JPH0346235B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の技術分野） この発明は鍛造用等に使用するスクリユープレ
スの改良に関するものである。

（従来技術） 従来のスクリユープレスは、スクリユースピ
ンドルをダイレクトに低速直流モータで駆動する
方法と、２対の円盤フライホイルを回転させて
おいて、この円盤フライホイルをスクリユースピ
ンドルにおしつけ、スクリユースピンドルを回転
させる方法等をもちいている。

前者では、回転モーメントのおおきなスピンド
ルおよびフライホイルにたいし、モーターによつ
て回転一停止を繰り返させるので、モーターの効
率はきわめてひくい。また、多大の電流を必要と
する起動を繰り返すので、工場内の電流ムラをお
おきくする。また、モータのトルクには限度があ
り、加速減速に限度があるので、のぞましい生産
速度を達成することは現実的に不可能である。

後者では、円盤フライホイルとスピンドルのフ
ライホイルの接触面積はきわめて小さく、したが
つて、伝達トルクに制限があり、やはりおおきな
加速減速をとることはできない。また、スピンド
ルのフライホイルの接触点は、降下開始時には、
円盤フライホイルの周速の小さい中心付近にある
ので、これも急速加速を困難にする別の要因とも
なつている。したがつて、生産速度がきわめて低
い。

（発明の解決しようとする問題点） 上記従来技術の問題点を解決すること、即ち (1) スクリユープレスの高速化を可能とするこ
と、 (2) 省エネ型のスクリユープレスを提供するこ
と、 (3) 速度の調節可能なスクリユープレスを提供す
ること、 (4) スクリユープレスの大容量化を簡単ならしめ
ること、及び、 (5) 加圧力の調節が容易なスクリユープレスを提
供することにある。

（問題点の解決手段） フライホイルおよびクラツチ・ブレーキを内蔵
した複数個のモータによつて、スクリユースピン
ドルを正転又は逆転させてスライドを上昇または
下降させるようにした、又作業フライホイルを兼
ねるメインギヤの回転を検出して、所定の速度で
クラツチを切つて作業エネルギーを調節すること
ができるようにした。

（発明の実施例） 図の実施例について説明する。ＡとＢは夫々ク
ラツチ・ブレーキ内蔵モータである。１はモータ
Ａのシヤフトで、この下端にピニオン２が取付け
られている。又３はモータＢのシヤフトで、その
下端にピニオン４が取付けられている。５は上記
ピニオン２及び４がかみ合つているメインギヤ
で、該ギヤ５はスクリユースピンドル６の上端に
固着されている。なお上記一対のモータＡとＢは
互に反対方向に回転するようになつている。

７はスクリユースピンドル６のスクリユーと螺
合するナツトで、該ナツトにスライド８が固着さ
れている。９はフレームで、スクリユースピンド
ル６はその首部がフレーム９に取付けられた軸受
１０にて回転可能に支持されている。

第２図はクラツチ内蔵モータＡ（又はＢ）の拡
大図で、以下この図を参照してモータの詳細につ
いて説明する。１１，１２及び１３は高速スクリ
ユープレスが取り付けられるべきモータのフレー
ムである。このフレームにモータステータコア及
びコイル１４が固定されている。ステータコイル
１４は３相交流電源にて回転磁界を発生すること
ができる。

１５はフライホイルで、該フライホイルの外周
にはロータコア１６が取付けられており、ステー
タコイル１４の発生する回転磁界によつて回転す
る。したがつて、ロータコアとフライホイル１５
は所定の回転数で回転している。フライホイル１
５には正転用のクラツチを構成する部品として、
シリンダカバー１８、ピストン１９、シリンダ２
０、クラツチボツクス２１及び摩擦板２２等が取
付けられている。２３は転がり軸受で、これによ
つてシリンダ２０はフレーム１１に対し回転可能
に支持されている。

さて、Ｘから圧縮流体が供給されると、流体の
圧力のある間、シリンダカバー１８、シリンダ２
０にはまつているピストン１９は図中左方へ移動
し、摩擦板群２２をおしつける。したがつて、フ
ライホイル１５からシリンダ２０、摩擦板２２を
介して回転トルクがクラツチボス２１に伝えら
れ、軸は瞬間的に正転状態にはいる。

