JPH03505694A - 核スピン共鳴スペクトルを記録する方法 - Google Patents

核スピン共鳴スペクトルを記録する方法

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JPH03505694A JP2506303A JP50630390A JPH03505694A JP H03505694 A JPH03505694 A JP H03505694A JP 2506303 A JP2506303 A JP 2506303A JP 50630390 A JP50630390 A JP 50630390A JP H03505694 A JPH03505694 A JP H03505694A
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クヌッテル、アレキザンダー
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ブルーカ・メデチンテクニーク・ゲーエムベーハ
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 核スピン共鳴スペクトルを記録する方法本発明は、それぞれ同種の核から成る少 なくとも3つの核グループ、即ち、第1のグループが第2のグループに結合され ているのに対して、第3のグループは第2のグループに結合されてはいないが第 1のグループにおける化学シフトとのみほぼ合致する化学シフトを呈するような 、少なくとも3つの核グループを有するサンプル(試料)の核磁気共鳴スペクト ルを記録する方法であって、この場合、第1のグループにおける信号を単独で表 示するために第3のグループにおける信号を抑制する形式の方法に関する。
更に本発明は、少なくとも3つの核グループ、即ち、第1の核種から成る第1の グループが第2の核種から成る第2のグループに結合されているのに対して、第 1の核種から成る第3のグループは第2のグループに結合されてはいないが第1 のグループにおける化学シフトとのみほぼ合致する化学シフトを呈するような、 少なくとも3つの核グループを有するサンプルの核磁気共鳴スペクトルを記録す る方法であって、この場合、第1のグループにおける信号を単独で表示するため に第3のグループにおける信号を抑制する形式の方法に関する。
更にまた本発明は、一般に、少なくとも3つのスピングループ、即ち第1のグル ープが第2のグループに結合されているのに対して、第3のグループは第2のグ ループに結合されてはいないが第1のグループにおけるスペクトル位置とのみほ ぼ合致するスペクトル位置を占めるような少なくとも3つのスピングループを有 するサンプルの核スピン共鳴スペクトルを記録する方法であって、この場合、第 1のグループにおける信号を単独で表示するために第3のグループにおける信号 を抑制する形式の方法にも関している。
核スピン共鳴−分光学の分野においては、それぞれ異なった核グループの信号が 互いに重畳しているスペクトルを「編整する」ことが既に公知となっている。
ここで言う編整とは、重畳したスペクトルから個別信号をフィルターアウト(濾 波)することの出来る種々異なった記録技術を意味する。この種の操作は、一般 に、それぞれ異なった測定パラメータによる複数回の測定を相次いで行ない、こ れによって得られた結果から不必要な信号成分を差分形成により除去する方式で 実施される。
核磁気共鳴応用分野で用いられるこの種の編整技術における幾つかの例は、19 87年にオックスフォード大学の出版部から刊行されたサンダース、ジェレミー に、M、及びブライアンに、ハンター(5anders、 Jeremy K、  M、 、 Br1an K、 )(unter)による教材「最新の核磁気共 鳴分光学J  (ModernN M R5pectroscopy)の第23 7〜259頁に記載されている。この教材に示されている別の方法では、結合さ れてないスピンが2回の測定における差分形成によって抑制される。
然し上述した編整技術における共通した欠点として、スペク1〜ルの記録を行な うためにそれぞれ異なった測定パラメータによる互いに時間的にずらされた複数 回の測定を実施しなければならないことが挙げられる。テストの対象とされるサ ンプルが実験室で用いられる化学的な試料、つまり長期に亙る使用に耐えうるサ ンプルである場合にはこの欠点による問題は生じないが、この種の核磁気共鳴ス ペクトル測定を生物学的なサンプル、即ち生体組織で実施しようとする場合には 由々しい問題が生じてくる。特にそのことが顕著であるのは、患者のイン・ヴイ ーヴオ(体内)測定を行なう場合であり、運動アーチファグト(人為結果)は測 定値の質を低下さぜることになりかねない。
更に、差分形成を行なう測定方法においては、高い妨害信号振幅の減算処理に基 づいて有効信号と同じ規模の測定誤差が生ずるという原理的な欠点を免れない。
核共鳴スペクトルを容積選択的に、つまり空間的に規定された所定のサンプル領 域についてのみ記録することも既に公知である。この記録技術は生物学的な研究 および医療分野で特に効果的に利用されている。つまりこの記録技術を応用する ことによって、例えば患者の内部臓器における所定の一点で生ずる核磁気共鳴ス ペクトルを記録することが可能とされるからである。
容積選択性の核磁気共鳴スペクトル記録は、それ自体が既に公知の技術範躊に属 するものであって、例えば、1988年に化学出版社から刊行されたヴエーリ、 フェリックスW6、デレク ショー及びJ、ブルースニーランド(Wehrli 、Fe1ixW、、Derek Shaw、J、Bruce Kneeland )による教材:「生物医学的磁気共鳴撮像法J  (Biomedical M a−gneLic Re5onance Imaging)の第1P″45頁お よび第521〜545頁にその用例が見られる。
更にアメリカ合衆国の定期刊行物である「磁気共鳴ジャーナルJ  (Jour nal of Magnetic Re5on−ance)第68巻(1986 )第367頁には、所謂ディツガ−法(DIGGER−Process)が掲載 されている。この公知の方法は、選択された容積範囲外の層を飽和させ、従って 選択された容積範囲のみが残存せしめられるようにした容積選択性の方法に関す るものである。然しこれら2つの公知の方法、殊にD I G G E R−法 では、高い高周波出力を必要とし、更にそのいづれの方法においても、付加的な 信号の発生を回避すべく予飽和−高周波パルスを極めて厳密に調整しなければな らないという欠点がある。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3445689号明細書には、核磁気共鳴スペ クトルを容積選択式に記録する方法として、時間間隔をおいて発生される3つの 90度商用波パルスを利用すると同時に、互いに異なる座標方向でそれぞれ異な った勾配(グラジェント)−磁場−パルスを印加するようにした更に別の特殊な 方法が開示されている。この公知の方法では従来どおりの励起されたスピン“− エコーが生ゼしぬられる。
その他これに類する各種の方法に関しては、アメリカ合衆国特許第468054 6号、同第4703270号の各明細書および前掲の米国定期刊行物「磁気共鳴 ジャーナル」第78巻第205〜212頁、同第81巻第333〜338頁、同 第60巻第337〜341頁、同第78巻第355〜3G1頁にも記載されてい る。
更にアメリカ合衆国の別の定期刊行物「医療用磁気共鳴J  (Magneti c Re5onance in Medicine)第9巻(1989)、第2 54〜2(30頁には、等核の分極(偏極)トランスファーを利用して容積選択 的なスペクトルを編整する方式が記載されており、この場合に利用されるトラン スファーの数は1回である。
