JPH0351494Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案はキイーカードを挿入することにより
解錠される施錠機構を介して可動部が移動するカ
ードロツク装置を用いて金庫扉の開閉を行うカー
ドロツク装置付耐火庫扉の構造に関する。

【従来の技術】

従来、キイーカードを挿入することにより解錠
される施錠機構を介して可動部が移動するカード
ロツク装置は知られており、住宅、マンシヨン、
オフイス等の部屋の施錠・解錠に利用されてい
る。 しかし、このカードロツク装置で、クラツチを
用いた掛止ロツド解放部を設けた耐火庫の扉構造
は知られていない。

【考案が解決しようとする問題点】

この考案の主たる課題はカードロツク装置を耐
火庫の施錠装置として用いると共に、簡単な機構
で耐火庫の扉の開閉を確実に行うことができるカ
ードロツク装置付耐火庫扉の構造を提供するにあ
る。

【問題点を解決するための手段】

上記課題を解決するために、この考案は、キイ
ーカードを挿入することにより解錠される施錠機
構を介して可動部が移動するカードロツク装置
と、該カードロツク装置の可動部に連結片を介し
て固定された掛止ロツド解放部と、該掛止ロツド
解放部の退動によつて、耐火庫本体へ掛止められ
た掛止ロツドを固定している走り板を開扉操作部
の操作で掛止ロツドの掛止解除方向へ移動可能と
する掛止解除手段とからなつて、 掛止ロツド解放部が、連結片に回転可能に取付
けられて非円形状の孔部を有する肉厚の連結盤か
らなると共に、掛止解除手段が開扉操作部の第１
回転軸と僅かな〓間を介して同軸状に延びて且つ
走り板に連結される第２回転軸とからなつて第１
回転軸と第２回転軸が前記孔部に衝合可能に嵌拒
込まれる形状に設定され、カードロツク装置の施
錠時に前記連結盤が第１回転軸のみを囲む外嵌位
置に配置されて第１回転軸の回転力が第２回転軸
に伝動されず、カードロツク装置の解錠時には前
記連結盤が第１回転軸と第２回転軸とを同時に囲
む外嵌位置に退動して第１回転軸の回転力が第２
回転軸に伝動され開扉操作部の操作により金庫本
体と掛止ロツドとの掛止が外れて開扉可能とな
る、という技術的手段を溝じている。

【作用】

これにより、カードロツク装置にキイーカード
が挿入されると、カードロツク装置の可動片が移
動し、該可動片に固定された掛止ロツド解放部も
退動する。 この掛止ロツド解放部はカードロツク装置の施
錠時に前記連結盤が第１回転軸のみを囲む外嵌位
置に配置されて第１回転軸の回転力が第２回転軸
に伝動されず、カードロツク装置の解錠時には前
記連結盤が第１回転軸と２回転軸とを同時に囲む
外嵌位置に退動して第１回転軸の回転力が第２回
転軸に伝動され開扉操作部の操作により金庫本体
と掛止ロツドとの掛止が外れて開扉可能となる。 そして上記退動によつて掛止解除手段が開扉操
作部の操作で掛止ロツドの掛止解除方向へ移動可
能となり、掛止ロツドが固定している走り板を掛
止解除方向へ移動することができる。

