JPH0342645Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は開閉器等よりなる電気機器に設けら
れる避雷器に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種の避雷器としては、例えば特公昭
59−32045号公報に記載されたものがあり、複数
のアレスタブロツク及び導電性コンタクトを弾性
体ハウジング内に収容し、その弾性力により互い
に圧接させた状態に保持している。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、この避雷器では、弾性体ハウジング
が樹脂あるいはゴムなどの有機絶縁物であれば、
外力で変形し易く、又、常時引張応力を受けるこ
とや、外部環境や径年劣化によつて弾力性が喪失
あるいは低下するので、電気的導通の安定的な維
持やアレスタブロツクの防湿上でも問題がある。

この考案は上記の問題点を解消するためになさ
れたものであつて、併せて点検や取り替えも容易
に実施できる避雷器を提供することにある。

考案の構成 （問題点を解消するための手段） 上記の目的を達成するために、非直線抵抗素子
の両端に一対の電極を設けるとともに、該両電極
の端部を除いて外部に弾力性に富む絶縁層を形成
してなる避雷ユニツトを、一端の開口部を通して
該避雷ユニツトを収容する空腔を形成してこの空
腔内に電気機器に接続する一対の固定端子を設け
た絶縁ハウジングの該固定端子間に、付勢した接
触子を介して装着する構成を採用している。

（作用） 非直線抵抗素子と両端電極とを絶縁被覆してな
る避雷ユニツトを、絶縁ハウジングの空腔内に収
容して一対の固定端子間に付勢して装着している
ので、電気的接続を安定的に維持するとともに、
非直線抵抗素子の吸湿を防ぎ、径年劣化を抑制す
る。

（実施例） 以下、この考案の避雷器１を具体化した一実施
例を第１図及び第２図に従つて説明すると、開閉
器などの電気機器（図示せず）の課電部にはゴム
などで形成した絶縁ハウジング２が設けられ、そ
の絶縁ハウジング２には一端に開口部３ａを設け
て空腔３が形成されている。この空腔３は閉塞端
側に向かつて若干小径となるテーパ状などに形成
されている。

空腔３の閉塞端及び開放端側には一端を延長し
てそれぞれ電気機器に接続する一対の固定端子
４，５が配設され、両固定端子４，５間には避雷
ユニツト１０が収容されている。閉塞端側の固定
端子４には接触面に凹部４ａが設けられて避雷ユ
ニツト１０の一端の電極１３のガイド端１３ａが
遊嵌されている。又、開放端側の固定端子５には
前記避雷ユニツト１０の収容時にその通過を許容
する挿入孔５ａが形成され、この挿入孔５ａには
ねじ５ｂを設け、このねじ５ｂには外周面に雄ね
じ９ａを設けた蓋状電極９が螺入されて、両固定
端子４，５間に避雷ユニツト１０を押圧状態で保
持させている。

前記蓋状電極９と避雷ユニツト１０の電極１４
間には該電極１４の凹部１４ａに嵌装されて圧縮
ばね７と該圧縮ばね７に被冠して付勢される帽体
８とをもつてなる接触子６が弾発力によつて避雷
ユニツト１０を両固定端子４，５に電気的に接続
させている。

前記避雷ユニツト１０は所定数（この実施例で
は２）の酸化亜鉛（ZnO）を主体とした非直線抵
抗素子１１と、集電板１２とが交互に配設され、
両電極１３，１４に挟持されて電気的に接続され
るとともに、各非直線抵抗素子１１、各集電板１
２及び両電極１３，１４がEPゴムなど弾力性に
富む絶縁層１５により電極１３，１４の端部を除
き被覆されて避雷ユニツト１０が構成されてい
る。又、この実施例では、非直線抵抗素子１１、
集電板１２及び両電極１３，１４の外周には、相
互間の接続界面を包蔵するように熱収縮性のゴム
チユーブなどを嵌装して加熱収縮させた内層１５
ａを予め設けた上でゴムモールドして前記絶縁層
１５を形成することにより、接続界面への絶縁物
の侵入を防止して、電気的接続の安定を図つてい
る。

