JPH0344381Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、先行帯板の尾端と後行帯板の先端と
を溶接するシーム溶接機に関し、さらに詳しく
は、一台の機械で薄板用と厚板用の帯板溶接が出
来るように、加圧設定範囲の異なる複数対のシー
ム溶接用回転電極装置を備えたものである。

（従来の技術） 従来、帯板同志をシーム溶接で繋ぐ場合、一般
には、溶接すべき帯板を対向位置でラツプさせ、
ラツプさせた帯板をクランプ装置でそれぞれクラ
ンプ保持し、次いで、そのラツプさせた端部を、
溶接ラインに対し直角方向から移動する移動フレ
ームに備えた上下一対のシーム溶接用回転電極装
置で加圧溶接することが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 従来のこの種のシーム溶接機は、通常、シーム
溶接用回転電極に加圧力を与える場合、加圧装置
には、溶接すべき帯板の板厚条件に応じた加圧条
件が設定される。しかしながら、板厚条件が加圧
力設定範囲を越えると、薄板、厚板を一台の加圧
装置で溶接することはできず、加圧力設定範囲が
変わる毎に専用機が必要であつた。

（問題点を解決するための手段） そこで、本考案は、薄板乃至厚板のシーム溶接
を一台の溶接機で実現させようとするもので、そ
の具体的な手段は、第１図に示すように、溶接ラ
イン上に相対向して配置されたクランプ装置と
で、ライン上に供給されてくる先行帯板と後行帯
板との端部をラツプした後、クランプ保持し、そ
のラツプさせた端部を一対のシーム溶接用回転電
極装置で加圧溶接するシーム溶接機において、上
記クランプ装置間を、横切る方向から進入する移
動フレームに、複数対の上部電極輪と下部電極輪
とを支持し、各上部電極輪には、加圧シリンダの
直径の大きさの異なる加圧装置を連結した、これ
ら複数対のシーム溶接用回転電極装置を帯板条件
に応じて切り換え使用できるようにしたことを特
徴とするものである。

（作用） そして、本考案では、一台の移動フレームに、
薄板用のシーム溶接用回転電極装置と厚板用のシ
ーム溶接用回転電極装置を装備したものであるか
ら、薄板と厚板のシーム溶接が一台の溶接機で併
用でき、板厚設定条件の異なる毎に専用機を備え
ると言う従来の問題を解消できる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図から第３図に基
づいて説明する。

なお、第１図は、本考案にかかるシーム溶接機
の装置全体を示す概略側面図である。第２図は、
複数対のシーム溶接用回転電極装置の下部電極輪
の支持装置を示す要部拡大側面図である。第３図
は下部電極輪の支持装置の一部断面を含む正面
図。

図中１は、クランプ装置で、溶接ライン上にも
う一方のクランプ装置（図示省略）と相対向して
配置されている。２は、シーム溶接機本体の移動
フレームで、相対向した二つのクランプ装置間
を、直角方向からレールに沿つて駆動シリンダ３
で進退移動する。５，６は移動フレーム２の上部
アーム２ａと下部アーム２ｂとに取りつけられた
薄板用と厚板用の複数体のシーム溶接用回転電極
装置で、各上部電極輪５ａ，６ａには、加圧シリ
ンダの直径の異なる加圧装置７，８が連結され、
板厚条件に応じて設定された範囲の加圧力が与え
られる。すなわち、各加圧シリンダはそのエアー
供給路にパイロツト圧力の調整により制御圧力範
囲を任意に設定することができるステツプレギユ
レーターと組み合わせることにより加圧力を段階
的に制御している。上部電極輪５ａ，６ａに対応
する各下部電極輪５ｂ，６ｂは、下部アーム２ｂ
の先端に固着されたブラケツト９に枢軸１０を介
してシーソ式に動き得る電極支持板１１の両側
に、それぞれ回動的に支持され、電極支持板の片
側に連結されたシリンダ１２によつて下部電極輪
５ｂ，６ｂを交互に上げ下げ出来るようになつて
いる。

１３，１４は、各下部電極輪の上下位置を規制す
るストツパである。

以上の構成による本考案の動作は、先行帯板と
後行帯板とを相対向する二つのクランプ装置内の
パスライン上に供給し、両帯板の端部をラツプす
る。ラツプさせた後、クランプ装置間で両帯板を
クランプ保持する。そして、クランプ保持した両
帯板のラツプ部を、移動フレームに搭載した複数
対のシーム溶接用回転電極装置のうち、板厚条件
に応じた加圧力設定範囲を有する一対の電極間で
挟持するとともに、電極輪を駆動しながら通電し
溶接を遂行する。

なお、複数対のシーム溶接用回転電極装置を切
り換える場合は、シリンダ１２で電極支持板１１
を枢軸１０を中心に回動して押上れば、第２図に
示すように、一方の下部電極輪５ｂが下がつて厚
板条件に応じたシーム溶接用回転電極装置６の下
部電極輪６ｂが所定の高さまで上がり、上部電極
輪６ａと対応する。また、薄板を溶接する場合
は、第２図の状態からシリンダ１２を戻して電極
支持板１１を枢軸１０を支点に下げれば、下部電
極輪６ｂが下がつて下部電極輪５ｂが上がり、上
部電極輪５ａと対応する。

（考案の効果） 以上で説明したように、本考案のシーム溶接機
は、複数対のシームヘツドを一台の機械に備え、
その複数対のシームヘツドの切り換えによつて薄
板用と厚板用の帯板溶接に併用することができる
から、従来のように、板厚変化に伴う加圧力不足
等で溶接結果に影響を及ぼすなどの弊害を除去す
ることができ、設備費及び設置スペース等を大幅
な節約が可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図の実施例図面は、本考案にかかるシーム
溶接機の装置全体を示す概略側面図。第２図は、
複数対のシーム溶接機の下部電極輪の支持機構を
示す要部拡大側面図。第３図は、第２図の−
矢視図。 符号の説明、２……移動フレーム、５……薄板
用シーム溶接用回転電極装置、６……厚板用シー
ム溶接用回転電極装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶接ライン上で先行帯板の尾端と後行帯板の先
   端とをラツプさせ、相対向する二つのクランプ装
   置とで両帯板をクランプ保持し、そのラツプさせ
   た端部を、上下一対の電極輪間で挟持し、上記電
   極輪を回転駆動するとともに、溶接電流を電極輪
   間に流して溶接するシーム溶接機において、上記
   クランプ装置の間を、横切る方向から進入乃至後
   退移動する移動フレームに、複数対の上部電極輪
   と下部電極輪とを支持し、各上部電極輪には、加
   圧シリンダの直径の大きさの異なる加圧装置を連
   結した、これら複数対のシーム溶接用回転電極装
   置を帯板条件に応じて切り換え使用できるように
   したことを特徴とするシーム溶接機。