JPH0343969Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、立木の小枝を落とすとき使用する
枝打機に関するもので、特に木登りした状態にお
ける移動が容易で且つ安全性の高い技打機に関す
るものである。

杉や桧等から無節の良質材を得るために、立木
の枝打ちが奨励されている。すなわち、小枝が出
て来たとき、可及的早期に枝打ちすると無節の良
質材が得られる。而して、枝打ちするのに、今ま
では、手動鋸により手作業で小枝を根元から挽き
切つたり、手斧で打ち落としたりしていた。とこ
ろが手動鋸や手斧で枝打ちすると切断面が粗雑に
なり、見苦しくなるのみならず、枝打ちしたのち
無節状態になるまでの期間が手動鋸によるものは
４年位また手斧によるものは３年位掛つていた。
更に手動鋸や手斧による枝打ちは、腕に相当の力
を要していた。

この考案は、このような問題点を解決するため
為されたもので、木登りした状態で手軽に移動出
来、且つ安全性の高い枝打機により、枝を軽労力
で迅速に打落とし、而も切断面をきれいに仕上げ
て、枝打ち後の無節状態になるまでの期間を短く
したものである。

図面に基いてこの考案の実施例を説明する。

この考案は左右のループ状肩掛けベルト２５，
２５によつて背中に背負う如く構成した小型発動
機２４から下向きにフレキシブル出力シヤフト１
９を取出し、該フレキシブル出力シヤフト１９の
先端に枝打ち用丸鋸７を連結し、且つ該丸鋸７を
保持する握部２にスロツトルレバー２２を設け、
該スロツトルレバー２２を前記フレキシブル出力
シヤフト１９に沿つて配置したスロツトルワイヤ
ー２１を介して小型発動機２４の絞弁に連結し、
また丸鋸７の非切削部分を半円弧状に囲むと共に
残りの部分はＵ字状に開いて突設したＵ字状ガイ
ド１３を前記握部２に取付けたものである。な
お、２６は胴締めバンドである。肩掛けベルト２
５，２５に腕を通して小型発動機２４を背負い、
必要に応じ胴締めバンド２６を締め、木の幹２８
に登り、握部２をもつて丸鋸７を小枝２７に当て
枝打ちを行う。

次に枝打ち丸鋸及び握部を含む回転部分の具体
例を説明する。

携帯可能な如く装備した小型発動機２４の回転
を伝えるフレキシブル出力シヤフト１９を設け、
その外側は安全のために保護管２０で被い、先端
を円筒状握部２の内部まで延長し、同じく外箱１
内に設置されその後端を上記握部２内まで延ばし
た駆動軸３に摺動自在且つ回動不能に嵌合して設
置する。駆動軸３はベヤリング１５を介して回転
自在に支承され、先端に設けたベベルギヤ５と直
交し且つ噛合つて回転する傘歯車６をその先端に
配置したところの主軸４は、ベヤリング１６を介
して回転自在に支承されている。また丸鋸７の中
心部には截頭円錐状に凹ませて形成した挟持部８
を設け、その前後を挟持するテーパ状ー凹みをも
つ鋸受金具９を外側に、テーパー状外周面をもつ
鋸押え金具１０を内側に配置し、それぞれの中心
部を貴通する前記主軸４に回動不能に嵌合し、さ
らに突出した主軸４の後端に座付きナツト１１を
螺合して丸鋸７の遊動・脱落等のない様固定す
る。またＵ形状のガイド１３は、丸鋸７の周縁約
３／４部分を半円弧状に囲み、残りの部分はＵ形状
に開いて突設し、その端面１３ａと丸鋸刃部の端
面７ａとをほぼ同一平面になる如く配置してい
る。さらにＵ形状ガイド１３は、外箱１に固定さ
れた安全カバー１２により、その半円弧状の開口
部分を広く被われ、両者は小ネジ等にて螺合さ
れ、外箱１に付設したガイド調整用撮み２５ａを
介して、図示の駆動軸３との角度αを自由に調整
可能な如く配置されており、また小型発動機２４
の回転制御のために、これと連動するスロツトル
ワイヤー２１を介して、外箱１に設けたスロツト
ルカバー２３に付設したスロツトルレバー２２の
開閉により、丸鋸７の回転を自在に調整できる如
く本枝打機は構成されている。