ところで、一般式A、、X、、で式示される等核的もしくは異核的に結合された スピン系における核磁気共鳴スペクトルの記録は、この種の測定法に基づいた生 体組織内代謝の逆推論を、つまり結果から原因を究明することを可能ならしめる ので、生体医学的研究の見地から極めて有意義であるとされているが、実地にこ の記録を行なおうとする場合には、信号が重なり合う(信号重畳)という問題が 屡々生ずる。等核的に結合されたスピン系においては、両結合パートナ−が同一 の核種、例えば陽子(1H)から構成されるのに対して、異核的に結合されたス ピン系においては、各結合パートナ−がそれぞれ異なった核種に属する、つまり 例えばA−グループは陽子(1H)に所属し、X−グループは炭素の同位元素( ”C)に所属することになる。乳酸塩(ラフタート)における等核的な事例とし てのA 3 X−系の場合、例えばメチル基(CH3)は脂質のメチレン基(C Hz)とほぼ同じ化学シフト、つまりほぼ等しいスペクトル線位置を有している 。何故ならば、両者の化学シフト値はおよそ1.35  ppmとされているか らである。しかるに、生体組織内の脂質濃度が著しく高いことに基づいて、乳酸 塩のCH3−信号は脂質のCH2−信号によって遮蔽されてしまう。これと同じ ことは一般に異核的なA 、X x−系、例えば13C−富化分を有するメタノ ールのようなA、X−系についても当てはまる。
脂質−環境中における容積選択式の乳酸塩測定を最初に述べた事例に関して行な うに当り、既述のごとく時間的にずらされた2回の測定をそれぞれ異なったパラ メータで実施しなければならない公知の編整技術を応用しようとするならば、そ の2回の測定の間に患者が動くことによって幾つかの問題が生じてくる。即ち、 各測定ごとにそれぞれ異なった影響を及ぼすところのアーチファクトと称される 人為結果が生ずるので、続いて行なわれる差分形成に際しては、乳酸塩における 単離された所望のCHJ−信号のみならず、不必要な脂質−アーチファクトまで もが編整操作によって調製されることになる。
この出願の枠内では本発明が核磁気共鳴(NMR)の分野に応用されるものとし て記述されているが、本発明を他の形態による核スピン共鳴、特に電子常磁性共 鳴(EPR)又は種々の核/電子−二重共鳴一技術(エントール、ENDOR1 エルドール: ELDOR,ネドール:NEDOR1オーヴアーハウザー:○v erhauser等)にも応用可能であることは言うまでもない。
更に本発明は、スカラー結合(J)の簡単な例について開示されているが、別の 結合形式、例えば双極子結合にも応用することが出来る。
本発明の課題は、冒頭に述べた形式による方法に改良を加えて、生物学的な試料 、特に患者の生体において単一のパルス列により容積選択性の測定を実施可能な らしめる点にある。
等核的な系において核磁気共鳴スペクトルを記録するための冒頭で最初に挙げた 方法では、上記の課題が以下のようにして解決されるニー 3つの高周波パルス 、有利には90度高岡波パルスから成る1つのパルス列をサンプル上に照射し、 −第1のグループを構成する核の磁化が分極トランスファーによって第2のグル ープを構成する核に遷移されるように、第2の高周波パルスを調整し、 −第2の高周波パルスと第3の高周波パルスとの間のタイムインターバル中に、 第2のグループを構成する核のために移相された第1の勾配−磁場−パルスをサ ンプルに対して作用せしめ、 −第2のグループを構成する核の磁化が分極逆トランスファーによって第1のグ ループを構成する核に再び遷移されるように、第3の高周波パルスを調整し、 −次いで第1のグループを構成する核のために再移相された第2の勾配−磁場− パルスをサンプルに対して作用せしめる。
異核的な系において核磁気共鳴スペクトルを記録するための冒頭で二番目に挙げ た方法では、本発明の課題が以下のようにして解決されるニー 5つの高周波パ ルス、有利には90度高岡波パルスから成る1つのパルス列をサンプル上に照射 し、 −第1の核種に所属し第1のグループを構成する核の磁化が分極トランスファー によって第2の核種に所属し第2のグループを構成する核に遷移されるように、 第2の高周波パルスと第3の高周波パルスとを調整し、 −第3の高周波パルスと第4の高周波パルスとの間のタイムインターバル中に、 第2のグループを構成する核のために移相された少なくとも第1の勾配−磁場− パルスをサンプルに対して作用せしめ、 − 第2のグループを構成する核の磁化が分極逆トランスファーによって第1の グループを構成する核に再び遷移されるように、第4の高周波パルスおよび第5 の高周波パルスを調整し、 −次いで第1のグループを構成する核のために再移相された第2の勾配−磁場− パルスをサンプルに対して作用せしめる。
更に本発明による上記の課題は、これを核スピン共鳴の一般的な事例に応用した 場合、次のような措置をとることによって解決されるニー 少なくとも3つの高 周波パルス、有利には90度高岡波パルスから成る1つのパルス列をサンプル上 に照射し、 −第1のグループを構成するスピンの磁化が偏光トランスファーによって第2の グループを構成するスピンに遷移されるように、少なくとも第2の高周波パルス を調整し、 −第2の高周波パルスの後で、第2のグループを構成するスピンのために移相さ れた少なくとも]つの第1の勾配−磁場−パルスをサンプルに対して作用せしめ 、 −次いで第2のグループを構成するスピンの磁化が分極逆トランスプアーによっ て第1のグループを構成するスピンに再び遷移されるように、少なくとも1つの 別の高周波パルスを調整し、 −最後に第1のグループを構成するスピンのために再移相された第2の勾配−磁 場−パルスをサンプルに対して作用せしめる。
以上に述べたような措置がとられるならば、本発明の課題を完全に解決すること が出来る。つまり本発明で応用された技術的方策によれば、問題どされる第1の 核グループにおける磁化が分極トランスファーにより所定の夕・fムインターバ ルをおいて他の核グループに、即ちそのスペクトル線が異なった化学シフト上に 位置しているが或いは異種の核に所属しているような第2の核グループに遷移さ れる。第1のグループにおける核の磁化が規定のごとく移相されることによって 、この核の信号が先づ符号化され、次いで分極−逆トランスファーにより第2の グループから再び第1のグループに遷移され、矢張り規定どおり再移相、つまり 復号されるのに対し、この時間間隔の間はそれまで通りのスペクトル範囲に残留 している第3のグループによる妨害信号は抑制される。即ち換言するならば、問 題とされる情報、つまり第1のグループにおける核の磁化が、短い時間間隔だけ 他の化学シフトの範囲、つまり第2のグループにおける化学シフトの範囲にもた らされ、移相により符号化され、次いでこの問題の情報が化学シフトにおける本 来の範囲に戻される一方、その後で問題の第1グループが再移相(復号)され、 以上の操作により問題とされない第3のグループは信号消去される。このような 処理が可能とされる理由は、問題とされる第1の核グループのみが第2の核グル ープと結合されており、これのみが信号消去されないところにある。
勾配−磁場−パルスを用いる第1の利点は、この所謂[スポイル−グラジェント 」が第2の核グループにおける磁化を第2の高周波パルスの照射後に移相するこ とにあり、その結果として、全ての位相はxy・一平面内に均等に配分されてい ることになる。このようにして初めて、第1の両90度パルスにより設定された その任意の位相が、第3の90度パルスに対して相対的に影響を受けることなく z一方向でのスライス選択を可能ならしめる。この場合、第2の核グループにお ける磁化の前述した移相の影響は、時間的に第3の90度パルスの後に位置する 再移相された第2の勾配−磁場−パルス(第3グループの核に対する影響)によ って再び退行(逆行)せしめられる。
