JPH0349009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は開き戸や引き出し、あるいは引き戸等
に取り付けられる把手に関するものである。

［背景技術］ 建具や家屋、調理台等において使用されている
各種の戸並びに引き出しに取り付けられる把手と
しては、通常戸や引き出しの表面から突出した形
態のものが用いられているが、近年、戸や引き出
しの表面に突出物が無いようにすることが望まれ
ている。そしてこのような要望に応じたものとし
て、前面が開口するケース内に操作体を前後に摺
動自在に配設するとともに、この操作体に設けた
カムプレートにハートカムとしてのカム溝を形成
し、またケースにこのカム溝と係合するピンを備
えたリンクを取り付けて、前方へとばね付勢され
た操作体を押し込めば、カム溝における係合凹部
とピンとの係合で押し込み状態が保持され、この
状態から一旦操作体を押すと、ピンとカム溝にお
ける係合凹部との係合が外れて、操作体がばね付
勢により前方へと突出するようにしたものが提案
されている。

しかしながら、このような構成であると、構造
が複雑であるために、どうしても部品数も多く、
組立にも手間を要するものとなつており、高価な
ものとなつていた。

［考案の目的］ 本考案はこのような点に鑑み為されたものであ
り、その目的とするところは、操作体をケースよ
り出没させることができる把手において、構造が
簡単で安価であるとともに、操作体を出没させる
操作性も良好である把手を提供するにある。

［考案の開示］ しかして本考案に係る把手は、前面が開口する
ケースと、このケース内を前後に摺動自在として
配されてケースの前面から出没自在とされた操作
体と、ケースの開口部において枢支されて操作体
とともにケースの前面開口を閉じる操作プレート
と、ケース内において摺動自在に枢支されて一端
を操作プレート背面に、他端を操作体の背面に
夫々当接させている回動レバーとから成ることに
特徴を有するものであつて、操作プレートを押せ
ば回動レバーによつて操作体が前方へと押し出さ
れ、操作体を押し込むことでケース内に操作体が
納まるようにしたものである。ここで、操作体の
ケース前面からの突出長をできるだけ大きくする
ことができるように、回動レバーはその支点が操
作プレートとの当接側にあつて、操作体と当接す
る一端の移動量を大きくすることが好ましく、ま
た操作体の背面には溝を設けてこの溝の内部にお
いて回動レバーの一端が操作体に当接するように
することが、操作体を納めるケースの全長を短く
することができる点で好ましい。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述する
と、背面が背板１０で閉じられているとともに前
面が開口するケース１内の下半分に、上面と下面
に指掛け用の凹所２０及び切欠２１が設けられて
いる操作体２が前後に摺動自在に配設されてお
り、そしてケース１の前面開口の上半分には下端
が軸３０により枢支された操作プレート３が配さ
れている。操作プレート３は軸３０を中心に回動
するわけであるが、操作プレート３の上端には突
起３１が突出しており、これがケース１の上部に
形成されている溝１５に係合するために、操作プ
レート３が前方へと倒れることはない。また操作
体２の下面に形成されている段部２３が、ケース
１の下部に設けられているストツパ１１と当接す
ることで、ケース１からの操作体２の抜け止めが
なされている。更に、ケース１内には軸４０によ
つて揺動自在とされている回動レバー４が配設さ
れており、この回動レバー４の上端が操作プレー
ト３の上部背方に、下端は操作体２の後部に設け
られている溝２２内に位置している。また回動レ
バー４の下部とケース１の背板１０との間に引張
ばね５が掛け渡されている。そしてこの把手は、
戸や引き出し等の基体８に穿たれた取付孔に嵌め
込み、ケース１の前面開口縁より突設した鍔１３
と、背板１０背面に固着される取り付け板７と
で、基体８を挟持することにより、基体８に取り
付けられる。

しかして、この把手においては、操作プレート
３を押せば、回動レバー４が回動して操作体２を
ケース１内から前方へと押し出して、第２図及び
第４図に示すように、ストツパ１１と段部２３と
で規制される位置まで操作体２を突出させる。こ
の状態から操作プレート３より指を離しても、引
張ばね５により回動レバー４が復帰するととも
に、回動レバー４に押されて操作プレート３も復
帰するものの、操作体２は突出した状態を保つ。
操作体２をケース１内に収納するには、操作体２
を押し込むだけでよい。こうしてケース１内に操
作体２を収納した時、操作体２表面と操作プレー
ト３表面並びにケース１前面は面一となつて、全
く凹凸のない状態となる。

ここにおいて、回動レバー４を支持している軸
４０の位置を操作プレート３側としているのは、
回動レバー４における操作体２との当接側の一端
のストロークを大きくして、操作体２の押し出し
量を大きくとることができるようにするためであ
り、また回動レバー４一端を操作体２の溝２２内
において操作体２に当接させているのは、操作体
２の背方に回動レバー４の配置スペースをとらな
くともすむように、すなわちケース１の前後方向
の全長を短くすることができるようにして、基体
８の厚みが薄くても、基体８内にケース１が納ま
るようにするためである。尚、引張ばね５はなく
とも別段支障はない。

［考案の効果］ 以上のように本考案においては、ケースから出
没する操作体とは別に、操作プレートをケースの
前面開口に配して、この操作プレートの押し込み
でケース内に配した回動レバーが操作体を押し出
すようにしたものであり、簡単な構造で部品数も
少なくて組立が容易であり、安価に提供すること
ができる上に、前記従来例で述べたようなカムを
用いたものに比して、操作体のほぼ全長をケース
前面から突出させることができるために、操作体
の突出量を大きくとると同時に、全体の厚みを薄
くできるものであつて、戸が引き出し等の基体の
厚みが薄くても、ケースが基体の前後に大きく突
出することがないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の操作体をケース内に
押し込んだ状態の斜視図、第２図は同上の操作体
を突出させた状態の斜視図、第３図は同上の操作
体をケース内に押し込んだ状態の縦断面図、第４
図は同上の操作体を突出させた状態の縦断面図で
あつて、１はケース、２は操作体、３は操作プレ
ート、４は回動レバーを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面が開口するケースと、このケース内を前後
   に摺動自在として配されてケースの前面から出没
   自在とされた操作体と、ケースの開口部において
   枢支されて操作体とともにケースの前面開口を閉
   じる操作プレートと、ケース内において揺動自在
   に枢支されて一端を操作プレート背面に、他端を
   操作体の背面に夫々当接させている回動レバーと
   から成る把手。