JPH034576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電気車に搭載された蓄電池を自動
的に交換並びに充電する蓄電池自動充電交換装置
に関する。

例えば、蓄電池をエネルギ源とする電気車には
無人で走行して作業する無人搬送車がある。この
無人搬送車において、一定時間走行と作業を繰り
返して行うと蓄電池が消耗するので、この蓄電池
を充電するか、または既に充電した蓄電池と交換
する必要がある。

この場合、無人搬送車は連続的に稼動しなけれ
ば本来の機能を十分に発揮することにはならない
ので、蓄電池の交換方式が採用されている。

ところが、この蓄電池の交換作業は人手で行な
われており、極めて手間を要していた。即ち、車
体より蓄電池を取り出し、蓄電池専用台車に移す
一方、この専用台車より充電した蓄電池を車体に
移していた。更に、エネルギが消耗した蓄電池は
専用台車により充電場所に搬送され、充電器に接
続されて充電されていた。これでは、蓄電池の交
換作業が極めて煩雑であり、特に、多数の無人搬
送車を稼動する際、この作業を手作業に頼つてい
たのでは無人化の促進を阻むという問題があつ
た。

この考案は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、進入空間における電気車の蓄電池と収納空間
の蓄電池とを一対のプツシユプル機で自動的に交
換すると同時に、収納空間で充電を行うことによ
り、人手を必要としなくした蓄電池自動充電交換
装置を提供するものである。

すなわち、この考案は、複数階層に形成された
本体４に、蓄電池３が搬出入自在な蓄電池の収納
空間４ａが複数個形成され、この収納空間４ａに
充電器４ｂが設けられる一方、前記本体４の前方
に蓄電池３を搭載した電気車２の進入路６が形成
され、前記本体４の前方で進入路６との間に蓄電
池の支持手段７を備えた移動機５が本体前面に沿
つて水平移動自在に設けられると共に、この支持
手段７を各階層に昇降する昇降機１１が設けら
れ、更に、前記支持手段７に、先端に係合片２０
ａを有し、電気車２に蓄電池３を搬出入するため
に、電気車方向に伸縮される第１のメイン油圧シ
リンダ１４ａを備える第１のプツシユプル機１２
ａと、先端に係合片２０ｂを有し、前記収納空間
４ａに蓄電池３を搬出入するために収納空間方向
に伸縮される第２の油圧シリンダ１４ｂを備える
第２のプツシユプル機１２ｂと、前記第１のプツ
シユプル機１２ａ及び第２のプツシユプル機１２
ｂの係合片２０ａ，２０ｂを蓄電池３に係脱する
ためのサブ油圧シリンダ１５を設け、前記蓄電池
３を第１のプツシユプル機１２ａにより電気車２
と支持手段７間で、第２のプツシユプル機１２ｂ
により収納空間４ａと支持手段７間で搬出入させ
るように構成している。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

第１図乃至第８図に示すように、１は無人搬送
車２の蓄電池３を自動的に交換して充電する蓄電
池自動充電交換装置である。

この蓄電池自動充電交換装置１は、本体４と移
動機５とを備えている。

本体４は、複数階層４ｆを備えた立体棚に構成
され、この第１階層４f₁から最上階層４fnに蓄電
池３の収納空間４ａが複数個区画形成されてい
る。この収納空間４ａは前面が開放されてこの前
面より蓄電池３が搬出入自在に構成され、奥部に
はそれぞれ充電器４ｂが設置されている。

この本体４の前方には、無人搬送車２の進入路
６が設けられ、この無人搬送車２が本体４と並行
に進退するように構成されている。

移動機５は、本体４の前方で且つ進入路６との
間に設けられており、本体４の前面に沿つて水平
移動するように構成されている。この移動機５
は、蓄電池３の支持枠７（支持手段）が立設され
た２本のマスト８に係合されると共に、このマス
ト８の上下端がガイドレール９ａ，９ｂに係合さ
れて成り、このガイドレール９ａ，９ｂは本体４
の上端及び下端の前縁部に敷設されている。支持
枠７は、収納空間４ａと対面する前面及び無人搬
送車２と対面する背面が少なくとも開放され、蓄
電池３が搬出入自在に構成され、両側に取付けら
れたローラ１０がコ字型マスト８に係合して上下
動自在に支持されている。