これが結果的に意味するのは、編整される所望の信号が一回の通過のみで記録可 能となり、従って、例えば運動アーチファクトによる不都合な影響は及ぼされな いことである。勿論、複数回の通過を順次記録して自体公知の形式によりSN比 を高めることも、或いは位相誤差を検出すべく自体公知の技術により周期的な位 相調整を行なうことも当然可能とされてはいるが、この種の操作そのものは、編 整された全てのスペクトルが、原則として予め単一のパルス列で記録されている こととは全く無関係である。本発明による方法においては、既に述べたように、 第2の核グループに対する第1の核グループと第3の核グループとの化学シフト 及び結合に関するそれぞれ異なった状況が利用されるので、第3のグループによ る妨害信号は完全に抑圧される。
例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第3445689号明細口に開示されてい る方法とは異なって、本発明の方法では従来の励起されたスピン−エコーが生ぜ しめられることはなく、発生されるのはむしろコヒーレンス(可干渉性)・トラ ンスファー・スピン・エコーである。
本発明による方法の有利な1実施態様においては、自体公知の形式により容積選 択的な表示を行なうため、サンプルが互いに異なる座標方向で一連の勾配−磁場 −パルスから成る1つのパルス列に曝され、少なくども3つの高周波パルスがス ライス選択的に調整される。
この措置の利点は、サンプル内部、例えば人間の生体内における限定された殆ど 点状の範囲を選択的に測定できるところにある。つまりこの方式によれば、患者 の内部臓器における所期の部位を特定して測定を行なうことが出来る。
本発明の方法における別の有利な実施態様によれば、分極トランスファーを惹起 せしめる高周波パルスの後で、第2のグループにおける核またはスピンの化学シ フトに関して選択的な別の高周波パルス、有利には180度パルスが照射される 。
この措置が特に効果的に応用されるのは、第3のグループに結合された第4の核 グループが存在している場合であって、このような場合には、第2の高周波パル スに基づいて第3のグループにおける妨害的な磁化すらも分極トランスファーに よってこの第4の核グループに遷移される。他方、これに対して別の選択性高周 波パルスが、つまりその選択性に基づいて第2のグループにおける核のみを捕捉 する別の高周波パルスが照射された場合には、第2のグループにおける磁化が第 4のグループにおける磁化に対して異なった形式で移相されるので、この磁化が 分極トランスファーによって第3のグループにおける磁化に帰還遷移されること はない。その結果として、前述形式による第4の核グループを有するサンプルの 第3グループにおける妨害的な磁化は、先づ初めに分極トランスファーによって 第4のグループに遷移されはするものの、分極逆トランスファーを介して再び第 1のグループの範囲内に連れ戻されることはないので、この種のサンプルでも第 3のグループにおける著しく重畳した信号は消去される。
等核的に結合された系を扱う本発明による方法の別の有利な実施態様では、この 方法が乳酸塩をサンプルとして実施される。
この応用例は生体医療の分野で特に有意義であると思われる。
上述した本発明による各実施例の特に有利な変化態様においては、サンプルに第 1の90度高岡波パルスを照射する前に、先づ第2のグループにおける核または スピン並びに結合されてない核またはスピンに関して選択的な高周波−子飽和一 パルスが、次いで第2のグループにおける核またはスピンに関して選択的な移相 された勾配−磁場−パルスがそれぞれサンプルに照射される。
この措置の利点は、化学シフトに関して第2のグループのすぐ近くに存在する妨 害信号、例えば水による妨害信号を抑圧することが出来るところにある。この措 置が後続の分極トランスファーもしくは分極逆トランスファーに影響を及ぼすこ とはなく、或いは多少の抑制作用はあったとしても観察され得るほどのコヒーレ ンスは生じない。
本発明による方法の別の有利な実施態様においては、第1の勾配−磁場−パルス と第2の勾配−磁場−パルスとが、それぞれ時間軸に関し高周波パルスに対して 相対的に位置定めされ、これによって、結合されてないスピンの励起されたエコ ーは生じないようにされている。
この措置の利点は、励起されたエコー、即ち第2および第3の90度高岡波パル スを介して再焦準されかねない非結合状態の望ましくないスピンのエコーが再び 移相されるところにある。何故ならば、この種の望ましくない再焦準は対称的な 面においてのみ、つまり勾配−磁場−パルスにおける強度と長さとの積として、 高周波パルスに出現するからである。
更に本発明による方法では、全てのパルスにおける位相の独立性(位相相互間非 依存性)という別の利点が得られる。何故ならば、第2の90度パルスと第3の 90度パルスとの前にそれぞれ勾配−磁場−パルスによる磁化の移相が行なわれ 得るからである。また高周波パルスにおける高周波磁界強度の数値が測定結果に さしたる影響を及ぼすことはなく、高々ある程度の信号損失が生ずるに過ぎない ので、本発明による方法は表面コイルを用いて実施することも可能とされる。更 に、第1の90度パルスと第2の90度パルスとの間、並びに第3の90度パル スとスペクトル記録開始時点との間で設定される時間間隔も非臨界的である。つ まり何となれば、横緩和時間T2がパルス列より著しく長い場合、A、、X−系 における理論的な数値1/(2J)乃至A、X2−系における理論値1/(4J )からの偏倚は、僅かな信号損失を惹起するに過ぎないからである。従ってこの 緩和時間T 2が比較的短い場合には、インターバルを短くしたほうが有利であ る。
なお本発明による方法をそれ自体公知の別の措置によって補完するならば、また 別の利点が得られることは明らかであって、この種の措置としては、例えば、第 3の90度パルスから時間的な間隔τ1をおいて位置する1点を中心として完全 に時間対称なエコーを記録することが挙げられる。
更に勾配−磁場−パルスを変動させ、且つエコーに関する読出しグラジェントを それぞれ後続のフーリエ変換により励起操作するならば、自体公知の形式で二次 元または三次元の部位におけるイメージング、つまり画像表示を行なうことが出 来る。本発明による方法は、種々異なる公知のイメージング法と組み合わせるこ とが可能であって、例えば位相グラジェント及び読出しグラジェントを用いた2 D−FT−法、または可変角度による読出しグラジェントを用いたバッグ−プロ ジェクション法、もしくは化学シフトイメージング法、つまり読出しグラジェン トは用いず2つの位相グラジェントを用いた局所解像式の分光法と組み合わせて 応用することが可能である。
本発明による上述の方法に関して有利な1実施態様においては、第1の高周波パ ルスと分極トランスファーを惹起せしめる高周波パルスとの時間的な中間期に、 且つ分極逆トランスファーを惹起せしめる高周波パルスの後で、それぞれ1つの 180度パルスがサンプルに照射される。
この措置の利点は、信号強度の増倍処理が達成されるところにある。
本発明によるその他の利点は、明細書の内容と添付の図面とから明らかである。
なお本発明による前述の各特徴並びに後述する各特徴が本発明の枠を逸脱するこ となく単に該当箇所で指定された組合せによってのみならず他の任意の組合せに よっても或いはそれぞれ単独にでも応用され得ることは言を俟たない。
