JPH0348067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、定量振り出し機能を備えた製茶（以
下茶という）収容器に関する。

(ロ) 従来の技術 従来の茶収容器としては、所謂茶筒といわれる
ものが知られている。この茶筒は上面を開口した
円筒状の容器で、該上面開口部に同じく円筒状の
蓋体を嵌装したものである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の茶筒には、茶の取り出し
量を計る機能がないため、従来は急須等に振り出
す際に目分量で計つており、従つて、その振り出
し量がまちまちとなつて、お茶の濃度が変動し、
適度な濃度のおいしいお茶を入れる事がむづかし
いという問題点があつた。

もつとも、別体の定量スプーン等を用いること
は可能であるが、面倒であるため使用率は極めて
低い。

そこで、本考案ではかかる問題点を解決し、ワ
ンタツチ操作で一定量の茶を振り出すことができ
る定量振り出し機能を備えた茶収容器を提供せん
とするものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案では、前記目的を達成する手段として、
上面開口状の容器本体と、該容器本体の上面開口
部を閉塞する蓋体とを備えた茶収容器において、
前記容器本体の後方側壁上部に、外方に向けて張
り出し状に形成した定量収納用凹部への落下口を
開設し、かつ該定量収納用凹部の下面側には、前
記容器本体内とは隔壁によつて分離された排出路
への連通口を開設すると共に、該排出路の出口側
となる振り出し口が、前記容器本体の前方方向に
向けて開口するように形成し、かつ、前記落下口
には、該落下口の開度及び定量収納用凹部の容積
を同時に変更可能な振出量調整手段を備えた構成
となした。

(ホ) 作用 本考案では、上記構成より成るため、茶を収容
し、その上面開口部を蓋体で閉塞した容器本体の
全体を、まず振り出し口側が上になる方向に傾斜
させていくと、容器本体内の茶の一部が落下口よ
り定量収納用凹部内に落下する。そこで今度は上
記とは逆に振り出し口側が下になる方向に容器本
体を傾斜させていくと、茶の大部分は容器本体の
底部方向へ戻るが、定量収納用凹部内に落下した
一部の茶は、該定量収納用凹部の下面側に開設さ
れた連通口から排出路へ流れ込み、下向きとなつ
た該排出路の出口側となる振り出し口から外部へ
排出されることとなるが、前記定量収納用凹部内
には一定量の茶しか落下収納されないので、振り
出し口から振り出される茶の量も一定量となり、
このため容器本体を前後に傾斜させる操作だけで
常に一定量の茶を振り出すことができるものであ
る。そして、振出量調整手段を操作して落下口の
開度及び定量収納用凹部の容積を調整することに
より、人数分に対応した茶の振り出しを行うこと
ができる。

(ヘ) 実施例 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図〜第４図イ，ロは本考案の一実施例を示
すものであり、図において１は容器本体、２落下
口、３は定量収納用凹部、４は連通口、５は排出
路、６は振り出し口、７は蓋体を示す。

容器本体１は上面開口状の筒状容器で、その上
面開口部には蓋体７が嵌着され、内部が気密状態
に保持される。

定量収納用凹部３は容器本体１の後方側壁上部
に、外方に向けて張り出し状に形成され、該定量
収納用凹部３内と容器本体１内とが落下口２によ
つて連通されている。

排出路５は容器本体１内とは隔壁８によつて分
離され、実施例では容器本体１の後方側壁から底
面にかけて略Ｌ字状に形成されると共に、その上
端入口側が前記定量収納用凹部３の下面側に開設
された連通口４と連通し、出口側を容器本体１の
前方方向へ向けて開口する振り出し口６となして
いる。

尚、図中９は振り出し口６に装着された蓋体で
あり、容器本体１の気密を保持する役目をなす。
又１０は取手を示す。また、この実施例では、第
５図にその詳細を示すように、振出量調整手段と
して、落下口２の上部に上下方向に摺動する開度
調節板１１を設け、かつ、この開度調節板１１に
は定量収納用凹部３内の容積を変更する容積調節
板１１が連設されている。

本実施例では上記構成より成るため、容器本体
１内より茶を取り出す時は、蓋体７を嵌着したま
まの状態で、容器本体１の全体を、まず第４図イ
に示すように振り出し口６側が上になる方向に傾
斜させていくと、容器本体１内に収容された茶の
一部が落下口２より定量収納用凹部内に落下す
る。

次に、今度は上記とは逆に、第４図ロに示すよ
うに振り出し口６側が下になる方向に容器本体１
を傾斜させていくと、茶の大部分は容器本体１の
底部方向へ戻るが、定量収納用凹部３内に落下し
た一部の茶は、該定量収納用凹部３の下面側に開
設された連通口４から排出路５へ流れ込み、下向
きとなつた該排出路５の出口側となる振り出し口
６から急須等へ振り出されることになるが、この
振り出される茶の量は予め設定された定量収納用
凹部３内の容積によつて常に一定量であり、従つ
て、予めこの量を例えば１人分のお茶を入れる際
の適量（約3g）となるように設定しておけば、
常に適度の濃度のおいしいお茶を入れることがで
きるようになる。この実施例では前記開度調節板
１１を上下動させることによつて落下口２の開度
を定量収納用凹部３内の容積が同時に変更され、
人数分に対応する茶の振り出しが行えるようにな
る。

(ト) 考案の効果 以上詳細に説明した如く本考案によれば、蓋体
を嵌着した状態のままで、容器本体を前後方向へ
傾斜させるワンタツチ操作のみで、常に一定量の
製茶を振り出すことができ、従つていつでも適度
な濃度のおいしいお茶を簡単に入れることができ
るすばらしい効果がある。

又製茶保存・保管のために使用される所謂茶筒
等の持つ働きを十二分に果す機能を併有している
事は言う迄もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図は第１図−線における断面図、第３図は第
２図−線における断面図、第４図イ，ロは使
用状態を示す説明図、第５図は他の実施例を示す
要部の説明図である。 １：容器本体、２：落下口、３：定量収納用凹
部、４：連通口、５：排出路、６：振り出し口、
７：蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面開口状の容器本体と、該容器本体の上面開
   口部を閉塞する蓋体とを備えた製茶収容器におい
   て、前記容器本体の後方側壁上部に、外方へ向け
   て張り出し状に形成した定量収納用凹部への落下
   口を開設し、かつ該定量収納用凹部の下面側に
   は、前記収容本体内とは、隔壁によつて分離され
   た排出路への連通口を開設すると共に、該排出路
   の出口側となる振り出し口が、前記容器本体の前
   方方向に向けて開口するように形成し、かつ、前
   記落下口には、該落下口の開度及び定量収納用凹
   部の容積を同時に変更可能な振出量調整手段を備
   えたことを特徴とする定量振り出し製茶収容器。