラー表示ランプ192が点灯
するとともに、ブザーが警報を発して、動作が中
断される。なお、誤動作の原因を調べて、その結
果、動作を再開するときには、再び始動スイツチ
163を押す。
また、割出しモータ46が回転している間、回
転速度検出器43からの信号により、ノズル11
6,120の下方を通過した試験管挿入孔74の
数がカウントされ、これらの各孔74に試験管1
3が挿入されていたか否かが記憶される。主モー
タ35の摩擦車39は回転部14と同じ速度で回
転し、かつこの摩擦車39には試験管挿入孔74
と同じ数の切欠き41が設れられているので、回
転速度検出器43の部分を通過した切欠き41の
数をカウントすることにより、ノズル116,1
20の下方を通過した試験管挿入孔74の数がカ
ウントできる。
回転部14が180°回転したのちは、試験管検出
器124によつて試験管13が検出されるたび
に、これと対称な位置の試験管挿入孔74に試験
管13が挿入されていたか否かのチエツクが行な
われ、対称位置に試験管13が挿入されてないか
つたときには、アンバランスな試験管13があつ
たことが記憶される。
回転部14が1回転したならば、割出しモータ
46が停止し、ソレノイド59が非作動状態にな
つて中間摩擦車55が主モータ35の摩擦車39
から離れたのち、注入ランプ188が消灯し、生
理食塩水の注入が終了する。
なお、回転部14に試験管13を1本も挿入し
ないで自動サイクル運転を開始したときすなわち
回転部14が1回転しても試験管13が1本も検
出されなかつたときは、アラームランプ177お
よび操作ミス表示ランプ191が点灯するととも
に、ブザーが警報を発して、動作が中断される。
また、回転部14が1回転したときに、アンバラ
ンスな試験管13があつたか否かのチエツク(バ
ランスチエツク)が行なわれ、アンバランスな試
験管13があつたときは、アラームランプ177
および操作ミス表示ランプ191が点灯するとと
もに、ブザーが警報を発して、動作が中断され
る。そして、試験管13の位置を手で修正して、
始動スイツチ163を押すと、再び上記同様に回
転部14が1回転してバランスチエツクが行なわ
れ、アンバランスな試験管13がなければ、生理
食塩水の注入を終了する。
また、注入部16の第1の生理食塩水チユーブ
137の先端部に取付けられた液面検出器によつ
てタンク内の生理食塩水の液面がチエツクされて
おり、この液面が一定以下に下つたときには、ア
ラームランプ177および生理食塩水不足表示ラ
ンプ193が点灯するとともに、ブザーが警報を
発して、動作が中断される。
生理食塩水の注入が終了すると、次のように、
1回目の高速遠心沈澱が行なわれる。
すなわち、まず、注入部16のノズル116,
120が上端位置まで上昇して停止したのち、蓋
12の下部密閉板141の開口144がシヤツタ
147によつて密閉され、遠心ランプ189が点
灯する。次に、駆動部15の主モータ35が回転
し、これにより、回転部14が高速(たとえば
2500rpm)で回転する。回転部14が一定時間
(たとえば40秒間)回転したならば、主モータ3
5の電源が切られ、ブレーキ(図示略)が作動す
る。そして、回転部14の回転速度が一定値以上
になると、ブルーキが解除され、回転部14が停
止すると、遠心ランプ189が消灯して、遠心沈
澱が終了する。なお、回転部14の回転速度は、
回転速度検出器43からの信号を用いて測定され
る。
また、回転部14が高速回転している間も、回
転部14の回転速度が測定されて上記の一定値に
保持されるが、万一回転速度がこれより大きい一
定値(たとえば3000rpm)以上になつたときに
は、主モータ35の電源が切られる。
上記の高速遠心沈澱時には、駆動部15の電磁
石28は非励磁状態であり、下部回転部材89は
上端位置にある。このような状態で回転部14が
回転すると、下部回転部材89の下端部と側部回
転部材75の下端部の間で受けられていた試験管
13の底部が、遠心力により、第8図に示すよう
