JPH0344918B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、熱溶融性インク、あるいは熱昇華性
インク等を用いる感熱転写記録方式カラープリン
タ等の記録装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 近年、パーソナルコンピユータやCADシステ
ムでCRTデイスプレイのカラー化が急速に進ん
でいる。これらカラーシステムのハードコピー装
置として、感熱転写記録方式のカラープリンタが
期待されており、画質向上の検討が図られてい
る。

以下に従来のカラー記録装置について、感熱転
写記録方式のカラープリンタを例に挙げ説明す
る。

第１図は感熱転写記録方式のカラー記録装置の
原理を示すものである。１はサーマルヘツドであ
り、ここではラインヘツドとなつている。２は記
録用紙、３はインクシート基材であり、熱溶融性
インク４，５，６が塗布されている。熱溶融性イ
ンク４，５，６の色は異なり、例えば４はシア
ン、５はマゼンタ、６はイエローとなつており、
インクシート基材３とあわせて、感熱転写記録用
インクシート７と呼ぶ。８は記録用紙２に転写さ
れた熱溶融性インク６，９は感熱転写記録用イン
クシート７と記録用紙２とを密着させサーマルヘ
ツド１に押圧するプラテンローラーである。

以上のような構成において、感熱転写記録方式
のカラー記録装置の原理、及び問題点について説
明する。

感熱転写記録方式によるカラー記録の原理は簡
単であり、第１図のように感熱転写記録用インク
シート７と記録用紙２とを密着させてサーマルヘ
ツド１に押圧し、サーマルヘツド１の発熱で記録
用インクシート７を加熱して熱溶融性インク６を
溶かして記録用紙２に転写する。このようにして
イエロー、マゼンタ、シアンの順番に順次色を重
ねて転写していく。従つて記録用インクシート７
は矢印Ａで示す一方向に進むだけなので、記録用
紙２の方は色が変わるごとに元の位置まで戻す必
要がある。熱溶融性インク４，５，６が順次サー
マルヘツド１の加熱により融点温度で溶けて、記
録用紙２に浸透、付着し、冷えて凝固することに
より転写記録できる。

このような感熱転写記録方式のカラー記録にお
いては、先に記録した色と後から記録した色との
位置合わせが重要な問題となる。この位置ずれの
ことを特に色ずれと呼ぶ。色ずれの原因のほとん
どは、記録用紙２の元の位置に戻して再び記録す
る際の位置の再現性によるものである。近年、感
熱転写記録方式のカラー記録装置においては、画
質の高解像度化が増々求められている。そのため
にも色ずれは極力減らす必要があり、記録用紙２
の移送機構には高精度の紙送り動作が要求されて
いる。

さて記録用紙２の移送機構の代表的な方式とし
て、第２図のように移送ローラーを用いて記録用
紙２を往復させるローラー駆動方式がある。第２
図において、２は第１図と同じく記録用紙であ
り、１０，１１は記録用紙２を圧接して回転し移
送する移送ローラーである。移送ローラー１０，
１１によつて記録用紙２は各色の記録毎に矢印Ｂ
の方向に往復するが、このようなローラー駆動方
式には次のような問題があつた。

つまり、この方式では、記録用紙２と移送ロー
ラー１０，１１とのスリツプを減らすために圧接
力を強くする必要があるが、スリツプ量が少な過
ぎる場合、矢印Ｃ方向、あるいは矢印Ｄ方向とい
つた幅方向の記録用紙２の移送中のずれ量が集積
して、何枚も記録している間に次第に大きくずれ
てしまうことである。このずれる力は、圧接力が
強いほど強くなり、記録用紙２の幅方向に位置規
制ガイドを設けたとしても効果が得られなくなる
ほどである。しかし、逆に圧接力が弱いと適度な
スリツプが生じ、上記記録用紙２の幅方向のずれ
量の集積は無くなるが、この場合当然、移送ロー
ラー１０，１１による送りの精度や、記録用紙２
を往復させた場合の位置の再現性は悪くなる。こ
の記録用紙２が幅方向にずれる原因として、移送
機構の機械精度の誤差や記録用紙の張力むらや表
面状態のむら等に起因する幅方向の移送力むらが
考えられる。移送ローラー１０，１１の圧接力を
増すことによつて、記録用紙２のスリツプが少な
くなつて、上記誤差要因の影響が次第に集積し
て、何枚も記録している内に記録用紙２の幅方向
の位置が大きくずれてしまうということである。
そのために従来のカラー記録装置においては、移
送ローラー１０，１１の圧接力を十分大きくする
ことに問題が残り、高解像度のカラー記録を行な
う際に色ずれを少なくするという課題の解決を困
難なものにしていた。

