JPH0342079Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は、紙、パルプ業界において用いるパル
パーから異物を自動的に除去させる装置。詳しく
はパルパー槽内の原料に混入する大形異物を細分
化して排出管により選別槽へ送り、管路の詰まり
を生じないようにしてパルパー連続操業を可能に
した装置に関する。

（従来の技術） 本考案者は、先に実公昭61−33037号に係るパ
ルパーから異物を自動的に除去する装置を考案し
た。この装置は、パルパーにおける槽の内部へ溜
まつた異物を排出し易い個所に連結した異物排出
管と、この排出管に設けて原料の処理中は閉じさ
せ、処理後の異物排除時に開かせる弁と、前記異
物排出管を接続して排出異物を送入し、該異物か
ら残存紙料を分離して、スクリーンプレートを通
し紙料室へ送り出させる選別槽と、この選別槽内
に前記スクリーンプレートの近くで回転する様に
設けたインペラと、前記選別槽に溜まつた異物を
水分離装置へ送らせる管路と、前記紙料室に送ら
れた紙料をパルパーへ戻させる管路と、前記水分
離装置により異物より分離された水を前記選別槽
へ戻させる管路とを備えさせた構成のものであ
る。

（考案が解決しようとする問題点） 前記した従来の装置は、パルパーの槽内に異物
が溜まると、異物排出管の弁を開いて異物を選別
室へ送り出すが、この際、大形異物が混入してい
ると、これが排出管の入口部や途中に詰まつて異
物の排出を阻害するため、この場合はパルパーの
運転を止めて排出管に詰まつた異物を除去しなけ
ればならないから、パルパーの連続可動によりそ
の能力をフルに発揮させようとする目的が達成さ
れない問題点があつた。

本考案は、前記した従来の問題点を解消するた
めになされたもので、パルパー槽内の大形異物を
スクリーンプレートに開口する排出管の管端とロ
ータにより細分化して選別室へ送り出すことによ
り、排出管への異物の詰りをなくして、パルパー
の連続可能によりその効率をフルに発揮させ得る
パルパーからの異物自動除去装置を提供すること
を目的としている。

ロ 考案の構成 （問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するための本考案の手段は、槽
の下部にロータに対応するスクリーンプレートを
配設し、このスクリーンプレートの一部に異物排
出管の一端を開口させたパルパーと、前記した異
物排出管の他端を接続して排出異物を送入し、該
異物から残存原料を分離して、スクリーンプレー
トを通し紙料室へ送り出させる選別槽と、この選
別槽内に前記スクリーンプレートの近くで回転す
る様に設けたインペラと、前記選別槽に溜まつた
異物を水分離装置へ送らせる管路と、前記紙料室
に送られた紙料をパルパーへ戻させる管路と、前
記水分離装置により異物より分離された水を前記
選別槽へ戻させる管路とを備えさせた構成にあ
る。

（作用） 前記のように構成される装置は、パルパーの槽
内に原料を投入して、ロータの回転により離解を
行うと、原料に混入する軽質の大形異物は離解中
に一部原料と共にロータに吸引されてスクリーン
プレート側へ流動し、スクリーンプレートの一部
に開口させた異物排出管へ流入する。すると、そ
の上で高速回転しているロータが排出管の管端と
で剪断作用を発揮して大形異物を細かく切断する
から、異物は排出管の入口部にも途中にも詰まる
ことなく排出管内を順調に通過して選別槽内へ送
入され、ここではインペラが回転して、水分離装
置から送られる白水中においてより原料と異物の
混合物を稀釈すると共に洗滌して、異物に付着す
る原料を除去しながら原料を離解し、離解原料を
インペラの回転により目詰まりを防止されるスク
リーンプレートを通して紙料室へ送り、紙料室よ
り戻し管を経てパルパーの槽へ戻す。一方選別槽
内に残つた異物は水分離装置へ送られ、これを流
下する間に白水を除かれて受部に落下堆積する。
又、異物から分離された白水は、前述の通り選別
槽内へ戻され、選別槽内の原料と異物との混合物
を稀釈して、その流動性を良好に保つため、水分
離装置への異物の圧送も詰まりを生じないように
円滑に行われるものである。

（実施例） 図面第１図は第一の実施例を示すもので、この
例において１はパルパーＡの槽で、その底部中心
にモータ（図面省略）により回転されるロータ２
を設け、ロータ２の下側にはスクリーンプレート
３により槽１と区画された紙料室４を設け、この
室４にポンプ５により離解された紙料を吸出する
紙料の送出管６を接続してある。

７は前記したパルパー槽１におけるスクリーン
プレート３の一部分に、第４図の拡大平面図に示
すように一端を開口させた異物排出管で、内径が
100〜200mmの大径のものを用い、第４図の拡大断
面図に示すようにその端末を前記インペラ２に接
近させて、インペラとの協働により異物の剪断作
用を果たすようにしてあり、該排出管７の途中に
はブレードレスとして異物を詰まらせないように
したポンプ８と自動弁９とを設けてある。

