JPH0341774B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、流状物の定量分配装置（デイスペン
サ）に関する。そこで、流状物とは少なくとも分
配操作時において分配のために充分な流動性を有
する、スラリー、クリーム、マヨネーズ、ジヤ
ム、ケーキ・ドウのような半固体あるいは半ゲル
状物質を総称する。チクソトロピツク性物質のよ
うな分配操作後固化するものは勿論この範疇に含
まれる。

［従来の技術］ 本発明と同様の目的および機能を有する公知の
装置は、供給ホツパー、計量ポンプおよび吐出ノ
ズルを回転三方弁で一体に結合したものが一般的
であつた。こうした装置において、計量ポンプ、
吐出ノズルおよび三方弁内の流路を複数として生
産性を向上させたものも又公知である。

［発明が解決しようとしている問題点］ 公知装置において、三方弁内の流路を数多くす
る場合、その回転ユニツトの直径を大きくしなけ
ればならないことがあり、切替時の回転ユニツト
の外周におけるハウジングに対する相対変位の大
きさは、それに従つて大きくなる。生産性を向上
させるため回転数を大きくすれば、摩擦熱による
温度の上昇も無視出来ず、被分配物質を変質させ
る恐れがある。この事は、特に医薬をゼラチンカ
プセルに充填する際に使用するデイスペンサの場
合、配慮が必要なことである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、上記した公知装置の欠点を克服する
ことを目的とするもので、可動部品の変位量を出
来るだけ小さくすることでこの目的を達成した。
即ち、本発明によれば、流路切替素子と、これを
その規則的変位を許容しながら嵌合保持するハウ
ジングと、該変位を生じさせる手段との組合わせ
よりなる流路切替ユニツト、該ユニツト配置され
た供給ホツパー、計量手段、排出手段およびこれ
らの間の連通のための導管を含む流状物定量デイ
スペンサにおいて：(a)上記変位が該流路切替素子
の該ハウジング内での直線的往復運動であるこ
と、(b)該流路切替素子が、該供給ホツパーと計量
手段とを連通する複数の第一の管路と、これと独
立の該計量手段と排出手段とを連通する複数の第
二の管路とを有するものであること、(c)該ハウジ
ングが、前記各管路に連通する複数の導管を有す
るものであること、(d)該計量手段が、取り扱うべ
き流状物の特性に適合しかつ斉一に動作する複数
のポンピング・ユニツトであること、および(e)該
複数の第一および第二の管路のおのおのが、該流
路切替素子内に、該変位距離にほぼ等しい間隔を
おいて、変位方向にほぼ直交する並行平面に沿つ
て配置された、それぞれ複数の管路の組であるこ
とを特徴とする流状物定量デイスペンサが提供さ
れる。

ここで該変位域の両端において、該第一および
第二の管路の組のいずれか一方が流通状態とな
り、他の一方が遮断状態となるようにしたものが
最も普通の実施態様である。

別の実施態様においては、該流路切替素子が、
追加的な第一の管路の組を有するものであり、該
追加的な第一の管路の組は、該変位域の一端にお
いて遮断状態となり、他端において流通状態とな
るが、該遮断状態にあるものを除く第一および第
二の管路の組のいずれもが、該変位域の両端にお
いて共に流通状態となるように構成されている。

さらに、該排出手段は導管内径より小さな内径
を有する吐出ノズルであることが分配所定量の変
動を少なくするうえで好ましい。また、流状物定
量デイスペンサは、少なくともその一部に、取り
扱うべき流状物の特性に応じた温度調節手段を備
えたものであることが、デイスペンサ内部での流
状物の固化を防止するために好ましい。

一方、該供給ホツパーには、所望により適当な
撹拌手段が備えられていることが、流状物の定量
供給および分配のために便利である。また、生産
性を向上するために、該第一および第二の管路の
組、計量手段、排出手段およびこれらを連通する
導管が、それぞれ複数設けられている。

