JPH0352044Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、テレビジヨン受像機やビデオテープ
レコーダに使用されるチユーナ装置に関し、特に
局部発振信号出力端子を備えたチユーナ装置に関
する。

(ロ) 従来の技術 周波数シンセサイザ方式の選局装置を使用した
テレビジヨン受像機やビデオテープレコーダに使
用するチユーナには、局部発振信号出力端子が設
けられており、斯る出力端子から取出された局部
発振信号を前記選局装置において適当な分周比を
もつ分周回路で分周して基準周波数との比較を行
ない、これによつて局部発振周波数の制御をする
ことによつて所望の選局を行なうようになつてい
る。その際、分周回路はデイジタルICで構成さ
れているので動作の安定性を確保する上で十分な
レベルの局部発振出力が必要であるとともに負荷
（分周回路）に対して局部発振出力が変動するの
を緩和する目的で、例えば実開昭59−69547号公
報に記載されているように局部発振出力を一旦増
幅して分周器（プリスケーラ）に供給するように
している。

ところが、増幅器の利得は周波数が高くなる程
低下し、また局部発振信号のレベル自体も、特に
UHF帯の高域において低下するのが一般的であ
る。また、チユーナに取付けられる局部発振信号
出力端子としては、通常安価なフオノジヤツクが
用いられるが、このようなフオノジヤツク端子は
構造的に端子間容量が大きく、２〜3PF程度の値
を有しており、増幅器を直接フオノジヤツク端子
に接続した場合、該端子間容量によつてUHF帯
の高域での局部発振信号のレベル低下を助長する
ことになる。更にプリスケーラ（分周器）の入力
インピーダンスが周波数により大きく変動し、
1KΩ〜20Ωの範囲で変動することも知られてい
る。このため、局部発振信号が低い周波数から高
い周波数に変化するのに伴なつて、その信号レベ
ルが変化し、分周器ひいては選局回路の誤動作を
招来することになる。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案は、上記欠点に鑑みなされたものであつ
て、局部発振信号のレベル不足に起因する選局回
路の誤動作を防止しようとするものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案はチユーナの局部発振器の出力端と局部
発振信号出力端子間にインダクタンスとコンデン
サとからなるローバス型の整合回路を複数段接続
したものである。

(ホ) 作用 上記の如きローバス型の整合回路を用いれば、
局部発振信号の高域側で負荷に対しインピーダン
スマツチングするようにできるので、これによつ
て局部発振信号を低域側から高域側に亘つて略一
定のレベルにすることが可能となる。

(ヘ) 実施例 以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図を
参照しつつ説明する。

第１図は本考案を実施したチユーナ装置の要部
ブロツク回路図を示しており、１はVHFチユー
ナ部の局部発振器、２はUHFチユーナ部の局部
発振器、３は前記各発振器１，２の出力を選択し
て増幅器４に導く混合器であつて、該混合器３は
ローバスフイルタ３ａとハイバスフイルタ３ｂと
から構成される。そして、本考案では前記増幅器
４と、周波数シンセサイザ方式の選局装置のプリ
スケーラに局部発振信号を供給するためにチユー
ナ筐体に設けられたフオノジヤツク端子５との間
にローバス型の整合回路６を設けたことを特徴と
している。本実施例ではローバス型のLC整合回
路を２段接続して、整合回路を形成しているが、
フオノジヤツク端子５自体２〜3PFの容量をもつ
ているので、この容量C₀と、可変調整可能なイ
ンダクタンスL₀によつて第１の整合回路６ａを
形成し、固定のインダクタンスL₁及びコンデン
サC₁によつて第２の整合回路６ｂを形成してい
る。従つて、フオノジヤツク端子５の容量C₀の
バラツキと、該端子５に接続されるプリスケーラ
の入力インピーダンスのバラツキは前記インダク
タンスL₀の値を可変することによつて補正でき
る。

そして、上記整合回路６を例えばUHF局部発
振周波数の最高域である900MHz近傍において、
増幅回路４とプリスケーラ間で最適マツチングが
とれるようにすれば、900MHzから低域側におい
ては若干のレベル低下はあるものの、局部発振周
波数の低域から高域に亘つて略一定レベルの局部
発振信号が端子５に得られる。尚、上記実施例で
は、整合回路は２段接続となつているが、３段以
上接続してもよく、その場合負荷変動に対して更
に良好な整合状態が得られる。また、各整合回路
の回路定数は理想的には同一となるようにするこ
とが好ましい。

上記の如き整合回路６を実際にチユーナ装置と
して構成するに当つては、例えば第２図に示す如
く第１の整合回路６ａはシールドケース７に取付
けられたフオノジヤツク５によつて形成される端
子間容量と、プリント板８に取付けられたコ字型
インダクタンス導体９で形成され、このインダク
タンス導体９とシールドケース７間の距離を調整
することによつてインダクタンス値を可変でき
る。また、第２の整合回路６ｂはプリント板８の
裏面に形成された導体パターン１０とコンデンサ
C₁とから構成される。尚、１１はインダクタン
ス導体９とフオノジヤツク５を接続するリード
線、１２は半田である。

第３図は、局部発振周波数と端子５に得られる
信号レベルとの関係を示しており、同図ａは整合
回路が設けられていない従来のチユーナ装置の場
合であつて、850MHzを越えた付近から急激なレ
ベルの低下がみられるが、本考案を実施した場
合、同図ｂの如くUHF帯の高域においてもレベ
ル低下がない。

また、本考案で用いる整合回路６はローバスフ
イルタを形成しているので、その遮断周波数を
1000MHz程度に設定すれば、不所望な高調波の発
生も抑圧されることは言うまでもない。

(ト) 考案の効果 以上のように本考案に依れば、局部発振信号出
力端子に得られる発振信号のレベルを低域から高
域に亘つて略一定レベルに揃えることができるの
で、周波数シンセサイザ方式の選局装置の誤動作
が生じることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のチユーナ装置の要部回路を示
すブロツク図、第２図は整合回路の具体的な構造
を示す図、第３図は本考案の効果を説明するため
の図である。 １，２……局部発振器、５……フオノジヤツク
端子（局部発振信号出力端子）、６……整合回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) VHFチユーナ部の局部発振器１と、UHFチ
   ユーナ部の局部発振器２と、この両局部発振器
   １，２の出力を増幅器４に導く混合器３と、こ
   の増幅器４の出力信号をプリスケーラに供給す
   るために設けられたフオノジヤツク端子５と
   を、備える周波数シンセサイザ方式用のチユー
   ナ装置において、 前記UHFチユーナ部の局部発振器２の発振
   周波数の最高域近傍において、前記増幅器４と
   前記プリスケーラ間で最適マツチングがとれる
   ように、前記増幅器４と前記フオノジヤツク端
   子５間にインダクタンスとコンデンサとからな
   るローパス型の整合回路６ａ，６ｂを複数段接
   続したことを特徴とするチユーナ装置。 (2) 前記整合回路の一つ６ａは可変調整可能なイ
   ンダクタンス導体９と、前記フオノジヤツク端
   子５自体で形成された容量とから構成されてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のチユーナ装置。