JPH0347685Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は条鋼などのストランド圧延のロール孔
形交換の際、圧延パスライン及び圧延機出入口ガ
イドの位置を変動することなくロール孔形位置を
切換えできる様にした圧延機のガイド取付装置に
係るものである。

一般に数台乃至十数台並ぶ各圧延機スタンドの
圧延用ロールには圧延形状、寸法に応じた溝形に
よるロール孔形を複数列備えており、圧延パスラ
インのロール孔形の摩耗、サイズ変更等に際して
他のロール孔形に切換えて圧延が行われている。

従来この種のロール孔形切換えに際しては第６
図に示す様に圧延機スタンド２２に固定されたガ
イド取付用レストバー２１を取付台とし、クラン
プ装置２９，３０、ガイド取付ボツクス２８、ガ
イド固定楔２１′によつてガイド２７がロール孔
形の入口及び出口に堅固に取付けられて居り、ロ
ール孔形切換えの度に、これらは夫々分解、組
立、取付乃至調整を要し、極めて煩わしい作業を
余儀なくしていた。

即ち、第６図のａ，ｂの各位置に配置固定され
たガイド２７はロール孔形切換えの時の度に前記
の各部分を分解し、a′，b′の位置へｃだけ移して
組立、取付後圧延パスラインに合致すべく芯合せ
をしなくてはならなかつた。

又従来圧延機の出入口ガイドの位置を圧延パス
ラインに合致した状態で固定し、圧延機スタンド
２２を移動しロール孔形を切換える方式はあつた
が、この方式は後述する本考案のガイド取付用レ
ストバーに相当するガイド取付台そのものが圧延
機スタンドから分離した位置の基礎上より立ち上
がつて設けられたもので、本考案のものと明らか
にその様式を異にするものであつた。即ち、この
方式は圧延機スタンドを交換する場合、ガイド一
式の移動域は分解を要するものであつた。

このようにロール孔形切換えに際して煩わしい
作業及び時間を要するばかりでなく、圧延機スタ
ンドの台数のすべての調整に要する浪費は非常に
大きいものであり、又生産工場にあつて製品品質
向上への期待は言うまでもないが、工場の作業効
率及び稼働効率向上への期待もコスト管理上から
見れば大きな比重を占めているのが実情である。

又、この種圧延機において、双子シリンダーを
用い、その一つのシリンダーのピストンをロール
キヤリバーを担持するロールスタンドに連結し、
他方のシリンダーのピストンを圧延機スタンドに
固定したレストバーに摺動可能に取付けた圧延機
のガイドに連結し、両シリンダーをして、ロール
スタンドの移動にかかわらずガイドを常にパスラ
イン上に保ちえるように連結して、ロールキヤリ
バーの位置調整とガイドの位置調整を一度で行う
ようにしたもの（例えば実公昭47−31068号公報）
が存在す。

しかし、この方法はタンデム配置の圧延機にお
いて、ロール孔形を切換えるだけのために、形状
及び大きさが同じシリンダーのいわゆる双子シリ
ンダーが各圧延機に必要で、多数のシリンダーを
要することから、遠隔操作できる有利さがある
が、複数列の全ての孔形の切換えを可能にするた
めにはストロークの大きいシリンダーを要し、ま
た油圧配管系統などタンデム式圧延機の設備費が
高価となり、又メンテナンス、及び圧延機のロー
ル交換及び設定等に難がある。

本考案は前記の様なことから、条鋼などのスト
ランド圧延のロール孔形交換の際、圧延パスライ
ン及び圧延機出入口ガイドの位置を変動すること
なく圧延機スタンド本体を簡単に移動し、ロール
孔形を適確に且つ容易に切換えできるように従来
方式に例を見ない圧延機ガイド取付用レストバー
を適用することによつて、出入口ガイドの取替、
移動時間を皆無とし、ロール孔形切換時間を大巾
に短しミル稼働率向上に寄与し得るものである。