次に添付の図面に示された実施例につき本発明の詳細な説明する: 第1図は等核的に結合されたA 3X−系、つまり乳酸塩(CH3−CHC0H )−COOR)の核磁気共鳴スペクトルを極めて概略的に示す図、第2図は本発 明による方法を等核的に結合された系に適用した実施例を説明するためのパルス プログラムを示す図、 第3図は本発明による方法の実施例における特性を検証するために用いられる第 1のテストサンプルを示す図、 第4図〜第6図は第3図によるテストサンプルを用いて記録された3つの核磁気 共鳴スペクトルを示す図、 第7図は第3図のテストサンプルに類似してはいるが別のテストサンプルを示す 図、 第8図〜第10図は第7図によるテストサンプルを用いて記録された3つの核磁 気共鳴スペクトルを示す図、 第11図は第2図によるパルスプログラムのヴァリエーションであって、付加的 に2つの180度パルスを用いたパルスプログラムを示す図、第12図は異核的 に結合された系の核磁気共鳴スペクトルを第1図と同様に概略的に示す図、第1 3図は本発明による方法を異核的に結合された系に適用した実施例を説明するた めのパルスプログラムを示す図、 第14図は第13図によるパルスプログラムのヴアリエーションを示す図、 第15図は第13図によるパルスプログラムの更に別のヴアリエーションを示す 図、 第16図は異核的に結合された系における核磁気共鳴スペクトルを公知技術によ り記録した図、第17図は第13図に示された実施例における核磁気共鳴スペク トルを第16図におけるごとく但し本発明の方法によって記録した図である。
第1図には、CHa−基(1,35p pmのA−ライン)の各陽子とCH−基 (4,1ppmのX−ライン)の陽子との間にJ−結合が成立している1つの系 、即ち乳酸塩の核磁気共鳴スペクトルが極めて概略的に示されている。この場合 、乳酸塩におけるC H3−基のA−ラインは、生物学的サンプルが屡々かなり 高い脂質濃度を呈することに基づいて周辺の脂質におけるはるかに強力なCH2 −基のB−ラインによって遮蔽される。
本発明による方法は、適正な編整操作を行なうことによりこのA−ラインを重畳 したスペクトルから単離して測定し得るようにするものである。
そのためには、第2図に示されたパルスプログラムが容積選択的な測定を実施す るために利用されるが、本発明による方法がこの容積選択的な測定方式にのみ限 定されるものでないことは言うまでもない。
第2図のパルスプログラムにおいては、その最上位の横列に高周波パルスが示さ れており、ここで用いる高周波パルスとは、核磁気共鳴技術で走査された規定の 包絡輪郭を有する高周波信号の謂である。なおこの場合、比較的長いパルス時間 および比較的小さな振幅を有する所謂「ソフトなパルス」と、比較的短いパルス 時間および比較的大きな振幅を有する所謂「ハードなパルス」とは区別されねば ならない。また選択的なパルスと非選択的なパルスとの間にも、結果的にそのパ ルスの包絡曲線が狭幅の周波数スペクトルを呈するか、或いは広幅の周波数スペ クトルを呈するかに応じて厳然たる差がある。
第2図のパルスプログラムで中央に位置する3つの横列には、それぞれ3つの座 標方向Xs’js2に関する各勾配−磁場−パルスG、、G、、G。
がプロットされている。このパルスプログラムにおいて「■」なるシンボルで示 されたパルスが所謂「スライスグラジェント」、つまり立体的なスラーfスを選 択するために用いられる勾配パルスであるのに対し、シンボル「◆」で示された パルスは、所謂「トリムグラジェント」、つまり磁化を焦準するために用いられ 、スライスグラジェントに先行もしくは後続するグラジェントである。最後にシ ンボル「ム」で示されたパルスは所謂「スポイルグラジェント」であって、この グラジェントを用いることにより、規定の磁化を成る座標方向で意図的に移相も しくは再移相し、ひいてはその磁化を信号として消去し或いは再び生き返らせる ことが出来る。
勾配−磁場−パルスを速度補償および加速度補償し得ることは自明であって、例 えば米国の定期刊行物「磁気共鳴ジャーナル」の第77巻(1988)第596 頁にはその技術に関する情報が記載されている。
ところで本発明による方法においては、X−グループの磁化とその他の考慮され 得る妨害信号、例えば水による妨害信号とを消去し、ひいてはその後の操作にお いてこの種の妨害信号を無視できるようにするため、まづ第2図に示したパルス 列を用いるに先立って、所謂「高周波−子飽和パルス」又は適宜な移相グラジェ ントもしくはその両者が用いられる。
従って本発明による本来の方法は、第1の高周波パルス、特に有利には90度パ ルス10を以て開始され、この90度パルス10は、第1のスライスグラジェン ト11の作用中にX一方向で後続のトリムグラジェント12と共にサンプルに照 射される。
第1の90度高層波パルス10は、以下で更に詳しく説明する別の90度高層波 パルスの場合と同じような所謂ソフトパルスであって、例えば包絡曲線5inx /xを有しており、磁場グラジェントの存在のもとにX方向、X方向またはZ方 向でスラーrス選択的に作用する。つまり換言するならば、この第1の90度高 層波パルス10と後述する他の90度パルスとは、いづれも化学シフトに関して は非選択的に作用する。
90度パルスのパルス角度はどちらかと言えば非臨界的であって、原則としては この角度を0度より大きくしておきさえすればよい。例えばこの第1の「90度 」−高周波パルスは、90度より小さい所謂「真のJ  (ERNST)角度に 設定することが可能である。この角度によれば、画像形成測定(イメージング) に際して迅速な画像列形成が可能ならしめられる。
更に妨害信号としての例えば水による妨害信号をより効果的に抑制するため、こ の第1の90度品用波パルス10を、成る1つの80度高岡波パルスと八−磁化 に関して選択的な1つの180度高周波パルスとから成り時間的に前方にずらさ れている(進められた)パルス列で代替することも可能である。
第1の90度商用波パルスに基づいて、A−核およびX−核の全体的な磁化はx −y平面内に傾くが、X−磁化に関しては、この磁化が前述した形式により予め 消去されていない場合にのみ適用されることは言うまでもない。
ところでA−グループの磁化、つまり、例えば乳酸塩(A3X−系)のメチル基 における磁化は、後続のタイムインターバルで1中におけるJ−結合の影響を受 けて進展(展開)するが、その際のA、、X−系に関しては、横緩和時間T2に 応じて一般に以下の関係式が成立する: 従ってこの式については:τ、≦1./(2)もしくはその奇数倍が適用される 。
同様にA、、X2−系に関しては以下の関係式が成このようにして逆位相磁化が 形成される。乳酸塩の場合、Jの値は例えば7.35Hzとされるので、タイム インターバルτ1は68 m sに設定時間τ1の経過後には第2の90度商用 波パルス13がサンプルに照射される一方、それと同時にy一方向ではスライス グラジェント14乃至トリムグラジェント15がサンプルに対して作用せしめら れる。
第2の90度商用波パルス13はA−グループの逆位相磁化を惹起し、この逆位 相磁化のみが分極トランスファーによりX−スピンに遷移され、これはA−グル ープとX−グループ(CH)とのJ−結合に基づいて所定の化学シフトにおいて 可能とされ、他方、B−磁化はこの結合が欠如しているため遷移されない。しか るにB−グループとのみ結合された第4の核グループYが存在している場合には 、A−磁化がX−グループに遷移されると、(妨害的な)B−磁化が分極トラン スファーによってY−グループに遷移される。
このようにして今や各X−スピンも矢張り互いに逆位相関係にある。