【実施例】

第１図乃至第３図に示す耐火庫扉は、施錠装置
としてカードロツク装置１を備えた場合の応用例
である。 このカードロツク装置１は、本実施例の場合、
装置本体１ａと該装置本体１ａの内蔵されて解錠
時一定間隔分後方へ平行移動する可動部１ｂとか
ら構成されており、装置本体１ａの前面にはキイ
ーカードＣ１挿入孔１１が開口し、可動部１ｂの
背面にはコードカードＣ２挿入孔１２が開口して
いる。 ここでキイーカードＣ１及びコードカードＣ２
は塩化ビニール等の硬質のプラスチツク材からな
つて多数の小孔Ｓが所定の組合わせ位置に配置さ
れ透設されている。 この小孔Ｓは、装置本体１ａ内で復帰可能に上
下動する多数の針が対応位置で挿通されるもの
で、小孔が対応位置にない場合には針はカード面
と衝合する。 従つて、コードカードで設定された組合わせに
キイーカードの小孔の配設位置が一致すると解錠
される。 そこで予めコードカード挿入孔にコードカード
を挿入しておき、耐火庫扉Ｄのカード孔Ｈを介し
てキイーカード挿入孔１１へキイーカードを挿入
すると解錠され、更にキイーカードを押し込むと
その押圧力で可動部１ｂが後進する公知構成から
なつている。 なお、この考案で用いるカードロツク装置１は
上記実施に限定されず、少なくともキイーカード
を挿入すると機械操作式で解錠し、可動部が移動
する構成であればよい。 次に、このカードロツク装置１の可動部１ｂに
はブロツク取付片２１を垂設したブロツク台２０
が固着されており、前記ブロツク取付片２１には
ブロツク２が溶着等により固定されている。 一方、耐火庫本体の内壁面に形成された凹陥部
３０に出没自在に掛止められる掛止ロツド３は走
り板４の先端側で固着され、該走り板４の基端側
には衝合用ロツド５がビス止めされている。 この走り板４は、開扉操作部６（本実施例では
シリンダ錠）の回転軸６０の基端に固定された盤
６１上で偏心した位置に突設したブラケツト６２
を惰円形の縦向孔部４１を介して嵌込んでいる。 従つて開扉操作部６の操作は回転軸６０を回転
させ、盤６１上のブラケツト６２を左右方向へ略
平行移動することが可能となるので、走り板４を
同一方向け移動させることができる。 尚図中７は前記衝合用ロツド５の進動を案内す
るガイド片であり、８は扉Ｄの裏カバー、９は走
り板ガイド用のセキ、Ｇはカードである。 また４３は走り板４に形成された波形切欠部
で、板バネ４２により走り板４を第１図中下方へ
付勢し定位置で横方向へスライスさせる構成とし
ている。 この耐火庫用扉は上記構成からなるので、今キ
イーカードが挿入され可動片１ｂが後退動すると
ブロツク取付片２１を介してブロツク２が第２図
の一点鎖線で示す位置まで後退する。 ここで上記ブロツク２は、施錠時には衝合用ロ
ツド５の進行位置を塞ぐように配置されており、
開扉操作部回動時には、衝合用ロツド５とブロツ
ク２が衝合し掛止ロツド３の掛止解除を妨げてい
る。 そこでこのブロツク２が後退すると、衝合用ロ
ツド５は進動可能状態となるので開扉操作部を回
動して掛止ロツド３が完全に掛止状態を脱する
（凹陥部から引抜かれる）まで走り板４を掛止解
除方向即ち第２図中左側へ移動することができ
る。 この掛止ロツド３の掛止解除によつて扉Ｄは耐
火庫本体と離れて開扉される。 耐火庫使用後は開扉操作部６を複帰させると回
転軸６０及びブラケツト６２が共に複帰し前記原
状位置まで退動する。 そしてキイーカードを引抜くと可動部１ａは前
進復帰しそれに併ないブロツクも前記衝合用ロツ
ド５と衝合可能な位置まで移動する。 ここで公知の掛止ロツド復帰機構（図示せず）
を付加してもよい。 即ち、例えば開扉時に外方（耐火庫本体の内壁
面で凹陥部３０と対向する側）へ突出する軸部を
走り板４と連動可能に取付け扉閉止時に耐火庫本
体の内壁面で押圧され走り板４乃至掛止ロツド３
を凹陥部３０側へ移動させる機構等である。 次に、この考案の実施例として第４図に示す耐
火庫用扉は、カードロツク装置１の解錠移動を利
用して、分割構成とした開扉操作部の回転軸を連
動可能に連結するクラツチ機構式にした構成を示
す。 尚、前記応用例と同一構成については、同一番
号を付したのでその説明を省略する。 即ち、この耐火庫用扉は、カードロツク装置１
の底面に固着された連結盤用台１５と、該台１５
に一体形成されて横方向へ延び先端側に連結盤２
５を固定した取付片２８を有している。 この連結盤２５は肉厚の金属材から構成され
て、中央に非円形即ち真円形以外の惰円、多角形
の形状（本実施例では矩形）からなる孔部２６を
有している。 次に開扉操作部６の回転軸は、開扉操作部６に
連結された第１回転軸６５と、掛止ロツド３を固
着した走り板４に連動可能に嵌込まれるブラケツ
ト６２を偏心位置に突設した盤６１を基端に回転
可能に装着し、前記第１回転軸６５とは僅かな〓
間を介して同軸状に延びる第２回転軸６６とを有
している。 ここで前記第１回転軸６５及び第２回転軸６６
とは共に断面非円形状（本実施例では矩形）から
なつており、且つ前記連結盤２５の孔２６の形状
に対応し僅かに小形の相似形状から構成されてい
るので、第１回転軸６５と第２回転軸６６とは連
結盤２５の孔部２６と衝合し連動可能に連結する
ことができる。 そして、連結盤２５は、カードロツク装置１の
施錠時には、第１回転軸６５だけに嵌込まれてい
るので開扉操作部６を回転させても第１回転軸６
５のみが回転（空回り）するだけで扉は開かな
い。 次に、カードロツク装置１の解錠時には連結盤
２５は後退して第１回転軸６５と第２回転軸６６
の双方を連動可能に連結する位置まで移動する。 これによつて開扉操作部６の回転力は、第１回
転軸６５から連結盤２５で連結された第２回転軸
６６に伝動され、第２回転軸６６に設けられたブ
ラケツト６２を略横方向へ平行移動させる。 このブラケツト６２は走り板４に係合している
ので走り板４を掛止ロツド３の掛止解除方向であ
る図中左方向へ移動させ掛止ロツド３を耐火庫本
体の凹陥部から引き抜き掛止を解除することがで
きる。 尚、この考案において開扉操作部はハンドル又
はシリンダ錠その他走り板４を掛止解除方向へ移
動するための駆動源であればよく、その構成は特
に限定されていない。

