JPH0342721Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は高周波回路機器に関し、特に例えば
ケース内にセミリジツドケーブルのような同軸線
路を用いたフイルタや分波器等の高周波回路機器
に関する。

（従来技術の説明） 第１図はこの考案の背景となる高周波回路機器
の一例を示す図である。この高周波回路機器１０
は例えばフイルタであり、ジユラルミン等からな
るケース１２を含む。このケース１２内には例え
ば誘電体基板１４が収容される。この誘電体基板
１４には列えば誘電体TEM同軸共振器（図示せ
ず）が接続される。ケース１２には入力コネクタ
ないし入力端子１６が取付けられ、誘電体基板１
４と入力端子１６（コネクタピン）とは、ケース
１２内に収容されたセミリジツドケーブル１８の
中心導体１８ａによつて接続される。なお、図示
しないが、ケース１２には当然出力コネクタない
し出力端子も取付けられている。セミリジツドケ
ーブル１８は、中心導体１８ａと外部導体とを有
しその外部導体は露出されていて、中心導体１８
ａと外部導体との間には例えばポリプロピレンの
ような誘電体材料が充填されている。このような
セミリジツドケーブル１８は、例えば、第１図に
示すようにケース１２内に収容された高周波回路
と入出力端子とを接続するために、あるいは位相
調整の目的等のために用いられる。このようなセ
ミリジツドケーブルは、従来は、導電性接着剤あ
るいははんだ付け等によつてケースに電気的に接
続されかつ機械的に固定されていた。しかし、導
電性接着剤は経時的に不安定で、またはんだ付け
は作業性が悪い。

そこで、第２図に示すように、ケース１２の厚
み部分を貫通する孔２０を設け、その孔２０にケ
ーブル１８を通し、この孔２０に通じるねじ孔を
形成しそこに螺入したねじ２２の先端で固定する
構造も提案されている。この第２図の従来例によ
れば、導電性接着剤やはんだ付け等をする必要が
ないので、セミリジツドケーブル１８のケース１
２内への固定が簡単である。しかし、ねじ２２の
ためのねじ孔を加工する場合、このねじ孔の加工
精度を一定に保持することが難しくて加工費用が
高くつくため、結局あまり実用的ではない。

（考案の目的） それゆえに、この考案の目的は、ケース内に同
軸線路を安定的にかつ簡単に固定できる、高周波
回路機器を提供することである。

（考案の概要） この考案は、簡単にいえば、同軸線路の外部導
体を部分的に覆いかつその外部導体に機械的電気
的に固定接続されるように第２の外部導体を形成
し、ケースの内壁に同軸線路を収容できる溝を形
成し、その溝に同軸線路を収容し、この溝の対向
する内壁を利用して形成された雌ねじ部分に雄ね
じを螺合させ、その雄ねじの先端で溝に収容さた
同軸線路を第２の外部導体を介して抑えつけるよ
うにした、高周波回路機器である。

この考案の上述の目的およびその他の目的と特
徴は図面を参照しておこなう以下の詳細な説明か
ら一層明らかとなろう。

（実施例の説明） 第３図はこの考案の一実施例を示す概略平面断
面図を示す。この高周波回路機器１０は、例えば
分波器として構成されている。この分波器１０は
ケース１２内に収容された２枚の誘電体基板１４
ａおよび１４ｂを含み、この誘電体基板１４ａお
よび１４ｂには、それぞれ、１組の（この実施例
では５個）の電極が形成され、そこにはそれぞれ
誘電体TEM同軸共振器２４ａおよび２４ｂの中
心導体が接続されている。従つて、これら基板１
４ａおよび共振器２４ａの組が１つの周波数に対
するフイルタを構成し、基板１４ｂおよび共振器
２４ｂが他の１つの周波数に対するフイルタを構
成している。これらのフイルタの入力には、入力
端子ないしアンテナ端子１６からの信号がセミリ
ジツドケーブル１８を通して与えられる。そのた
めに、このセミリジツドケーブル１８の中心導体
１８ａは、基板１４ａおよび１４ｂのそれぞれの
入力電極に接続されている。基板１４ａおよび１
４ｂのそれぞれの出力電極は、対応の出力端子２
６ａおよび２６ｂに接続される。従つて、アンテ
ナ端子１６から入力された信号のうちある周波数
（f1）の信号が出力端子（RX端子）２６ａに、他
の周波数（f2）の信号が出力端子（TX端子）２
６ｂに取り出される。

