JPH0343583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は扉体の透明ガラス内側に沿つて冷却気
を強制循環させるようにした冷蔵シヨーケースに
関する。

（従来技術） 従来の冷蔵シヨーケース（冷凍シヨーケースを
含む）として、例えば、第５図に示すようなもの
が提供されている。これは前面に形成した商品収
納用および商品取出し用の開口１を除く他面を断
熱壁２によつて囲い、開口１に透明ガラス３を有
する３枚の扉体４を開閉自在に軸着したものであ
る。５は軸着部とは反対側の扉体４上に取り付け
られた取手である。

第６図は扉体４を除く部分を切断した上記冷蔵
シヨーケースの縦断面図で、その内部構造を概略
的に示してある。なお、第５図に示したものと同
一の構成部分には同一符号を付し、その重複する
説明を省く。６は支持板７に複数並設された棚板
で、この棚板６の最下位にあるものの下部には冷
却サイクルシステムの蒸発器８が設けられ、断熱
壁２と支持板７との間に作られた通気間隙９の上
端部には、蒸発器８にて熱交換した冷却気を矢印
Ｐ方向に強制循環させる送風フアン１０が設けら
れている。また、断熱壁２の前部上方には、送風
フアン１０によりこの前部上方に案内した冷却気
を前部下方、つまり扉体４の透明ガラス３内面に
沿つて下方に供給する吹出口１１が設けられ、こ
の吹出口１１の後流側に扉体４内面に均一に冷却
気を拡散整流する整流装置１２が設けられてい
る。かかる冷蔵シヨーケースでは蒸発器８にて冷
却した冷却気を送風フアン１０によつて強制循環
させて、棚板６上の陳列品を冷却するように作用
する。なお、上記吹出口１１は必要に応じて省略
することができる。

かかる従来の冷蔵シヨーケースにあつては、棚
板６上の陳列品を取り出すときに、扉体４を開放
するのであるが、このとき冷却気は第４図の矢印
方向に直下するのみで、この冷却気は透明ガラス
３内面に接触せず、この透明ガラス３内面には外
気が接触する。このとき透明ガラス３の内面が冷
えているため、この内面に外気中に含まれる温度
の高い湿気が付着して露結し、このため透明ガラ
ス３が曇つてしまつて、その扉体４を閉めた直後
は、内部の陳列品が外部から見えなくなるという
問題点があつた。

このような従来の冷蔵シヨーケースの欠点を解
決するため、図示しない実開昭59−26578号に開
示されたシヨーケースが提案されている。

このシヨーケースにおいては、冷却気を整流す
る整流装置を前後に２個設け、扉体に隣接する外
側整流装置は透明ガラスにて構成された扉体の内
側表面に冷却気を洗流するよう斜めに案内してい
る。

このシヨーケースによれば、扉体を開放したと
き、この外側整流装置から吹き出される冷却気が
透明ガラスの内面に送風され扉体の内面への露結
が防止される。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、後者のシヨーケースでは、扉体
の開閉の如何にかかわらず、この外側整流装置が
透明ガラスに向かつて斜めに常時送風されている
ため、扉体の閉鎖時にこの斜めに送風された冷却
気が透明ガラスに衝突して後ろ側に戻つてしまう
ことがある。

このようなときは、外側整流装置を通つた冷却
気と、この内側に位置する内側整流装置を通過し
た冷却気との間で乱流を起こすため、扉体の内面
側のエアーカーテンが不均一となり、シヨーケー
ス全体の均一な冷却を阻害するという問題点を有
していた。

（考案の目的） 本考案の目的は前記従来の問題点に鑑み、扉体
の開放時においては開放中の扉体の内面への露結
を防止し、他方、扉体の閉鎖時においては各整流
装置を通過した冷却気が乱流することなく均一に
冷却することができる冷蔵シヨーケースを提供す
ることにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、前面に形成
した商品収納用および商品取出し用の開口を除く
他面を断熱壁にて囲い、透明ガラスを有する扉体
はその横方向一端を該開口の周縁に軸支して水平
方向に回動することにより該開口を開閉自在とな
すとともに、上記扉体の内側上方で該扉体の上端
に沿つて延びる冷却気の吐出部から該扉体の内面
に沿つて該冷却気を強制循環させるようにした冷
蔵シヨーケースにおいて、上記冷却気の吐出部に
は、前後に複数の整流装置を設け、これらの整流
装置のうち最も上記扉体に隣接した外側整流装置
を垂直回動自在に支持するとともに、該外側整流
装置と該扉体とを該扉体の開閉動作に連動して該
外側整流装置を回動させる連結棒により連結し、
該連結棒は該扉体が開放方向に回動するときは該
外側整流装置をその下端が該扉体側に向くよう傾
斜させ、該扉体が閉鎖方向に回動するときは該外
側整流装置をその下端が垂直下方に向くよう設定
したことを特徴とする。

（作用） 本考案によれば、扉体を開放するときは、連結
棒により外側整流装置の下端が扉体に向かつて傾
斜し、扉体の内面への湿気の付着を防止する。他
方、扉体を閉鎖するときは、この外側整流装置の
下端が垂直下方に向き、冷却気の扉体への鋭角な
衝突が回避され、他の整流装置を通過する冷却気
と乱流を起こすことがない。

