JPH0353715Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圃場において農薬を散布するためのス
プレーヤに関するものである。

スプレーヤは台車上に設置される薬液収容タン
クを備え、該タンク内の薬液をポンプにより噴射
ノズルへ送つて同ノズルから噴射し散布するよう
になつている。

ところで、スプレーヤではその保管時又は薬液
の交換時においてタンク内を水又は洗剤等の洗浄
液によつて洗浄するものである。この洗浄作業は
従来からタンク上壁に設けられたハツチを開き、
該ハツチよりタンク内へホースを手で持つて差し
込み、そのホースから洗浄液を噴出させることに
より行われ、全て人為的作業によつている。

ところが、この様な洗浄作業では、狭いハツチ
から手を入れてホースを動かしたとしてもその動
かせる範囲に限界があり、洗浄液をタンク内の
隅々まで行き届かせることが困難でタンク内をむ
らなく洗浄できず、またタンク内に付着した薬液
が手に付くなどして害を及ぼす惧れがあり、作業
の安全性にも問題があつた。

本考案は上記タンク内の洗浄作業を機械的に行
う手段を備え、同手段によつてタンク内をむらな
く確実且つ安全に洗浄できるようにすることを技
術的課題とするものである。

上記技術的課題を達成する本考案の構成は、薬
液収容タンク内にその略中心部を通つて前後方向
へ延びる洗浄液の噴出管を挿着し、この噴出管に
は全長にわたつて噴出孔を開孔すると共に、同噴
出管の一端をタンク外部へ導出させてポンプに接
続したものである。

この本考案の構成において、噴出管はタンクに
固定するか、又は回動可能に支持して外部操作に
より回動できるようにする。噴出管をタンクに固
定した場合、同管に開孔する噴出孔は周方向及び
軸線方向に間隔をおいて設け、洗浄液を放射状に
噴出させてそれがタンク内の各部へ届くようにす
る。噴出管を回動可能とした場合は、同管の噴出
孔を軸線方向に直列させて設け、前記噴出管が固
定されたものより噴出孔の数を少なくし、同孔か
らの洗浄液の噴出圧力を高め、噴出管の回動と相
俟つて高い洗浄効果を得られるようにする。

また、噴出管はタンクの全長にわたる長さを有
していることが望ましい。即ち、噴出管がタンク
全長にわたつていれば、洗浄液がタンク内の隅々
まで容易に届くからである。尚、噴出管をタンク
全長より短かくしたとしても、同管の噴出孔にそ
れがタンク内の各部を指向するよう角度をつけれ
ばよい。

噴出管の本数は単数又は複数の何れでもよい
が、噴出管が１本の場合は均一な洗浄を行えるよ
うに同管をタンク内の中心部に位置させ、同管が
複数本の場合はそれら各管を上下又は左右に適宜
間隔をおいて位置させるものである。しかして、
噴出管を複数本設ければ、より高い洗浄効果を期
待でさる。

噴出管へ洗浄液を圧送するポンプは、それ専用
のものを別途に設けるか、又は薬液散布用のポン
プを共用させるようにする。このポンプの駆動手
段は、スプレーヤが自走式のものにおいてはその
エンジンからポンプに動力を伝達するようにし、
またスプレーヤが牽引式のものにおいてはトラク
タのPTO軸からポンプに動力を伝達するように
する。

しかして、上記本考案の構成によれば、ポンプ
からタンク内の噴出管へ洗浄液が圧送され、且つ
同管の噴出孔よりタンク内の各部へ向かつて洗浄
液が噴出しタンク内が洗浄されるものであり、タ
ンク内の洗浄作業を機械的に行うことができ、従
来の人為的作業に比べ作業性に優れ、タンク内を
むらなく確実且つ安全に洗浄することができる。

以下、本考案の一実施例を図面により説明す
る。

本実施例のスプレーヤＡは第１図に示す如くト
ラクタＴによつて牽引される牽引式のもので、台
車ａ上に設置された薬液収容タンクｂの内部を機
械的に洗浄できるようにしたものである。

前記タンクｂ内を洗浄する手段は、第２図乃至
第４図に示す如くタンクｂ内に洗浄液の噴出管１
を挿着し、且つその噴出管１へポンプP₁，P₂で
洗浄液を圧送するようにしたものである。

噴出管１はタンクｂの全長にわたる長さを有
し、同タンクｂの中心部を通つて前後方向へ水平
に延び、タンクｂの前後壁b₁，b₂及びその間の仕
切壁b₃に軸受２を介して回動可能に支持されてい
る。噴出管１の外周には全長にわたつて噴出孔１
ａが開孔されており、この噴出孔１ａより洗浄液
が噴出されるものである。

