JPH0348308Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、排水トラツプを具備する床置型の水
洗式小便器に関する。

(ロ) 従来の技術 従来、腰掛便器しか設置していない一般家庭の
トイレでは、立ち姿勢で行う男子小用は、便座を
持ち上げた状態で行っている。

しかしながら、腰掛便器は便器高さが低いた
め、立ち姿勢では、便器ボウル内に小便がうまく
入らなかったり、飛びハネが多く、トイレを不衛
生なものとする。そこで、近年、立ち姿勢の小用
でもかかる問題を生じない男子用小便器を、腰掛
便器とは別個に設置する家庭が増えている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかし、この場合、家屋の新築とともに新たに
トイレをつくり、男子用小便器も同時に設置施工
する場合には問題ないが、既設の腰掛便器を新た
に取り替え、男子用小便器も新たに設置する時の
増改築に際しては、以下のような問題点を生じて
いた。

小便器設置に際しては、小便器洗浄のための
給水配管及び小便器使用後の洗浄水排水のため
の排水配管の配管作業が不可欠となるが、従来
の小便器は、その構造上、床下及び壁中の埋設
配管を必要とし、そのため、配管作業は既設の
トイレの壁や床をはつつて行わねばならず、多
大の費用と時間を要していた。

また、小便器設置後のトイレの外観も、床面
及び壁面にはつつた後の埋もどし部分が明らか
に分かり、見苦しいものとなつていた。

本考案は、上記問題点を解決することができる
水洗式小便器を提供することを目的とする。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、下部にボウル部を有するとともに後
部に案内壁を有する便器本体の上部に給水装置を
取付け、かつボウル部の下部に排水トラツプを設
けた水洗式小便器において、排水トラツプの排水
口を、便器本体の下部側壁で床より上位をなす個
所に開設して、床上排水配管と連通連結するとと
もに、給水装置と上端を連結した立上がり給水配
管の下端を、便器本体の下部側壁で床より上位を
なす個所から導出して、床上給水配管と連通連結
したことを特徴とする水洗式小便器を提供せんと
するものである。

(ホ) 作用 上記構成を有する本考案に係る水洗式小便器の
設置に際して行う給水配管工事は、まず既製の腰
掛便器の給水配管から床上給水配管を分岐し、同
床上給水配管を床面上に這わせて、小便器の便器
本体の下部側壁で床より上位をなす個所に導出さ
れた立上がり給水配管の下端に連結するものであ
り、一方、この立上がり給水配管の上端は水洗式
小便器の上部に設けた給水装置と連結されること
によつて一連の給水配管が完了したことになるも
のである。

このように、水洗式小便器の床上給水配管及び
床上排水配管を、トイレの床や壁をはつることな
く床上に設置して、小便器の便器本体と連通連結
させることができるものである。

(ヘ) 効果 以上述べてきた構成により、本考案は、以下の
効果を奏する。

床上給水配管及び床上排水配管を床より上位
で便器本体側壁に連通連結できるので、床や壁
をはつることなく水洗式小便器を設置すること
ができ、設置作業がが容易となり、作業期間の
短縮及び作業費の低減化を図ることができる。

床や壁をはつることなく水洗式小便器を設置
することができるので、従来のような埋もどし
作業が不要となり、小便器設置後も、トイレの
美観を維持することができる。

(ト) 実施例 以下、添付図に示す実施例に基づいて、本考案
を詳説する。

〔第１実施例〕 第１図に、第１実施例に係る水洗式小便器１を
設置したトイレ２の内部構造を示す。 図示の実
施例では、水洗式小便器１は、暖房便座付の腰掛
便器３を設置した側の壁４と直交する壁５に取付
けられており、また、同壁５には、上部に鏡を有
する手洗い器６が水洗式小便器１に並設して取付
けられている。

また、７は上記壁４，５の下部に沿つて設けら
れた配管カバーであり、同配管カバー７は、その
内部に、腰掛便器３と水洗式小便器１及び手洗い
器６とを連絡するべく床８上に配設した床上給水
配管９と床上排水配管１０とを隠蔽状態に保護し
ている。

