JPH0350725Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、サーメツト又は超硬合金製の爪体を
金属製の座金に固着した野球靴用スパイクに関す
るものである。

（従来の技術とその問題点） 従来、野球靴用スパイク（以下単に、スパイク
と記す。）は、比較的上質の鋼板を打抜き折曲し
て、基部に脚部を直角状に突設したものが使用さ
れているが、該脚部の損耗が特に激しいため、該
スパイクを度々取換えなければならなかつた。

そこで、耐摩耗性の改善を目的として、耐摩耗
性に優れたセラミツクス，サーメツト又は超硬合
金製の冠部を、該脚部の先端に被せたスパイクが
開発されたが、当該スパイクが重くなる欠点を有
していた。

また、耐摩耗性の改善を目的として、オールセ
ラミツク製のスパイクも開発されたが、使用時に
スパイクによる突き上げ感があり、セラミツクス
製であるため、脚部が欠け易い欠点を有し、十分
満足のいくものではなかつた。

本考案は、軽量で、耐摩耗性に優れ、脚部が欠
けたりすることがなく、耐久性に優れた野球靴用
スパイクを提供することを目的としている。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係る野球靴用スパイクは、以下の様な
構成である。

略矩形の座部１の長手方向中央に、正面巾が座
部１の正面巾より狭く、側面巾が座部１の側面幅
より狭い突壁２を突設して、この突壁２の左右両
側の座部１に平滑な載置部３を形成し、突壁２の
前後の座部１に複数の透孔４を穿設した金属製の
座金ａと、 座金ａの突壁２の長さと同間隔とし、該突壁２
の高さより長い二条の縦杆部６の下部に、横杆部
７を一体的に連設し、縦杆部６及び横杆部７を、
丸みをおびさせ略同幅としたサーメツト又は超硬
合金製の略Ｕ字状の爪体ｂとからなる。

そして、座金ａの両載置部３に爪体ｂの両縦杆
部６の上端面８を接当し、座金ａの両側壁５に爪
体ｂの縦杆部６の上端面８付近の両内側面９を接
当し、座金ａの突壁２と爪体ｂの横杆部７との間
に空〓１０を設けた状態で、この各接当部をロー
付けし、座金ａと爪体ｂとを強固に一体化したも
のである。

（実施例） 本考案に係る野球靴用スパイクは、第１図乃至
第３図に示すように、サーメツト又は超硬合金製
の略Ｕ字状の爪体ｂを、金属製の座金ａに、ロー
付け等により固着したものである。

座金ａは、鉄、種々の合金等の金属製で、第３
図乃至第５図に示したように、略矩形の座部１の
長手方向中央に、正面巾が座部１の正面巾より狭
く、側面巾が座部１の側面幅より狭い略矩形の突
壁２を突設して、突壁２の左右両側の座部１に平
滑な載置部３を形成し、突壁２の前後の座部１に
複数の透孔４を平行に穿設したものである。

爪体ｂは、サーメツト又は超硬合金製で、第６
図に示したように、座金ａの突壁２の長さと同間
隔とし、該突壁２の高さより長い二条の縦杆部６
の下部に、横杆部７を一体的に連設し、縦杆部６
及び横杆部７を、丸みをおびさせ略同幅とした略
Ｕ字状体である。

次に、本考案に係る野球靴用スパイクの製造方
法について説明する。

予め作成した座金ａの両載置部３に、別途作成
した爪体ｂの両縦杆部６の上端面８を接当させ、
座金ａの両側壁５に爪体ｂの縦杆部６の上端面８
付近の両内側面９を接当させる。

そして、この各接当部をロー付けし、第１図及
び第２図に示すように、座金ａの突壁２と爪体ｂ
の横杆部７との間に空〓１０を設けた状態で、座
金ａと爪体ｂとを強固に一体化したものである。

このスパイクを靴底成形用の金型内に配設し、
強靱性の合成樹脂を注入して、野球靴とした場合
に力の係る部分に、第７図に示すように、爪体ｂ
の大部分が、靴底の接地面から突出するように、
スパイクと靴底を一体化し、通常の方法により、
この靴底に中敷及び甲皮を配設して野球靴とする
ものである。

なお、前記実施例では、座金ａの座部１を略矩
形とした例で説明したが、靴底に埋設したときに
該座部１が回動しなければよく、座部１の形状は
特に限定するものではない。

前記実施例では、座金ａの座部１に透孔４のみ
を設けた例で説明したが、該透孔４と小突起とを
複数個交互に、座金ａの座部１に配設したスパイ
クとしてもよい。

このように、座金ａの座部１に透孔４と小突起
とを複数個配設したスパイクを靴底に埋設するこ
とにより、靴底用の合成樹脂が該突起を包持し、
座金ａに透孔４だけを設けた場合に比較して、靴
底とスパイクとをより強固に一体化できる。

前記実施例では、座金ａの座部１に透孔４を穿
設した例で説明したが、この透孔４に代えて、該
座部１の周縁に切欠を設けてもよい。

前記実施例では、側面視上板状の爪体ｂを座金
ａに固着した例で説明したが、内部をえぐつた略
円錐台形の爪体ｂを座金ａに固着し、人工芝で用
いる野球靴用スパイクとしてもよい。

