JPH0350949B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の利用分野） 本発明は、冷凍機に関し、特に詳述すれば、低
温域の可変空間を常温域から熱遮断するサーマル
アンカー装置に関する。即ち、ロツドの一部に低
温部を作り、熱的な停泊部とし、ロツドを伝達す
る熱の侵入を防止する熱遮断手段としてのアンカ
ー装置、云い換えれば、サーマルアンカー装置に
関する。本発明は、クライオポンプ、スキツド素
子、超電導磁石等の冷凍に用いられるスターリン
グサイクル、ギホードマクロホンサイクル、ソル
ベイサイクルを利用した極低温用の冷凍機に適用
可能である。

（従来技術とその問題点） 第１の円筒内を往復動する第１のロツド、該ロ
ツドの往復動によりその容積を可変とする圧縮空
間、第２の円筒内を往復動する第２のロツド、該
第２のロツドによりその容積を可変とする膨張空
間、圧縮空間を放熱器および蓄冷器を介して膨張
空間に導通させ、さらに、低温域の圧縮空気と膨
張空間とを常温域から熱遮断するサーマルアンカ
ー装置を備える冷凍機は、たとえば、米国特許第
4335579号明細書に開示される如く公知である。
この公知例では、圧縮空間を細長のピストン（ロ
ツド）とシリンダ（円筒）とで形成し、又、膨張
空間を多段ピストン（ロツド）とシリンダ（円
筒）とで形成し、サーマルアンカー装置として予
冷板を用いる。該予冷板は、同公報の第１図から
明らかなように、両シリンダを単に連結させるも
のである。しかし、この予冷板は、シリンダ自身
およびピストンを伝る熱を完全に遮断できないこ
とから、常温域から極低温域の圧縮および膨張空
間への熱侵入を防止できず、冷凍効率を低下させ
ている。

ピストンとシリンダを用いて可変空間を作るの
に対し、第２図に示す如く、予冷板およびベロー
ズを用いる冷凍機も公知である。この例では、可
変圧縮空間１を形成するベローズ２は、第１のロ
ツド３に連結され、ロツド３の往復動によりベロ
ーズ２が伸縮し、圧縮空間１の容積を可変とさせ
る。ロツド３およびベローズ２は、円筒４内に納
められる。一方、可変膨張空間５を形成するベロ
ーズ６は、第２のロツド７に連結され、第２のロ
ツド７の往復動によりベローズ６が伸縮し、膨張
空間５の容積を可変とさせる。第２のロツド７お
よびベローズ６を第２の円筒８内に納める。圧縮
空間１は放熱器９と蓄冷器１０を介して膨張空間
５に連通し、これら作動空間１，５にはヘリウム
ガス等の作動流体が封入される。予冷板１１は両
円筒４，８を外側から連結させる形で配される。

圧縮空間１で圧縮された作動流体は、放熱器９
で冷却され、次いで、蓄冷器１０で冷熱をうば
い、膨張空間５に入り膨張する。この際、ベロー
ズ６の膨張仕事量に相当する冷凍を発生し、極低
温を作る。

極低温域に配される圧縮、膨張空間１，５は、
サーマルアンカー装置としての予冷板１１により
常温域から熱遮断されているが、前述した米国特
許と同様に、両円筒４，８自身およびロツド３，
７の内部を伝つてくる熱侵入を完全に防止できな
い。このため、冷凍能力の低下を防ぐことはでき
ない。

（本発明の技術的課題） 本発明は、常温域と極低温域とを熱遮断する予
冷板等のサーマルアンカー装置を改良すること
で、前述した従来技術の不具合を解消させる。

（本発明の技術的手段と作用） 本発明は、常温域から極低温域への熱侵入を防
止するサーマルアンカー装置を、各円筒および各
ロツドにサンドイツチされた熱良導部材、該部材
を連結させる連結部材、熱良導部材に冷媒の低温
を供給する装置とにより構成する技術的手段を用
いる。この手段の採用は、円筒及びロツド自身の
内部を伝る熱侵入が冷媒を介して外部に取出さ
れ、極低温域に伝えることなく、前述した従来技
術の不具合を解消させえる。

（実施例） 第１図に本発明の実施例を示すが、第２図に示
す従来例と同一構成部分には同符号を記し、その
説明を省略する。第１および第２のロツド３′，
７′を分断し、その分断部に、熱良導部材１２を
介在させ一本のロツドとさせる。又、第１および
第２の円筒４′，８′も同様に分断し、その分断部
に、熱良導部材１３および連結部材１４を介在さ
せ、ボルト１５止めすることで一個の円筒を形成
する。金網、銅線等からなる熱良導体の可動連結
部材１４の内側部をロツドに設けた熱良導部材１
２に結合させる。

円筒４′，８′の熱良導部材１３の外周部に冷媒
を流すパイプ１６を配す。かくして、常温域から
ロツド３′，７′及び円筒４′，８′の内部を伝つて
くる熱侵入は、熱良導部材１２及び連結部材１４
を介して冷媒に吸収され、極低温域の圧縮および
膨張空間１，５への熱侵入はなく、冷凍能力を高
めることができる。

前記実施例では、可変容積空間をベローズを用
いて形成したが、ダイアフラムやピストン・シリ
ンダを用いて形成した場合でも、本発明のサーマ
ルアンカー装置を適用できる。

（効果） 本発明では、冷媒を流すので、冷凍機の予冷時
間を短縮させる効果を生じる。又、円筒およびロ
ツドの部分改良のみで、冷凍サイクルに変更をき
たさないため、既存の冷凍機に簡単に本発明を適
用できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一例の冷凍機の部分断面図、
第２図は従来例を示す部分断面図である。 図中：１……圧縮空間、２，６……ベローズ、
３′，７′……ロツド、４′，８′……円筒、５……
膨張空間、９……放熱器、１０……蓄冷器、１
２，１３……熱良導部材、１４……連結部材、１
６……パイプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 第１の円筒内を往復動する第１のロツド、該
   ロツドの往復動によりその容積を可変とする圧縮
   空間、第２の円筒内を往復動する第２のロツド、
   該第２のロツドの往復動によりその容積を可変と
   する膨張空間、前記圧縮空間を放熱器および蓄冷
   器を介して前記膨張空間に導通させ、さらに、低
   温域の前記圧縮空間と前記膨張空間とを常温域か
   ら熱遮断させるサーマルアンカー装置とを有する
   冷凍機において、前記サーマルアンカー装置が、
   前記各円筒の分断面に接合された環状の第１の熱
   良導部材１３、前記各ロツドの分断面に接合され
   た棒状の第２の熱良導部材１２、該両熱良導部材
   を連結させる熱良導性の連結部材、および前記第
   １の熱良導部材に冷媒の低温を供給する装置とか
   らなることを特徴とする冷凍機。