に試験管挿入孔74の部分を中心に側部回転部材
75の傾斜に沿つて放射方向外側に揺れる。この
ため、試験管13はその口が放射方向内側を向く
ように傾斜した状態で回転し、生理食塩水より比
重の大きい赤血球が遠心力によつて試験管13の
底に沈澱する。試験管13底部の揺れの大きさは
遠心力の大きさによるが、遠心力が大きくなつて
も、試験管13底部は緩衝リング77に当つて停
止し、それ以上外側に揺れることはない。また、
試験管13の上部が試験管挿入孔74の部分で受
けられ、中間部が案内孔81の部分で案内されて
いるから、試験管13は円周方向にほとんど揺れ
ることがない。また、回転部14の回転速度が
段々小さくなると、試験管13の底部は側部回転
部材75の傾斜に沿つて放射方向内側に戻り、や
がて再び下部回転部材89の下端部と側部回転部
材75の下端部の間で受けられる。
なお、遠心沈澱中に停止スイツチ165を押す
と、動作が中断され、再び始動スイツチ163を
押すと、動作が再開される。
高速遠心沈澱が終了すると、次のように、1回
目の生理食塩水の上澄排出が行なわれる。
すなわち、まず、生理食塩水排出ランプ190
が点灯され、駆動部15の電磁石28の励磁、励
磁の解除および励磁が一定間隔(たとえば1秒間
隔)をおいて行なわれ、電磁石28が励磁状態に
なる。これにより、第9図に示すように、下部回
転部材89が下端位置まで吸引され、試験管13
の下部側面が側部回転部材75の下端部に接触す
るように試験管13の底部が下部回転部材89に
受けられ、試験管13はその底部が放射方向内側
に若干傾斜した状態に保持される。次に、駆動部
15の主モータ35が回転して、回転部14が低
速で回転する。回転部14が一定時間(たとえば
30秒間)回転したならば、高速遠心沈澱の場合と
同様に回転部14が停止する。そして、電磁石2
8の励磁が解除されて、下部回転部材89が上端
位置に戻り、生理食塩水排出ランプ190が消灯
して、生理食塩水の排出が終了する。
上記の生理食塩水の排出時には、下部回転部材
89が下端位置まで吸引されて、試験管13の下
部側面が側部回転部材75の下端部に接触してい
るので、回転部14が回転しても、試験管13の
底部が遠心力で放射方向外側に揺れることが側部
回転部材75によつて阻止される。このため、試
験管13はその口が若干放射方向外側を向いた状
態で回転し、比重の小さい生理食塩水は遠心力に
よつて試験管13の口から容器11内に排出され
る。なお、回転部11の回転速度は、生理食塩水
残量選択スイツチ185の設定に基づいて選択さ
れ、たとえば、WETのときは440、MEDIUMの
ときは460、DRYのときは490rpmである。
また、生理食塩水の排出中に停止スイツチ16
5を押すと、動作が中断され、再び始動スイツチ
165を押すと、生理食塩水の排出の最初から動
作が再開される。
以上で、試験管13の振盪、生理食塩水の注
入、遠心沈澱および生理食塩水の排出よりなる洗
浄サイクルが1回終了する。そして、洗浄サイク
ルの設定回数が2回以上の場合は、上記同様の洗
浄サイクルが残りの回数だけ繰返される。
このようにして設定回数の洗浄サイクルが終了
すると、クームス遠心サイクル選択スイツチ17
5の状態がチエツクされ、このスイツチ175が
オンになつていれば、次のように、クームス遠心
サイクルが行なわれる。洗浄サイクル選択スイツ
チ169,171,173が全てオフでクームス
遠心サイクル選択スイツチ175だけがオンにな
つているときも同様である。
すなわち、まず、洗浄サイクルの場合と全く同
様に、1回目の試験管13の振盪が行なわれる。
次に、クームス血清の注入が行なわれる。これ
は、次のように、生理食塩水のかわりにクームス
血清を試験管13に注入する点を除いて洗浄サイ
クルにおける生理食塩水の注入の場合と同様であ
る。すなわち、試験管13がノズル116,12
0の下方に移動してきたことが検出器124によ
り検出されて、割出しモータ46が停止すると、