また、支持枠７には昇降機１１が連係されてお
り、図示しないモータ等にワイヤ１１ａなどを介
して接続され、マスト８に沿つて支持枠７が昇降
して本体４の各階層４ｆに移動する。

更に、支持枠７には蓄電池３を搬出入する一対
のプツシユプル機１２ａ，１２ｂが設けられてお
り、この各プツシユプル機１２ａ，１２ｂは、１
枚のスライド板１３ａ，１３ｂとメイン油圧シリ
ンダ１４ａ，１４ｂを備えると共に、兼用のサブ
油圧シリンダ１５を有している。各プツシユプル
機１２ａ，１２ｂは支持枠７の各側部に設けら
れ、蓄電池３を一方が無人搬送車２と支持枠７間
で、他方が収納空間４ａと支持枠７間で搬出入す
るようになつている。両スライド板１３ａ，１３
ｂはガイド筒１６で一体に連接され、このガイド
筒１６は支持枠７の上部両側間に架設されたシヤ
フト１７に嵌合されて両スライド板１３ａ，１３
ｂが支持されている。そして、このガイド筒１６
と支持枠７の側部との間にサブ油圧シリンダ１５
が接続され、両スライド板１３ａ，１３ｂが側
方、つまり蓄電池３の搬出入方向と直交方向に移
動するようになつている。各メイン油圧シリンダ
１４ａ，１４ｂは各スライド板１３ａ，１３ｂに
取付けられたテレスコープ型シリンダで、前後方
向、つまり蓄電池３の搬出入方向に伸縮し、一方
は後方の無人搬送車２に、他方は前方の収納空間
４ａに伸びるようになつている。このメイン油圧
シリンダ１４ａ，１４ｂと並行にシヤフト１８
ａ，１８ｂがスライド板１３ａ，１３ｂのガイド
筒１９（片方図示省略）に嵌挿されて設けられて
いる。このシヤフト１８ａ，１８ｂとメイン油圧
シリンダ１４ａ，１４ｂとの先端は係合片２０
ａ，２０ｂによつて接続されている。この係合片
２０ａ，２０ｂは蓄電池３に着脱自在に係合する
ようになつている。

一方、前記蓄電池３は、無人搬送車２に脱着自
在に搭載されると共に、充電器４ｂにも脱着自在
となつている。そして、この蓄電池３には前面と
背面とに雄型プラグ２１ａ，２１ｂが設けられ、
且つ前面と背面とにおける相反する片側部に係合
片２０ａ，２０ｂの係合溝２２ａ，２２ｂが形成
されている。

この雄型プラグ２１ａ，２１ｂに対応して無人
搬送車２及び充電器４ｂに雌型プラグ２３ａ，２
３ｂが設けられている。尚、この無人搬送車２は
各種工場内等で無人で走行並びに各種の作業を行
うものである。

次に、蓄電池３の交換並びに充電動作について
説明する。

先ず、蓄電池３が消耗して交換が必要となつた
無人搬送車２は進入路６に進入して停止する。

続いて、支持枠７を無人搬送車２の側方におけ
る蓄電池３の取出部に移動させる。つまり、移動
機５による水平移動と昇降機１１の上下移動とに
よつて支持枠７を移動する（第３図参照）。

この状態において、サブ油圧シリンダ１５を伸
長してスライド板１３ａ，１３ｂを移動させ、後
方に伸びる一方のメイン油圧シリンダ１４ａ並び
に係合片２０ａを蓄電池３より外側に移動させ
る。

続いて、この一方のメイン油圧シリンダ１４ａ
を伸長して係合片２０ａを蓄電池３の一方の係合
溝２２ａの側方に位置させる（第４図参照）。そ
して、サブ油圧シリンダ１５を収縮させ、両スラ
イド板１３ａ，１３ｂを移動させて係合片２０ａ
を係合溝２２ａに掛入する（第５図参照）。

この状態よりメイン油圧シリンダ１４ａを収縮
すると、蓄電池３は無人搬送車２より取り出され
て支持枠７に搬入される（第６図参照）。

次に、サブ油圧シリンダ１５を伸長すると、係
合していた一方の係合片２０ａが係合溝２２ａよ
り外れると同時に、他方の係合片２０ｂが係合溝
２２ｂに掛入される（第７図参照）。