［作用］ 前記構成における流状物定量デイスペンサ、可
動部材の変位量が小さく、発生熱量も小さいた
め、公知装置に比べて飛躍的に高速の運転が可能
となる。

［実施例］ 第１図は、本発明流状物定量デイスペンサーの
一実施例の要部の斜視断面を示すもので、中心と
なる流路切替ユニツト１０は、流路切替素子１６
を嵌合保持し、かつポンピング・ユニツト１８を
内蔵したハウジング・ブロツク１２となつてい
る。これを包囲して供給ホツパー１４、プランジ
ヤー・ブロツク２０および排出手段（吐出ノズ
ル）２８が配置されている。

第１図Ａの位置で、流路切替素子１６内に設け
られた管路群２２は、ホツパー１４とポンピン
グ・ユニツト１８とを、導管群１５およびシリン
ダ群２４を介して連通している。この状態で、ポ
ンピング・ユニツト１８の各シリンダ２４は、プ
ランジヤー・ブロツク２０の、図面矢印方向への
変位に応じて所定量の流状物を吸引してこれを貯
溜し、この状態に維持される。

この図において、流路切替素子１６は、その管
路２２を含む部分が、切り欠いて示されている。
そのため下側の２本の管路はシリンダ２４側部分
のみが描かれているが、これらが導管１５側とも
連通していることは言う迄もない。

第１図Ｂの斜視断面に示される位置において、
流路切替素子１６は、図面の矢印方向に、管路２
２の直径と管路の間隔との合計に等しい距離だけ
変位する。これにより、管路群２２はその両端が
閉鎖され、その代わりに、この奥に控えていた管
路群２６が、新たにシリンダ群２４と排出手段２
８に通じる管路群３０とを連通させる。図面に
は、管路群２６のうち２本だけが部分的に描かれ
ているにすぎない。しかし、この２本がシリンダ
２４側と連通していること、および隠された２本
も同様に連通していることは勿論である。また、
管路群２２および２６の裏側に、同様な管路群が
控えているのが普通である。

この状態で、プランジヤー・ブロツク２０を矢
印方向に移動させると、シリンダ群２４内に貯溜
されていた流状物は管路群２６および導管群３０
を通じて吐出ノズル群２８から排出される。

排出された流状物は、公知の手法で、対応する
位置に整列させた充填容器群（図示せず）、たと
えば医薬用カプセルに分配される。

説明の便宜上、図示の装置において、取り扱う
べき流状物は一切省略したが、ホツパー１４およ
び各種の管路内は、全て流状物で充填されている
ものと理解されるべきである。すなはち、充填の
完了するまでの１〜２サイクルは、吸入操作に関
しては過渡状態である。また、各管路の、ホツパ
ー１４から吐出ノズル２８に至る長さは、それぞ
れ異なるものであるが、上記所定量は、これによ
つて影響を受けない事も理解されるべきである。
上記所定量は、プランジヤー・ブロツク２０の変
位量のみによつて決定される。この変位は任意の
手段例えば確動カムによつてもたらされ、所定量
の調整は変位量の調節によつてなされる。流路切
替素子１６の規則的変位は、一定行程の往復運動
であり、ほぼ同様の手段たとえば確動カムなどで
達成されることは自明であり、説明を省略する。

第２図に、その断面を示す第二の実施例は流路
切替素子３６を三角柱として変形例で、素子内の
管路群４２および４８を直線とし、流動抵抗を最
小限にしたものである。管路群４２と４６とは紙
面と直交する変位方向に関し、切替素子３６内
に、並列に設けられている管路群を代表するもの
として示されている。その他の部分の構成は第一
の実施例と同様で、ハウジング３２、ホツパー３
４、導管群３５、ポンピング・ユニツト３８、プ
ランジヤー・ブロツク４０およびシリンダー群４
４を含むものである。

第２図Ａはその吸入サイクル、同Ｂは排出サイ
クルを示すもので、流路切替素子３６はサイクル
毎に紙面と直角方向に管路群４２または４６の径
より僅かに大きい距離だけ変位し、いずれかの管
路群を導通状態とする。すなわち、Ａにおいて、
切替素子３６は、その管路群４２を含む断面が示
されており、同Ｂの管路群４６を含む断面は覆わ
れている。

