JPH0345593A - ダイヤモンド様薄膜の製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド様薄膜の製造方法

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JPH0345593A
JPH0345593A JP17808989A JP17808989A JPH0345593A JP H0345593 A JPH0345593 A JP H0345593A JP 17808989 A JP17808989 A JP 17808989A JP 17808989 A JP17808989 A JP 17808989A JP H0345593 A JPH0345593 A JP H0345593A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ダイヤモンド様薄膜の製造方法に関し、特に
表面性の良い優れたダイヤモンド様薄膜を製造する技術
に関する。
気相法により製造されるダイヤモンド様薄膜は硬度が高
く、耐摩耗性、耐久性、耐薬品性、耐食性等に優れてお
り、また任意形状の物品に被着できるため、こうした特
性の一つ以上が必要な物品の保護膜として有用であり、
あるいは有望視されている。
(従来技術とその問題点) 気相法によるダイヤモンド様薄膜製造装置には各種の形
式がある(例えば「表面化学」第5巻第108号(19
84年)第108−115頁の各種の方法参照)、ダイ
ヤモンド様薄膜は任意形状の保護すべき物品の表面に被
覆され、耐食性、耐摩耗性などの保護膜として広く利用
される。しがしこれらの従来技術によって製造されたダ
イヤモンド様薄膜は微結晶の集まりであるため凹凸が激
しく表面粗度が大きい。このようなダイヤモンド様薄膜
は基体に対する結合力が小さくて外力の作用で基体から
剥離し易く、又内部応力のために割れ(クラック)を生
じ易く、耐食性、耐摩耗性の用途に充分に効果を発揮出
来ないし、又電子材料、構造材用等に使用するには信頼
性が低いなどの問題があった。特に硬度の高い膜はど表
面性が低下する傾向がある。更に表面粗度が大きいと接
着剤や塗料との親和性に欠けることになる。
従来の方法のうち、長距離秩序があり、比較的連続性及
び平滑性が良いダイヤモンド又はダイヤモンド様薄膜の
製造法としてイオン化蒸着法があるが(特開昭58−1
74507号、特願昭63−59376号、特願昭63
−59377号、特願平1−1199号、特願平1−1
5093号等)、微視的にはいまだ充分に連続な或は平
滑な膜を得ることが出来ていない。又、表面の凹凸はグ
リッドの網目によりイオン流の分布が一様にならないた
め更に悪化する。
(発明の目的) 本発明の目的は、割れ(クラック)が無く、しかも表面
性の良い優れたダイヤモンド様薄膜を提供することにあ
る。本発明はこの目的を達成するダイヤモンド様薄膜製
造方法を提供する。
(発明の構成及び効果の概要) 本発明者は鋭意研究の結果、膜の連続性及び表面性が炭
化水素ガスイオンのエネルギーを制御し、更に基体とグ
リッド間の距離を調整することにより向上し得ること、
又その結果内部応力が低下して膜の周部おける割れを抑
制し得ることを見出した。
すなわち、本発明は真空室内に低分子量炭化水素、又は
分解又は反応により低分子量炭化水素を生成し得る原料
ガスを導入し、電子生成用熱陰極フィラメントとその周
りに設けられた対電極とよりなるイオン化手段により原
料ガスを電離して炭化水素イオンの流れを形成し、これ
を前記対電極よりも低電位にあるグリッドにより加速し
て対電極よりも低電位の基体上で成膜反応させることよ
りなるダイヤモンド様薄膜の製造方法において、前記対
電極と基体との距離をA、前記グリッドと基体の距離を
B、前記対電極と基体との間の印加電圧をVaとすると
き、 5 < Va / A <60(V/am )2<  