以下、本考案の圧延機のガイド取付装置の一実
施例を図面について説明する。

１，１′は中間部に水平なガイド取付台部１ａ，
１a′を有し、その左右には上下に平行な係合案内
面１ｂ，１b′をもつ圧延機出入口ガイド取付用レ
ストバーである。２は複数列に圧延用のロール孔
形３ａ…の形成された上下一対の圧延機ロール
３，３を軸支せる圧延機スタンド本体で、その前
後両側面には前記ガイド取付用レストバー１，
１′の各係合案内面１ｂ，１b′を挾み支持するよ
うに夫々レストバー取付案内ブラケツト４，５が
取付ボルト６で取付けられ、圧延機スタンド本体
２の側面とレストバー取付案内ブラケツト４，５
との間に圧延機出入口ガイド取付用レストバー
１，１′が嵌合支持されている。

圧延機スタンド本体２とレストバー取付案内ブ
ラケツト４，５に渉り係合取付けられた圧延機出
入口ガイド取付用レストバー１，１′は、それら
の各一端に連結したねじ式により伸縮調整可能な
レストバー位置着決め固定用ロツド１３と該ロツ
ドの端部を連結する位置不変の基礎又は架台に取
付けたロツド支持ブラケツト１４にて圧延パスラ
インと直角方向の位置に固定されている。又この
圧延機ガイド取付用レストバー１，１′は前記の
様に圧延機スタンド側面とレストバー取付案内ブ
ラケツト４，５の間に嵌合されており、圧延機ス
タンド本体の移動時間摺動可能で孔形切換移動範
囲の任意の位置でのセツトも容易に出来る構造と
なつている。

圧延機用入口ガイド７及び出口ガイド７′の
夫々は、前記ガイド取付用レストバー１，１′の
ガイド取付部１ａ，１a′上に左右移動調節自在に
嵌載した取付ボツクス８の中でガイド固定楔１１
にて固定され、取付ボツクス８はボツクス固定金
物９と取付ボルト１０にて第２図、第４図に示す
如く堅固に取付けられ、複数ストランドの場合は
複数列のガイドセツト（第１図、第２図は圧延機
ガイドが二列の場合を示す）がなされる。

１２は圧延機スタンド本体２の一側に連結した
移動用パワーシリンダで、１６は該シリンダの固
定取付台、１５は圧延機スタンド本体２の下部に
取付けた移動用車輪である。尚、前記パワーシリ
ンダの代りにスクリユー駆動装置等により圧延機
スタンド本体２を移動できる様にすることもあ
る。

本考案は前記の構成で複数ストランド圧延の場
合、第１図、第２図に示す様に被圧延材を圧延機
スタンド本体２に係合取付けされた圧延機ガイド
取付用レストバー１，１′上に取付固定されてい
る圧延機出入口ガイド７，７′、圧延機ロール３，
３のロール孔形３ａの圧延パスライン位置ａ，ｂ
に通過させ、順次に同様な数台乃至十数台の圧延
機を通して順次小径寸法に圧延し条鋼を製造する
ものである。

次にロール孔形の摩耗或はサイズ変更等により
圧延材ロールのロール孔形を変更する場合には、
移動用パワシリンダ１２を作動してそのピストン
ロツドを第１図、第２図の右方に推進させると、
圧延機スタンド本体２は夫々側面の各レストバー
取付案内ブラケツト４，５がレストバー位置決め
固定用ロツド１３とロツド支持ブラケツト１４に
て圧延パスラインと直角方向の位置に固定されて
いる圧延機ガイド取付用レストバー１，１′の係
合案内面１ｂ，１b′に沿うて摺動すると共に、下
部の車輪１５及び軌道を介して移動する。従つて
圧延パスライン及び圧延機出入口ガイドの位置を
変えることなく、圧延機スタンド本体２をロール
３，３と共に移動用パワシリンダ１２の操作によ
り所要のストロークｃだけ移動させることによつ
て、ロール孔形位置a′，b′が圧延パスライン並に
圧延機ガイド取付位置に合致する。つまり、換言
すれば孔形変更による出入口ガイド移動位置a′，
b′に於て孔形切換えのすべての工程を即時に完了
することが出来る。

尚、圧延パスライン及び圧延機ガイド取付位置
が単列のａである場合は、圧延機スタンド本体２
を移動用パワシリンダ１２で移動することによ
り、圧延パスライン及び圧延機出入口ガイドの位
置を不変として、ロール孔形位置をa′，ｂ，b′の
任意所望のロール孔形に切換え、圧延することが
出来る。

