JPH0351904Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は機器と機器間、コード相互間等を電気
的に接続するためにコードの先端に取付けるプラ
グに係り、特にステレオヘツドホン等の２チヤン
ネルの信号源の接続に用いるプラグに関する。

〔従来の技術〕

ステレオヘツドホンをモノラル用音響機器に接
続してモノラル信号も両側のヘツドホンから聴取
することができるようにしたプラグが各種提案さ
れ、また実施されている。

この種のプラグとしては実開昭57−36091号公
報において、プラグのつまみケースに左チヤンネ
ル信号用リード線と右チヤンネル信号用リード線
とをモノラル信号聴取側、ステレオ信号聴取側に
切換接続する切換スイツチを内蔵し、この切換ス
イツチを切換操作して、両リード線間を接続し遮
断することによりステレオ信号はもとよりモノラ
ル信号であつても両耳からその信号を聴取できる
ようにしたものが提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら上記のプラグにあつては切換スイ
ツチとして単独のスライドスイツチをプラグのつ
まみケースに内蔵するのでつまみケースは寸法的
に大きくなり、音響機器へ接続した際に体裁上等
に不具合があり、また組立においては各リード線
との半田付け接続を行うため手数を要し、スイツ
チ自体の構成部品点数も多くコスト高になる欠点
がある。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので切換
スイツチを導電部としてのチツプとリングとの間
に一体的に形成して小型化とコストの低減化を可
能とすることを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のプラグは導電部としてのチツプ２とリ
ング３とスリーブ５とを有するプラグであつて、
各端部２ｂ，３ｂ，５ｄを同軸的にプラグのつま
みケース１３の内部に導入し、チツプ２の端子部
２ｂに略へ字状に屈曲形成した弾性接片１１の基
端環状部１１ａを固着し、その自由端１１ｂをリ
ング３の端子部３ｂの周面に所要間隔をおいて対
峙させ、この弾性接片１１の外面側に相対して押
圧面１４ａを有する操作子１４をつまみケース１
３に摺動可能に取付けて構成し、そしてチツプ２
の端子部２ｂには一方のチヤンネル用リード線１
２ａを、リング３の端子部３ｂには他方のチャン
ネル用リード線１２ｂを、またスリーブ５の端子
部５ｄにはアース用リード線１２ｃを接続する。

〔作用〕

この構成によれば操作子１４を摺動することに
よりこの押圧面１４ａで弾性接片１１が押圧さ
れ、このため弾性接片１１はその偏倚力に抗して
押し延ばされて自由端１１ｂがリング３の端子部
３ｂの周面に摺動状態で圧接され、チツプ２とリ
ング３とは弾性接片１１を介して電気的に接続さ
れる。即ち左右両チヤンネルリード線１２ａ，１
２ｂは接続状態となつて同一信号電流が流れるこ
とになる。

またこの状態から操作子１４を上述の場合と逆
方向に摺動することにより弾性接片１１の押圧が
解除され、弾性接片１１は自体の偏倚力によつて
復元し、自由端１１ｂがリング端子部３ｂの周面
から隔離されてチツプ２とリング３とは非導通状
態となり左右両チヤンネルリード線１２ａ，１２
ｂには夫々別個の信号電流が流れることになる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面について詳細に説明す
る。

１はプラグの全体を示し、２は先端に挿入頭部
２ａを形成したバー状チツプ、３はパイプ状リン
グでチツプ２が頭部２ａを先端口から、後端部即
ち端子部を後端口から突出するように絶縁用樹脂
材４を介して嵌挿されている。

このリング３は先端接触部３ａを残して外周を
細径に形成してあり、スリーブ５に絶縁用樹脂材
６を介して嵌挿し、先端接触部３ａが先端口から
突出されてスリーブ外周面と同一面となされてお
り、また後半部は後端口から突出されている。こ
のチツプ２、リング３及びスリーブ５とによりミ
ニプラグピンが形成される。そしてスリーブ５の
略中央部に形成されているフランジ５ａの前面側
に一体にネジ部５ｂが形成されており、このネジ
部５ｂにアダプターピン８を螺着することにより
標準プラグピンとなる。