B   <30(+nm) の条件で前記の成膜を実施することにより、表面性が良
く割れの問題がないダイヤモンド様薄膜を製造すること
が出来た。
本発明の方法によると、グリッドの網目が原因となる表
面粗さはグリッドが基体から充分に遠くに配置されるこ
とにより炭化水素イオン流が一様になることで防止でき
、更に炭化水素イオンのエネルギーが最適化するために
表面性が向上し又内部応力が減じる。
なお、必要に応じて、基体とダイヤモンド様薄膜形成用
イオン流を制御するグリッドの間に設けるマスクを基体
の表面から一定距離に位置付けると膜の周部が外周に向
けて薄くなり内部応力を更に緩和できる。
本発明の方法によると、ダイヤモンド様薄膜の表面粗度
が小さくなり、割れが減少し、更に充分に高い硬度を得
ることが出来る。
(発明の詳細な説明) 上に簡単に述べたように、本発明の方法はイオン化蒸着
法によるダイヤモンド様薄膜製造法である。
イオン化蒸着法は炭化水素原料ガス又は分解又は反応に
より炭化水素を生成し得る原料ガス(ここに炭化水素と
はメタン、エタン、プロパン等の飽和炭化水素、エチレ
ン、プロピレン、アセチレン等の不飽和炭化水素等があ
り、分解して炭化水素を生成し得る原料ガスはメチルア
ルコール、エチルアルコール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類などがあり、又反
応して炭化水素ガスを生成する原料ガスには一酸化炭素
、二酸化炭素と水素との混合ガス等がある。また前記原
料にはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスあるいは
水素、酸素、窒素、水、酸化炭素、二酸化炭素、等の少
なくとも一種を含ませることができる)を陰極一対陰極
間のアーク放電、陰極熱フィラメント一対陰極間の熱電
子放出によるイオン化等の手段でイオン化してイオン流
とし、この流れを電場で加速して基体に差し向けること
によりダイヤモンド様薄膜を製膜する方法であり、特開
昭58−174507号、特願昭63−59376号、
特願昭63−59377号、特願平1−1199号、特
願平1−15093号等に記載されている通り、イオン
化蒸着法は基体温度として従来のような700℃以上の
高温度を用いる必要がなく(例えば「表面化学」第5巻
第108号(1984年)第108−115頁の各種の
方法参照)、製膜能率も良く、製膜されたダイヤモンド
様膜が良好な表面性、高硬度、高熱伝導性、高屈折率を
有し、仕上表面処理が不要である等、優れた方法である
本発明の基本技術であるイオン化蒸着法は、特願昭63
−59377号、特願昭63−59376号、特願平1
−1199号、特願平1−15093号等に記載されて
おり、本発明の実施例ではこれらに記載された装置を基
本とした方法及び装置を用いる。
(実施例の説明) 製1uL置を目4要 第1図に製膜装置の好ましい例を示す。図中30は真空
容器、31はチャンバーであり、排気系38に接続され
て10−’Torr程度までの高真空に引かれる。32
は基体Sの裏面に設けられた電極である。基体Sの表面
に近接又は接触してダイヤモンド様薄膜りの形状を規制
する窓を有するマスク42が設けられる。このマスクは
基体に接していても良いがなるべくは離間している。3
3は電極32と同一の電位を与えられたグリッドでイオ
ンの加速を行なうのに使用される。34は熱陰極フィラ
メントであり、交流型iIfによって加熱されて熱電子
を発生する。35は原料である炭化水素ガスの供給口で
ある。フィラメント34を取囲んで対電極36が配置さ
れている。この対電836は、フィラメント34に対し
て正の電圧Vd、及び電極32及びグリッド33に対し
て正の電位Vaを与えられている。フィラメント34、
対電極36及び供給口35の周りを取り囲んでイオン化
ガスの閉じ込め用の磁界を発生する電磁コイル39が配
置されている。このコイルには電aVcによって電流I
、が流される。従ってVd、Va及びコイルの電流■。