その後、前方に伸びる片方のメイン油圧シリン
ダ１４ｂを伸長して蓄電池３を支持枠７より搬出
し、収縮空間４ａに搬入して充電器４ｂに接続す
る（第８図参照）。

そして、サブ油圧シリンダ１５を収縮し、係合
片２０ｂを係合溝２２ｂより外してメイン油圧シ
リンダ１４ｂを収縮する一方、蓄電池３は充電さ
れる。

続いて、支持枠７を充電が完了した蓄電池３の
収納空可４ａの前方に移動し、上述した動作を逆
に行つて蓄電池３を無人搬送車２に搭載する。つ
まり、片方のメイン油圧シリンダ１４ｂで蓄電池
３を支持枠７に搬入した後、係合を取り替えて片
方のメイン油圧シリンダ１４ａで無人搬送車２に
搭載する。

尚、この実施例は無人搬送車２について説明し
たが、この考案は各種の電気車に適用することが
できる。

また、移動機５並びに昇降機１１も実施例に限
定されるものではなく、プツシユプル機１２ａ，
１２ｂも油圧シリンダ１４ａ，１４ｂ，１５に限
られるものではない。

以上のように、この考案によれば、蓄電器の交
換及び充電を自動的に行うことができるので、従
来の人手による作業に比し、迅速且つ効率よく行
うことができる。特に、無人化が進む工場等にお
いてはより完全な無人化が促進され、作業効率が
著しく向上する。

また、多数の収納空間を立体的に形成するか
ら、蓄電池の充電と保管とを効率よく行うことが
でき、小スペースでもつて交換及び充電を行うこ
とができる。

また蓄電池の支持手段に係合片及びメイン油圧
シリンダを備える第１と第２のプツシユプル機及
びサブ油圧シリンダを備えるものであるから、簡
単な構成で収納空間と電気車で蓄電池を自動搬出
入することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は蓄
電池自動充電交換装置の正面図、第２図は同側面
図、第３図は同要部の一部断面平面図、第４図は
無人搬送車の蓄電池に係合片を掛入する前の同要
部の一部断面平面図、第５図は掛入した後の同要
部の一部断面平面図、第６図は支持枠に蓄電池を
搬入した状態の同要部の一部断面平面図、第７図
は係合片の掛替後の同要部の一部断面平面図、第
８図は収納空間に蓄電池を搬入した状態の同要部
の一部断面平面図である。 １：蓄電池自動充電交換装置、２：無人搬送
車、３：蓄電池、４：本体、４ａ：収納空間、４
ｂ：充電器、４ｆ：階層、５：移動機、６：進入
路、７：支持枠、１１：昇降機、１２ａ，１２
ｂ：プツシユプル機、１４ａ，１４ｂ，１５：油
圧シリンダ、２０ａ，２０ｂ：係合片、２２ａ，
２２ｂ：係合溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数階層に形成された本体４に、蓄電池３が搬
   出入自在な蓄電池の収納空間４ａが複数個形成さ
   れ、この収納空間４ａに充電器４ｂが設けられる
   一方、前記本体４の前方に蓄電池３を搭載した電
   気車２の進入路６が形成され、前記本体４の前方
   で進入路６との間に蓄電池の支持手段７を備えた
   移動機５が本体前面に沿つて水平移動自在に設け
   られると共に、この支持手段７を各階層に昇降す
   る昇降機１１が設けられ、更に、前記支持手段７
   に、先端に係合片２０ａを有し、電気車２に蓄電
   池３を搬出入するために、電気車方向に伸縮され
   る第１のメイン油圧シリンダ１４ａを備える第１
   のプツシユプル機１２ａと、先端に係合片２０ｂ
   を有し、前記収納空間４ａに蓄電池３を搬出入す
   るために収納空間方向に伸縮される第２の油圧シ
   リンダ１４ｂを備える第２のプツシユプル機１２
   ｂと、前記第１のプツシユプル機１２ａ及び第２
   のプツシユプル機１２ｂの係合片２０ａ，２０ｂ
   を蓄電池３に係脱するためのサブ油圧シリンダ１
   ５を設け、前記蓄電池３を第１のプツシユプル機
   １２ａにより電気車２と支持手段７間で、第２の
   プツシユプル機１２ｂにより収納空間４ａと支持
   手段７間で搬出入させることを特徴とする蓄電池
   自動充電交換装置。