このようにして、同様の数台乃至十数台並ぶ各
圧延機のロール孔形を切換えて条鋼圧延を行うも
のである。

又、この考案による圧延機のガイド取付装置は
ロール組替え、或はスタンド交換時にもレストバ
ー１，１′にガイドユニツト（ガイド取付ボツク
ス、ボツクス固定金物及び取付ボルト）をセツト
したまま、レストバー位置決め固定用ロツド１３
を切離すだけで可能となり、従来方式に比して便
利である。

以上のように、この考案は従来、圧延機スタン
ドに固定されたガイド取付用レストバーを取付台
とし、クランプ装置、ガイド取付ボツクス、ガイ
ド固定楔によつてガイドをロール孔形の入口及び
出口に堅固に固定していた、前記圧延機ガイド取
付用レストバーを、圧延機の側面に圧延パスライ
ンと直角方向に摺動可能に係止させ、それらの一
端を位置不変の基礎又は架台に取付けたロツド支
持ブラケツトにわたり位置決め固定用ロツドで連
結して圧延パスラインと直角方向の位置に固定
し、圧延機スタンド本体をパワシリンダー又はス
クリユー駆動装置等により、所要のストローク移
動自在に設たものであるから、圧延パスライン及
び圧延機出入口ガイドの位置を変動することな
く、圧延期本体側のみを移動して、圧延パスライ
ン及び圧延機ガイドに合せて圧延機ロール孔形を
適確に切換え移動出来、ロール孔形の摩耗或はサ
イズ変更による切換えが即時簡単に行える。

特に条鋼圧延の様に多ストランド、タンデム圧
延方式による場合、圧延機台数とミルガイド類の
台数が非常に多くなり、このようなロール孔形の
切換、圧延ロールの組替、ガイドの取替、位置替
え等による圧延停止時間も相当多くなるが、本考
案によれば、圧延機の移動のみで簡単容易にロー
ル孔形を切換えることができるので、切換え時間
を大幅に短縮することができ、既存の圧延機に僅
かの改良を加えるだけで適確なロール孔形の切換
えが簡単容易な装置を得ることが出来る。また同
一形状同一の大きさの双子シリンダーを用いて相
対的にガイド位置を元の位置に戻す油圧シリンダ
ー機構の如く油圧制御、配管系統及び制御盤、遠
隔制御手段を要する圧延機ガイド取付け装置に比
べ経済的に安価に、しかも簡単容易に孔形の切換
え容易なガイド取付装置を提供することができ、
前記従来方式の問題点を解消し得ると同時に工場
の作業効率及び稼働効率の向上が図れる等その効
果は著しいものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の圧延機のガイド取付装置の一
実施例を示す全体的平面図で一部を切断する、第
２図は第１図の正面図、第３図は第２図のＡ−Ａ
線断面図、第４図は同Ｂ−Ｂ線断面詳細図、第５
図は圧延機ロールのロール孔形例を示す正面図、
第６図は従来方式のガイド取付状態を示す正面
図。 １，１′……圧延機出入口ガイド取付用レスト
バー、２……圧延機スタンド本体、３……圧延機
ロール、３ａ……ロール孔形、４，５……レスト
バー案内ブラケツト、７……圧延機入口ガイド、
７′……圧延機出口ガイド、１２……移動用パワ
ーシリンダ、又はスクリユー駆動装置、１３……
レストバー位置決め固定用ロツド、１ｂ，１b′…
…係合案内面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各々の上下一対のロールに複数列に圧延用孔形
   を備え、圧延機の出入口ガイドに対して圧延機ス
   タンドを移動してロール孔形を切換えるタンデム
   配列の各圧延機における圧延機ロールの出入口に
   おいて、圧延パスラインに合せて圧延機出入口ガ
   イドを堅固に固定した圧延機出入口ガイド取付用
   レストレバーを、圧延機スタンド本体の側面に取
   付けたレストバー案内ブラケツトを介して圧延パ
   スラインと直角方向に摺動可能に係合支持させ、
   これら圧延機出入口ガイド取付用レストバーの一
   端を、位置不変の基礎又は架台に取付けたブラケ
   ツトにわたり伸縮調整可能な位置決め固定用ロツ
   ドを介して固定し、圧延機スタンド本体をロール
   と共に移動用パワーシリンダ又はスクリユー駆動
   装置より、圧延パスラインに直角な方向に所要の
   ストローク移動自在に設けてなる圧延機のガイド
   取付装置。