JPH0346943Y2

JPH0346943Y2 -

Info

Publication number: JPH0346943Y2
Application number: JP8067784U
Authority: JP
Priority date: 1984-05-31
Filing date: 1984-05-31
Publication date: 1991-10-04
Also published as: JPS60191488U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は軸筒内に収納されるシヤープペンシル
機構（以下筆記体という）の先端部を軸筒先端よ
り突出せしめる操作と、該筆記体先端部が軸筒先
端より突出した使用状態での芯の繰り出し操作と
を同一のノツクで行えるようなした筆記体内蔵式
シヤープペンシルに関するものである。

（従来技術）軸筒内に収納される筆記体の先端部を軸筒先端
より突出せしめる操作と、該筆記体先端部が軸筒
先端より突出した使用状態での芯の繰り出し操作
とを同一のノツクを押圧することで行えるような
した筆記体内蔵式シヤープペンシルとしては、実
開昭57−90883号公報に開示される如く、軸筒内
に収納される筆記体に係合部を設け、該係合部を
軸筒に係合可能となし、該係合を解除することで
筆記体をスプリングの弾撥力で軸筒内に収納でき
るようなしたものが知られている。しかし乍ら、
この種構造では筆記体を軸筒内に収納するに、ス
プリングの弾撥力を利用し、かつ、筆記体を軸筒
の一部に係合させてその後退を阻止するようなし
てあるから、その収納時において後退衝撃が筆記
体のチヤツクの芯挾持部分に集中し、チヤツクが
必要以上に芯に喰い込んでしまい、斯くして芯表
面に傷をつけたり、しいては芯折損を生じること
になる。前述せる公報に開示される構造では、こ
の問題を解決せんとするに、筆記体の後退を阻止
する部分にその衝撃力を緩和する目的でゴム等の
弾性体を配置してあるが、衝撃緩和材としての弾
性体では、使用初期ではその効力を発するもの
の、筆記体の出没を繰り返し行うにつれその老
化、劣化は避けられず、ついには何等所期の目的
を達成することが不可能となるからあまり実用的
ではない。

（目的）本考案は上述せる問題に鑑みなされたもので、
筆記体収納時の衝撃を緩和することでその収納時
におけるチヤツクの芯挾持部分での芯折損を防止
することは勿論のこと、筆記体を軸筒内に収納し
た携帯時において外部から不意に衝撃が加つた際
でも同様に起こり得る芯損傷、芯折損の問題を除
外できるようにした新規な筆記体内蔵式シヤープ
ペンシルを提供せんとするものである。

（考案の構成）以下本考案を添付図面に示す実施例に基づき詳
細に説明する。

第１図は筆記体先端部を軸筒先端より突出させ
た使用状態を示すもので、参照符号１は金属、樹
脂等よりなる軸筒であり、該軸筒１の後方には長
手方向に後述する筆記体８の前進後退距離よりも
長いスリツト２が形成されている。３は前記軸筒
１にその基部４を固定し配置されるクリツプであ
つて、図示した例ではクリツプ３の基部４を環状
となし、該環状部を軸筒１後部に固着せる後金５
で挾着してなるものを示したが、周知の他の固定
方法を採用してもよい。クリツプ３は前部に形成
された挾持用突部６を前記スリツト２の前方に位
置するものであり、該挾持用突部６には後述する
筒体９の係合部１６が係合可能な凹所７が設けら
れている。８は軸筒１内面との間に張設したスプ
リングS₁で後方に付勢される筆記体であつて、該
筆記体８は、筒体９と、該筒体９の前部に螺着さ
れた芯パイプ１０、芯戻り止め１１を有する先体
１２と、筒体９内にあつて一定距離移動可能なチ
ヤツクリング１３で締着され芯Ｌを挾持すること
ができるチヤツク１４と、該チヤツク１４後部に
連結される芯タンク１５を有している。１６は筒
体９の後部に設けられた係合部であつて、本状態
ではクリツプ３の挾持用突部６の凹所７に係合し
ている。S₂は、前記筒体９と、芯タンク１５の外
面段部１７にその後方位置を規制される摺動自在
な環状部材１８との間に張設されたスプリングで
あつて、その弾撥力は前記スプリングS₁よりも強
い。１９は芯タンク１５の後部に止着されたノツ
クキヤツプである。