スリーブ５の後端面即ち端子部５ｄにはアース
端子９の先端環状部９ａがリング３に遊嵌された
状態で当接されリング３の突出部外周を絶縁用樹
脂材１０により被覆してあり、この樹脂材１０の
適所を切除して窓部１０ａ，１０ｂを形成し、リ
ング３の後半部の一部即ち端子部３ｂを表出させ
てある。

１１は導電弾性接片で略へ字状に屈曲形成さ
れ、この基端には環状部１１ａが形成されてお
り、この環状部１１ａをチツプ２の端子部２ｂの
段部２_b1に嵌挿し、この段部２_b1に圧入される止
着環体２ｃにより固着してあり、この状態で自由
端１１ｂはリング３の端子部３ｂに所要間隔をお
いて対峙される。またこの弾性接片１１の基端環
状部１１ａの周縁には一体にリード線接続片１１
ｃ及び回り止片１１ｄが突設され、この回り止片
１１ｄはリング３の被覆樹脂材１０に埋設されて
いる。

このように形成したプラグピンの端子部リード
線が、接続される。即ち、チツプ２の端子部２ｂ
には弾性接片１１の接続片１１ｃに一方のチヤン
ネル用リード線１２ａが、リング３の端子部３ｂ
には他方のチヤンネル用リード線１２ｂが、また
スリーブ５にはアース端子９にアース用リード線
１２ｃが夫々接続され、そしてこれ等リード線１
２ａ，１２ｂ，１２ｃは結束して被覆チューブ１
２ｄにより被覆されてアース端子９のラグ９ａに
より止着されている。

１３はプラグピンの後半部即ちスリーブ５のフ
ランジ５ａより後側に被覆嵌合するつまみケース
でケース１３ａとブツシング一体のキヤツプ１３
ｂから構成され、ケース１３ａはPP，PBT等の
硬質樹脂より成型されるものでヒンジ部１３_a1を
中心として左右に開かれるように形成され、その
両側部には後述する操作子１４の取付け部となる
即ち上述の弾性接片１１と対応する切欠凹部１３
_ａ２，１３_a3が形成されており、またキヤツプ１３
ｂはケース１３ａの外周に密接嵌合されるよう
に、PVC等軟質樹脂により成型されるもので切
欠凹部１３_a2，１３_a3と対応して操作子取付け穴
１３_b1が形成されている。

操作子１４はPOM等の硬質樹脂より成型され
るもので内面側に上述の弾性接片１１に摺接され
る傾斜状押圧面１４ａが形成され、この押圧面１
４ａの両側に位置して摺動案内用脚片１４ｂが突
設されており、この脚片１４ｂはキヤプ１３ｂの
操作子取付け穴１３ｂを通してケース１３ａの両
切欠凹部１３_a2，１３_a3の側縁部に摺動可能に係
合されて操作子１４の脱落防止と案内作用してい
る。また操作子１４の形状は、両方向の摺動にお
いてつまみケース１３の内部が見えないように形
成してあり、押圧面１４ａは両端部に凸部１４_a
１，１４_a2を形成して両方向の摺動端において弾
性接片１１の屈曲頂部１１ｅを乗り越えることに
よりクリツク感を持たせるようにしてある。

また、この操作子１４の押圧面１４ａの形状は
第４図に示す如く各種考えられ、同図Ａの場合は
凸部を形成せず単なる斜面形状であつて摺動動作
においてクリツク感は生ぜず、同図Ｂの場合は押
圧面１４ａの両端部に段部１４_a3，１４_a4を形成
し摺動動作の両端でクリツク感を持たせるように
したもので、また同図Ｃの場合は押圧面１４ａの
略中央に凸部１４_a5を形成して摺動動作の途中で
クリツク感を持たせるようにした場合である。