クームス血清ポンプ131が所定量回転して、ク
ームス血清ノズル120からその下方に停止して
いる試験管13の中にクームス血清が1滴または
2滴注入される。このときのクームス血清の滴下
量はクームス血清注入選択スイツチ183の状態
に基づいて決定され、クームス血清検出器12
2,123により監視、カウントされる。クーム
ス血清ポンプ131が一定時間作動してもクーム
ス血清の滴下が検出されないときには、アラーム
ランプ177と注入エラー表示ランプ192が点
灯するとともに、ブザーが警報を発して、動作が
中断される。なお、誤動作の原因を調べて、その
結果、動作を再開するときには、再び始動スイツ
チ163を押す。また、クームス血清の注入の場
合も、生理食塩水の注入の場合と全く同様に、試
験管13のバランスチエツクが行なわれる。
次に、1回目の試験管13の振盪と同様に、2
回目の試験管13の振盪がこれより長い一定時間
(たとえば20秒間)行なわれる。
2回目の試験管13の振盪が終了すると、中速
遠心沈澱が行なわれる。これは、回転部14の回
転速度を除いて洗浄サイクルにおける高速遠心沈
澱の場合と同様である。このときの回転部14の
回転速度は、クームス遠心回転速度選択スイツチ
186の設定に基いて、たとえば900、1000、
1100および1300rpmの中から選択される。
中速遠心沈澱が終了すると、一定時間(たとえ
ば10秒間)持つたのち、停止ランプ166が点灯
するとともに、ブザーが警報を発する。そして、
蓋固定装置148が蓋12を解放して自由に開閉
できる状態にし、自動サイクル運転が終了する。
なお、洗浄サイクル終了後、クームス遠心サイク
ル選択スイツチ175がオフであつた場合も、同
様にして自動サイクル運転が終了する。
クームス遠心運転は、たとえば赤血球洗浄後の
試験管13にクームス血清を手動操作で注入した
あとなどに、中速遠心沈澱だけを行なうものであ
り、次のようにして行なわれる。
すなわち、まず、駆動部15のモータ軸36に
固定された回転部14にクームス血清注入後の試
験管13が取付けられている状態で、蓋12を閉
じる。そして、自動サイクル運転の場合と同様に
クームス遠心回転速度選択スイツチ186を操作
してクームス遠心回転数を設定し、クームス遠心
スイツチ167をオンにする。このスイツチ16
7はクームス遠心サイクル選択スイツチ175と
同様のものであり、これをオンにするとクームス
遠心ランプ168が点灯する。なお、蓋12が開
いていると、このランプ168は点灯しない。
以上の準備が終了したならば、始動スイツチ1
63を押す。
始動スイツチ163を押すと、蓋固定装置14
8によつて蓋148がロツクされ、停止ランプ1
66が消灯して、遠心ランプ189が点灯する。
そして、自動サイクル運転のクームス遠心サイク
ルにおける中速遠心沈澱の場合と同様に、回転部
14がクームス遠心回転速度選択スイツチ186
により設定された速度で一定時間回転したのち停
止する。回転部14が停止したならば、一定時間
(たとえば10秒間)待つたのち、遠心ランプ18
9が消灯するとともに、ブザーが警報を発し、停
止ランプ166が点灯する。そして、蓋固定装置
148が蓋12を解放して自由に開閉できる状態
にし、クームス遠心運転が終了する。なお、クー
ムス遠心運転の場合、試験管13のバランスチエ
ツクは行なわれない。
洗浄サイクル選択スイツチ169,171,1
73およびクームス遠心サイクル選択スイツチ1
75の少なくとも1個とクームス遠心スイツチ1
67とをオンにした状態で始動スイツチ163を
押した場合、クームス遠心スイツチ167が優先
し、クームス遠心運転だけが行なわれる。また、
洗浄サイクル選択スイツチ169,171,17
3およびクームス遠心サイクル選択スイツチ17
5ならびにクームス遠心スイツチ167を全てオ
フにした状態で始動スイツチ163を押した場合
は、アラームランプ177および操作ミス表示ラ
ンプ191が点灯するとともに、ブザーが警報を
