JPH0352669Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、タンク本体内の液体（灯油等）を吸
出すために用いられるポンプを収納するためのポ
ンプホルダを、タンク本体に着脱自在に係合保持
させることにより、使用後のポンプを、該ポンプ
の吸込管下端、吐出管下端からの液体の滴下を極
力防止して直ちに収納でき、しかも安定的に収納
でき、又ポンプホルダの掃除を楽に行うことがで
きる等、取扱い性に非常に優れるポンプホルダ付
液体タンクに関するものである。

（従来技術及び発明が解決しようとする問題点） 例えば、灯油タンク内の灯油の適量をポンプに
て別容器に移すばあい、給油後におけるポンプの
後始末の際、ポンプを灯油タンク上に載せたまま
にしておくと、灯油タンク及び別容器から抜き取
られた吸込管の下端あるいは吐出管の下端から灯
油がポタポタ滴下して床面等を汚すため、従来、
使用後のポンプの置場所に非常に困るという問題
があつた。このような問題を少しでも解消するた
め、灯油タンクの傍に空罐や空ビンを置き、その
中にポンプ吸込管の下端部分及びポンプ吐出管の
下端部分を納めるとともに、ポンプの上端部分を
灯油タンクや壁面によりかけるということも行わ
れているが、これではポンプが非常に不安定であ
つて、ポンプの転倒を招きやすく、ポンプの転倒
に伴い空罐等が引つ繰り返り、その中の灯油が床
面等にこぼれるという問題があつた。

本考案は、かかる問題点を解決しうるポンプホ
ルダ付液体タンクの提供を目的とするものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案のポンプホルダ付液体タンク１は、内側
に凹んだ上端開口の凹溝部５が側面部３の所要部
位に設けられてなる合成樹脂製タンク本体２の該
凹溝部５に、ポンプを収納するためのポンプホル
ダ６を着脱自在に係合保持させてなることを特徴
とする。

（作用） 然して、ポンプホルダ６をタンク本体２の凹溝
部５に係合保持させた状態において、第１図に示
すごとく、ポンプ１２の吸込管１３及び吐出管１
５を、ポンプホルダ６内に安定的に収納させう
る。又ポンプホルダ６を本体２から取外すことに
よつて該ポンプホルダ６の内部を簡単に掃除する
ことができる。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１〜２図において、本考案のポンプホルダ付
液体タンク１は、タンク本体２の側面部に設けら
れた凹溝部５にポンプホルダ６を着脱自在に係合
保持させてなる。

タンク本体２は、全体がブロー成形によつて一
体成形された直方体状容器として構成されてお
り、長辺側の側面部３ａの幅方向中央部分には、
持手７下側の凹所８の底部９において上端が開口
して内側に凹んだ矩形状を呈する有底あるいは下
端開放の凹溝部（本実施例においては有底）５が
垂直方向に設けられており、該凹溝部５の両側面
部１０，１０には、その上下端寄り部位に、係止
凹部１１，１１が対向状態で設けられている。

ポンプホルダ６は、前記凹溝部５の全体に嵌込
まれる上端開口の有底矩形筒状をなし、その内部
には、ポンプ１２の吸込管１３及び吐出管１５の
略全体が納められ、その両側面部１０，１０に
は、前記係止凹部１１と係合しうる係止凸部１６
が設けられており、従って、ポンプホルダ６を凹
溝部５に嵌込みかつ係止凹部１１と係止凸部１６
とを係合させると、該ポンプホルダ６は、タンク
本体２に確実に係合保持されてタンク本体２と安
定的に一体化するとともに、ポンプホルダ６は、
該係止凹部１１と係止凸部１６との係合解除によ
つてタンク本体２から取外されうる。なお本実施
例においては、ポンプホルダ６の外面部１７はタ
ンク本体２の側面部３と面一とされ（第１図参
照）、又ポンプホルダ６の上端部分は、その内側
外面部１９がタンク本体２の湾曲した外面部２０
と当接するよう、湾曲したくちばし状に内方に突
出２１しており、正方形状を呈する上端開口部２
２の内縁２３及び両側縁２５，２５は、凹所８の
底部９と当接した状態となりうる。

然して、本実施例に係るポンプホルダ付液体タ
ンク１は、前記「作用の項」で説明したごとく作
用することに加え、特に、その上端開口部２２の
内縁２３及び両側縁２５，２５が、凹所８の底部
９と当接した状態にあるため、ポンプ１２の吸込
管１３や吐出管１５をタンク本体２や別容器から
引き上げ、それをポンプホルダ６内に納めるまで
の間において、凹所８の側面部２６上に灯油等の
液体が滴下したとしても、該滴下液体は、側面部
２６を流下して上端開口部２２からポンプホルダ
６内に流入すると期待される。又ポンプホルダ６
が広口に形成されているため、ポンプホルダ６内
へのポンプ吸込管１３、ポンプ吐出管１５の挿入
を容易に行いうる。