第2の90度商用波パルス13を介して、A−グループの磁化は、一般的な表現 によれば、分極トランスファーにより約1/2に、二重量子トランスファーによ り1/4に、ゼロ量子トランスファー(異核的に結合されたスピン系での実験で は多量子トランスファー)により更にその1/4に遷移される。本願に記載され た発明の枠内で考察しようとする遷移成分は、分極トランスファーによって遷移 される成分のみであるが、同一出願人により同日に提出された並行出願(弁理士 事務所書順番号: 1213P101)の枠内では、二重量子トランスファー又 は多量子トランスファーの過程で遷移される1/′4の遷移成分についての考察 がなされている。なおここで後者の開示内容を引用したことにより、本願の開示 内容にもそれが適用されるものとする。
この場合、逆位相−X−磁化のみが、有利には180度高周波パルス16を介し て、第2の90度商用波パルス13に対し時間的に対称な1点、即ち第2の90 度商用波パルス13に対して時間的な間隔て2をおいて位置する点に転写される 。
なおこの180度高周波パルスにおいても、180度の角度は厳密に守られなく ともよい。
180度高周波パルス16はX−グループに関して、つまり化学シフトに関して 選択的である。
従ってこの180度高周波パルス16は、第4のグループYが存在している場合 には、そこで分極トランスファーにより遷移されるB−磁化に対して作用しない 。
この180度高周波パルス16によって、x−グループの磁化に対するJ−変調 の影響は再び逆行(後退)せしめられる。
このことが行なわれている間に、スポイルグラジェフト17はX一方向で、トリ ム−およびスライスグラジェント14.15.18はy一方向でまたトリム−お よびスライスグラジェント19.20の列は2一方向で、それぞれサンプルに作 用せしめられる。スポイルグラジェント17は規定の移相を、つまりX−磁化の 符号化を惹起する。
A−グループの範囲におけるX−磁化の逆分極を行なう第3の90度高岡波パル ス22は、第2の90度高岡波パルス13に対して時間的な間隔τ2をおいて、 つまり有利には照射される180度高周波パルス16に対して対称的に、サンプ ルに照射される。この場合、第2の90度高岡波パルス13と第3の90度高岡 波パルス22との間のタイムインターバルτ2は出来るだけ短い値に設定される 。
逆トランスファーされたこの磁化は、続くτ、−インターバル中に位相内(イン フェイズ)磁化に進展し、エコーの最大値が生ずる時点Cからは、記録インター バルAQの間にこの位相内磁化を自由な誘導減衰(F I D)として公知のフ ーリエ処理方法により記録し表示することが出来る。この場合、有利にはエコー の「右」側のみが、つまり時点C以降のみが記録される。
第3の90度高岡波パルス22と対称的であると同時に、補足的にスポイルグラ ジェント17に対しても対称的に、別のスポイルグラジェント23がX一方向で 、トリムグラジェント24がy一方向で、またトリムグラジェント21が2一方 向で、それぞれサンプルに作用せしめられる。
このような操作形式が採用されるならば、X−磁化がスポイルグラジェント17 により規定的に移相される、つまり再び復号されるので、高周波パルス13及び 高周波パルス16により設定されたその任意の位相を、第3の90度高岡波パル ス22に関して影響されることなく、2一方向でのスライス選択を実施すること が可能ならしめられる。第3の90度高岡波パルス22による分極逆トランスフ ァー、並びに第2のスポイルグラジェント23によるA−磁化の再移相が行なわ れた後では、この部位に残存しているのは僅かに1つの測定可能なA−グループ の磁化のみであり、この磁化は公知の形式によって評価可能とされている一方、 場合によってはまだ発生する励起エコーは第2のスポイルグラジェント23によ り抑制することが出来る。
つまり第2図から明らかなように、これらのグラジェントパルスは90度高岡波 パルス13及び22に対して非対称的に作用するので、結合されてない他のスピ ンにおける不都合な再焦準は、これが各グラジェントパルスの非対称的な配置形 式により両τ1−インターバル間において阻止されることに基づいて生じ得ない 。
更に第2図から明らかなように、第1のτ1−インターバルが継続している間は 、A−磁化に対する化学シフト及び磁場不均等性の影響が、仮想的に180度パ ルスとして纏めることの出来る2つの90度パルス13.22により第2のτビ インターバルで再び逆行せしめられる。
X−磁化の場合、このことはX−グループに関して選択的な180度パルスを用 いることによす同じような形式で(J−変調を含めて)インターバルで2中に行 なわれる。
第2図に示ごれているパルスプログラムの作用形式については、殊に以下のよう な実験を行なうことにより検証された: 第3図に概略的に示されたサンプル30においては、純粋な酢酸塩50パーセン トと純粋な乳酸塩50パーセントとの混合物から成る容積約1立法センナメート ル(’1cm3)の球体31が水から成る周辺環境32内に存在している。
これに関連して第4図には、公知技術を利用して記録された1回の記録操作によ るスペクトルが示されており、この場合、約1.35 p pmの乳酸塩−ライ ンのほかに約2.0ppmの妨害的な酢酸塩−ラインが生じている。この測定は アメリカの定期刊行物「磁気共鳴ジャーナル」、第72巻、1987、第379 頁に記載されているのと同様なパルス列を用いて実施され、その磁界強度は4. 7 Tとされた。
これに対して第5図に示されているのは、第2図のパルスプログラムを用いて行 なわれた本発明の方法による測定記録であって、この場合、両者の実験上の諸条 件は、信号表示のスケールファクター(換算係数)2を別にすれば、いづれの測 定においても全て同等に設定されている。第5図から明確に看て取れるように、 1.35 p pmのCH3−信号はこのスケールファクターを考慮して第4図 のスペクトルの場合とほぼ同じ高さを有している。これに対し他方の酢酸塩にお けるスピンは事実上消滅されている。
第6図に示されている記録は、本発明の方法における選択性をチェックするため のコントロール測定で得られた結果である。
この第6図の結果を示した測定に際して、サンプルとしては第3図におけるのと 同じ立体構造を有するサンプル30が用いられたのに対し、球体31は純粋な酢 酸塩から、また周辺環境32は純粋な乳酸からそれぞれ構成された。
第6図の記録から明らかなように、この測定は球体31の容積範囲のみが対象と されていることに基づいて選択的に行なわれており、この場合、本発明による方 法では結合されてない酢酸塩のスピンが抑制されている一方、乳酸、即ち乳酸塩 のCH,−信号は、球体31の箇所にそれも当該箇所にのみ乳酸が存在していな いことに基づいて、全く測定されていない。
更に別の一連の実験においては第7図に示されたサンプル40が用いられ、この 場合も1個の球体41が周辺環境42中に存在せしめられた。然しこの球体41 の容積は、第3図のサンプル30における球体31よりはるかに大きな27立法 センナメートル(cm3)の値に設定された。
先づ初めにこの球体41は5パーセントのオリーブオイル(結合された脂質と結 合されてない脂質とを含む)並びに10ミリモル(mMol)の乳酸塩のエマル ジョンから構成された。
第8図に示されているスペクトルは、第4図に示されたスペクトルの場合に用い られている全体トモグラフにおける2Tの磁界強度に相当するパルス列を用いた 1回の記録操作によって採録されたものであって、この図から明らかなように、 約1.4ppmの顕著な脂質信号(CH2−基)が出現して乳酸塩信号を遮蔽し ている。約0.9  pprnのところでは、このCH2−基に属する結合パー トナ−1即ちCH2−基を認めることが出来る。
これに対して第9図には、矢張り本発明における16回の蓄積記録による測定結 果が示されており、この結果から明らかなように、顕現しているのは所望の乳酸 塩信号のみであって、前例におけるような顕著な脂質信号は申し分なく抑圧する ことが出来た。このことは第10図に示したコントロール測定により実証され、 その際には球体41が5パーセントのオリーブオイル−エマルジョンのみによっ て満たされ、従って信号は検出されなかった。
