JPH0351045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は円板の偏心位置から突出する細長い
丸棒や、長手方向に対して軸心と平行に延びない
棒材などの非対称形棒材の外周をマシニングセン
タを用いて切削する際に用いると好適な外径切削
ホルダに関する。

（従来の技術） 上述の非対称形棒体の外周を切削するに当り、
フライス盤やマシニングセンタなどに被加工物を
取り付け、工作機械の主軸に取付けた工具ホルダ
のバイト切刃で棒材の外周を切削する。

（考案が解決しようとする問題点） しかしフライス盤やマシンニングセンタでは被
加工物の一端のみを把持した状態で自動的に加工
を行っていくため、切削圧により被加工物がみそ
すり運動をすることになり、荒加工は行えても仕
上げ切削には精度上の問題や加工能率のうえから
問題がある。

（問題点を解決するための手段） この考案は、テーパシヤンク２、つば部３、円
筒部４からなる本体１の円筒部４にフロート軸挿
入孔６を設け、円筒部４の外周に軸受を介して給
油装置を取りつけ、前記フロート軸挿入孔に連通
する給油穴中に油圧調整装置を設けると共に、先
端に軸受けを介してセンター押え金を取りつけた
フロート軸１５を前記フロート軸挿入孔６に挿入
し、かつ放射方向にバイトを取りつけたバイトホ
ルダ１６を本体１の先端に固定し、上述の問題点
を除去したものである （作用） 工作機のスピンドル３１に工具ホルダ１のシヤ
ンク２を結合すると給油装置８の給油ピン９の先
端が、スピンドルヘツド３２に取りつけてある給
油ブロツク３３の注入口に嵌合する。すると給油
ピン９に切削油がボール３４を押し下げて油穴１
０、１０ａから給油ピンの外周の油溝１０ｂを経
て、さらに油穴１１、油穴１２を通つて挿入孔の
後方に続く空孔３５に流れこむ。流れこんだ切削
油が空孔３５に充満すると注油圧により、フロー
ト軸１５は軸方向に押され、テーブル３６に押え
金３７とボルト３８、ナツト３９によつて取りつ
けられた加工物本体４０に形成された細長い丸棒
４１のセンター穴にセンター押え金１４のセンタ
ーが押しこまれて固定する。すると、スピンドル
３１と共に工具ホルダ全体がセンター押え金１４
を残して回転しながら軸方向に下つて切刃２４で
丸棒の外周を切削する。切削が進むと工具ホルダ
が下り同時に丸棒を押しつけているセンター押え
金１４は軸受１３を介してフロート軸１５を挿入
孔６の内方に押し込むことになる。この時空孔３
５内の油圧が高くなり、そのままの状態では切削
不可能となるで、油圧が設定圧よりも高くなると
鋼球２６に圧が加わりばね２７圧に打勝つて鋼球
２６は穴２５内に押しこまれ鋼球と穴のすきまか
ら油が逃げて油穴２８を通つて外部に排出され空
穴３５内の油圧は常に一定に保たれる。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面について説明する
と、工具ホルダ１は該本体を工作機のスピンドル
３１に取付けるためのテーパシヤンク２、つば部
３、円筒部４を有し、つば部３にはキー溝５が設
けられて工具交換用アームのフオーク（図示せ
ず）が係合できるようになつている。円筒部４に
は後述するフロート軸１５を摺動可能に挿入する
挿入孔６が形成されており、外円筒部の外周には
軸受７を介して後述する給油装置８が取りつけら
れている。給油装置８には給油ピン９が装着され
ていて、給油ピン９の内部に形成された給油穴１
０は給油装置に穿設された油穴１１及び円筒部４
の肉厚内に形成された油穴１２を経て挿入孔６と
連通している。フロート軸１５は前記挿入穴に摺
動可能に挿入され、先端に軸受１３を介しセンタ
ー押え金１４が取りつけられている。本体の円筒
部４の先端面１７にボルト１８により円筒形のバ
イトホルダ１６が固定されている。フロート軸１
５は全長の約１／２の個所で直径Ｄを有する大径部 １５ａと先端側の直径ｄを有する小径部１５ｂに
区分され、大径部と小径部を区画する周段部１５
ｃバイトホルダ１６の小径部１６ｂと係合してい
て、フロート軸１５が挿入孔６から抜けないよう
になつている。さらにフロート軸１５の大形部１
５ａの外周には油もれ防止のシール１９が環状に
はめこんであり、小径部１５ｂの外周はバイトホ
ルダ１６の小径部１６ｂに旋設した環状の溝に嵌
めこんだ防じんシール２０と摺接している。さら
にバイトホルダ１６の先端側にはバイト取り付け
用の溝２１が放射方向に１箇又は複数箇設けられ
ていて該溝に切刃２４を取付けたバイト２２が挿
入され、ボルト２３で固定されている。さらに給
油装置８に穿設された油穴１１に向けて貫通した
先細りの穴２５と該穴に連通する穴２８が穿設さ
れている。前記の先細りの穴２５には鋼球２６を
ばね２７により付勢している。なお３１はめねじ
３０にねじ込まれたばね力調整ねじであつて、油
孔１１内の設定圧を調整すると共に、ばね受けを
兼ねている。また、バイトホルダの中心に切粉逃
がし窓１６ａを穿通しておくと、切粉の排出が良
好になる。また、取削後に前記窓１６ａにアエー
を吹きつけて切粉を排出させることもできる。さ
らに切削バイトを放射方向に進退可能に取付けれ
ば、一方を荒加工他方を仕上加工とすれば、削り
代の多いものでも一回で仕上げができる。

ちなみに加工物材質S45C、素材外径20mmのも
のを油圧５Kg／cm²、サンタ押圧60Kg、回転数
2250rpm、送り450mm／min、刃数３板刃で外径
15mm、長さ100mmに加工したがきわめて満足の
いく切削精度が得られた。

（効果） この考案は上述のように、工具ホルダの中心に
軸方向の穴を明け、その穴に、センター押え金を
取りつけたフロート軸を入れ、フロート軸端面に
続く空穴に切削油又は空気を充満させたので圧力
調整機構で一定圧を保つことができ、一定圧でフ
ロート軸端面を押し下げて、フロート軸先端に取
り付けたセンター押え金で丸棒を押さえることに
より丸棒の軸振れをなくすることができる。この
ため工具ホルダに取りつけたバイト切刃によりマ
シニングセンタやフライス盤でも丸棒外周を高い
精度に切削できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の断面図、第２図は
第１図Ａ−Ａ線の断面図、第３図は第１図の実施
例の底面図である。 １……本体、２……テーパシヤンク、３……つ
ば部、４……円筒部、６……フロート軸挿入穴、
１５……フロート軸、１６……バイトホルダ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) テーパシヤンク２、つば部３、円筒部４から
   なる本体１の円筒部４のフロート軸挿入孔６を
   設け、円筒部４の外周に軸受を介して給油装置
   を取り付け、前記フロート軸挿入孔に連通する
   給油穴に油圧調整装置を設けると共に、先端に
   軸受けを介してセンター押え金を取りつけたフ
   ロート軸１５を前記フロート軸挿入孔６に挿入
   し、かつ放射方向にバイトを取りつけたバイト
   ホルダ１６を本体１の先端に固定したことを特
   徴とする外径切削用工具ホルダ。 (2) 前記バイトは調整自在に取付けられている実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の外径切削用
   工具ホルダ。