絶縁層１５は前記絶縁ハウジング２の空腔３に
合わせて適宜にテーパ状などに形成され、この避
雷ユニツト１０が空腔３内に遊嵌あるいは圧入状
態で収容される。

絶縁ハウジング２の空腔３の開口部３ａに装着
された密閉栓１６は絶縁性の樹脂又はゴムにより
着脱用の一対のつまみ１６ａを設けて形成され、
その外周面に形成した係合突起１６ｂが絶縁ハウ
ジング２の内周面に形成した係合溝２ａに係合さ
れることにより開口部３ａに着脱可能に装着され
ている。

上記のように構成された避雷器１は絶縁ハウジ
ング２の開口部３ａから固定端子５の挿入孔５ａ
を通して避雷ユニツト１０を必要に応じてシリコ
ングリース等の絶縁性潤滑剤を塗布した上で空腔
３内に挿入して閉塞端側電極４の凹部４ａへ避雷
ユニツト１０の電極１３のガイド端１３ａを遊嵌
させる。

次いで、避雷ユニツト１０の他端の電極１４に
圧縮ばね７と帽体８とを嵌装して固定端子５の挿
入孔５ａに蓋状電極９を螺入し、前記帽体８に当
接させて締付けると、避雷ユニツト１０が空腔３
内で固定端子４，５間に弾発的に付勢されて接
続、保持される。９ｂは締付用工具の嵌合孔、９
ｃは締付時に帽体８を蓋状電極９より離間して保
持させる工具の貫通孔である。避雷ユニツト１０
の装着後前記貫通孔９ｃに皿バネ１７などを介し
てボルト１８を螺着して封口する。

この避雷器１は雷サージが侵入した時には、開
閉器やそれに連なる電路や各種の機器を保護する
ことができ、又、過大雷サージで非直接抵抗素子
１１が爆砕されても、該非直線抵抗素子１１は弾
力性に富む絶縁層１５に被覆され、さらに、絶縁
ハウジング２に包蔵されているので、爆発のエネ
ルギーが弾力層で吸収あるいは緩和されて飛散力
が抑制され、絶縁ハウジング２が破口して放圧し
ても、外部へ爆発的に噴出あるいは飛散しないの
で被害が開閉器に及ぶことはなく、周辺機器の安
全を確保することができる。

又、避雷ユニツト１０を絶縁ハウジング２内に
着脱自在に収容しているので、経年や過大な雷サ
ージで避雷ユニツト１０が劣化あるいは破損して
も密閉栓１６を取外し、簡単に取出して点検する
ことができ、避雷ユニツト１０のみを新しいもの
と容易に交換することができる。

さらに、絶縁層１５と絶縁ハウジング２との二
重構造によつて非直線抵抗素子１１と外気との接
触を断つているので、湿気や水分の侵入を効果的
に防止して非直線抵抗素子１１の吸湿劣化を防止
できる。

考案の効果 以上詳述したように、この考案では、外部環境
や経年等による避雷器の吸湿劣化や、導通の不良
化を防止して、避雷器機能を安定的に維持でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した一実施例を部分
的に破断して示す正面図、第２図は第１図のＡ矢
視図である。 １……避雷器、２……絶縁ハウジング、３……
空腔、３ａ……開口部、４，５……固定端子、６
……付勢した接触子、７……圧縮ばね、８……帽
体、９……蓋状電極、１０……避雷ユニツト、１
１……非直線抵抗素子、１３，１４……電極、１
５……絶縁層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 非直線抵抗素子１１の両端に一対の電極１
   ３，１４を設けるとともに、該両電極１３，１
   ４の端部を除いて外部に弾力性に富む絶縁層１
   ５を形成してなる避雷ユニツト１０を、一端の
   開口部３ａを通して該避雷ユニツト１０を収容
   する空腔３を形成してこの空腔３内に電気機器
   に接続する一対の固定端子４，５を設けた絶縁
   ハウジング２の該固定端子４，５間に、付勢し
   た接触子６を介して装着したことを特徴とする
   避雷器。 ２ 前記絶縁層１５は非直線抵抗素子１１及び両
   電極１３，１４相互間の接続界面を包蔵して熱
   収縮させた内層１５ａを備えたものである実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の避雷器。 ３ 付勢した接触子６は圧縮ばね７を該圧縮ばね
   ７に被冠した帽体８をもつてなる実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の避雷器。