JPH0352513Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は利用者が仰向けに横たわつて身体の
背面にマツサージを受けることができる指圧装置
に関する。

（従来の技術） 一般に、指圧装置には種々のタイプのものがあ
り、その１つとしてヘツドタイプのものがある。
つまり、このタイプのものは、上面が開口した箱
形状の本体を有し、この本体内には駆動機構によ
つて本体の長手方向に沿つて往復駆動される指圧
ローラが設けられている。また、本体の上面には
合成樹脂レザーやキヤンバスなどのシートからな
るカバーによつて閉塞され、このカバー上に利用
者が仰向けに横たわることにより、上記指圧ロー
ラで身体の背面にマツサージを受けることができ
るようになつている。

ところで、利用者が布地上に仰向けに横たわつ
た場合、身体の背面を臀部、腰部および背部の３
つの部分に分けて考えると、これら３つの部分は
上記指圧ローラによつて受けるマツサージの強さ
が異なる。つまり、最も重く、しかも他の部分よ
りも背面側に大きく突出した臀部が最も強いマツ
サージを受け、２番目は上記臀部よりも軽く突出
度合の少ない背部、３番目は臀部や背部よりも凹
んだ腰部の順になる。

このように、身体の各部が受けるマツサージの
強さが異なると、利用者はたとえば最も強いマツ
サージを受ける臀部に痛みを感じることがあるば
かりか、臀部や背部に腰部と同じような強さでマ
ツサージを受けることができない、つまり身体全
体にほぼ均一な強さでマツサージを受けることが
できないなどのことがあつた。

（考案が解決しようとする課題） このように、従来の指圧装置においては、利用
者の背面の臀部、腰部および背部の重さや突出状
態が異なるため、たとえば臀部が他の部分に比べ
て強いマツサージを受けることになつて痛みを感
じたり、あるいは背面全体にほぼ同じ強さでマツ
サージを受けることができないなどのことがあつ
た。

この考案は上記事情にもとずきなされたもの
で、その目的とするところは、たとえば臀部に痛
みを感じるようなことなくマツサージを受けるこ
とができるとともに、身体の背面全体にほぼ均一
な強さのマツサージを受けることもできるように
した指圧装置を提供することにある。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段及び作用） 上記課題を解決するためにこの考案は、上面が
開口した本体内に、駆動機構によつて上記本体の
長手方向に沿つて往復駆動される指圧ローラが設
けられているとともに、上記本体の上面開口はカ
バーによつて閉塞された指圧装置において、上記
カバーにはエアーパツドを収容する収容部が形成
され、上記エアーパツドは空気容量の異なる複数
のクツシヨン部を上記本体の長手方向に沿つて連
設する。それによつて、上記エアーパツドの各ク
ツシヨン部のクツシヨン性を変え、そのクツシヨ
ン性の違いによつて利用者の臀部が受けるマツサ
ージを弱くしたり、身体全体にほぼ均一な強さの
マツサージを受けることができるようにした。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を第１図乃至第３図
を参照して説明する。第１図に示す指圧装置は上
面が開口した矩形箱形の本体１を備えている。こ
の本体１内の幅方向両端部にはそれぞれ長手方向
全長にわたつてガイドレール２（一方のみ図示）
が設けられている。このガイドレール２は利用者
Ｕの背面の凹凸形状に応じて上下方向に屈曲して
いる。そして、本体１内には上記ガイドレール２
に沿つて一対の支持体３が走行自在に設けられて
いる。この支持体３はブラケツト４と、このブラ
ケツト４の両側面に設けられ上記ガイドレール４
上を転動するガイドローラ５と、上記支持体３に
軸線を走行方向と直交させて回転自在に架設され
た支軸６と、この支軸６に回転自在に設けられた
指圧ローラ７とから構成されている。この指圧ロ
ーラ７は外周面に半球形状の突起７ａが周方向に
所定間隔で突設されている。なお、一対の支持体
３は図示しない連結部材で連結されている。

上記本体１内の一端側には駆動機構を構成する
駆動源８が設置されている。この駆動源８の軸線
を水平にした出力軸には駆動プーリ（ともに図示
せず）が嵌着されている。また、本体１内の他端
部には従動プーリ１２が軸線を垂直にして配設さ
れている。この従動プーリ１２と上記駆動プーリ
とにはワイヤ１３が張設されている。このワイヤ
１３の一端部は一方の支持体３の下面に設けられ
た連結部１４ａにスライド自在に通され、他端は
他方の支持体３の下面に設けられた連結部１４ｂ
にスライド自在に通されている。各連結部１４
ａ，１４ｂを通されたワイヤ１３の末端にはそれ
ぞれ第１、第２のストツパ１５ａ，１５ｂが固着
され、これらストツパ１５ａ，１５ｂは引張りば
ね１６によつて連結されている。したがつて、上
記駆動源８を作動させてワイヤ１３を矢示Ａ方向
に走行させれば、一方の支持体３の連結部１４ａ
に第１のストツパ１５ａが当たるから、それによ
つて一対の支持体３を上記ワイヤ１３の走行に連
動させることができる。また、ワイヤ１３を矢印
Ｂ方向に走行させれば、第２のストツパ１５ｂが
他方の支持体３の連結部１４ｂに当たるから、そ
れによつて一対の支持体３を矢印Ｂ方向に走行さ
せることができるようになつている。なお、上記
引張りばね１６はワイヤ１３のたるみを除去する
ためのものである。

