JPH034406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、圧延材を圧延ロールに案内するため
の圧延機用ローラガイドに関する。

［従来の技術］ 圧延機用ローラガイドの役割は、圧延ロールの
孔型に圧延材を正確に案内すること、案内ローラ
を使うことによつて圧延材と圧延ロールとの接触
によるかき疵を防止すること、および圧延材を案
内ローラによつて挾み圧延ロールの孔型にできる
だけ近付け圧延材の咬み込み時の倒れ部分を少く
し歩留向上につなげることなどにある。

しかし、従来の圧延機用ローラガイドにおいて
は、そのローラガイドを圧延材が通過する度毎に
静止した一対の案内ローラに圧延材の先端が衝撃
的に突き当るため、案内ローラに打ち疵がつき圧
延材に転写されて表面欠陥（疵）になること、圧
延材の案内ローラへの突き当り具合によつては、
その圧延材が圧延ロールの孔型に咬み込まれるこ
とがなく、ミスロールになること、圧延毎に繰り
返えされる圧延材の案内ローラへの繰り返しなさ
れる衝撃的な突き当りは、その案内ローラのロー
ラベアリングの疲労寿命を低下させ、ローラ交換
寿命を短くしていること、かつロール取り替えに
際して圧延ラインを止めなければならず生産性を
低下させるなどの問題があつた。

特開昭49−51154号公報には、案内ローラに通
路の口に面して反作用面を設け、少なくとも１つ
の出口開口が前記反作用面と関連して設けられ、
前記反作用面は流体が軸方向通路を介してローラ
中に導入され、そこで該流体が反作用面に作用す
るとき、ローラを回転させるように配慮されてい
る案内ローラが開示されている。しかしながら、
その案内ローラは流体の反作用を受ける面が各案
内ローラ内部に一体に設けられているため、該案
内ローラの構造が複雑であり、製造コストが高価
になるという欠点がある。また、案内ローラが圧
延材との繰返し衝突により破損した時に流体の反
作用を受ける部分を含めて案内ローラ全体を交換
しなくてはならないという欠点があつた。

また、特開昭52−77862号公報には各案内ロー
ラの側面の少くとも一つに流体の噴流によつて回
転されるひれを含む案内ローラが開示されてい
る。しかしながら、その案内ローラは、流体の噴
流を受けるひれが該案内ローラの側面に一体に形
成されているので、案内ローラの構造が複雑であ
り高価になるとともに、案内ローラが圧延材との
繰返し衝突により破損した時に前記ひれを含めて
案内ローラ全体を交換しなくてはならないという
欠点があつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、上記の問題を解決するためになされ
たものであり、圧延材の先端が案内ローラに衝撃
的に突き当ることがないとともに、構造が簡潔で
比較的に安価であり、しかも案内ローラが高温の
圧延材との繰返し衝突によつて破損した場合には
その案内ローラのみを交換すればよい圧延機用ロ
ーラガイドを提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的のため、本考案によれば、第１図から
第４図に示すごとく、圧延ロール６に圧延材２０
を誘導するための案内ローラ１に冷却用高圧水を
噴射する圧延機用ローラガイドにおいて、そのロ
ーラガイドの本体３に一対のローラホルダ２をそ
れぞれ回動可能に軸支し、該両ローラホルダ２に
案内ローラ１をそれぞれ回転自在に軸支するとと
もに、前記両案内ローラ１に同軸に水車４をそれ
ぞれ取外し可能に取付け、かつ前記案内ローラ１
および水車４に高圧水を導く水路１５を前記両ロ
ーラホルダ２にそれぞれ穿設することを特徴とす
る圧延機用ローラガイドが提供される。

［作用］ 上記構成によれば、圧延機用ローラガイドにお
ける冷却用高圧水の噴流圧力を利用し、案内ロー
ラに設けられた専用水車を回転させることによつ
て、該水車により案内ローラを常に回転させてお
くことができるため、圧延材の先端が案内ローラ
に衝撃的に突き当ることが防止され、圧延材が圧
延ロールに咬み込むと同時に案内ローラは圧延材
と同じ速さで回転する。

［実施例］ 次に、本考案の圧延機用ローラガイドを図面に
示された実施例について説明する。

第１図から第３図に示されるように、一対の案
内ローラ１はローラホルダ２に回転自在に軸支さ
れており、そのローラホルダ２はローラガイドの
本体３に回動可能に軸支されている。ローラ１の
上部には、水車４が取り外し可能に取り付けられ
ている。ローラガイドの本体３にはエントリーガ
イド５が固定されており、圧延材２０はそのエン
トリーガイド５を通り更に一対のローラ１に案内
されて、孔型６１を有した上下の圧延ロール６の
間に供給される。