また、板状の爪体ｂを有するスパイクと、略円
錐台形の爪体ｂを有するスパイクを併用した野球
靴としてもよい。

（考案の作用効果） 本考案に係る野球靴用スパイクは、前記の様な
構成で、複数の透孔４を有する座部１の中央に突
設した金属製の座金ａの突壁２に、略Ｕ字状のサ
ーメツト又は超硬合金製の爪体ｂの上端面８及び
上端面８付近の両内側面９を接当固着し、座金ａ
の突壁２と爪体ｂの横杆部７との間に空〓１０を
設けた状態で、座金ａと爪体ｂとを強固に一体化
しているため、軽量で、耐摩耗性に優れ、脚部が
欠けたりすることがなく、耐久性に優れたもので
ある。

本考案に係る野球靴用スパイクは、前記の様な
構成で、略Ｕ字状のサーメツト又は超硬合金製の
爪体ｂを、該爪体ｂの両上端面８より広面積の座
金ａに固着しているため、使用時に爪体ｂに加わ
る力が、座金ａを介して靴底に順次伝わつて分散
され、スパイクによる突き上げ感のない良好な使
用性能を有するものである。

本考案に係る野球靴用スパイクは、前記の様な
構成で、複数の透孔４を有する座部１の中央に突
壁２を突設した金属製の座金ａに、略Ｕ字状のサ
ーメツト又は超硬合金製の爪体ｂの縦杆部６を接
当固着しているため、爪体ｂの透孔４に靴底用の
合成樹脂が侵入し、座金ａの座部１全体を靴底用
の合成樹脂が包み、座金ａと靴底が強固に一体化
されて、爪体ｂを靴底に強固に突設できる。

本考案に係る野球靴用スパイクは、前記の様な
構成で、複数の透孔４を有する座部１の中央に突
壁２を突設した金属製の座金ａに、略Ｕ字状のサ
ーメツト又は超硬合金製の爪体ｂの縦杆部６を接
当固着し、座金ａと靴底が強固に一体化されて、
爪体ｂを靴底に突設できるため、使用中に爪体ｂ
に係る力により、又は、靴底を曲げた時に、爪体
ｂと靴底との間に〓間ができるのを防止でき、さ
らに、この〓間に砂等が入たり、爪体ｂがぐらつ
いたりして、当該スパイクの寿命を縮めることが
ない。

本考案に係る野球靴用スパイクは、前記の様な
構成で、突座金ａの両載置部３に爪体ｂの両縦杆
部６の上端面８を接当し、座金ａの両側壁５に爪
体ｂの縦杆部６の上端面８付近の両内側面９を接
当し、座金ａの突壁２と爪体ｂの横杆部７との間
に空〓１０を設けた状態で、この各接当部を固着
して、座金ａと爪体ｂとを強固に一体化している
ため、使用時に爪体ｂに加わる力が、座金ａを介
して靴底に順次伝わつて分散され、爪体ｂに加わ
る応力の集中が緩和され、爪体ｂが折れたり、欠
けたりせず、サーメツト又は超硬合金のもつ耐摩
耗性を十分に発揮でき、耐久性に優れたものであ
る。

本考案に係る野球靴用スパイクは、前記の様な
構成で、金属製の座金ａに略Ｕ字状のサーメツト
又は超硬合金製の爪体ｂを固着しているため、耐
久性との兼ね相いから比較的安価なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る野球靴用スパイクの正面
図、第２図は第１図の−線における断面図、
第３図は本考案に係る座金の正面図、第４図は同
座金の一部切欠断面を含む側面図、第５図は同座
金の底面図、第６図は本考案の爪体の正面図、第
７図は本考案に係るスパイクの使用状態における
説明断面図である。 Ａ……靴底、Ｓ……スパイク、ａ……座金、ｂ
……爪体、１……座部、２……突壁、３……載置
部、４……透孔、５……側壁、６……縦杆部、７
……横杆部、８……上端面、９……内側面、１０
……空〓。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数の透孔４を有する座部１の中央に、正面巾
   が座部１の正面巾より狭く、側面巾が座部１の側
   面幅より狭い突壁２を突設して、この突壁２の左
   右両側の座部１に載置部３を設けた金属製の座金
   ａと、 座金ａの突壁２の長さと同間隔で、該突壁２の
   高さより長い二条の縦杆部６の下部に、横杆部７
   を一体的に連設した略Ｕ字状のサーメツト又は超
   硬合金製の爪体ｂとからなり、 座金ａの両載置部３に爪体ｂの両縦杆部６の上
   端面８を接当し、座金ａの両側壁５に爪体ｂの縦
   杆部６の上端面８付近の両内側面９を接当し、座
   金ａの突壁２と爪体ｂの横杆部７との間に空〓１
   ０を設けた状態で、この各接当部を固着して、座
   金ａと爪体ｂとを強固に一体化した野球靴用スパ
   イク。