JPH0349414Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、可撓性印刷配線基板を接続するため
の構造に関する。

背景技術 典型的な先行技術は、第１図に示されている。
磁気カセツトテープ再生機において、テープを走
行する機構が取付けられている筺体１には可撓性
印刷配線基板２が固定されており、この印刷配線
基板２は、テープ再生機の制御を行なう回路が実
装された剛性の印刷配線基板３に接続される。印
刷配線基板３には接続受部材４が固着されてお
り、この接続受部材４の接続受口５には印刷配線
基板２の端部６が嵌入されこれ、によつて電気的
接続が達成される。このような先行技術では、印
刷配線基板２の端部６を接続受部材４の接続受口
５に手でまたは治具でつかんで挿入する必要があ
るので、印刷配線基板２はその端部６をつかんで
接続受口５に嵌合をするための余分の長さを必要
とする。また第１図示のように彎曲した印刷配線
基板２は、それを接続受部材４に接続する作業を
可能にするための余裕をもつた長さを必要とす
る。したがつて接続のために大きなスペースを必
要とし、また印刷配線基板２の端部６を接続受部
材４の接続受口５に接続する作業性が悪く、しか
も比較的長い印刷配線基板２を必要とするので、
材料費がかさむ。

他の先行技術は、可撓性印刷配線基板の端部を
半田付けによつて剛性の印刷配線基板に接続する
構造である。このような先行技術では、接続後に
おいて取外すことができず、したがつて保守が劣
る。またこの先行技術および第１図に関連して前
述した先行技術に共通した問題は、可撓性印刷配
線基板とそれが接続される場所との相互の位置決
めを正確に行なうことができないことである。

目 的 本考案の目的は、接続に要するスペースが小さ
くてよく、作業性および保守に優れており、しか
も可撓性印刷配線基板の接続場所を正確に位置決
めすることが可能である可撓性印刷配線基板の接
続構造を提供することである。

考案の構成 本考案は、筺体に固定された可撓性印刷配線基
板を剛性印刷配線基板に接続する構造であつて、 接続受口を有し、この接続受口の内方に臨んで
接続端子が設けられ、該接続端子が前記剛性印刷
配線基板に接続された接続受部材と、 前記筺体に固定され、前記接続受部材の接続受
口と嵌合する支持部材とから成り、 前記可撓性印刷配線基板を前記支持部材と重合
わせた状態で、前記接続受部材の接続受口に嵌入
し、該可撓性印刷配線基板と前記接続受部材の接
続端子を接触させるようにしたことを特徴とする
可撓性印刷配線基板の接続構造である。

好ましい実施態様では、前記支持部材は前記筺
体に移動可能に固定されていることを特徴とす
る。

実施例 第２図は、本考案の一実施例の簡略化した分解
斜視図である。磁気カセツトテープ再生機におい
て磁気カセツトテープを装着し、そのテープを走
行制御するモータなどの機械的構成要素は、鉄な
どの金属から成る剛性の筺体７に設けられる。こ
の筺体７は、本体８に取付けられる。本体８は、
磁気カセツトテープの再生制御を行なう電気回路
が実装された剛性の印刷配線基板９を備えてい
る。筺体７の一部は、剛性の支持部材１０となつ
ており、この支持部材１０は印刷配線基板９に固
定された接続受部材１１の接続受口１２に着脱可
能に嵌合する。

第３図は、支持部材１０と接続受部材１１とを
示す斜視図である。支持部材１０は、筺体７に連
続する延在部１３と、この延在部１３に連続し受
口１２に向つて延びる嵌合部１４とを有する。支
持部材１０には、可撓性印刷配線基板１５が取付
けられる。この印刷配線基板１５は、電気絶縁性
材料たとえば合成樹脂などから成る可撓性の基板
１６と、この基板１６の支持部材１０とは反対側
の表面に印刷配線された銅箔などによつて実現さ
れる可撓性の印刷配線部分１７とを含む。印刷配
線基板１５には電気回路素子２９が実装され、ま
たテープ走行のための構成要素たとえばモータな
どが接続される。嵌合部１４における印刷配線部
分１７の一部は、接続端子１８となつている。印
刷配線基板１５は、接着剤によつてまたは両面テ
ープなどによつて支持部材１０に固定される。

第４図は、接続受部材１１付近の断面図であ
る。嵌合部１４に固定された印刷配線基板１５の
接続端子１８は露出しており、この接続端子１８
以外の残余の印刷配線部分１７は保護層１９によ
つて被覆される。

接続受部材１１は、合成樹脂材料から成る受体
２０を有する。この受体２０には、第４図の上方
に開放した接続受口１２が形成される。接続受口
１２に嵌合部１４および印刷配線基板１５が嵌合
された状態で、接続端子１８に電気的に接続され
る接続端子２２は、受体２０に取付けられる。接
続端子２２は、複数の接続端子１８に個別的に対
応して設けられる。接続端子２２の頂部２３は受
体１２の内方に向けて屈曲しており，接続部２４
は接続端子１８に弾発的に接触することができ
る。この接続端子２２の脚部２５は、剛性印刷配
線基板９に形成された取付孔２６を挿入し、印刷
配線されたランド部２７に半田２８によつて電気
的に接続される。