を調整することにより膜質を変えることができる。
第3図は第1図のA −A 4Iから見た平面斜視図で
あり、膜の形が長方形の場合には例えば図示のような複
数フィラメントの配列体を用いるとか、コイル状に巻い
たものを用いる。
なお第1図においては、炭化水素ガスの原料導入通路3
7にプラズマ励起室37゛が設けられており、これによ
りイオン化装置の効率を高めている。プラズマ励起は例
えばマイクロ波、高周波(RF波)、放射線、紫外線な
どが利用できる。
また、第2図に示したように第1図の構成の一部を変更
して固定又は可変強度の磁石40をフィラメント34の
上部に配置してプラズマ状のイオンビームの偏向用に用
いても良い。磁石40の磁界強度は固定又は可変にし、
磁石の磁界はイオン流の走行方向に対して交差する方向
にする。このようにしてCHs 、CH4”イオン等の
所望するイオンに対して偏向角度θを得る。固定の場合
−方、質量がこれらのイオンと大きく異なるイオン例え
ば水素イオンはさらに大きく曲げられ、また中性粒子や
重質の多量体イオンは直進する。従って、直進方向にマ
スクを配置すれば結晶性の高いイオンのみが基体Sに付
着する。
第4図は本発明の特徴を示すために第1図の一部を拡大
した図である。グリッド33は基体Sから距離すのとこ
ろに配置され、又対電極36は基体Sから距離aのとこ
ろに配置されており、又基体に対して正電位Vaにある
。ここに距離AとB、及び電位Vaは先に述べた通り 10< V a / A < 60(V/mm )2<
  B  <30(mm) の関係を満足しなければならない。
この関係を満足しなければならない理由は次ぎの通りで
ある。
(1)Va/A・・・この値は平均電界を意味する。こ
の値が5 (V/mm )以下であると、炭化水素イオ
ンのエネルギーが低いためイオン流がグリッドを通り抜
けてから良く回折し膜の表面性が向上するとしても、炭
化水素イオンに充分なエネルギーを与えることが出来な
いため、膜の硬度が低下する。この値が60 (V/m
m )以上になると結晶性及び硬度は上がるが表面粗度
が大きくなる。
(2)B・・・基体とグリッドの間隔が30mm以上に
なると、イオン流がグリッドを通り抜けてから良く回折
することにより膜の均一化は一応行なえるが、異常放電
が生じる結果となり、表面欠陥が増え結局表面性は損な
われる。この値が2mm以下になると炭化水素イオンの
回り込みが悪くなり表面粗度が増す。
これに対し上記の本発明の範囲内では炭化水素イオンの
回り込みが良くなるがなお充分なイオンエネルギーが確
保でき、そのため、硬度が充分高く、膜質も均−且つ連
続性なものとなりこのため、表面粗度も小さくなり、割
れも減じる。なお、上記2つの条件の上限下限はある程
度関係がある。すなわち距離Bが大きくなると回り込み
が良くなるため、電界は小さい値から大きい値まで使用
出来る。距離Bが小さくなると回り込みが悪くなるので
電界は小さい側にしなければならない。
なお、マスク42を基体Sから一定寸法離間させると基
板上に析出成長するダイヤモンド様薄膜のエツジに傾斜
部分を形成し周部の内部応力を更に緩和させることが出
来る。基板とマスクの間隔は例えば約0.5〜10m 
mとすれば良い。
艷股去ユ 第1図の装置によって製膜方法を詳しく説明する。先ず
、チャンバー31内をl O−’T o r rまで高
真空とし、ガス供給通路37のバルブを操作して所定流
量のメタンガス、それと水素との混合ガス、或いはそれ
とAr、He、Ne等のキャリアガス等を各供給口35
から導入しながら排気系38を調整して所定のガス圧例
えば1O−Torrとする。一方、熱陰極フィラメント
34には交流電流Ifを流して加熱し、フィラメント3
4と対陰極36の間には電位差Vdを印加して放電を形
成する。供給口35から供給されたメタンガスは熱分解
されるとともにフィラメントからの熱電子と衝突してプ
ラスのイオンと電子を生じる。この電子は別の熱分解粒
