JPH0742484Y2

JPH0742484Y2 - 竪型固液分離機

Info

Publication number: JPH0742484Y2
Application number: JP1989075994U
Authority: JP
Inventors: 輝久島田; 武志荒川
Original assignee: 株式会社タナカ
Priority date: 1989-06-28
Filing date: 1989-06-28
Publication date: 1995-10-04
Anticipated expiration: 2004-06-28
Also published as: JPH0315609U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、たとえば、合成繊維のチップ、プラスチック
のペレットや、破砕された固形物などの固体と水との分
離に利用される竪形固液分離機に関する。

（従来の技術）合成繊維の原料であるポリマーのチップや、プラスチッ
クのペレットなどの固体と、水をはじめとする液体との
混合物、すなわち固液から、チップやペレットなどと液
体とを分離するために各種の固液分離機が使用されてい
る。本考案が対象としている竪形固液分離機（以下単に
分離機という）は、機構が簡単なうえ、能率が高いため
に、広く用いられている。

この分離機では、ケーシングの内側に固液を分離するた
めのスクリーン筒が設けられ、その下端は、ケーシング
の底面に密着固定されている。スクリーン筒の内側に
は、外表面に掻取羽根が取付けられたロータが設けら
れ、運転中は、このロータが高速で回転する。そうし
て、スクリーン筒の下部からスクリーン筒の内側へ、固
液が供給される。固液は、ロータによる遠心力でスクリ
ーン筒の内面に押付けられ、液体はスクリーンを通り抜
け、固体は内側に残されて、固体と液体とが分離され
る。内側に残された固体は、ロータに取付けられた掻取
羽根で掻取られつつ、スクリーン筒とロータとの隙間を
上方へと送られ、スクリーン筒上部の固体取出口から取
出される。一方、液体は、スクリーン筒とケーシングと
の間を下降し、ケーシングの下部に設けられている排液
口から排出される。

（考案が解決しようとする課題）上記の分離機は、もともと長時間の連続運転を前提に設
計された、能率のよい装置であった。ところで、この分
離機では、たとえば処理すべき固液の種類を切替えるた
めに、固液の供給を止めると、大部分の固体は掻取羽根
で上方に運ばれて固液取出口から機外へ取出され、液体
は下部の排液口から排出されてる。しかし、ロータの下
端とケーシングの底面との隙間などにあった一部の固体
が、ロータの掻取羽根に掻取られず、従って、ケーシン
グの底に残され、品種切替えによって供給される異なっ
た種類の固体中に不純物となって混入していた。

従来は、合成繊維は、大量少品種生産が主流であったた
めに、品種切替えの機会が少なく、また品種切替えに際
し、たとえ多少他の品種が混入しても、大量生産である
がゆえに大きな問題を生ずることなく、大目にみられて
いた。

ところが最近、少量多品種化傾向が進み、しばしば品種
の切替えが行われ、さらに製品の高級化傾向のために、
不純物の混入が極端に嫌われるようになり、従来のまま
では、通用しなくなった。

これに対し当初は、スクリーン筒の下部にゲートを設
け、品種切替えの都度、ロータの回転を止め、スクリー
ン筒内に洗浄水を噴射して残留している固体を洗い出
し、上記のゲートからスクリーン筒の外側へ、さらに排
液口から機外へと排出していた。しかし、ロータのため
に作業者は中に入れず、操作が厄介な上、特に底部の狭
い隙間に残った固体の洗出し効果が完全ではなかった。

そこで、装置の設計を変更してジャッキを取付け、ロー
タをリフトできるようにして、底部の隙間などに残った
固体を排出しやすいようにする考案がなされた。しか
し、品種切替えの際の作業は従来と変わらず厄介な上、
ジャッキを取付けたため、装置がコストアップするとい
う課題を生ずることになった。

そこで、本考案では、このような課題を解決し、固液の
切替えに際し、残存する固体の排出を極めて容易に行う
ことができ、しかも装置コストのアップを最小限に押さ
られる分離機を提供せんとするのである。

（課題を解決するための手段）円筒状のケーシングと、該ケーシング内に固定して設け
たスクリーン筒と、該スクリーン筒内に設けた、外表面
に掻取羽根が取付けられている円筒状のロータと、前記
スクリーン筒の下部に設けた固液供給口と、前記スクリ
ーン筒の上部に設けた固体取出口と、前記ケーシングの
下部に設けた排液口とを有する竪形固液分離機におい
て、前記ロータ内側の前記ケーシング底部に、機内に残
存する固体を排出するための、洗浄液の噴射器を設けた
ことを提案するのである。

（実施態様）以下に本考案を、実施態様をあげて、図面を参照しつ
つ、更に詳しく説明する。

図面は、本考案の実施態様に係る分離機の概略一部断面
正面図である。

図面に示された分離機においては、円筒状のケーシング
１の内側に、円筒状のスクリーン筒２がケーシング１の
底面３に密着固定されており、スクリーン筒２の内側に
は、そのスクリーン筒２の中心軸と同じ位置に回転中心
軸を有するロータ４が設けられている。ロータ４には、
掻取羽根５が設けられている。スクリーン筒２の下部に
は、そのスクリーン筒２の内側に固液を供給するための
固液供給口６が設けられ、また、上部には固液取出口13
が設けられている。また、ケーシング１の下部には、排
液口７が設けられている。