第３図は、本発明のさらに別の実施例を示す透
視説明図で、導管、管路およびシリンダーなどを
スケルトン式に示している。ここで、鎖線でその
輪郭を表わした切替素子５６は、第一の管路６２
および第二の管路６６の他に、追加的な第一の管
路６２′を有している。ポンピング・ユニツト５
８に含まれているシリンダ６４は、ホツパーに通
じる導管５５あるいは吐出ノズル６８に通じる導
管７０のいずれかに、管路６２あるいは６６によ
つて結ばれている。シリンダ６４は、プランジヤ
ー・ブロツク６０または６０′の変位によつて、
交互にその吸入あるいは排出サイクルとされる。

切替素子５６を、図面の矢印方向に変位させる
と、導管５５および７０のうち、これまで遮断さ
れていたものが、導通し、左端の管路６２′にか
わつて右端の管路６２が待機状態となる。

上記各実施例を通じ、排出手段は、通常吐出ノ
ズル群２８，４８または６８であるが、その内径
は管路群３０，５０または７０のそれより小さく
してある。これは不本意なスラリーの漏れ出しに
よる上記所定量の変動の減少に効果的である。

［効果的］ 本発明によれば、とりわけ、多数の管路を有す
る流路切替素子の変位量を小さくできる。このた
め、高速運転が可能で、取り扱う流状物の変質の
恐れのない流状物定量デイスペンサを構成するこ
とが出来ると言う工業的に重要な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは、それぞれ本発明の第一の実施
例の斜視断面図、第２図Ａ，Ｂは、それぞれ第二
の実施例の断面図であり、また、第３図は、第三
の実施例の透視説明図である。 １０……流路切替ユニツト、１２，３２……ハ
ウジング・ブロツク、１５，３５，５５……導管
群、１４，３４……ホツパー、１６，３６，５６
……流路切替素子、１８，３８，５８……ポンピ
ング・ユニツト、２０，４０，６０，６０′……
プランジヤー・ブロツク、２２，２６，４２，４
６，６２，６６……管路群、２４，４４，６４…
…シリンダー群、２８，４８，６８……吐出ノズ
ル、３０，５０，７０……導管群。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流路切替素子と、これをその規則的変位を許
   容しながら嵌合保持するハウジングと、該変位を
   生じさせる手段との組合わせよりなる流路切替ユ
   ニツト、該ユニツトに配置された供給ホツパー、
   計量手段、排出手段およびこれらの間の連通のた
   めの導管を含む流状物定量デイスペンサにおい
   て： (a) 上記変位が該流路切替素子の該ハウジング内
   での直線的往復運動であること、 (b) 該流路切替素子が、該供給ホツパーと計量手
   段とを連通する複数の第一の管路と、これと独
   立の該計量手段と排出手段とを連通する複数の
   第二の管路とを有するものであること、 (c) 該ハウジングが、前記各管路に連通する複数
   の導管を有するものであること、 (d) 該計量手段が、取り扱うべき流状物の特性に
   適合しかつ斉一に動作する複数のポンピング・
   ユニツトであること、および (e) 該複数の第一および第二の管路のおのおの
   が、該流路切替素子内に、該変位距離にほぼ等
   しい間隔において、変位方向にほぼ直交する並
   行平面に沿つて配置された、それぞれ複数の管
   路の組であること、 を特徴とする流状物定量デイスペンサ。 ２ 該変位域の両端において、該第一および第二
   の管路の組のいずれか一方が流通状態となり、他
   の一方が遮断状態となるものであることを特徴と
   する第１項記載の流状物定量デイスペンサ。 ３ 該流路切替素子が、追加的な第一の管路の組
   を有するものであり、該追加的な第一の管路の組
   は、該変位域の一端において遮断状態となり他端
   において流通状態となるが、該遮断状態にあるも
   のを除く第一および第二の管路の組のいずれも
   が、該変位域の両端において、共に流通状態とな
   ることを特徴とする第１項記載の流状物定量デイ
   スペンサ。 ４ 該排出手段が導管内径より小さな内径を有す
   る吐出ノズルであることを特徴とする第１項記載
   の流状物定量デイスペンサ。 ５ 取り扱うべき流状物の特性に応じた温度調節
   手段を備えたことを特徴とする第１項記載の流状
   物定量デイスペンサ。 ６ 該供給ホツパーに撹拌手段が備えられている
   ことを特徴とする第１項記載の流状物定量デイス
   ペンサ。