以上のようにプラグ１を構成することにより操
作子１４を押圧摺動すると第１図一点鎖線で示す
ように押圧面１４ａがその傾斜により弾性接片１
１の屈曲頂部１１ｅを順次強く押圧し、このため
弾性接片１１はその自由端１１ｂがリング３の端
子部３ｂに被覆樹脂材１０の窓部１０ａを通して
押付けられ、この状態で更に強く押圧されること
により押し延ばされ自由端１１ｂはリング端子部
３ｂに対し圧接状態で摺動されることになりチツ
プ２とリング３とは弾性接片１１を介して電気的
に確実に接続される。即ち第５図に示すモノラ
ル・ステレオ切換え回路例の如くＬチヤンネル用
リード線１２ａとＲチヤンネル用リード線１２ｂ
との間のスイツチＳが閉じることになつて両リー
ド線１２ａ，１２ｂとに同一信号電流が流れるこ
とになり両方のステレオヘツドホンH_LとH_Rとか
らモノラル信号が聴取できることになる。

また、この状態から操作子１４を上述の場合と
逆方向に摺動することにより弾性接片１１の押圧
が解除され、弾性接片１１は自体の偏倚力によつ
て復元し、自由端１１ｂがリング端子部３ｂから
隔離されてチツプ２とリング３とは非導通状態と
なる。即ち第５図に示す回路においてスイツチＳ
が開かれる状態となつてリード線１２ａと１２ｂ
には別個の信号電流が流れることになりステレオ
ヘツドホンH_LとH_Rによりステレオ信号が聴取で
きることになる。

以上説明したプラグはステレオヘツドホンでモ
ノラル信号を聴取する場合に用いるばかりでな
く、他の電気回路の切換接続器として用いること
ができることは勿論である。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば導電部としてのチ
ツプとリングとの間を単独のスイツチを備えると
こなく導電弾性接片により直接的に接続し、また
開放するように構成したのでスイツチ付プラグを
コンパクトに形成できると共に組立てにおいても
スイツチとリード線の半田付け接続の必要がな
く、組立工数が削減できると共に部品点数も少な
くコストの低廉化が可能となり、しかもスイツチ
動作においては導電弾性接片が被接触端子側に単
に当接されるだけでなく、押付けられながら摺動
して接触されるので接触面に対していわゆるセル
フクリーニング作用状態での接触となり、常に確
実なスイツチ動作可能なプラグが得られる等の効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるスイツチ付プラグの一例
の一部截断した側面図、第２図は第１図の−
線断面図、第３図は弾性接片固着部の分解斜視
図、第４図は操作部の他例の断面図、第５図は本
考案によるスイツチ付プラグを使用する一例の切
換え回路図である。 図中２のはチツプ、２ｂは端子部、３はリン
グ、３ｂは端子部、５はスリーブ、１１は導電弾
性接片、１３はつまみケース、１４は操作子、１
４ａは押圧面である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 導電部としてのチツプ及びリングと、 略へ字状に屈曲形成されると共に、一端には上
   記チツプ又はリングの何れか一方の端子部に対し
   て接離可能な自由端を有し、上記チツプ又はリン
   グの他方の端子部に他端が固着されてなる導電弾
   性接片と、 この導電弾性接片の屈曲頂部に摺接する押圧面
   を有する操作子と、 を備え、 上記操作子の摺動操作によりこの操作子の押圧
   面が上記導電弾性接片の屈曲頂部を押圧しながら
   摺動して上記チツプ又はリングの何れか一方の端
   子部に上記導電弾性接片の自由端が圧接されると
   共に、この圧接された状態で上記自由端が摺動し
   て上記チツプとリングとを電気的に接続するよう
   にしたことを特徴とするスイツチ付プラグ。