再び第２図を参照して、接続受口１２の長さ
１は嵌合部１４の長さ２と等しく定められ（
１＝２）、したがつて筺体７を本体８に取付け
た状態で嵌合部１４は接続受口１２にぴつたりと
嵌り込み、これによつて接続端子１８とそれに個
別的に対応した接続端子１２との正確な位置決め
が達成され、誤接続が避けられる。またこの接続
受口１２に嵌合部１４がぴつたりと嵌り込むこと
によつて、本体８と筺体７との相互の位置決めが
正確に行なわれる。

第５図は、本考案の他の実施例の斜視図であ
り、第６図刃素の断面図である。前述の実施例の
対応する部分には、同一の参照符を付す。注目す
べきは、筺体７の平板部３０には、可撓性印刷配
線基板１５が取付けられる。この印刷配線基板１
５の接着剤または両面テープなどによる平板部３
０との接着領域は、参照符Ａで示されている。印
刷配線基板９に接続受部材１１が固定されている
ことは、前述の実施例と同様である。筺体７には
支持部材３２が取付けられ、この支持部材３２に
は参照符Ｂで示される領域にわたつて接着剤また
は両面テープで印刷配線基板１５が固定される。

第７図は、支持部材３２付近の分解斜視図であ
る。支持部材３２は金属などの材料から成り、剛
性である。支持部材３２には、接続受部材１１の
接続受口１２が延る方向（第６図の紙面に垂直方
向）に沿つて延びる長孔３３が複数個形成され
る。この長孔３３には、ボルト３４の軸部３５が
緩やかに挿通する。支持部材３２と筺体７の側壁
３６（第６図参照）との間には、スペーサ３７が
介在されており、ボルト３４の軸部３５はスペー
サ３７の遊通孔３９を緩やかに挿通する。ボルト
３４は側壁３６に形成されたねじ孔４０に螺着さ
れる。こうして支持部材３２、したがつて印刷配
線基板１５の接続端子１８は長孔３３の大きさに
対応してわずかに相対変位が可能である。またス
ペーサ３７の厚みｄ１に比べて筺体７の側壁３６
と支持部材３２との最大間隙ｄ２がわずかに大き
い。これによつて支持部材３２は、筺体７と第６
図の左右方向にわずかに相対変位が可能である。
接続受口１２の長さＬ１と支持部材３２の幅Ｌ２
とは等しく選ばれた（Ｌ１＝Ｌ２）、したがつて
接続受口１２に支持部材３２および印刷配線基板
１５の接続端子１８を含む端部がぴつたりと嵌合
して電気的に接続が行なわれる。このとき支持部
材３２は筺体７とわずかな相対変位が許容される
ので、筺体７と本体８との取付構造などをむやみ
に高精度とする必要がなくなる。なお、支持部材
３２を筺体７にボルト３４により取付けるために
支持部材３２に設ける穴は、縦方向（第６図の上
下方向）に沿つて延びる長穴でもよく、またボル
ト３４の軸部３５よりも大きく該ボルト３４の頭
より小さい円形の穴であつてもよい。

効 果 以上のように本考案によれば、可撓性印刷配線
基板を剛性の支持部材に固定し、この支持部材を
接続受部材の接続受口に嵌合するようにしたの
で、印刷配線基板を、直接、手でまたは治具でつ
かんで接続を行なう必要がなくなり、作業性が向
上するとともに、取付スペースが小さくてすむ。
また支持部材および接続端子を有する印刷配線基
板を接続受口から取外すことが自由に可能となる
ので保守が容易である。

また本考案によれば、可撓性印刷配線基板を支
持部材により補強した状態で剛性印刷配線基板の
接続受口に嵌入することによつて嵌入を容易に
し、また筺体と剛性印刷配線基板との固定をも行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は先行技術の斜視図、第２図は本考案の
一実施例の斜視図、第３図は支持部材１０および
接続受部材１１の付近の斜視図、第４図は接続受
部材１１の断面図、第５図は本考案の他の実施例
の斜視図、第６図は第５図に示された実施例の断
面図、第７図は支持部材３２付近の分解斜視図で
ある。 ７……筺体、８……本体、９……印刷配線基
板、１０，３２……支持部材、１１……接続受部
材、１２……接続受口、１５……可撓性印刷配線
基板、１８，２２……接続端子、３３……長孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 筺体に固定された可撓性印刷配線基板を剛性
   印刷配線基板に接続する構造であつて、 接続受口を有し、この接続受口の内方に臨ん
   で接続端子が設けられ、該接続端子が前記剛性
   印刷配線基板に接続された接続受部材と、 前記筺体に固定され、前記接続受部材の接続
   受口と嵌合する支持部材とから成り、 前記可撓性印刷配線基板を前記支持部材と重
   合わせた状態で、前記接続受部材の接続受口に
   嵌入し、該可撓性印刷配線基板と前記接続受部
   材の接続端子を接触させるようにしたことを特
   徴とする可撓性印刷配線基板の接続構造。 (2) 前記支持部材は前記筺体に移動可能に固定さ
   れていることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の可撓性印刷配線基板の接続構
   造。