【考案の効果】

この考案は上記構成からなるのでカードロツク
装置を耐火庫扉の施錠装置として用いることがで
きるようにすると共に、クラツチを用いた簡単且
つ確実な構造で耐火庫扉の開閉を行うことがで
き、極めて実用性に優れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はカードロツク装置付耐火庫扉の構造の
応用例を示す背面図、第２図は第１の−線断
面図、第３図は第１図の−線断面図、第４図
はこの考案の好適実施例（ロツク解除時）を示す
横断面図であり、第５図ａは同ロツク時の要部断
面図、ｂは同側断面図、第６図はこの考案の耐火
庫の正面図である。 １……カードロツク装置、１ｂ……可動部、Ｃ
１……キイーカード、Ｄ……耐火庫用扉、Ｈ……
カード孔、２……ブロツク、３……掛止ロツド、
４……走り板、５……衝合用ロツド、６……開扉
操作部、２５……連結盤、２６……孔部、６５…
…第１回転軸、６６……第２回転軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) キイーカードを挿入することにより解錠され
   る施錠機構を介して可動部が移動するカードロ
   ツク装置と該カードロツク装置の可動部に連結
   片を介して固定された掛止ロツド解放部と、該
   掛止ロツド解放部の退動によつて、耐火庫本体
   へ掛止められた掛止ロツドを固定している走り
   板を開扉操作部の操作で掛止ロツドの掛止解除
   方向へ移動可能とする掛止解除手段とからなつ
   て、 掛止ロツド解放部が、連結片に回転可能に取
   付けられて非円形状の孔部を有する肉厚の連結
   盤からなると共に、掛止解除手段が開扉操作部
   の第１回転軸と僅かな〓間を介して同軸状に延
   びて且つ走り板に連結される第２回転軸とから
   なつて第１回転軸と第２回転軸が前記孔部に衝
   合可能に嵌込まれる形状に設定され、カードロ
   ツク装置の施錠時に前記連結盤が第１回転軸の
   みを囲む外嵌位置に配置されて第１回転軸の回
   転力が第２回転軸に伝動されず、カードロツク
   装置の解錠時には前記連結盤が第１回転軸と第
   ２回転軸とを同時に囲む外嵌位置に退動して第
   １回転軸の回転力が第２回転軸に伝動され開扉
   操作部の操作により金庫本体と掛止ロツドとの
   掛止が外れて開扉可能となることを特徴とする
   カードロツク装置付耐火庫扉の構造。 (2) 開扉操作部がハンドル又はシリンダ錠からな
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のカードロツク装置付耐火庫扉の構
   造。 (3) カードロツク装置がキイーカードとコードカ
   ードの組合わせによつて解錠可能となる施錠機
   構を備えていることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲１項記載のカードロツク装置付耐火
   庫扉の構造。