次ぎに、第２図〜第６図に上記水洗式小便器１
の詳細な構成を示す。

第２図及び第３図から明らかなように、水洗式
小便器１はトラツプを内蔵する床置式のストール
型小便器である。

かかる水洗式小便器１は、下部側壁１３ａ，１
３ａによって床８上に支持された碗状のボウル部
１１の後部上面に垂直の案内壁１２を立設し、同
案内壁１２の両側に前方に向けて伸廷する一対の
上部側壁１３ｂ，１３ｂを突設することによつて
便器本体１３を形成するとともに、同便器本体１
３の上部に給水室１４を一体的に形成し、かつ、
同下部側壁１３ａ，１３ａ間にボウル部１１の奥
部に設けた洗浄水流出口１１ａと連通連結する排
水トラツプ１５を配設し、さらに、給水室１４の
上部に使用者検出用センサ１６ａを内蔵する自動
給水装置１６を取付けることによつて構成してい
る。

上記構成において、給水室１４は、中央の隔壁
１７を介してボウル部給水室１８と案内壁給水室
１９とに区画されている。

そして、ボウル部給水室１８は、その上部流入
開口を自動給水装置１６と給水配管２０によつて
連通連結しており、一方、その下部流出開口を便
器本体１３の両上部側壁１３ｂ，１３ｂの前部に
形成した中空リブ２１内の流下通路２２（第４図
参照）を通してボウル部１１の上縁に形成した環
状中空リブ２３内の環状流路２４と連通連結し、
さらに、同環状中空リブ１９の下面にボウル部１
１内部と連通する水吐出孔２５を形成している。
かかる構成によつて、自動給水装置１６からの洗
浄水はボウル部給水室１８、流下通路２２、環状
流路２４及び水吐出孔２５を通つてボウル部１１
に吐出され、ボウル部１１の内面を洗浄すること
ができる。

一方、案内壁給水室１９は、隔壁１７に設けた
流出開口２６を通してボウル部給水室１８と連通
しており、また、その下部に案内壁１２の表面の
上端と連通する水吐出孔２７を設けている。かか
る構成によつて、自動給水装置１６からの洗浄水
はボウル部給水室１８、案内壁給水室１９及び水
吐出孔２７を通つて案内壁１２に沿つて流下し、
案内壁１２を洗浄することができる。

次に、排水トラツプ１５の構成について説明す
ること、３２は汚水溜部であり、ボウル部１１を
支持する下部側壁１３ａ，１３ａ間の空間を、前
後隔壁２８，２９、両側壁３０，３０及び底壁３
１によつて区画することによつて形成される。同
汚水溜部３２は、ボウル部１１の奥部において下
方に伸延する仕切壁３３によつてその内部空間を
二分されており、これによつて、ボウル部１１と
連通する外部流路３４と内部流路３５とからなる
略Ｕ字状のトラツプ流路が形成されることにな
る。

また、第２図から明らかなように、汚水溜部３
２の一側側壁３０に隣接して排水室３６が形成さ
れており、同排水室３６は、連絡開口３７を介し
て汚水溜部３２と連通している。

さらに、下部側壁１３ａの一部を構成する排水
室３６の外側側壁３８には、円形断面の排水口３
９が床８より上位に形成されており、同排水口３
９は、排水室３６、連絡開口３７を通して排水ト
ラツプ１５と連通連結している。

また、この排水口３９には、壁５の下部に沿つ
て床８上に配設した床上排水配管１０の一端が連
結金具４０によつて水密状態に連結される。

なお、床上排水配管１０の他端は、腰掛便器３
の下部に設けた床配管に、例えば、実願昭60−
192835号実開昭62−99687号に記載したようなジ
ヨイント構造を用いて連結される。