（作用）以下に第１図の使用状態から第２図に示す如く
筆記体を軸筒内に収納した不使用状態となす過程
について説明する。

クリツプ３の挾持用突部６を上方に持ち上げる
が、クリツプ３の後方延長部を押下する等して係
合部１６と凹所７との係合を解除すれば、筆記体
８全体はスプリングS₁の弾撥力で、環状部材１８
が後金５の前端である軸筒１の内面段部２０に当
接する迄はそのままの状態で後退する。環状部材
１８が軸筒１の内面段部２０に当接した時点で
は、スプリングS₂の弾撥力はスプリングS₁より大
きいものの、スプリングS₂は第１図の状態より若
干縮むから、この縮み量と同量芯タンクの外面段
部１７は環状部材１８より離反して第２図に示す
状態となる。

尚、第２図の不使用状態から第１図の使用状態
となすには、ノツクキヤツプ１９を前方に押圧し
て筆記体８を前進せしめ、筒体９の係合部１６を
クリツプ３の挾持突部６の凹所７に係合すればよ
く、その後の芯繰り出し操作も同様にノツクキヤ
ツプ１９を押圧してチヤツク１４を前進せしめれ
ば簡単に行える。

（効果）要するに本考案では、筆記体８を軸筒１内に収
納するに、スプリングS₁で後方に付勢される筆記
体８を筆記体８の後方に配置したスプリングS₁よ
り強い弾撥力をもつスプリングS₂で受けるような
したから、その後退衝撃を充分緩和することがで
きることは勿論のこと、第２図に示した不使用状
態では、チヤツク１４並びに芯タンク１５はスプ
リングの弾撥力による後方付勢力を何等受けてお
らず、又筆記体８の筒体９はスプリングS₁とスプ
リングS₂とで挾まれ均衡状態にあるから、この状
態で外部から不意に衝撃が加つてもチヤツク１３
には常態よりも閉鎖する方向には力が作用しにく
く、したがつて筆記体を軸筒内に収納する際の衝
撃及び筆記体を軸筒内に収納した携帯時における
外部からの衝撃により生ずる芯損傷、芯折損の問
題を極力防止することができるものである。

尚、第１図、第２図の実施例では、筆記体８の
前進後退機構として筒体８に設けた係合部１６を
クリツプ３の凹所７に係合させるものをもつて示
したが、筆記体の前進後退機構としては、軸筒に
設けた孔に係合部を係合させ、該係合をクリツプ
の一部もしくは指で直接解除するようにしたもの
を採用してもよく、要するに本願考案では、筆記
体の筒体に設けた係合部を軸筒もしくはクリツプ
に係合し得るようなしたものであれば種々採用す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
不使用状態を示す縦断面図、第２図は使用状態を
示す縦断面図である。１……軸筒、８……筆記体、９……筒体、１０
……芯パイプ、１１……戻り止め、１２……先
体、１３……チヤツクリング、１４……チヤツ
ク、１５……芯タンク、１６……係合部、１７…
…外面段部、１８……環状部材、２０……内面段
部、S₁，S₂……スプリング。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

芯パイプ並びに芯戻り止めを有する先体を固着
させる筒体と、該筒体内にあつてチヤツクリング
で締着可能なチヤツクに連結せる芯タンクと、該
芯タンクの外面段部にその後方位置を規制される
環状部材と前記筒体との間に張設されるスプリン
グとよりなる筆記体を、前記スプリングより小な
る弾撥力のスプリングで後方に付勢し軸筒内に配
置してなり、前記環状部材を軸筒の内面段部に当
接可能となし、筆記体の筒体に設けた係合部を軸
筒もしくはクリツプに係合し得るようなした筆記
体内蔵式シヤープペンシル。