JPH0352880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ヒユーム管をつなぎながら地山中に
押し込み、所定の地中管路を築造するような場合
に、掘削排土を管路築造現場から所定の場所に圧
送する排土圧送用ポンプに関する。

〔従来の技術〕

これまで、トンネル工事で生じた掘削排土は、
コンベヤ等で地上に送り出しているが、近年、油
圧シリンダに給送シリンダを一体に結合した２本
の往復動ポンプに、スイング式の切換弁を付設し
た圧送装置を用いて掘削排土をポンプ圧送する例
が増加している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、掘削トンネルの径が大きい場合は、
圧送装置に大きさ上の制約がなく、どのような圧
送装置も使用できるが、例えば、ヒユーム推進工
法によつて築造される小径断面の地中管路にあつ
ては、従来の圧送装置をそのまま単に小型化する
と、給送シリンダの径が小さくなり過ぎ、排土の
給送シリンダに対する単位重量当たりの接触面
積、換言すれば接触抵抗が大きくなつて実際上運
転できないという問題点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、駆動ピストンを備えた油圧シリンダ
に給送ピストンを備えた給送シリンダを、上記駆
動ピストンに給送ピストンを連結ロツドで連結し
て一体に結合し、上記給送シリンダに排土の吸込
口と送出口及び水の注入口を有する分岐管を接続
し、上記分岐管の上記吸込口には、排土の送込ホ
ツパを連設し、また分岐管の上記送出口には、固
定管を接続するとともに、上記分岐管に対する送
込ホツパと固定管の接続部分には、閉塞部と開放
部とを有しゲート開閉用シリンダによつて上記給
送シリンダの長さ方向に往復移動させられて上記
吸込口と送出口とを択一的に開閉するゲートプレ
ートを設けることにより、上記従来の問題点を解
決したものである。

〔作用〕

ゲート開閉用シリンダによつてゲートプレート
を移動させて送込ホツパを分岐管に連通させると
ともに、閉塞部で送出口を閉じる。この状態で油
圧シリンダを作動させ、駆動ピストンで給送ピス
トンを油圧シリンダ側に引き動かし、送込ホツパ
内の排土を分岐管から給送シリンダ中に吸い込
む。そして再びゲート開閉用シリンダを作動させ
てゲートプレートを上記とは逆の方向に動かし、
閉塞部で吸込口を閉じるとともに開放部により送
出口を開放する。次いで、直ちに油圧シリンダを
作動させ、給送シリンダの給送ピストンを分岐管
に向けて押し動かす。この作動によつて前記で給
送シリンダ内に吸い込まれていた排土は、分岐管
の送出口を通つて固定管に押し出されるようにな
る。

掘削排土が硬すぎてピストン輸送が困難な場合
は、分岐管内に注入口から水を注入し、排土の流
動性を高める。

〔実施例〕

第１図と第２図は本考案の一実施例を示すもの
で、１は油圧シリンダ、２は給送シリンダであ
る。上記油圧シリンダ１と給送シリンダ２とは、
周知のように、それらの内部に挿入された駆動ピ
ストン３と給送ピストン４とを連結ロツド５で連
結して直線状に一体に結合されている。上記給送
シリンダ２の端部には、排土Ａの吸込口６ａと送
出口６ｂ及び水の注入口６ｃとを有する分岐管６
が、上記吸込口６ａと送出口６ｂとを上に向け、
かつ吸入口６ａを内側（手前側）に、送出口６ｂ
を外側に配しそれらを分岐管６の長さ方向にほぼ
水平に揃えて接続されている。

上記分岐管６の吸込口６ａには、排土Ａの送込
ホツパ７が連設され、また送出口６ｂには、固定
管８が接続されている。そして、上記分岐管６に
対する送込ホツパ７と固定管８の接続部分には、
閉塞部９ａと開放部９ｂとを有するゲートプレー
ト９が上記給送シリンダ２の長さ方向に移動自在
に設けられている。上記のゲートプレート９は、
上記吸込口６ａと送出口６ｂとを択一的に開閉す
るもので、ゲート開閉用シリンダ１０によつて第
１図において左右に動かされる構成とされてい
る。