第３図は凹溝部５の上端三側縁部に、ポンプホ
ルダ６の上端開口部２２の三側縁上面部２７，２
７，２７に被る庇部２９，２９，２９を突設した
本考案の他の実施例を示すものであり、ポンプ吸
込管１３の引上げ時において凹所８の側面部２６
上に滴下した液体を、ポンプホルダ６内に一層確
実に流入させうることとなる。

第４〜５図は、ポンプホルダ６をタンク本体２
の凹溝部５に着脱自在に係合保持させるの態様を
示すものである。

第４図は、タンク本体２の有底凹溝部５の対向
側面部を、向き合う三角形状凹面からなる凹面係
止部２９，２９として形成するとともに、ポンプ
ホルダ６の対向側部を、該凹面係止部２９と係合
しうる係止突出部３０とし、該凹面係止部２９，
２９と係止突出部３０，３０とを係合させつつポ
ンプホルダ６を落とし込み、かつポンプホルダ６
が凹溝部５の底部上に載つた状態とすることによ
り、ポンプホルダ６はタンク本体２に係合保持さ
れることとなる。逆にポンプホルダ６を引上げる
ことによつてポンプホルダ６をタンク本体２から
取外しうる。

第５図は、タンク本体２の有底凹溝部５の対向
側面部に、ポンプホルダ６の対向側面部において
その長さ方向に設けられた係止突条３１と係合し
うる係止条溝３２を設けてなるばあいを示し、第
４図におけるばあいと同様に作用する。

その他 本考案のポンプホルダ付液体タンク１におい
て、ポンプホルダ６の外面部１７（第２図参照）
は、必ずしもタンク本体２の側面部３と面一であ
ることを要さず、又凹溝部５は、例えば側面部に
おいて、傾斜状態で設けられることもある。さら
に、凹溝部５を設ける部位は、第１〜２図に示す
ごとく長辺側の側面部３ａとされることの他、矩
辺側の側面部３ｂとされることもありうる。

（考案の効果） 本考案のポンプホルダ付液体タンクは、タンク
本体の側面部に設けた凹溝部にポンプホルダを着
脱自在に係合保持させる構成とした結果、以下の
如き優れた効果を奏する。

ポンプホルダがタンク本体の側面部に付設さ
れているため、換言すれば、ポンプホルダが、
使用状態にあるポンプに最も近い距離にあるた
め、使用後のポンプを、灯油等の液体の滴下を
ほとんど生ぜしめることなく直ちにポンプホル
ダに収納することができる。

ポンプホルダは、それがタンク本体に係合保
持されることによりタンク本体と安定的に一体
化した状態となるため、ポンプはポンプホルダ
に安定的に収納されることとなる。

ポンプホルダは、タンク本体に着脱自在に係
合保持されることから、ポンプホルダ内の貯留
油の排出等ポンプホルダの掃除が必要となつた
ときには、係合解除によつてポンプホルダをタ
ンク本体から取外すことによつて、容易に目的
を達することができる。

タンク本体に設けた凹溝部にポンプホルダを
係合保持させる構成としているため、換言すれ
ば、タンク本体の側面部に係止突部を突設し該
係止突部を利用してポンプホルダをタンク本体
に係合保持させるといつた構成を採用するもの
ではないため、タンク本体の取扱い上タンク本
体の側面部から係止突部が突出して邪魔になる
といつた問題を生ぜしめることがないととも
に、タンク本体は、従来品におけると同様、ブ
ロー成形によつて容易に成形されうることとな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例をその使用状態とと
もに示す斜視図、第２図はタンク本体とポンプホ
ルダとを分解して示す斜視図、第３図は本考案に
係る他の実施例の要部を示す斜視図、第４〜５図
はポンプホルダをタンク本体に着脱自在に係合保
持させる他の態様を示す平面図である。 １……ポンプホルダ付液体タンク、２……タン
ク本体、３……タンク本体の側面部、５……凹溝
部、６……ポンプホルダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内側に凹んだ上端開口の凹溝部５が側面部３の
   所要部位に設けられてなる合成樹脂製タンク本体
   ２の該凹溝部５に、ポンプを収納するためのポン
   プホルダ６を着脱自在に係合保持させてなること
   を特徴とするポンプホルダ付液体タンク。