第11図に示されているのは、第2図によるパルスプログラムのヴアリエーショ ンである。このヴアリエーションとしてのパルスプログラムにおいては、それぞ れ1つの180度高周波パルス50乃至51が、第1の90度高岡波パルス10 と第2の90度高層波パルス13との中間期に、乃至は第3の90度高岡波パル ス22の後で照射される。従って、180度高周波パルス50乃至51と各々先 行する90度高岡波パルス10乃至22との間の時間的な間隔はτ、/′2であ る。
磁場−勾配−パルスにおいては、単にGy−グラジェントのみが変動され、第1 1図に認められる4つのスポイルグラジェント52.53.54.55は、第1 の180度高周波パルス50に対して対称的に、もしくは180度高周波パルス 16に対して対称的に照射される。y−スライスグラジェントは、スライスグラ ジェント56として今や第2のスライス選択的な180度高周波パルス51と時 間的に等しい位置を占め、これには矢張リドリムグラジェント57が追従する。
第11図に示したパルスプログラムによれば、第2図のパルスプログラムにおけ る信号強度を倍化することが可能になる。
前述した方法、即ち等核的に結合されたスピン系における核磁気共鳴スペクトル を周期的な分極トランスファー(CY CL P OT )を利用して測定する 方法は、以下に述べる考察を基礎として実現されるものである: A、X−系における約分された平衡密度演算子は高温−近似式では次のようにあ られされる:n+1 この場合、工1、工211000、I ++はA−グループに配属されており、 例えばA 3X−系(乳酸塩)ではCH3−基および工1、+1がX−グループ に相当し、例えばA3X−系(乳酸塩)ではこれがCH−基である。
第1.の90度高岡波パルス10(X−位相)の後では、前記の平衡密度演算子 に関して次の式が成立する: 11+1 に=1 最初の展開インターバルτ1=1/  (2J)の後では、位置に関連した位相 Φをスピンに印加する位相グラジェントを含めて(これは化学シフトより極めて 大きいので、無視することが出来る)次の式が成立する: に=1 + 2 I hx I fn+Il t S l nΦ1]付加的に生じたより 複雑な項は、それが実際には観察され得ないか、或いはX−グループの(乃至は 水の)補足的な予飽和によってすら全く生ゼしめられないという理由により無視 することが出来る。
y−位相のみならず他の任意の位相をもとることの出来る第2の90度高岡波パ ルス13は、分極トランスファー、つまりA−磁化のトランスファーを惹起する ようにX−磁化に作用する:δ= Σ [−21□I (n+1、cosΦ□十 に=1 + 2 I k、I (n+1)x S L nΦj]この第1の項はX−逆位 相磁化に等しく、多量子コヒーレンス(可干渉性)に相当するこの式の第2項は 次のグラジェントによってスポイルされるので、以下においてはこれを考察の対 象から外すことが出来る。
化学シフトに関して選択的な180度高周波パルス16が再焦準するのは、X− グループのスピン、即ちI (nullsのみであり、従ってこの180度高周 波パルスが第2の90度高岡波パルス13の後でどのようにして生じたかという 状態は、第3の90度高岡波パルス22の直前の状態に写し出される。ところで この第3の90度高岡波パルス22(y−位相)は、X−磁化の分極逆トランス ファーを惹起するようにA−磁化に作用する:δ= Σ[2I kxI (nu lls c o sΦ1cO8k二1 Φ2  + 2  I  hI  (n+tly  COS  Φ 、sin  Φ2コこの場合、Φ2はτ2−インターバルにおいて180度高周波パルス16 により再焦準されてない移相を考慮したものである。この第2の項は多量子コヒ ーレンスに相当し、どれは観察不能な信号を惹起するものであるため省略される 。
最後のτ1−インターバル(この場合は引き続きτ2 =1 / (2J)が適 用される)では、A−逆位相磁化が・fンフェイズ(位相内)磁化に移行される 。それと同時に先行のインターバルへの移相が再び逆行せしめられる: δ=Σ (cos2Φ1cos2Φ2+sinΦ1に=1 cosΦ+sinΦ1cosΦ2) Ih、(cos2Φ+sinΦ2CO8Φ2−ト sin  Φ 1cos   Φ I COS 2Φ 2)第2図のパルス列では次の式が成立する:並びに  〈δ〉=−■□ その結果、自由な誘導減衰(F I D)を有する仮測定に対し約1/4の信号 損失が生ずる。
第11図に示されたパルス列においては、第2の90度高岡波パルス13の位相 が第1の90度高岡波パルス10に対して90度回転されているので、Φ1の値 はゼロとされねばならない、180度高周波パルス50及び51は化学シフトと グラジェントとを再焦準するため、Φ1の数値に関しての平均化は行なわれない 。従って以下の式が成立する: その結果、仮のFID−測定に対し1/2の信号損失が生ずる。
これに相当する考察は、I>1/2のスピンについても行なうことが出来る。
第12図には異核的に結合された系におけるスペクトルが第1図の場合と同じよ うに概略的に示されている。この種の異核的に結合されたスピン系は、例えばグ ルコース、グリコーゲン乃至13Cで富化された天然に産出する物質もしくは薬 剤のスピン系であって、生体医学的に極めて重要なものである。つまりこの種の 系は、生体組織内での代謝を帰納的に推論することを可能ならしめる。
本発明による方法を等核的に結合された系に応用した前述のヴアリエーションで は、分極トランスファー及び分極逆1〜ランスファーが同−核種内で、つまり典 型的には陽子で操作された。
これに対し以下で述べる本発明による方法のヴアリエーションでは、例えば陽子 (1H)と130とにおけるような互いに異なる核種間の結合、即ち異核的な結 合が行なわれた系への応用が取り扱われている。この場合、陽子側の励起と信号 受信とは最大の信号強度を提供する。なおJ−結合された1″C−衛線(サテラ イト)を間接的に証明し得るようにするためには、当然のこと乍ら、例えば水、 脂肪または天然の13C−産出物(1%)におけるような結合されてないスピン の大きな信号成分が主線を完全に抑圧しなければならない。
第13図に示されたパルス列を用いるならば、異核的に結合されたスピン系を陽 子側で編整、つまり取り出して使用に供すると同時に、妨害的に結合された信号 、並びに結合されてない信号は完全に抑制することが可能になる。
この場合、第13図は第2図および第11図の場合と全く同じシンボルを用いて 描出されているが、単に高周波側に2つの核種に関する2本の軸線1Hおよび1 3Cが加えられている点のみが相違している。
第12図および第13図の表示による考察は、13C−富化されたテスト物質で あるメタノール、AaX−系、を例にして行なわれており、この場合におけるJ −結合は、CH3−基の陽子(3p pmのA−ライン)と13C−核(50p pmのX−ライン)との間で生ずる。生物学的に重要とされる物質の異核的なJ −結合は、メタノールにおけるように、およそJ = 141 Hzであり、既 に上述したタイムインターバルτ1に関する式によればて、=3/(2,J)の 場合、τ、=10.7msの数値が得られる。
既に述べたごとく、この本発明によるヴアリエーションにおいては、信号つまり A−ダブレット(二重線)が陽子側で検出され、この側では3個の陽子が存在し ていることに基づいて、1個の核しかない13C側におけるより高い信号強度が 生ずる。