しかして、１１は、送込ホツパ７に設けられた
スクリユであり、回転駆動装置１２により回転さ
せられて送込ホツパ７内の排土Ａを吸込口６ａを
通じて分岐管６に押し入れるようになつている。
また１３はスクリユ１１により押し送られてきた
排土を下向きに方向転換させる傾斜板である。

次に、上記のように構成された本考案に係る排
土圧送用ポンプの作用を説明する。

第１図はゲートプレート９の閉塞部９ａによつ
て分岐管６の吸込口６ａが閉塞され、それにより
開放部９ｂによつて送出口６ｂが開放されるとと
もに、給送シリンダ２の給送ピストン４が油圧シ
リンダ１の駆動ピストン３によつて分岐管６側に
移動させられ、給送シリンダ２内の排土Ａを圧送
し終わつた状態を示す。この状態から、ゲート開
閉用シリンダ１０が作動してゲートプレート９を
第１図で右方に引き動かし、閉塞部９ａを吸込口
６ａから送出口６ｂの部分に移して吸込口６ａを
明け、送出口６ｂを閉じる。これが済むと同時
に、連結ロツド５の給送ピストン４が油圧シリン
ダ１の駆動ピストン３によつて左方に戻される。

上記の作動によつて送込ホツパ７内の排土Ａ
は、吸込口６ａから分岐管６を通り給送シリンダ
２内に吸い込まれる。この際、回転駆動装置１２
によつて回転させられているスクリユ１１は排土
Ａの分岐管６側への流動を助ける。

このようにして給送シリンダ２内に排土Ａが吸
入され終わると、油圧シリンダ１が停止するとと
もに、ゲート開閉用シリンダ１０が作動してゲー
トプレート９を再び第１図で左方に動かして閉塞
部９ａで吸込口６ａを閉じ、また開放部９ｂを送
出口６ｂの部分に移動させて送出口６ｂを開放す
る（第１図と同一の状態）。ゲートプレート９の
左方への移動が終わると同時に油圧シリンダ１が
作動して給送ピストン４を分岐管６側に押し動か
す。これによつて給送シリンダ２内の排土Ａは分
岐管６を通つて固定管８に圧送されることにな
る。なおこの場合、排土Ａの送出口６ｂが外側に
あつてなだらかに湾曲しているため、排土Ａの圧
送抵抗はそれだけ小さく抑えられる。

上記において、排土Ａが硬過ぎてポンプ輸送が
できないような場合には、水、あるいはその他の
液体等を注入口６ｃから分岐管６内に注入して排
土の流動制を高める。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る排土圧送用
ポンプは、従来２本使用していた給送シリンダを
１本にして横断面形状の極小化に起因する圧送抵
抗の増大を防止する構成とされているので、掘削
排土を円滑に、かつ効率良く圧送することができ
る。また、ゲートプレートは、給送シリンダの長
さ方向に往復移動する構成になつているので、全
体を小型化することが容易で、ヒユーム推進工
法、あるいはこれに類する工法の採用によつて生
じた排土の圧送用ポンプとして極めて好適であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る排土圧送用ポンプの断面
図、第２図はゲートプレートの平面図である。 １……油圧シリンダ、２……給送シリンダ、３
……駆動ピストン、４……給送ピストン、５……
連結ロツド、６……分岐管、６ａ……吸込口、６
ｂ……送出口、６ｃ……注入口、７……送込ホツ
パ、８……固定管、９……ゲートプレート、９ａ
……閉塞部、９ｂ……開放部、１０……ゲート開
閉用シリンダ、Ａ……排土。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動ピストンを備えた油圧シリンダに給送ピス
   トンを備えた給送シリンダが、上記駆動ピストン
   に給送ピストンを連結ロツドで連結して一体に結
   合され、上記給送シリンダに排土の吸込口と送出
   口及び水の注入口を有する分岐管が接続され、上
   記分岐管の上記吸込口には、排土の送込ホツパが
   連設され、また分岐管の上記送出口には、固定管
   が接続されるとともに、上記分岐管に対する送込
   ホツパと固定管の接続部分には、閉塞部と開放部
   とを有しゲート開閉用シリンダによつて上記給送
   シリンダの長さ方向に往復移動させられて上記吸
   込口と送出口とを択一的に開閉するゲートプレー
   トが設けられたことを特徴とする排土圧送用ポン
   プ。