発明の目的 本発明は、上記のような従来の問題を解決する
もので、より高解像度の画質を得るために色ずれ
を少なくできる感熱転写記録方式等に適用できる
記録装置を提供することを目的とする。

発明の構成 本発明は、記録用紙を圧接して移送する移送ロ
ーラーと、この移送ローラーの圧接力を緩和する
圧接力緩和手段とを備えた記録装置であり、例え
ば一連のカラー記録工程の動作において最初また
は最後に移送ローラーの圧接力を緩和して記録用
紙を送り出すことにより、記録用紙と移送ローラ
ーとをスリツプ可能として記録用紙のずれをこの
移送中に修正するようにしたものである。

実施例の説明 以下本発明の実施例について説明する。第３図
は本発明の一実施例におけるカラー記録装置の概
略構成を示す側面図である。第３図において、２
１はサーマルヘツドであり、点線２１Ａの位置ま
で移動可能である。２２は感熱転写記録用インク
シート、２３は感熱転写記録用インクシート２２
の供給ロール、２４は同じく巻取ロールである。
２５は記録用紙、２６は記録用紙２５の供給ロー
ル、２７は記録用紙２５と感熱転写記録用インク
シート２２とを密着してサーマルヘツド２１に押
し当てるプラテンローラーであり、表面にはゴム
材がモールドされている。２８は記録用紙２５を
プラテンローラー２７に押し付ける押えローラ
ー、２９，３０は記録用紙２５を挟んで圧接し移
送する移送ローラーであり、特に２９はキヤプス
タンローラー、３０は表面にゴム材がモールドさ
れキヤプスタンローラー２９に押し付けられるピ
ンチローラーである。３１はピンチローラー回動
レバーであり、一端にピンチローラー３０が取り
付き、支軸３２を中心に回動可能であり、他端に
引張りバネ３３が取り付いてピンチローラー圧接
力が付勢される。３４は押圧レバーであり、支軸
３２を中心に回動可能であり、ピンチローラー回
動レバー３１を押圧可能である。３５は引張りバ
ネであり、押圧レバー３４に一端を取り付けら
れ、押圧レバー３４の押圧力を付勢する。３６は
カムであり、モーター３７によつて回転し、押圧
レバー３４を押し上げることにより、ピンチロー
ラー回動レバー３１から押圧レバー３４の押圧を
解除させることが可能である。３８はモーター３
７の駆動を制御する制御回路を表わす。３９は記
録用紙２５の幅方向の端面を案内する位置規制ガ
イドである。

以上のように構成されたこの実施例のカラー記
録装置について、以下その動作を説明する。記録
に際して、先ず制御回路３８がモーター３７を駆
動し、カム３６が回転して第４図のように押圧レ
バー３４を押上げた状態となる。第４図における
構成要素の番号は第３図と一致する。このよう
に、ピンチローラ３０の圧接力は引張りバネ３３
だけによつて与えられた状態にあるとし、第３図
へ戻つて説明を続ける。動作は次に、サーマルヘ
ツド２１が点線２１Ａの位置まで移動し、記録用
紙２５がプラテンローラー２７とキヤプスタンロ
ーラー２９の回転によつて、矢印Ｆ方向に所定の
長さだけ送り出される。供給ロール２６から出る
記録用紙２５は、位置規制ガイド３９によつて幅
方向の位置を規制されており、このときピンチロ
ーラー３０の圧接力は第４図に示したように、引
張りバネ３３しか働いておらず弱められた状態に
ある。そのため、記録用紙２５が位置規制ガイド
３９に沿つて案内される走行位置にならうよう
に、ピンチローラー３０とキヤプスタンローラー
２９の間を記録用紙２５は適度にスリツプしつ
つ、送り出される。記録用紙２５の位置が幅方向
にずれていたとしても、このようにピンチローラ
ー３０の圧接力が弱いために、位置規制ガイド３
９による位置修正が可能となる。

上記のようにして記録用紙２５を、１回分の記
録長さに相当する所定の長さだけ送り出し終わる
と、次にカム３６は制御回路３８とモーター３７
によつて回転し、第３図にような状態になる。こ
のとき押圧レバー３４がピンチローラー回動レバ
ー３１を押圧するため、ピンチローラー３０の圧
接力は引張りバネ３３と３５との両方が働らき、
強められることになる。次にサーマルヘツド２１
Ａが実線２１の位置に移動して、記録用紙２５と
感熱転写記録用インクシート２２とがプラテンロ
ーラー２７とサーマルヘツド２１との間で圧着さ
れる。続いてキヤプスタンローラー２９の回転方
向が変わつて矢印Ｇ方向に記録用紙２５が送られ
ると同時に、サーマルヘツド２１による加熱が開
始され、インクシート２２から記録用紙２５へ１
色目の、例えばイエローの転写記録が行なわれ
る。転写記録用インクシート２２は記録用紙２５
と同速度で矢印Ｅ方向へ移送され、巻取ロール２
４に巻取られる。