セミリジツドケーブル１８は第４図および第５
図に示す方法で固定される。すなわち、ケース１
２の内壁に、セミリジツドケーブル１８の外部導
体の径よりやや大きい幅の断面Ｕ字状の溝２８を
形成する。そして、この溝２８の対向する内壁面
を利用して溝２８の幅より大きい径を有する雌ね
じを形成する。セミリジツドケーブル１８をこの
溝２８に収納し、その雌ねじに雄ねじ３０をねじ
こむ。セミリジツドケーブル１８には、それを溝
２８に収納した際の雌ねじおよび雄ねじ３０に対
応する位置にたとえば銅板あるいはアルミ板など
の金属板３２が配置される。金属板３２はセミリ
ジツドケーブル１８の外部導体を取り巻くように
配置され外部導体に機械的電気的に接続される。
なお、金属板３２はそれの配置によつてセミリジ
ツドケーブル１８の溝２８への収納に支障を来さ
ない程度の厚みに形成されている。そして、雄ね
じ３０の先端でセミリジツドケーブル１８をこの
金属板３２を介してケース１２すなわち溝２８の
底部との間に挟持固定する。したがつて、セミリ
ジツドケーブル１８の外部導体はケース１２に直
接電気的に接続され、かつ溝２８と雄ねじ３０と
によつて機械的に固定される。また、セミリジツ
ドケーブル１８の外部導体は金属板３２を介して
雄ねじ３０によつて固定されるのでその表面は傷
つけられず、これによつて、安定した電気的接続
が達成される。そして、中心導体１８ａを入力端
子１６のコネクタピンなどに接続する。

なお、上述の実施例では、高周波回路機器とし
て分波器ないしアンテナ共用器について説明し
た。しかしながら、この考案はケース内にセミリ
ジツドケーブルのような同軸線路を収容し固定す
る必要のあるあらゆる高周波回路機器全般に利用
できることはいうまでもない。

（考案の効果） 以上のようにこの考案によれば、ケース内部に
形成した溝内に同軸線路を収容し、その溝の内壁
面を利用して溝の幅より大きい径の雌ねじを形成
し、それに雄ねじをねじ込み、この雄ねじの先端
で溝に収容された中心導体と第１の外部導体とを
有する同軸線路を第１の外部導体に機械的電気的
に固定接続された第２の外部導体を介して固定す
るようにしているため、ケースの厚み部分を貫通
する孔を形成してその中に同軸線路を収容する従
来のものに比べて、見えている溝に雌ねじをきる
ためそのねじ孔の形成が位置精度よく安価にでき
る。したがつて、全体として非常に作業性のよい
高周波回路機器が得られる。また、同軸線路はた
とえばセミリジツトケーブルであれば、第１の外
部導体とケースとの電気的接続が第１の外部導体
を傷付けることなく一層確実かつ安定に行われる
ため、その高周波回路機器の特性も安定する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の背景となる高周波回路機器
の一例を示す概略斜視図である。第２図は従来の
セミリジツドケーブルの固定方法の一例を示す要
部斜視図である。第３図はこの考案の一実施例を
示す概略平面断面図である。第４図はセミリジツ
ドケーブルの固定方法の一実施例を示す要部斜視
図である。第５図は第４図図示の実施例を示す断
面図解図である。 図においては１０は高周波回路機器、１２はケ
ース、１８はセミリジツドケーブル、２８は溝、
３０は雄ねじ、３２は金属板を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 その内部に高周波回路が収容されたケースおよ
   び中心導体と露出された第１の外部導体とを有し
   かつ前記ケース内に機械的に固定される同軸線路
   を含む高周波回路機器であつて、 前記第１の外部導体を部分的に覆いかつ前記第
   １の外部導体に機械的電気的に固定接続された第
   ２の外部導体、 前記ケースの内壁に形成され前記同軸線路を受
   け入れる溝、 前記第２の外部導体に対応する位置に前記溝の
   対向する内壁面を利用して形成されこの溝の深さ
   方向に延びる雌ねじ、および 前記雌ねじに螺合されその先端で前記溝に収容
   された前記同軸線路を前記第２の外部導体を介し
   て固定的に保持する雄ねじを備えることを特徴と
   する、高周波回路機器。