上記本体１の上面開口には合成樹脂レザーやキ
ヤンバスなどのシートからなるカバー１７が周辺
部を上記本体１の外周面に固定してたるんだ状態
で設けられている。このカバー１７には図示しな
いフアスナによつて開閉自在な収容部１８が長手
方向に沿つて形成されている。この収容部１８に
はエアーパツド１９が挿脱自在に収容されてい
る。このエアーパツド１９は長手方向一端側に第
１のクツシヨ部２１、中途部に第２のクツシヨ部
２２および他端側に第３のクツシヨン部２３が形
成されてなる。これら各クツシヨン部２１〜２３
は異なる空気容量に形成されている。つまり、各
クツシヨン部２１〜２３はそれぞれ膨張すると断
面がほぼ円形になる複数の第１乃至第３の空気室
２１ａ，２２ａ，２３ａから形成され、上記第３
の空気室２３ａの容量（この場合は直径）が最も
大きく、つぎに第１の空気室２１ａ、最後に第２
の空気室２２ａの順となつている。そして、利用
者Ｕがカバー１７上に上向きに横たわると、利用
者Ｕの背部ａが第１のクツシヨン部２１上に位置
し、腰部ｂが第２のクツシヨン部２２、臀部ｃが
第３のクツシヨン部２３上にそれぞれ位置するよ
うになつている。

なお、上記第１乃至第３のクツシヨン部２１〜
２３の空気室２１ａ，２２ａ，２３ａは第２図に
示すように各空気室を区画した仕切体２４の幅方
向中央部分に形成された通孔２５を介して互いに
連通している。したがつて、第３のクツシヨ部２
３に設けられた空気栓２６から圧縮空気を充填す
れば、３つのクツシヨン部全体を膨張させること
ができるようになつている。

このような構成の指圧装置によれば、カバー１
７上に横たわつた利用者Ｕはこのカバー１７の収
容部１８に収容されたエアーパツド１９を介して
身体の背面に本体１内を往復走行する指圧ローラ
７によつてマツサージ受けることができる。

上記エアーパツド１９は空気容量が異なる第１
乃至第３のクツシヨン部２１〜２３から形成さ
れ、空気容量の最も大きい第３のクツシヨン部２
３上には臀部ｃが位置し、つぎの第１のクツシヨ
ン部２１上には背部ａが位置し、最も空気容量が
小さな第２のクツシヨン部２２上には腰部ｂが位
置している。そのため、エアーパツド１９は第３
のクツシヨン部２３が臀部ｃから最も大きな荷重
を受けて圧縮され、次いで第１のクツシヨン部２
１、第２のクツシヨン部２２の順に大きな荷重を
受けることになる。

ところで、上記エアーパツド１９の各クツシヨ
ン部は上述したように空気容量が異なり、それに
よつてクツシヨン性も異なる。つまり、空気容量
の最も大きな第３のクツシヨン部２３のクツシヨ
ン性が最も大きい。したがつて、上記第３のクツ
シヨン部２３上に位置する利用者Ｕの身体の最も
重い臀部ｃが他の部分に比べて深く沈んでも、上
記第３のクツシヨン部２３のクツシヨン性によつ
て他の部分よりも強くマツサージされることがな
くなる。しかも、各クツシヨン部がもつ異なるク
ツシヨン性によつて背部ａ、腰部ｂおよび臀部ｃ
の各部はほぼ均一な強さでマツサージを受けるこ
とができる。

また、利用者Ｕが受けるマツサージの強さは、
エアーパツド１９に充填する圧縮空気の圧力を変
えれば、その圧力に応じて各クツシヨン部のクツ
シヨン性を強くしたり、弱くすることができる。
つまり、身体全体に強いマツサージを受けたい場
合には、エアーパツド１９に充填される圧縮空気
の圧力を低くすればよく、逆に弱いマツサージを
受けたい場合には高くすればよい。

なお、エアーパツドの形状は上記一実施例のも
のだけに限定されず、要は空気容量が異なる複数
のクツシヨン部を有するものであればよい。たと
えば、各クツシヨン部は複数の空気室に区画せ
ず、１つの偏平状の空気室からなるものであつて
もよく、そして各クツシヨン部の空気室の厚さを
違えることで、これら空気室の空気容量を変える
ようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案は、本体の上面に設
けられるカバーに、空気容量が異なる複数のクツ
シヨン部が上記本体の長手方向に沿つて連設され
てなるエアーパツドが収容される収容部を形成し
た。したがつて、上記カバー上に横たわる利用者
の身体の最も重い臀部に対応する部分のクツシヨ
ン部の空気容量を他の部分よりも大きくすれば、
臀部を身体の他の部分よりも大きなクツシヨン性
で支持することができるから、臀部だけを強くマ
ツサージし過ぎるのを防止することができ、また
身体全体をほぼ同じような強さでマツサージする
ことができるなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は指
圧装置の縦断面図、第２図はエアーパツドの横断
面図、第３図はカバー上に利用者が仰向けに横た
わつた状態の説明図である。 １……本体、７……指圧ローラ、８……駆動源
（駆動機構）、１３……ワイヤ（駆動機構）、１７
……カバー、１８……収容部、１９……エアーパ
ツド、２１〜２３……第１乃至第３のクツシヨン
部、２１ａ，２２ａ，２３ａ……第１乃至第３の
空気室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面が開口した本体内に、駆動機構によつて上
   記本体の長手方向に沿つて往復駆動される指圧ロ
   ーラが設けられているとともに、上記本体の上面
   開口はカバーによつて閉塞された指圧装置におい
   て、上記カバーにはエアーパツドを収容する収容
   部が形成され、上記エアーパツドは空気容量の異
   なる複数のクツシヨン部が上記本体の長手方向に
   沿つて連設されてなることを特徴とする指圧装
   置。