第13図から明らかなように、陽子側では矢張り3つの高周波パルス、即ち3つ の90度高層波パルス60.61.62が照射される。ここに述べる例では異核 的な系が対象とされているので、A−磁化とX−磁化とのいづれもが「広帯域」 で印加されねばならない。従って第1の分極トランスファーは第2の90度高岡 波パルス61並びに13C側で照射される選択的な90度商用波パルス63につ いて行なわれるのに対し、後続の分極逆トランスファーは別の13C側の選択的 な90度高岡波パルス64と第3の陽子側の90度商用波パルス62とについて 行なわれる。
第13図に示されたヴアリエーションにおいては、180度高周波パルス65が 両90商用周波パルス63.64間の中間期に13c側で選択的にX−磁化を再 焦準する13Cに照射される。等核的に結合されたスピン系について既に説明し たように、第13図に示されたパルス列の場合にも13C−スピンはτ2−イン ターバルで移相され、陽子は後続のタイムインターバルτ3で再移相される。
この後続のタイムインターバルτ3は、一般に第1のタイムインターバルτ1と 同じ時間的長さを有している。
結合されてない陽子の励起されたエコーが発生することは、両陽子インターバル における非対称的なグラジェントによって阻止される。
第13図のX一方向では、第1の90度高層波パルス60の時点に陽子側で先づ スライスグラジェント66が後続のトリムグラジェント67を伴ってサンプルに 作用する状態が示されている。長さτ2を有する13C−インターバル中には、 2つのスポイルグラジェント68.69が180度高周波パルス65に対して時 間対称的にサンプルに作用し、この場合の2つのスポイルグラジェント68.6 9は非等極的である。+30の磁気回転比が陽子の磁気回転比の1/4であるこ とに基づいて、τ2−インターバルにおけるグラジェントは4倍にしなければな らず、このことは4つの「ム」シンボルで暗示されている。別のスポイルグラジ ェント70は、時間的に第3の90度高層波パルス62の後で陽子側においてX 一方向に位置せしめられる。y一方向では第2の90度高岡波パルス61の時点 に陽子側で先づスライスグラジェント71が、次いで後続のスポイルグラジェン ト72がそれぞれ接続されるのに対し、X一方向でのスポイルグラジェント70 と同時的にy一方向ではトリムグラジェント73が設けられている。
Z一方向においてはy一方向でのスポイルグラジェント72と同時的にスポイル グラジェント74が位置しているのに対し、第3の90度高層波パルス62の時 点には陽子側で先づスライスグラジェント75が、次いで後続のトリムグラジェ ント76がそれぞれ2一方向で接続される。
第14図に示されたパルス列と第13図のパルス列との相違は、極く僅かなもの であるに過ぎない。第14図から明らかなように、13C−タイ、ムインターバ ルτ2においては180度高周波パルス65が13C−側で欠如している。これ に対してX一方向では、両移相−スボイルグラジェント68°及び69が等極的 に接続されている。再焦準のために設けられる180度高周波パルス65が欠け ているので、第2の90度高層波パルス64における13C−側での最大のX− 逆位相磁化に関してはインターバル長さτ2がn / Jで調整されねばならず 、この例では時間基底n=2が選定されている。
180度再焦準パルスを持たないパルス列を、等核的に結合されたスピン系に用 いられるパルス列、例えば第2図および第11図に示されたようなパルス列で用 いることも基本的には可能とされている。然しその場合には、当然、この種のパ ルス列における平均的なタイムインターバルτ2が過度に長くなり、それに付随 して横緩和に基づく信号強度の損失も極めて大きなものになるので、結合された 望ましくない陽子の抑制がもはや達成されなくなる。
第14図に示されたパルス列では180度高周波パルスの欠如によりもはや再焦 準されない磁場不均一性に基づいて、第3のタイムインターバルτ3はτ1+τ 2/4に乃至はτ、+n/(4J)に等しくされねばならない。この場合、n= 2とするならば、Jが大きいため良好な解像能の逆位相磁化が得られる。磁場均 質性が良い場合には、τ1=τ3としてもよく、それによって再び検出可能なイ ンフェイズ−磁化が行なわれる。
結合された望ましくないスピン系の結合パートナ−1即ち他の任意のX−磁化は 、単数もしくは複数の13C−パルスが所定のX−磁化に対してのみその化学シ フトに関し選択的に作用すると同時に、τ2−インターバルで予めスポイル(除 去)される。従ってそれに付随する任意な八−磁化も矢張り抑制される。
更に第13図および第14図に示されたパルス列のヴアリエーションとしての第 15図による例では、第2図のパルス列に対する第11図の変化態様におけるの と同じように、信号増幅度を第13図乃至第14図のパルス列における2倍にす るため、2つの180度高周波パルス80(スライス選択的)乃至81が第1の 両90商用周波パルス60.61の間に、もしくは第3の90度高岡波パルス6 2の後方に接続される。
第15図の130−軸線ならびにX−グラジェント軸線には、第13図または第 14図による両パルス列の例についても上記の措置を実施し得ることが破線で示 されている。
更に第15図からは、スライスグラジェント82と後続のy一方向でのトリムグ ラジェント83とで示されているように、グラジェントをy一方向で僅かに修正 することも可能である点が明らかにされている。
第16図には、第3図による形式のサンプルを用いて測定された核磁気共鳴スペ クトルが示されており、この場合、水に囲繞された容積1立法センチメートルの 球体には、13Cで富化されたメタノールが充填されている。第16図に示され ているこの核磁気共鳴スペクトルは、公知技術による非編整式の3点シーケンス で磁界強度を4.7として1回の通過で記録されたものである。
他方、第17図に示された核磁気共鳴スペクトルは、第13図によるパルス列で 記録されたものであって、この記録図から明らかなように、3ppmのCH3− 信号(2倍のスケールファクター)が第16図のCH3−信号とほぼ等しいのに 対し、4.7  ppmの結合されてないスピンは事実上はぼ完全に消滅されて いる。
呂 ―           ×           >         2ご        ロ        ロ       Q−〇 +′+− 国際調査報告 1111−1−一一自−11&  X叩/n1mQO10OIOQ国際調査報告 DE 9000309 SA    36206

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.それぞれ同種の核から成る少なくとも3つの核グループ(A、B、X)、即 ち、第1のグループ(A)が第2のグループ(X)に結合されているのに対して 、第3のグループ(B)は第2のグループ(X)に結合されてはいないが第1の グループ(A)における化学シフトとのみほぼ合致する化学シフトを呈するよう な、少なくとも3つの核グループを有するサンプルの核磁気共鳴スペクトルを記 録する方法であって、この場合、第1のグループ(A)における信号を単独で表 示するために第3のグループ(B)における信号を抑制する形式の方法において 、 −3つの高周波パルス、有利には90度高周波パルス(10、13、22)から 成る1つのパルス列をサンプル(30;40)上に照射し、 −第1のグループ(A)を構成する核の磁化が分極トランスファーによって第2 のグループ(X)を構成する核に遷移されるように、第2の高周波パルス(13 )を調整し、 −第2の高周波パルス(13)と第3の高周波パルス(22)との間のタイムイ ンターバル(τ2)中に、第2のグループ(X)を構成する核のために移相され た第1の勾配−磁場−パルス(17)をサンプル(30;40)に対して作用せ しめ、 −第2のグループ(X)を構成する核の磁化が分極逆トランスファーによって第 1のグル−プ(A)を構成する核に再び遷移されるように、第3の高周波パルス (22)を調整し、−次いで第1のグループ(A)を構成する核のために再移相 された第2の勾配−磁場−パルス(17、23)をサンプル(30;40)に対 して作用せしめる; 以上のプロセスを特徴とする方法。 