発し、何も動作は行なわれない。
上記実施例の場合、生理食塩水ノズル116お
よびクームス血清ノズル120が昇降体111に
取付けられ、注入時には試験管13のすぐ上まで
下降するので、生理食塩水およびクームス血清が
確実に試験管13の中に注入される。また、とく
にクームス血清が試験管13の中に確実に入つた
ことを確認するのは一般に困難であるが、クーム
ス血清検出器122,123も試験管13のすぐ
上まで下降するので、これによつてクームス血清
の滴下が検出されればこれが確実に試験管13の
中に入つたことが保証できる。さらに、洗浄サイ
クルにおける生理食塩水の上澄排出の場合、容器
11の上部開口が蓋12の下部密閉板141によ
つて密閉され、注入部16のノズル116,12
0が下部密閉板141より上方に上昇しており、
しかも昇降体11の通過する下部密閉板141の
開口144がシヤツタ147によつて密閉されて
いるので、霧状になつて飛散する生理食塩水がノ
ズル116,120に付着してこれらを汚染する
ようなおそれが全くない。また、回転部14を構
成する各部分の形状は幾何学上の回転体に近いも
のであるから、回転時の騒音が小さい。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来例を示す斜視図、第2図〜第17
図はこの発明の実施例を示し、第2図は全体の部
分切欠き側面図、第3図は第2図−線の断面
図、第4図は第2図−線の断面図、第5図は
第2図−線の拡大矢視図、第6図は第5図
−線の断面図、第7図は第2図の部分拡大図、
第8図は遠心沈澱時の回転部の主要部を示す拡大
垂直断面図、第9図は生理食塩水の上澄排出時の
第8図相当の図面、第10図は第2図−線の
拡大矢視図、第11図は第4図−線の拡
大断面図、第12図は第11図−線の矢
視図、第13図は第11図の部分拡大図、第14
図は第4図−線の拡大断面図、第15図
は第4図−線の拡大断面図、第16図は
第1の操作パネルの正面図、第17図は第2の操
作パネルの正面図である。 10……筐体、11……容器、12……蓋、1
3……試験管(遠沈管)、14……回転部、15
……駆動部、16……注入部、28……電磁石、
72……上部回転部材、74……試験管(遠沈
管)挿入孔、75……側部回転部材、87……ば
ね(弾性体)、89……下部回転部材、111…
…昇降体、116……生理食塩水ノズル、120
……クームス血清ノズル、139……上部密閉
板、141……下部密閉板、144……開口、1
47……シヤツタ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 上部が開口した筐体10と、筐体10内に固
    定され上部が開口した容器11と、容器11の上
    方を塞ぐ蓋12と、容器11内に配置され複数本
    の遠沈管13を所要姿勢に保持して回転する回転
    部14と、回転部14を略垂直軸を中心にして回
    転させる駆動部15とを備えた洗浄用遠心機にお
    いて、回転部14が、遠沈管13が1本ずつ挿入
    される複数の遠沈管挿入孔74を有し遠沈管13
    の底部が放射方向に揺動しうるように遠沈管13
    の上部を受ける上部回転部材72と、遠心力によ
    り放射方向外側に振れる遠沈管13の底部を受け
    るために上部回転部材72の外周縁部から遠沈管
    挿入孔74の下方まで斜め下向きに伸び上部回転
    部材72と一体状に回転する側部回転部材75
    と、側部回転部材75と一体状に回転するととも
    にこれに対して上下方向に所要距離移動しうるよ
    うに側部回転部材75下端部の内側に配置され上
    端位置にあるときにはほぼ直立状態の遠沈管13
    の底部を側部回転部材75下端部とで受けるとと
    もに遠沈管13の底部が遠心力により側部回転部
    材75に沿つて放射方向外側に振れることを可能
    にし下端位置にあるときにはほぼ直立か底部が放