さらに、第２図〜第６図において、４１は、便
器本体１３の案内壁１２の裏側に設けた縦長空洞
部４２に配設した立上がり給水配管であり、同給
水配管４１は、その下端を下部側壁１３ａの一部
を形成するボウル部支持壁１３ｃに穿設した透孔
４３を通して、床８より上位で便器本体１３の下
部側壁１３ａより導出しており、その導出端を、
壁５の下部に沿つて床８上に配設した床上給水配
管９の一端と連結金具４４によつて水密状態に連
結している。

このように、本実施例においては、水洗式小便
器１は、その便器本体１３に、床上給水配管９
と、床上給水配管１０とを、床８より上位いおい
て、連通連結し、腰掛便器３の給水配管より分岐
して同小便器１に給水することができるととも
に、同小便器１より腰掛便器３の排水配管に合流
して排水することができるように構成されてい
る。

従つて、水洗小便器１の設置に際して、床８や
壁４，５をはつる必要がなく、水洗式小便器１の
設置工事の能率化を図ることができる。

なお、第３図及び第６図から明らかなように、
便器本体１３のボウル部１１の前壁４５は、保護
カバー７と連絡する便器保護カバー４６を着脱自
在に装着している。

〔第２実施例〕 第７図〜第１０図に、第２実施例に係る水洗式
小便器１を示しており、本実施例は、トイレ２内
の空間の有効利用を図るべく、水洗式小便器１を
トイレ２の隅部５０に設置したことを特徴とす
る。

第８図〜第１０図に示すように、便器本体１３
は、トイレ２の隅部５０に設置可能なように、略
正方形の横断面形状を有しており、その一側隅部
を形成する案内壁１２の中央部５１を、上記トイ
レ２の隅部５０に一致させ、その両側部５２，５
３をトイレ２の壁４，５に当接させ、かつボウル
部１１の前面を、上記一側隅部と対角をなす他側
隅部い形成している。

かかる構成及び配置により、水洗小便器１を、
第１実施例の場合と比較して、さらにコンパクト
にトイレ２内に設置することができる。

第２実施例の便器本体１３構造は、第１実施例
と比較して、以下の点において若干構成を相違さ
せている。

即ち、本実施例において、便器本体１３の案内
壁１２は、その中央部５１を、壁４と壁５との接
合線５４から離隔して、三角形状の空間を形成し
ており、同空間内に案内壁１２と一体をなす配管
収納室５５を配設しており、同配管収納室５５内
に立上がり給水配管４１を配設した構成としてい
る。

また、排水トラツプ１５は、ボウル部１１の奥
部から下方に向けて垂直円筒部５６と同垂直円筒
部５６の下部と連通し、その後部を上記案内壁１
２の後方に設けた三角形状の空間に突出させた中
間貯水部５７と、同中間貯水部５７の側壁に形成
し、床上排水配管１０と連結可能な排水口３９と
から構成している。

このように、本実施例においても、水洗式小便
器１は、その便器本体１３に、床上給水配管９
と、床上排水配管１０とを、床８より上位におい
て、連通連結することができるように構成されて
おり、従つて、床上において、腰掛便器３の給水
配管より分岐して同小便器１に給水することがで
きるとともに、同小便器１より腰掛便器３の排水
配管に合流して排水するこができるものである。

かかる構成によつて、水洗小便器１の設置に際
して、床８や壁４，５をはつる必要がなく、水洗
式小便器１の設置工事の能率化を図ることができ
る。

〔第３実施例〕 さらに、第１２図〜第１３図に壁埋込みを必要
とする場合の平付タイプの小便用便器に本考案を
適用した場合を示す。

図示するように、本実施例は、上記第１及び第
２実施例が、水洗式小便器１を直接壁５に取付け
ているのに対し、壁５の一部を切欠して短形空間
６０を形成し、同短形空間６０内に便器本体１３
の後部を嵌入し、実質的に壁５に埋設したと同様
な効果を上げ、トイレ２の有効空間をさらに広く
したものである。