使用に当つては、円筒状握部２を保持した作業
員は、まず小型発動機２４を始動し、フレキシブ
ル出力シヤフト１９を介して駆動軸３を回転さ
せ、それぞれ先端に設けた直交し噛合うベベルギ
ヤ５及び傘歯車６によつて主軸４ならびにその後
端に固設された丸鋸７が共に回転を始める。第５
図に示す如く、所望の枝木前後の幹２８の部分
に、Ｕ形状ガイド端面１３ａを緊密にあてがい、
必要ならば予めガイド調整用撮み２５ａによつて
幹２８や枝木の状況に応じた角度調整を行つてお
き、丸鋸７の揺動をなるべく防ぐ様にして伐採を
行う。この際回転速度の調整は、前記スロツトル
レバー２２によつて簡単に手元で操作できるもの
である。

このようにこの考案に係る枝打機は、エンジン
部分と回転部分を遠く離して設置しているため、
手や指のしびれの原因となる振動が大巾に減少さ
れる。而かもまた小型発動機２４からフレキシブ
ル出力シヤフト１９を下に向けて出しているの
で、フレキシブル出力シヤフトを横向きに出した
草刈機のように重量が片荷になることなく、背負
つた時の安定性が極めて良く、左右勝手の別なく
便利に使用出来る。

草刈機は地上で使用するのでフレキシブル出力
シヤフトを下向きに出すると、歩行するときの邪
魔になることがあるが、枝打機は地上から離れた
高所で使用するので、フレキシブル出力シヤフト
を下向きに出しても作業上何らの障害を生じない
ものである。

この点は、出力シヤフトの方向を左右側方から
下方へ変更しただけの簡単なもののように思われ
るが、実際使用してみると、背負つた小型発動機
等の重心を背中の中心線の直後に位置させること
が出来るので左右の均合がとれ、作業性が向上
し、その効果は意外と大きく、特に作業時の取り
扱い易さ、安全性は抜群に優れ、疲労少なく作業
能率が著しく向上したものである。

更にＵ字上ガイド１３によつて小枝２７を挟
み、丸鋸７を小枝２７に押し付けて安定させた状
態でスロツトルレバー２２を引くと丸鋸７が回転
を始めるので、回転中の丸鋸７に作業者の指が触
れることもなく、安全に枝打ち作業を行うことが
出来る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る枝打機の一実施例を説明
するためのもので、第１図は枝打機の概略全体正
面図、第２図はその回転部分の一部切欠全体正面
図、第３図は回転部分要部の垂直切断側面図、第
４図は第２図のＡ−Ａ部切断図、第５図はその使
用状況を示す概略図である。 １……外箱、２……円筒状握部、３……駆動
軸、４……主軸、５……ベベルギヤ、６……傘歯
車、７……丸鋸、７ａ……端面、８……挟持部、
９……鋸受金具、１０……鋸押え金具、１１……
ナツト、１２……安全カバー、１３……Ｕ形状ガ
イド、１３ａ……端面、１５，１６……ベヤリン
グ、１７，１８……ガード、１９……フレキシブ
ル出力シヤフト、２０……フレキシブル保護管、
２１……スロツトルワイヤー、２２……スロツト
ルレバー、２３……スロツトルレバーカバー、２
４……小型発動機、２５……肩掛けベルト、２５
ａ……調整用撮み、２６……胴締めバンド、２７
……小枝、２８……幹。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右のループ状肩掛けベルトによつて背中に背
   負う如く構成した小型発動機から下向きにフレキ
   シブル出力シヤフトを取出し、該フレキシブル出
   力シヤフトの先端に枝打ち用丸鋸を連結し、且つ
   該丸鋸を保持する握部にスロツトルレバーを設
   け、該スロツトルレバーを前記フレキシブル出力
   シヤフトに沿つて配置したスロツトルワイヤーを
   介して小型発動機の絞弁に連結し、また丸鋸の非
   切削部分を半円弧状に囲むと共に残りの部分はＵ
   形状に開いて突設したＵ字状ガイドを前記握に固
   定したことを特徴とする枝打機。