１０は異物と原料の選別槽で、前記パルパーＡ
の槽１から異物をポンプ給送される位置に配置
し、その上部に前記した異物排出管７の他端を接
続してパルパーＡの槽１から排出された異物が送
入されるようにしてあり、この選別槽１０の上側
にはスクリーンプレート１１により紙料室１２を
区画形成し、該室１２に先端を前記パルパーＡの
槽１の開口に臨ませた自動弁１３を備える原料の
戻し管１４を連結し、前記したスクリーンプレー
ト１１の下部には、これに近接してインペラ１５
を設け、このインペラ１５をモータ１６により40
ｍ／sec程度の速度で回転させるようにし、更に、
前記選別槽１０の下部には自動弁１７を備える異
物の排出管１８を接続して、その基端側に異物溜
１８設け、上部にはポンプ１９と自動弁２０とを
備える白水の戻し管２１を接続してある。

尚、前記した選別槽１０におけるインペラ１５
の軸受２２には、第５図に示すように高圧水の圧
入管２３を接続し、軸の周りから高圧水を噴射さ
せて、これによりインペラ１５や軸に絡み付く異
物を排除させて、インペラ１５の連続作動が保障
されるようにする。

２４は傾斜フイルター式等の水分離装置で、そ
の始端側に前記排出管１８の先端を臨ませて異物
を供給し、終端へ流下させる間に異物から白水を
分離して白水槽２５へ集め、前記した戻し管２１
により前記選別槽１０へ戻し、異物はその受部２
６へ落として溜めるようにしたものである。

第５図は第二の実施例を示すもので、この実施
例は、選別槽１０がパルパーＡの槽１から落差で
原料を給送される位置に配置されるため、排出管
７にはポンプ８がなく、選別槽１０の排出管１８
にポンプ２７と弁１７が設けられる以外、他の部
分の構成は第一の実施例と同様であるから、同一
部分に同一符号を付して説明は省略した。

ハ 考案の効果 前記のように構成される本考案の装置は、パル
パー内の原料に混入する異物がスクリーンプレー
ト側へ流動すると、排出管へ流入してその管端と
インペラとにより剪断作用を受けて細分化され、
排出管を経て選別槽へ送られるため、パルパーに
よる原料の離解中に異物は自動的に槽外へ排除さ
れて、異物排除のためにパルパーの運転を止める
必要がないから、連続可動によりパルパーの能力
をフルに発揮させると共に、異物排除に全く人手
は不要で省力化が計られるため、先願において果
たし得なかつた、目的を完全に達すことができ
る。

パルパー槽から排出された異物を、一部の原料
と共に選別槽へ送つて異物と原料の稀釈、洗滌、
離解を行わせて、異物から選別した原料は再びを
パルパーへ戻して回収するため無駄にならず、
又、異物の除去後、パルパー槽へ戻された原料
は、異物による離解の障害が少ないため、離解効
率が良くなる。

選別槽において原料を除かれた異物は、分離装
置へ送つて白水を分離し、これを分離槽へ稀釈水
として戻し、異物の水洗により付着する原料の完
全な分離を計ると共に、分離後の排出原料や異物
の濃度を稀釈により極力薄くするから、これらが
管路へ詰まることがなく順調に送給されて円滑な
処理を可能とする。等の特有の効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に関する装置の第一の実施例を
示す概要縦断側面図。第２図は同上における一部
に異物排出管を開口させたスクリーンプレートと
ロータとを示す拡大平面図。第３図はインペラと
スクリーンプレートと異物排出管との位置関係を
示す断面図。第４図は同上の拡大縦断側面図。第
５図は第二の実施例を示す概要縦断側面図であ
る。 Ａはパルパー、１は槽、２はインペラ、３はス
クリーンプレート、４は紙料室、７は異物排出
管、１０は選別槽、１１はスクリーンプレート、
１２は紙料室、１５はインペラ、１４，１８，２
１は管路、２４は水分離装置である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 槽の下部にロータに対応するスクリーンプレー
   トを配設し、このスクリーンプレートの一部に異
   物排出管の一端を開口させたパルパーと、前記し
   た異物排出管の他端を接続して排出異物を送入
   し、該異物から残存原料を分離して、スクリーン
   プレートを通し紙料室へ送り出させる選別槽と、
   この選別槽内に前記スクリーンプレートの近くで
   回転する様に設けたインペラと、前記選別槽に溜
   まつた異物を水分離装置へ送らせる管路と、前記
   紙料室に送られた紙料をパルパーへ戻させる管路
   と、前記水分離装置により異物より分離された水
   を前記選別槽へ戻させる管路とを備えさせたこと
   を特徴とするパルパーからの異物自動除去装置。