なお、本実施例の便器本体１３は、上記第１及
び第２実施例と以下の点において構成を相違させ
ている。

即ち、本実施例において、排水トラツプ１５
は、第１１図に示す正面視において、垂直円筒部
６２と、同垂直円筒部６２に並設し、下部におい
て垂直円筒部６２と連通する中間貯水部６３と、
同中間貯水部６３の一側側壁６４に形成し、床上
排水配管１０と連結する排水口３９とから構成さ
れている。

また、便器本体１３の給水装置１６は、本実施
例では蛇口６６によつて形成されており、同蛇口
６６に立上がり給水配管４１の上端が連結されて
いる。

このように、本実施例においても、水洗式小便
器１は、その便器本体１３に、床上給水配管９
と、床上排水配管１０とを、床８より上位におい
て、連通連結することができ、腰掛便器３の給水
配管より分岐して同小便器１に給水することがで
きるとともに、同小便器１より腰掛便器３の排水
配管に合流して排水することができるように構成
されている。

また、かかる構成によつて、水洗小便器１の設
置に際して、床８や壁４，５をはつる必要がな
く、水洗式小便器１の設置工事の能率化を図るこ
とができる。

以上、本考案に係る水洗式小便器１の構成を、
第１〜第３実施例を参照して説明してきたが、さ
らに、第１４図〜第１７図を参照して、腰掛便器
３を既に設置している既設トイレ２を増改築する
際の、水洗式小便器１、腰掛便器３または手洗い
器６の好ましい配置関係について説明する。

即ち、第１４図は、本考案にかかる水洗式小便
器１を設置する前のトイレ２内の配置を示してお
り、腰掛便器３と大型手洗い器６が長手方向に対
向する壁に取付けられている。

また、第１５図〜第１７図は、上記水洗式小便
器１の設置後のトイレ２における便器等の配置を
示す。

即ち、第１５図は、大型手洗い器６をトイレ２
から撤去し、その代わりに、幅方向に対向する壁
に、それぞれ、本考案にかかる平付型の水洗式小
便器１と小型の手洗い器６を取付けたものであ
る。また、第１６図は、一側幅方向の壁に上記平
付型の水洗式便器１と手洗い器６とを並設して取
付けたものである。さらに、第１７図は、トイレ
２の隅部に隅付型の水洗式小便器１を設置し、か
つ小型の手洗い器６を一側幅方向の壁に取付けた
ものである。

トイレ２内の便器等を以上のように配置するこ
とによつて、狭隘なトイレでも、充分な使用空間
を確保することができ、また、使用者は希望に応
じて、任意の配置構成を選択することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に係る水洗式小便
器を設置したトイレの斜視図、第２図は同水洗式
小便器の正面図、第３図は同水洗式小便器の一部
断面側面図、第４図〜第６図は第３図−線、
−線及び−線による横断面図、第７図は
第２実施例に係る水洗式小便器の一部断面側面
図、第８図〜第１０図は第７図−、−線
及び−線による横断面図、第１１図は第３実
施例の水洗式小便器の正面図、第１２図は同水洗
小便器の一部断面側面図、第１３図は同水洗式小
便器の平面図、第１４図〜第１７図はトイレ内に
おける便器等の配置例の説明図である。 図中、１：水洗式小便器、２：トイレ、３：腰
掛便器、６：手洗い器、８：床、９：床上給水配
管、１０：床上排水配管、１１：ボウル部、１
２：案内壁、１３：便器本体、１３ａ：下部側
壁、１５：排水トラツプ、１６：給水装置、３
９：排水口、４１：立上がり給水配管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下部にボウル部１１を有するとともに後部に案
   内壁１２を有する便器本体１３の上部に給水装置
   １６を取付け、かつボウル部１１の下部に排水ト
   ラツプ１５を設けた水洗式小便器において、 排水トラツプ１５の排水口３９を、便器本体１
   ３の下部側壁１３ａで床８より上位をなす個所に
   開設して、床上排水配管１０と連通連結するとと
   もに、給水装置１６と上端を連結した立上がり給
   水配管４１の下端を、便器本体１３の下部側壁１
   ３ａで床８より上位をなす個所から導出して、床
   上給水配管９と連通連結したことを特徴とする水
   洗式小便器。