JPH0345741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、一対の球状体を握り、これらを手
の中で転がすことにより、指の運動を通じて血行
の増進や握力の強化などをはかる握り健康治療具
に関する。

〈従来の技術〉 この種の握り健康治療具として、従前より天然
のクルミを用いたものが存在することは周知であ
る。ところで近年、磁力線を人体に及ぼすことが
血行の増進に有効であることが認められ、プラス
チツク磁石を用いてクルミの形状やその他球状体
に形成した握り健康治療具（実開昭48−40992号）
が提案されている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記の握り健康治療具の場合、全体がプラスチ
ツク磁石をもつて形成されているから、軽量であ
つて衝撃に強いという利点がある反面、各球状体
相互間、或いは各球状体と手の表面との間で擦り
合わされると、原料中の磁性粉末が表面に出てき
て、手を汚すという問題がある。

この考案は、上記問題に着目してなされたもの
で、原料中の磁性粉末が表面に出てくるのを阻止
して、手が汚れるのを防止した握り健康治療具を
提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案は、手の中で握ることが可能な大きさ
に形成された一対の球状体より成る握り健康治療
具において、前記各球状体の全体をプラスチツク
磁石をもつて形成すると共に、その表面全体に金
属メツキ層が形成したものである。

〈作用〉 各球状体は手の中で磁力により互いに吸着する
が、これら球状体を引き離すよう力に作用させつ
つ各球状体を手の中で転がすことにより、適度な
手の運動と、磁力線による有効な血行増進効果が
得られる。この場合、各球状体の表面全体が金属
メツキ層で覆われているので、球状体相互間、或
いは各球状体と手の表面との間で擦り合わされて
も、原料中の磁性粉末が表面に出てくる虞がな
く、手が汚されるということがない。

〈実施例〉 第１図〜第３図は、この考案の一実施例にかか
る握り健康治療具を示す。図示例のものは、手の
中で握ることが可能な大きさ（例えば直径30mm前
後の大きさ）に形成された一対の球状体１，１よ
り成るもので、各球状体１の表面には複数個（図
示例では合計12個）の突起体２，３，４が一体突
設されている。

前記各球状体１はプラスチツク磁石をもつて形
成されており、反対側の相対する面にはＮ，Ｓの
各磁極部５，６が位置するものである。これら球
状体１を形成するには、フエライト粉末に例えば
ナイロン系樹脂を添加混練して、まず射出成型用
ペレツトを作つた後、これを２つ割構造の成形型
Ａ，Ｂ（第２図中、一点鎖線で示す）を用いて、
所定の磁場（第２図中、矢印で示す）中で射出成
形を行つて形成する。この成形体７の表面全体に
は、第４図に示す如く、ニツケル等の金属メツキ
が施されて金属メツキ層８が形成される。

前記の各磁極部５，６は、その表面における磁
界の強さを800ガウス以上で、1000ガウス以下の
値に設定してある。もしこの値が1000ガウスを越
えると、一対の球状体１，１を引き離しつつ手の
中で転がすのに相当の力が必要となつて、直ちに
指の疲労を招くことになる。またもしこの値が
800ガウスより小さく設定すると、磁力線による
血行増進機構が低下し、また使用感も物足りない
ものとなる。

上記の各球状体１，１の表面には、各磁極部
５，６の境界線９（前記成形型Ａ，Ｂの突合わせ
面に一致する）に沿つて４個の突起体２が等間隔
に配設され、さらにこの突起体列と各磁極部５．
６との中間位置にも各４個の突起体３，４が等間
隔かつ円陣に配設されている。図示例の場合、そ
れぞれ突起体３，４の突設位置は、境界線９に沿
う突起体２の突設位置の中間に設定してあり、こ
れにより12個の突起体が球状体１の全表面に一様
に分布するように構成してある。

これら各突起体２，３，４は全て同形状であつ
て、頂部が丸くかつ偏平円錐状に形成されてい
る。この突起体形状によれば、人体への有効な圧
刺激が得られるばかりでなく、各球状体１，１を
前記２つ割構造の成形型Ａ，Ｂで成形する場合
に、その傾斜面の抜きテーパにより射出成形が可
能となるのである。また各突起体は全て同寸法で
あつて、成人男子用として製作する直径が30mmの
ものの場合はその底面の直径が9.5mm、高さが2.8
mm程度に設定し、さらに成人女子用として製作す
る直径が28mmのものの場合はその底面の直径が
8.5mm、高さが2.3mm程度に設定する。

しかして一対の球状体１，１を手の上に置くと
き、第１図に示す如く、各球状体１，１の異なる
磁極部５，６同志が互いに吸着する。この状態で
両球状体１，１を指で握り、手の中で球状体１，
１を引き離すように力を作用させると、各球状体
１，１は手の中で転びつつ、各突起体２，３，４
が手の面の随所に押圧力を作用させる。この球状
体１，１の転がし運動を通じて血行の増進や握力
の強化がはかられることになり、しかも各球状体
１，１の磁力線が人体に作用し且つ各突起体２，
３，４が手の面の各所を常時圧刺激するから、血
行の増進機能が一層強化され、健康を維持・増進
させる。

〈考案の効果〉 この考案は上記の如く、手の中で握ることが可
能な大きさに形成された一対の球状体より成る握
り健康治療具において、前記各球状体の全体をプ
ラスチツク磁石をもつて形成すると共に、その表
面全体に金属メツキ層を形成したから、軽量であ
つて衝撃に強く、しかも球状体の相互間、或いは
各球状体と手の表面との間で擦り合わされても、
原料中の磁性粉末が表面に出てきて、手を汚すな
どの虞がない。また金属メツキ層により見栄えが
良好となり、製品価値が高められる。さらに金属
メツキ層は機械的強度が大きいから、球状体の相
互間が擦り合わされても表面に傷がつかず、製品
価値を低下させないばかりでなく、金属メツキ層
の肉厚を薄くできるから、プラスチツク磁石の磁
力を低下させず、また軽量を維持できなど、実用
上の効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例にかかる握り健康
治療具の正面図、第２図は球状体の正面図、第３
図はその平面図、第４図は球状体の突起体部分を
断面した拡大図である。 １……球状体、８……金属メツキ層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 手の中で握ることが可能な大きさに形成された
   一対の球状体より成る握り健康治療具において、 前記各球状体は、全体がプラスチツク磁石をも
   つて形成されると共に、その表面全体に金属メツ
   キ層が形成されて成る握り健康治療具。