子と衝突する。電磁コイルの磁界による閉じ込め作用の
下に、このような現象を繰り返すことによりメタンガス
は熱分解物質のプラスイオンと成る。
プラスイオンは電極32、グリッド36に印加された負
電位Vaにより引き寄せられ、基体Sの方へ向けて加速
され、基体に衝突して製膜反応を行ない、ダイヤモンド
様薄膜を形成する。所望により、上に述べた固定磁石を
利用して更に品質の良い薄膜を得ることができる。
なお、各部の電位、電流、温度等の条件については上に
述べた条件の他、先に引用した特許出願や特許公報のほ
か公知の資料を参照されたい。
形成する膜の厚さは好ましくは100〜10.000人
であり、厚さが上記の範囲よりも薄いと耐摩耗性等の効
果が滅じ又厚すぎても効果が増大せず製造時間が長くな
る。
また、予め有機溶剤による超音波洗浄等によりダイヤモ
ンド様膜を形成する基体を清浄化しても良い。
以下に本発明を例示する。
実」1例」2 第1図の装置を使用し、真空室10内に板状基体Sをの
配置し、その面から種々の距離Bのところにグリッド3
3を配置した。又基体Sから対電極までの距離Aは約4
0mmであった。
真空室10を10−’Torrに排気してからメタンガ
スを導入しガス圧を10−’Torrとして熱陰極フィ
ラメント34に放電を起こさせた。電磁コイル19の磁
束密度は400ガウス、基体電圧Va−200〜200
0V、基体温度200℃とした。またフィラメント34
には交流電流If25Aを流した。
フィラメント34はコイル状としその幅3mm、その周
りを取り囲む電極36との隙間8mmとした。
Vc=30V、Vd=−30Vの条件で、膜厚1.0μ
mのダイヤモンド様膜を得た。
得られた膜の表面粗度Ra (J I 5BO601に
よる)、顕微鏡観察による表面欠陥数、及びビッカース
硬度Hvを測定し、又周部の割れ(クラック)を観測し
た。その結果を表1に示す。
た。
ここで表面欠陥数は光学顕微鏡(400倍)で観察し、
単位平方Cmあたりに存在した2μm以上の欠陥数で評
価を行なった。
表1 (作用効果) 表1から明らかな様に、本発明の基体上に成膜されたダ
イヤモンド様薄膜は成膜時の電界とグリッド位置を制御
することにより、表面性の良い、硬度の高い、割れの少
ないダイヤモンド様薄膜を製造することが出来た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のダイヤモンド様薄膜の製造装置の一例
を示す断面図、第2図はダイヤモンド様薄膜の製造装置
の他の例を示す断面図、第3図はフィラメント部分の構
造を示す平面斜視図、及び第4図は本発明の要部を示す
第1図の装置の部分拡大図である。 第1図 第2図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)真空室内に低分子量炭化水素、又は分解又は反応
    により低分子量炭化水素を生成し得る原料ガスを導入し
    、熱陰極フィラメントとその周りに設けられた対電極と
    よりなるイオン化手段により電離して炭化水素イオンの
    流れを形成し、これを前記対電極よりも低電位にあるグ
    リッドにより加速して基体上で成膜反応させる、ダイヤ
    モンド様薄膜の製造方法において、前記対電極と負電位
    の基体との距離をA、前記グリッドと基体の距離をB、
    前記対電極と基体との間の印加電圧をVaとするとき、 5<Va/A<60(V/mm) 2<B<30(mm) の条件で前記の成膜が実施されることを特徴とするダイ
    ヤモンド様薄膜製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101654469B1 (ko) * 2015-05-19 2016-09-05 두산중공업 주식회사 마이크로미터

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