次にピニオン軸１のブレーキ装置について説明
する。２４はブレーキボツクス、２５は摩擦板、
２６はピストン、２７はピストン２６内の圧縮ば
ねで、これにより常時はばね２７によりピストン
２６は摩擦板から離れブレーキ作用はない。

Ｙから圧縮流体が供給されると、流体圧はピス
トン２６に作用してピストン２６を摩擦板２５か
ら離し、ブレーキボツクス２４にブレーキ力が作
用する。

（作用） ここで仮にモータＡの回転方向を図の右側から
みて時計廻り、モータＢを反時計廻りと仮定す
る。モータＡのクラツチを「入」にすると、ピニ
オン２は時計廻りに回転し、メインギア５は反時
計廻りに回転するので、スクリユースピンドル６
は反時計まわりに回転し、スライド８は例えば右
方向に移動する。この時、ピニオン４は時計まわ
りに空転する。

ピニオンシヤフト１と２にはモータＡとＢの内
部にそれぞれブレーキがもうけられていて、スラ
イド８が上の限界に達する直前に、モータＡのク
ラツチを「切る」信号と、モータＡとＢのブレー
キを「入る」信号があたえられる。するとピニオ
ン２，４を介してブレーキトルクがメインギヤ５
に伝えられるので、これらピニオンシヤフト１，
３とスクリユースピンドル６は停止し、スライド
８も停止する。なお、各フライホイルおよびクラ
ツチ、ブレーキ内蔵モータＡ，Ｂは回転を続けた
状態にある。

モータＢのクラツチを「入れ」たときは、スピ
ンドルは上からみて時計廻りに回転し、スライド
８は左方向に運動すること、上記と同様である。

（発明の効果） 回転方向の異なる一対のフライホイルおよびク
ラツチ・ブレーキ内蔵式モータＡ，Ｂによつてス
ピンドルを正転及び逆転させてスライドを上昇ま
たは下降させるようにし、他方作業フライホイル
を兼ねるメインギヤの回転を検出し、所定の速度
でクラツチを切つて作業エネルギーを調節するこ
とができるようにしたので、 (1) スクリユープレスを高速で作動させることが
でき、生産性を高めることができる。

(2) プレスの速度制御が簡単である。

(3) プレス加圧力の調整が簡単である。即ちクラ
ツチの油圧を調整してクラツチトルクを調整
し、かつ、作業用フライホイルを兼ねるメイン
ギヤの速度をタコメータジエネレータで検出し
てクラツチを「切る」にすることで、作業フラ
イホイルの速度を調整し最終加圧力を調整する
ことができる。

(4) モータＢの方向に回転する特殊モータを複数
にすることで、スクリユープレスの能力は何倍
にも大きくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はフライホイルを内蔵した複数個のモー
タを有するスクリユープレスの縦断面図。第２図
はフライホイルを内蔵したモータの拡大図。 図において、Ａ，Ｂ……クラツチ・ブレーキを
内蔵したモータ、１……（モータＡの）シヤフ
ト、２，４……ピニオン、３……（モータＢの）
シヤフト、５……メインギヤ、６……スクリユー
スピンドル、７……ナツト、８……スライド、９
……フレーム、１０……軸受、１１，１２，１３
……フレーム、１４……ステータコイル、１５…
…フライホイル、１６……ロータコア、１８……
シリンダカバー、１９……ピストン、２０……シ
リンダ、２１……クラツチボツクス、２２……摩
擦板、２３……軸受、２４……ブレーキボツク
ス、２５……摩擦板、２６……ピストン、２７…
…ばね。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フライホイルおよびクラツチ・ブレーキを内
   蔵した複数個のモータによつてスクリユースピン
   ドルを正転又は逆転させ、該スクリユースピンド
   ルに固定したナツトを介しスライドを上昇または
   下降させ、作業フライホイルを兼ねるメインギヤ
   の回転を検出して、所定の速度でクラツチを切る
   ようにした複数個のモータを有するスクリユープ
   レス。