第４図に示されるように、案内ローラ１はロー
ラベアリング７を介してローラホルダ２に回転自
在に軸支されており、水車４は取付ねじ８によつ
てローラ１の上部に取外し可能にかつ同軸に取付
けられている。ローラホルダ２にはホルダ軸９が
嵌合されており、そのホルダ軸９はローラガイド
の本体３に固定されている。ローラホルダ２はホ
ルダ軸９に対して回動可能である。そのローラホ
ルダ２の前端にはピン２１が固定されており、一
対のローラホルダ２のピン２１の間には、第２図
および第３図に示されるように、コイルばね１０
が張架されている。ローラホルダ２に設けられた
グリスニツプル１１は、ホルダ軸９およびローラ
ベアリング７にグリスを供給する。ローラ１およ
びローラベアリング７とホルダ２の間にはローラ
軸１２とベアリング保持金具１３が設けられてい
る。ホルダ２には高圧水用プラグ１４が螺合され
ており、その高圧水用プラグ１４から水車４およ
びローラ１に冷却用高圧水を導く水路１５がホル
ダ２に穿設されている。

なお、第２図に示されるようにローラガイドの
本体３にも、高圧水用プラグ１６が螺合されてお
り、また圧延ローラ６に冷却用高圧水を噴射する
ノズル１７に通ずる水路１８が穿設されている。
高圧水用プラグ１６には高圧水用ホース１９が嵌
められている。

［作動］ 上記構成によれば、ホルダ２の高圧水用プラグ
１４に冷却用高圧水が供給されると、水路１５を
通してその冷却用高圧水の噴流がローラ１および
水車４に噴射されローラ１が冷却されると共に、
その噴流の圧力によつて水車４が回転され、水車
４がローラ１を常に回転させる。従つて、エント
リーガイド５を通して導入される圧延材２０の先
端部が一対のローラ１の間に到達した際には、そ
のローラ１が既に回転しているため、圧延材２０
の先端部がローラ１に衝撃的に突き当ることが無
くなり、そのローラ１に打疵が生じない。そし
て、ローラ１に打ち疵が生じないことにより、圧
延材２０にその打ち疵が転写されることがなく、
圧延材２０に表面欠陥が生じない。さらに、圧延
材２０がローラ１に衝撃的に突き当らないので、
その圧延材２０の進路が常に正確に保たれ、圧延
ロール６の孔型６１に圧延材２０が良好に咬み込
まれることにより、ミスロールとなることがな
い。しかも、圧延材２０が圧延毎にローラ１に突
き当らないため、ローラベアリング７が繰返し衝
撃によつて疲労することが激減され、かつローラ
１を交換する頻度が極めて少なくされる。また、
ローラ１を交換する場合には、取付ねじ８をロー
ラ１から螺脱することにより、水車４をローラ１
から取外して該ローラ１のみを交換すれば良い。
圧延材２０が上下の圧延ロール６に咬み込まれる
と同時に、その圧延材２０は圧延ロール６の駆動
力によつて圧延ロール６の間を進行させられるた
め、ローラ１は圧延材２０の進行につれてその圧
延材２０と同じ速さで回転する。

［効果］ 以上述べたように、本考案の圧延機用ローラガ
イドは、案内ローラに水車を取付け、冷却用高圧
水の噴流の圧力を利用してその水車を回転させる
ことにより、水車によつてローラを回転させてい
るから、圧延材の先端部がローラに衝撃的に突き
当ることがなくなり、圧延ロールの孔型への圧延
材の咬み込み不良、ローラの疵付き、および繰返
し衝撃によるローラベアリングの破損が防止され
るなどの優れた効果がある。また本考案によれ
ば、案内ローラ自身に水流の力を受ける部分がな
いため、案内ローラの構造を簡単にすることがで
き、製造コストを安価にすることができるととも
に、しかも、高温の圧延材と繰返し衝突するため
寿命が短い案内ローラが破損した時も、水車を交
換する必要がないという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の圧延機用ローラガイドの実施
例を概念的に示す断面図、第２図はそのローラガ
イドの詳細な構造を示す断面図、第３図は平面図
であり、第４図はローラホルダ及び案内ローラの
詳細を示す断面図である。 １……案内ローラ、２……ローラホルダ、３…
…ローラガイドの本体、４……水車、６……圧延
ロール、８……取付ねじ、１５……水路、２０…
…圧延材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 圧延ロールに圧延材を誘導するための案内ロー
   ラに冷却用高圧水を噴射する圧延機用ローラガイ
   ドにおいて、 そのローラガイドの本体に一対のローラホルダ
   をそれぞれ回動可能に軸支し、該両ローラホルダ
   に案内ローラをそれぞれ回転自在に軸支するとと
   もに、前記両案内ローラに同軸に水車をそれぞれ
   取外し可能に取付け、かつ前記案内ローラおよび
   水車に高圧水を導く水路を前記両ローラホルダに
   それぞれ穿設する ことを特徴とする圧延機用ローラガイド。