2.請求項1記載の方法において、サンプル(30;40)を乳酸塩のサンプル とすることを特徴とする方法。 3.少なくとも3つの核グループ(A、B、X)即ち第1の核種(1H)から成 る第1のグループ(A)が第2の核種(13C)から成る第2のグループ(X) に結合されているのに対して、第1の核種(1H)から成る第3のグループ(B )は第2のグループ(X)に結合されてはいないが第1のグループ(A)におけ る化学シフトとのみほぼ合致する化学シフトを呈するような、少なくとも3つの 核グループ(A、B、X)を有するサンプルの核磁気共鳴スペクトルを記録する 方法であつて、この場合、第1のグループ(A)における信号を単独で表示する ために第3のグループ(B)における信号を抑制する形式の方法において、−5 つの高周波パルス、有利には90度高周波パルス(60〜64)から成る1つの パルス列をサンプル上に照射し、 −第1の核種(1H)に所属し第1のグループ(A)を構成する核の磁化が分極 トランスファーによつて第2の核種(13C)に所属し第2のグループ(X)を 構成する核に遷移されるように、第2の高周波パルス(61)と第3の高周波パ ルス(63)とを調整し、−第3の高周波パルス(63)と第4の高周波パルス (64)との間のタイムインターバル(τ2)中に、第2のグループ(X)を構 成する核のために移相された少なくとも第1の勾配−磁場−パルス(68、69 )をサンプルに対して作用せしめ、 −第2のグループ(X)を構成する核の磁化が分極逆トランスファーによつて第 1のグループ(A)を構成する核に再び遷移されるように、第4の高周波パルス (64)および第5の高周波パルス(62)を調整し、 −次いで第1のグループ(A)を構成する核のために再移相された第2の勾配− 磁場−パルス(70)を、サンプルに対して作用せしめる; 以上のプロセスを特徴とする方法。 4.少なくとも3つのスピングループ(A、B、X)、即ち第1のグループ(A )が第2のグループ(X)に結合されているのに対して、第3のグループ(B) は第2のグループ(X)に結合されてはいないが第1のグループ(A)における スペクトル位置とのみほぼ合致するスペクトル位置を占めるような、少なくとも 3つのスピングループ(A、B、X)を有するサンプルの核スピン共鳴スペクト ルを記録する方法であつて、この場合、第1のグループ(A)における信号を単 独で表示するために第3のグループ(B)における信号を抑制する形式の方法に おいて、 −少なくとも3つの高周波パルス、有利には90度高周波パルスから成る1つの パルス列をサンプル上に照射し、 −第1のグループ(A)を構成するスピンの磁化が分極トランスファーによつて 第2のグループ(X)を構成するスピンに遷移されるように、少なくとも第2の 高周波パルスを調整し、 −第2の高周波パルスの後で、第2のグループ(X)を構成するスピンのために 移相された少なくとも1つの第1の勾配−磁場−パルスをサンプルに対して作用 せしめ、 −次いで第2のグループ(X)を構成するスピンの磁化が分極逆トランスファー によって第1のグループ(A)を構成するスピンに再び遷移されるように、少な くとも1つの別の高周波パルスを調整し、 −最後に第1のグループ(A)を構成するスピンのために再移相された第2の勾 配一磁場一パルスをサンプルに対して作用せしめる;以上のプロセスを特徴とす る方法。 5.請求項1〜4のいづれか1項もしくは複数項に記載の方法において、自体公 知の形式により容積選択的な表示を行なうため、サンプル(30、40)を互い に異なる座標方向(x、y、z)で一連の勾配−磁場−パルス(11、12、1 4、15、17、18、20、21、23、24;66〜76)から成る1つの パルス列に曝し、少なくとも3つの高周波パルス(10、13、22;60、6 1、62)をスライス選択的に調整することを特徴とする方法。 6.請求項1〜5のいづれか1項もしくは複数項に記載の方法において、分極ト ランスファーを惹起せしめる高周波パルス(13;63)の後で、第2のグルー プ(X)における核またはスピンの化学シフトに関して選択的な別の高周波パル ス、有利には180度高周波パルス(16;65)を照射することを特徴とする 方法。 7.請求項1〜6のいづれか1項もしくは複数項に記載の方法において、サンプ ル(30;40)に第1の高周波パルス(10;60)を照射する前に、先づ第 2のグループ(X)における核またはスピン並びに結合されてない核(H2O) またはスピンに関して選択的な高周波−子飽和−パルスを、次いで第2のグルー プ(X)における核またはスピンに関して選択的な移相された勾配−磁場−パル スをそれぞれサンプルに照射することを特徴とする方法。 8.請求項1〜7のいづれか1項もしくは複数項に記載の方法において、第1及 び第2の各勾配−磁場−パルス(17、23;68/69、70)を、それぞれ 時間軸(t)において高周波パルス(13、22;61、62)に対し相対的に 位置定めし、これによつて結合されてないスピンの励起されたエコーが生ぜしめ られないようにすることを特徴とする方法。 9.請求項1〜8のいづれか1項もしくは複数項に記載の方法において、第1の 高周波パルス(10;60)と分極トランスファーを惹起せしめる高周波パルス (13;61)との時間的な中間期に、且つ分極逆トランスファーを惹起せしめ る高周波パルス(22;62)の後で、それぞれ1つの180度パルス(50、 51;80、81)をサンプル(30;40)に照射することを特徴とする方法 。 10.請求項1〜9のいづれか1項もしくは複数項に記載の方法において、第1 の高周波パルス(10;60)と第2の高周波パルス(13;61)との間のタ イムインターバル(τ1)を、第1のグループ(A)と第2のグループ(X)と の間の結合定数(J)における2倍の逆数の奇数倍に等しく測定することを特徴 とする方法。 11.請求項1〜9のいづれか1項もしくは複数項に記載の方法において、(A nX−系に関しては第1の高周波パルス(10;60)と第2の高周波パルス( 13;61)との間のタイムインターバル(τ1)を次の式: ▲数式、化学式、表等があります▼ によつて測定し、この場合、Jを第1のグループ(A)と第2のグループ(X) との間の結合定数とし、T2を横緩和時間とすることを特徴とする方法。 12.請求項1〜9のいづれか1項もしくは複数項に記載の方法において、An X2−系に関しては第1の高周波パルス(10;60)と第2の高周波パルス( 13;61)との間のタイムインターバル(τ1)を次の式: ▲数式、化学式、表等があります▼ によって測定し、この場合、Jを第1のグループ(A)と第2のグループ(X) との間の結合定数とし、T2を横緩和時間とすることを特徴とする方法。 13.請求項3〜12のいづれか1項もしくは複数項に記載の方法において、第 3の高周波パルス(63)と第4の高周波パルス(64)との間のタイムインタ ーバル(τ2)を、第1のグループ(A)と第2のグループ(X)との間の結合 定数(J)における偶数倍に等しくすることを特徴とする方法。 14.請求項5〜13のいづれか1項もしくは複数項に記載の方法において、自 体公知の形式によりイメージング表示を行なうため、サンプル(30;40)に おける複数の範囲の容積選択的な測定を実施することを特徴とする方法。
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