固液供給口６からスクリーン筒２とロータ４との間隙部
に送込まれた固液は、ロータ４による遠心力でスクリー
ン筒２の内面に押付けられる。そうして、液体はスクリ
ーン筒２を通り抜け、固体は内側に残されて、固液が分
離される。内側に残された固体は、ロータ４の掻取羽根
５で掻取られつつスクリーン筒２とロータ４との隙間を
上方へと送られ、固体導出口13から機外に取り出され
る。一方、液体は、スクリーン筒２とケーシング１との
間を下降し、ケーシング１の底部の排液口７から排出さ
れる。ケーシング１の下部には、ロータ４を支持するた
めの軸受８があり、また、ロータ４の内側のケーシング
１底部に、噴射口10を備えた、二重円筒型の噴射器９が
設けられている。

そうして、この噴射器９の噴射口10から、洗浄液（通常
は、水）を噴射できるように、これに洗浄液を供給する
ための洗浄液配管11と電磁弁12とが設けられている。

品種切替えなどの際の標準的な操作を説明する。まず、
固液の供給を止めた後、洗浄液配管11の電磁弁12を開く
と、噴射口10から洗浄液が噴射される。そのまま数分
間、洗浄液を噴射し続けると、底面３などの固液分離機
内に残存する固体はスクリーン筒２の方へ押しやられ、
流動化されて、掻取羽根５でスクリーン筒２の上方に運
ばれ、機外に排出される。洗浄液は、排液口７から排出
される。この間、ロータ４の回転を止める必要はない。

実施態様では、図面に示されるような二重円筒型の噴射
器が配設さるものとしたが、噴射器は、たとえばリング
状の配管に多数の小孔を配して噴射口としたようなもの
であってもよい。もっとも、このような噴射器を用いる
場合には、液体が軸受などに流れ込まないよう、内側
に、たとえば円筒状の堰を設ける必要がある。換言すれ
ば、実施態様における二重円筒型の噴射器は、このよう
な堰の役目も果している。

洗浄液の量と噴射方向は、分離機の底面、および底面に
近い部分の構造などをよく検討し、内部の残存固体をス
クリーン筒２の方へ押しやるとともに、流動化しやすい
ように決められる。

本考案にかかる分離機では、残存固体はスクリーン筒上
部の固体取出口から排出されるので、従来、設けられて
いた前記のスクリーン筒下部のゲートは必要がない。

（実施例）ポリエステルの重合装置から取出されるストランドを、
水中でカットしたチップとなし、そのチップと水との分
離に、ケーシングの外径約１メートル、高さ約2.5メー
トルの、実施態様に示した分離機を使用した。

品種切替えに際し、チップと水との混合物の供給が止め
られると、機内のチップの大部分は、ロータ４の掻取羽
根５によって上方へと送られ、上部の固体取出口13から
取出された。水は、底部の排液口７から排出されたが、
スクリーン筒２の底部にチップが残存していた。

そこで、洗浄液配管11の電磁弁12を開き、噴射器10の噴
射口10から機内に水を約２分半の間、噴射した。この噴
射によって、残存していたチップは、掻取羽根５によっ
て上方に運ばれ、スクリーン筒２の上部の固体取出口13
から機外に排出された。ロータの回転を止めて、機内を
点検したが、残存するチップは見当たらなかった。この
作業は、洗浄液配管11の電磁弁12の操作だけで実施さ
れ、従来の装置のように、スクリーン筒のゲートを開い
たり、ホースを機内に挿入する厄介な作業がなく極めて
スムーズに、短時間で終了した。

（考案の効果）本考案に係る分離機は、ケーシングの底部でかつ、ロー
タ内に、洗浄液の噴射器を備えているので、その噴射器
から洗浄液を噴射するだけで、たとえば上述した品種切
替え時に、排出されないで機内に残存するチップやペレ
ットなどの固体を、機外に容易に排出できる。この排出
操作は、簡単で短時間に終了し、また自動化も容易であ
るから、操業率の向上や労務費の削減ができるようにな
る。また従来、排液口から排出されて製品にならなかっ
た残存固体が、製品として回収されるようになるから、
収率向上にも寄与する。さらに、リフトやゲートなどが
不要であるから、装置コスト等の上昇を抑えられる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施態様に係る分離機の概略一部断面
正面図である。１……ケーシング、２……スクリーン筒３……ケーシング底面、４……ロータ５……掻取羽根、６……固液供給口７……排液口、８……軸受９……噴射器、10……噴射口 11……洗浄液配管、12……電磁弁 13……固体取出口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ０４Ｂ 5/12 15/06

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】円筒状のケーシングと、該ケーシング内に
固定して設けたスクリーン筒と、該スクリーン筒内に設
けた、外表面に掻取羽根が取付けられている円筒状のロ
ータと、前記スクリーン筒の下部に設けた固液供給口
と、前記スクリーン筒の上部に設けた固体取出口と、前
記ケーシングの下部に設けた排液口とを有する竪形固液
分離機において、前記ロータ内側の前記ケーシング底部
に、機内に残存する固体を排出するための、洗浄液の噴
射器を設けたことを特徴とする竪形固液分離機。