噴出孔１ａは噴出管１の軸線に沿つて直列して
おり、洗浄液の噴出圧力を高めるべく比較的小径
とされている。

噴出管１の前端はシール部材３を介してタンク
前壁b₁より導出され、その導出部１ｂがポンプ
P₁，P₂に接続されるものである。

ポンプP₁，P₂はその前者P₁がタンクｂ内の薬
液を不図示の噴射ノズルへ圧送して同ノズルから
散布させるためのもので、後者P₂がタンクｂ内
へ農薬の原液を希釈する水を供給するためのもの
であり、これら両ポンプP₁，P₂の吸込み系路と
吐出系路とを切換えることにより、両ポンプP₁，
P₂が噴出管１への洗浄液圧送用として共用され
るようになつている。即ち、薬液散布用のポンプ
P₁における吸込み系路は、タンクｂに接続され
るものと給水用のポンプP₂に接続されるものと
に分岐され、それら両系路が夫々切換弁（不図
示）によつて切換えられ選択使用されるものであ
り、また同ポンプP₁の吐出系路は噴出管１に接
続されるものと噴射ノズルに接続されるものとに
分岐され、それら両系路が切換弁（不図示）で切
換えられて選択使用されるものである。このポン
プP₁と噴出管１との接続はホース４と自在エル
ボー５とを介してなされ、該エルボー５によつて
噴出管１がその回動を許容されつつポンプP₁と
の接続を維持されるようになつている。

給水用ポンプP₂の吸込み系路は、用水堀へ入
れる吸水ホース６に接続されるものとタンクｂに
接続されるものとに分岐され、それら両系路が不
図示の切換弁で切換えられて選択使用されるもの
であり、又同ポンプP₂の吐出系路は薬液散布用
ポンプP₁に接続されるものと、タンクｂに接続
されるものとに分岐され、それら両系路が不図示
の切換弁で切換えられて選択使用されるものであ
る。

上記ポンプP₁，P₂の駆動系は、同ポンプP₁，
P₁の駆動軸（不図示）を夫々トラクタＴのPTO
軸７に連繋させてなり、この駆動系により両ポン
プP₁，P₂が常時駆動されるようになつている。

一方、上記タンクｂから導出された噴出管１の
導出部１ｂには従動スプロケツト８が固定されて
おり、このスプロケツト８と台車ａのフレームa₁
前部に支持した主動スプロケツト９とにわたつて
チエーン１０を巻掛け、該主動スプロケツト９を
操作ハンドル１１による手動操作で回転させるこ
とにより、噴出管１が回動するようになつてい
る。

以上の様な本実施例のスプレーヤＡは、タンク
ｂ内の洗浄時においてその洗浄作業が次の様にし
て行われる。即ち、ポンプP₁，P₂の吸込み系路
を夫々吸水ホース６へ連なるものに切換え、且つ
同ポンプP₁，P₂の吐出系路を噴出管１へ連なる
ものに切換える。そして、吸水ホース６を用水堀
へ入れ、トラクタＴのPTO軸７によるポンプP₁，
P₂の駆動に伴つて水を噴出管１に圧送すると共
に、同管１を操作ハンドル１１によつて回動させ
る。

この様な操作によつてタンクｂ内の噴出管１が
回動しながらその噴出孔１ａより水を噴出し、水
がタンクｂ内の各部へむらなく当つてタンクｂ内
が洗浄されるものである。

尚、タンクｂ内を洗浄した水は同タンク底部に
設けたドレンコツク１２から排出されるようにな
つている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案スプレーヤの一実施例を示す一
部切欠側面図、第２図は第１図の−線断面
図、第３図は第１図の−線断面図、第４図は
第３図の−線拡大断面図である。 尚図中、Ａ……スプレーヤ、ａ……台車、ｂ…
…薬液収容タンク、１……噴出管、１ａ……噴出
孔、１ｂ……導出部、P₁，P₁……ポンプ、Ｔ…
…トラクタ、７……PTO軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台車上に設置される薬液収容タンクを備え、該
   タンク内にその略中心部を通つて前後方向へ延び
   る洗浄液の噴出管を挿着し、この噴出管には全長
   にわたつて噴出孔を開孔すると共に、同噴出管の
   一端をタンク外部へ導出させてポンプに接続した
   スプレーヤ。