    射方向内側に若干傾斜した状態の遠沈管13の下
    部側面が側部回転部材75下端部に接触するよう
    に遠沈管13の底部を受けて遠沈管13の底部が
    遠心力により放射方向外側に振れることを阻止す
    る磁性材料製下部回転部材89と、下部回転部材
    89を常時上向きに付勢する弾性体87とを備
    え、駆動部15が、下部回転部材89を弾性体8
    7による上向きの力に抗して下方に吸引するため
    に下部回転部材89の下方に配置された電磁石2
    8を備えていることを特徴とする洗浄用遠心機。 2 上部が開口した筐体10と、筐体10内に固
    定され上部が開口した容器11と、容器11の上
    方を塞ぐ蓋12と、容器11内に配置され複数本
    の遠沈管13を所要姿勢に保持して回転する回転
    部14と、回転部14を略垂直軸を中心にして回
    転させる駆動部15と、回転部14に保持されて
    移動してくる遠沈管13に生理食塩水またはクー
    ムス血清を注入する注入部16とを備えた洗浄用
    遠心機において、回転部14が、遠沈管13が1
    本ずつ挿入される複数の遠沈管挿入孔74を有し
    遠沈管13の底部が放射方向に揺動しうるように
    遠沈管13の上部を受ける上部回転部材72と、
    遠心力により放射方向外側に振れる遠沈管13の
    底部を受けるために上部回転部材72の外周縁部
    から遠沈管挿入孔74の下方まで斜め下向きに伸
    び上部回転部材72と一体状に回転する側部回転
    部材75と、側部回転部材75と一体状に回転す
    るとともにこれに対して上下方向に所要距離移動
    しうるように側部回転部材75下端部の内側に配
    置され上端位置にあるときにはほぼ直立状態の遠
    沈管13の底部を側部回転部材75下端部とで受
    けるとともに遠沈管13の底部が遠心力により側
    部回転部材75に沿つて放射方向外側に振れるこ
    とを可能にし下端位置にあるときにはほぼ直立か
    底部が放射方向内側に若干傾斜した状態の遠沈管
    13の下部側面が側部回転部材75下端部に接触
    するように遠沈管13の底部を受けて遠沈管13
    の底部が遠心力により放射方向外側に振れること
    を阻止する磁性材料製下部回転部材89と、下部
    回転部材89を常時上向きに付勢する弾性体87
    とを備え、駆動部15が、下部回転部材89を弾
    性体87による上向きの力に抗して下方に吸引す
    るために下部回転部材89の下方に配置された電
    磁石28を備えていることを特徴とする洗浄用遠
    心機。 3 注入部16が、上下移動自在な昇降体11
    1、昇降体111の先端部に設けられた生理食塩
    水ノズル116およびクームス血清ノズル120
    を備えていることを特徴とする特許請求の範囲第
    2項に記載の洗浄用遠心機。 4 蓋12が、筐体10の上部開口を密閉する上
    部密閉板139と、これの下側に連結されて容器
    11の上部開口を密閉する下部密閉板141とを
    備え、下部密閉板141に、注入部16の昇降体
    111の先端部が通過しうる開口144と、この
    開口144を開閉するシヤツタ147とが設けら
    れていることを特徴とする特許請求の範囲第3項
    に記載の洗浄用遠心機。
JP58150593A 1983-08-18 1983-08-18 洗浄用遠心機 Granted JPS6044068A (ja)

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JPH0353983B2 true JPH0353983B2 (ja) 1991-08-16

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