このようにして先ず１色目のイエローの記録が
完了すると、再びサーマルヘツド２１が点線２１
Ａの位置に移動し、記録用紙２５のみプラテンロ
ーラー２７とキヤプスタンローラー２９の回転に
よつて、矢印Ｆ方向に再び所定の長さだけ送り出
される。カム３６は第３図の状態のままであり、
イエロー、マゼンタ、シアンの３色の記録が全て
完了するまでこのままである。記録用紙２５が所
定の長さだけ送り出されると、再びサーマルヘツ
ド２１Ａが実線２１の位置まで戻り、キヤプスタ
ンローラー２９の回転方向が変わつて矢印Ｇ方向
に記録用紙２５が送られると同時に、サーマルヘ
ツド２１による加熱が開始され、インクシート２
２から記録用紙２５に２色目のマゼンタの転写記
録が行なわれる。転写記録用インクシート２２は
この位置よりマゼンタが記録できるようインクが
塗布されている。

このようにして２色目のマゼンタの記録が行な
われ、続いて同様に３色目のシアンの記録が行な
われ、それが完了すると、サーマルヘツド２１が
点線２１Ａの位置に移動し、再び制御回路３８と
モーター３７によつてカム３６が回転し、第４図
のような状態となる。このピンチローラー３０の
圧接力が弱くなつた状態において、３色でカラー
記録された記録用紙２５の記録済部分は、プラテ
ンローラー２７とキヤプスタンローラー２９の回
転によつて、矢印Ｆ方向へ送り出され、一連のカ
ラー記録工程が終了する。

以上のように、この実施例では、ピンチローラ
ー３０の圧接力緩和機構を押圧レバー３４と２本
の引張りバネ３３，３５とカム３６等を設けて構
成し、一連のカラー記録工程毎に圧接力を緩和し
て記録用紙２５の位置を修正可能とし、強い圧接
力による移送で発生する幅方向の位置ずれの集積
に対処している。このような対策を設けずに単に
ピンチローラー３０の圧接力を強くした場合、記
録用紙２５のピンチローラー３０とキヤプスタン
ローラー２９との間でのスリツプが少なくなるた
めに、位置規制ガイド３０の効果が弱くなり、何
枚も記録していると記録用紙２５の幅方向の位置
ずれが次第に集積して記録位置が大きくずれた
り、紙づまりの原因になつたりする。この実施例
ではこのような記録用紙２５の幅方向の位置ずれ
の集積を無くせるため、引張りバネ３５によつて
キヤプスタンローラー２９とピンチローラー３０
の圧接力を十分に高くすることが可能となる。従
つて、記録用紙２５の記録中往復時のスリツプ量
を極力少なくでき、色ずれの少ない高解像度のカ
ラー画質の記録を行なうことができる。

発明の効果 以上のように本発明の記録装置によれば、記録
用紙を圧接して移送する移送ローラーと、移送ロ
ーラーの圧接力緩和手段とを設け、供給ロールよ
り記録用紙を引き出す際に圧接力緩和手段を動作
することにより、記録用紙の幅方向の位置ずれの
集積を無くすことができるため、記録用紙の往復
移送時において、より圧接力を強くして記録用紙
の記録中のスリツプ量を少なくし、色ずれを少な
くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例における感熱転写記録方式のカ
ラー記録装置の斜視図、第２図は従来例における
ローラー駆動方式による記録用紙移送装置の斜視
図、第３図は本発明の一実施例における記録装置
の概略構成を示す側面図、第４図は第３図の移送
ローラーの圧接力緩和機構の動作した状態を示す
要部の側面図である。 ２１……サーマルヘツド、２２……感熱転写記
録用インクシート、２５……記録用紙、２９……
キヤプスタンローラー、３０……ピンチローラ
ー、３１……ピンチローラー回動レバー、３４…
…押圧レバー、３９……位置規制ガイド、３３，
３５……バネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 記録時を往時、戻し時を復時として往復移動
   する記録用紙に複数回重ねて記録する記録手段
   と、前記記録用紙を挾持して回転し、前記記録用
   紙を往復移動させる移送ローラと、この移送ロー
   ラの挾持の圧力を、前記往復移動の復時に前記記
   録用紙と前記移送ローラとがスリツプ可能な大き
   さに緩和する圧力緩和手段と、前記記録用紙の幅
   方向の移動を規制する位置規制ガイドとを備えた
   記録装置。