（実施例） 第１図はこの考案にかかる冷蔵シヨーケースの
要部を示す拡大斜視図であり、第６図に示したも
のと同一の構成部分には同一符号を付してある。
第１図において、１３は内側整流装置、１４は外
側整流装置で、これらは吹出口１１の下部に臨ん
で配設され、冷却気を扉体４の内面の全領域に均
一に供給するように作用する。また、外側整流装
置１４は第２図の側面断面図にも示す通り、これ
の長手方向に延設した水平軸１５を中心に垂直回
動しうるように取り付けられている。なお、この
水平軸１５の取付位置は外側整流装置１４側の上
部の角部付近である。また、扉体４のヒンジ部１
６付近の外側整流装置１４には、下方に開口する
係止孔１７が穿設されている。この係止孔１７内
面には耐摩耗性かつ潤滑性の部材の保護壁１８が
設けられている。

一方、扉体４の内側にはＬ字状金具などの保持
具１９が植設され、この保持具１９の先端部には
連結棒２０の一端が水平回動自在に取り付けられ
ている。また、この連結棒２０の他端は上方に折
曲されて、その折曲された垂直係止部２０ａが上
記係止孔１７内に深く挿入されている。なお、詳
細に図示していないが、各整流装置１３，１４は
冷却気の流れを整流するブレードやハニカム部材
などによつて構成されている。また、第３図は内
側整流装置１３および外側整流装置１４を備えた
冷蔵シヨーケース全体の概略構成を示す。

かかる冷蔵シヨーケースでは、扉体４を取手５
を握りながらヒンジ部１６を中心に回動開放する
と、第２図にも示すように、連結棒２０が矢印Ａ
方向に引かれ、これの垂直係止部２０ａが係止孔
１７の外方向の内壁に接触した後、この内壁をＡ
方向に引き込む。このため、外側整流装置１４に
は水平軸１５を中心とする垂直回動力が作用し、
これが矢印Ｂ方向に回動変位し、第１図では実線
で示すように、また、第２図では鎖線で示すよう
に、外側整流装置１４の下端が扉体４に向かつて
斜めに傾斜する。

この結果、回動変位した外側整流装置１４は冷
却気を第２図の点線矢印Ｃ方向および第４図の実
線矢印Ｄ方向に、つまり開いている透明ガラス３
に向つて偏向させ、その透明ガラス３内面を閉扉
時と同じく引き続き冷却し続ける。また、このと
き上方を扉体４の開放方向に流れる冷却気はエア
ーカーテンを構成し、その扉体４上方からケース
内部への外気の侵入を阻止し、ケース内部の温度
の上昇を防止することができ、これにより省エネ
ルギー効果を得ることができる。

このように、冷却気を扉体４の開放後も透明ガ
ラス３内面に接触させることにより、外気中の湿
気がその透明ガラス３内面に付着して露結するこ
とがなくなり、従来のように閉扉直後に透明ガラ
ス３が曇るといつた問題を確実に防止できる。ま
た、扉体４を開いた後も引き続き内側整流装置１
３が冷却気を開口１を塞ぐように垂下するように
吹きおろすので、陳列品が外気に触れるのをより
確実に防止することができる。

また、扉体４の閉鎖時はこの外側整流装置１４
の下端が垂直下方に向き、内側整流装置１３と平
行になるため、この各整流装置１３，１４を通る
冷却気が互いに衝突することがなく、均一なエア
ーカーテンとなり、庫内を均一に冷却することが
できる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、扉体を
開放するときは、連結棒により外側整流装置の下
端が扉体に向かつて傾斜し、扉体の内面への湿気
の付着を防止できることは勿論のこと、扉体を閉
鎖するときは、この外側整流装置の下端が垂直下
方に向き、冷却気の扉体への鋭角な衝突が回避さ
れるため、他の整流装置を通過する冷却気と乱流
を起こすことがなく、庫内の均一な冷却を阻害す
ることがないという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる冷蔵シヨーケースの要
部の概略斜視図、第２図は同じく要部の縦断側面
図、第３図は冷蔵シヨーケース全体の概略を示す
縦断側面図、第４図は同じく縦断斜視図、第５図
は従来の冷蔵シヨーケースの斜視図、第６図は同
じく一部の拡大縦断面図である。 図中、１……開口、２……断熱壁、３……透明
ガラス、４……扉体、５……取手、１３……内側
整流装置、１４……外側整流装置、１７……係止
孔、２０……連結棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前面に形成した商品収納用および商品取出し用
   の開口を除く他面を断熱壁にて囲い、透明ガラス
   を有する扉体はその横方向一端を該開口の周縁に
   軸支して水平方向に回動することにより該開口を
   開閉自在となすとともに、上記扉体の内側上方で
   該扉体の上端に沿つて延びる冷却気の吐出部から
   該扉体の内面に沿つて該冷却気を強制循環させる
   ようにした冷蔵シヨーケースにおいて、 上記冷却気の吐出部には、前後に複数の整流装
   置を設け、これらの整流装置のうち最も上記扉体
   に隣接した外側整流装置を垂直回動自在に支持す
   るとともに、該外側整流装置と該扉体とを該扉体
   の開閉動作に連動して該外側整流装置を回動させ
   る連結棒により連結し、該連結棒は該扉体が開放
   方向に回動するときは該外側整流装置をその下端
   が該扉体側に向くよう傾斜させ、該扉体が閉鎖方
   向に回動するときは該外側整流装置をその下端が
   垂直下方に向くよう設定した ことを特徴とする冷蔵シヨーケース。