JPS6344951B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は所定の容積比に応じて液体を圧送す
る装置に関し、特に、所定の流量比で粘性液体を
圧送する装置に関する。

所定の、しかもかなり正確な比率によつていく
つかの液体を移動することは業界で永く希求され
ていた。特に２種以上の液体成分が予め定められ
た所要の比率をもつて混合されるような分野で望
まれていた。それは例えば、塗料の顔料成分と塗
料基剤との適切な混合における場合である。近
年、活性触媒成分と基剤成分とを有するエポキシ
その他の物質の普及が、それらの各成分は分離し
ていると不活性であるが、混合されると高度に反
応的になるので、比率配合装置に新しい需要を与
えた。このような物質は、使用される以前に、早
まつた硬化（curing）とその他の不利な結果を避
けるために、各個の成分の注意深い分離を必要と
している。このような成分は、典型的に完全に分
離して、物理的に分離された独立のポンプシステ
ムによつて取り扱われており、それらの成分が同
時的に混合されて最終完成生成物になる共通の集
配点に圧送される。短い硬化時間は混合された物
質の速やかな使用を必要とする。このような複数
成分の比例配合の一般的な装置は、適比の要求に
応じた寸法の計量シリンダを使用し、このような
シリンダ内の各ピストンを単一の駆動源に共通的
に接続することによつて果される。比例配合装置
の他の例が1976年７月６日に公告され、本発明の
譲受人によつて得られた米国特許第3967634号に
開示されている。この特許は、可変レバーアーム
によつて多数の計量シリンダに接続された往復す
る駆動モータを開示しており、そこでは駆動源に
よる往復動によつて各計量シリンダの正確に測ら
れた所定のストロークをもたらし、かくてストロ
ークの調整に基づいて種々の体積流量比率が与え
られる。

反応性物質の組成物（Component）を混合し
かつ塗布する際に用いられる液体計量比率配分圧
送装置においては、組成物を混合する前に個々の
組成物を物理的に分離したままにしておくことが
必要である。更に、このような組成物が例えば塗
料スプレーガン等で間欠的に塗布される装置にお
いては、スプレーガンあるいはアプリケータが閉
じている時、装置は一時的に「閉塞された圧力」
状態を保つことが必要である。この場合、装置内
に背圧が生じ、その背圧は装置の「停止」状態に
おいてその装置における駆動部に何ら影響を与え
ないように解放あるいは補償されなければならな
い。電動モータあるいは他の同様な原動機を用い
る場合、装置の「停止」状態においてモータの作
動を止めるために電気的な停止回路を設けなくて
はならない。空気作動式の駆動モータは「停止」
状態において圧送ポンプ側に生ずる背圧と無理な
く平衡するする特有の適応能力を有するので、利
用可能な場合には、このような装置にこのモータ
を用いることが望まれる。

本発明の装置は各液体組成物を圧送する２個以
上の往復ポンプを含み、このポンプは往復油圧モ
ータにより機械的に駆動される。各油圧モータは
それぞれの計量シリンダから供給された所定比率
の油圧油により連続的に往復駆動され、各シリン
ダは往復空気モータに連結された共通の連結部材
により駆動される。空気モータに導入された空気
圧によつて油圧計量シリンダから所定の流量の油
圧油が各往復油圧モータに送り出される。その流
量は計量シリンダの相対的な大きさ（直径）の比
によつて決められ、油圧モータの往復運動の速度
はそこに圧入される油圧油の流量によつて決めら
れる。本装置によればそれぞれの液体組成物は油
圧モータを駆動するのに利用される計量シリンダ
の大きさと同じ比率に応じて圧送される。

従つて、本発明の主な目的は、２種以上の液体
を所定の体積比率を保つて別々に一つの集配点ま
で圧送するための合理的な比率配分圧送装置を提
供することである。

本発明の他の目的は、各液体を個別に移送する
往復ポンプにそれぞれ駆動用の油圧往復モータを
連結するとともに、その油圧油系統にそれぞれ油
圧油の計量と圧送とを兼ねた所定比率に応じた大
きさの複動型ピストンシリンダを設け、所定の体
積（又は流量）比率を保つて送出される圧油によ
つて各油圧往復モータ、従つて各液体移送往復ポ
ンプを同時に作動し、所定の流量比率を保つて複
数の液体をその集配点まで連続的に圧送すること
にある。

本発明のさらに他の目的は、前述のように油圧
油系統を設け、かつ計量シリンダでは所定比率で
圧送すべき液体を直接に計量するのでなく、油圧
油を計量し、その流量比を液移送ポンプの送液量
に関連させる構成によつて、相互に反応性の高い
組成液を最終の集配点に至るまでは可及的に互い
に近づけず、早期の接触や不測の反応の生起を十
分に回避することにある。

本発明の別の目的は、前記各油圧油系統、すな
わち複数の計量ピストンシリンダを作動させるの
に単一の空気モータを用い、空気モータの有する
出口側と入口側の空気圧力の自然平衡性を利用
し、かつ前記中間の油圧伝動系統にこの主動空気
モータの平衡状態下で適度の内圧を維持させるこ
とによつて、液体の集配点からの放出が一時的に
停止されるような場合にも圧送装置全体に何ら悪
影響を生ぜず、しかも液体放出の再開が直ちに所
定比率条件を満たして開始されるようになした比
例配分圧送装置を提供することにある。

本発明のもう一つの目的は、前記空気モータの
駆動用圧縮空気導入管に空気レギユレータを付設
することによつて、空気圧や単位時間空気供給量
等を変更して、液体の圧送量を所定体積比の保持
された状態にもとで、ある適度可変とした比率配
分圧送装置を提供することである。

次に本発明の一実施例を図面に従つて説明する
と、図中、１０は本発明の特徴を具体的に表わす
圧送装置であつて、第１の容器１２には第１の塗
料組成物等の粘稠な材料が入つており、第２の容
器１４には第２の塗料組成物等の第２の材料が入
つている。往復ポンプ１３が容器１２の液体の内
に浸漬されており、このポンプ１３が作動すると
液体は流出管１６を介して図示矢印方向に圧送さ
れる。同様にして、往復ポンプ１５が容器１４の
液体の内に浸漬されており、ポンプ１５が作動す
ると液体は流出管１８を介して図示矢印方向に圧
送される。流出管１６の液体はバルブ２０を介し
てマニホールド２５まで運ばれ、一方、流出管１
８の液体はバルブ２２を介してマニホールド２５
まで運ばれる。バルブ２０，２２はレバー２１に
より同時に操作され、マニホールド２５には流出
管１６，１８からの液体組成物が同時に満たされ
る。マニホールド２５の下流側にはミキサー２４
が連結されており、液体組成物がミキサーを通過
する際にそれを完全に混合するように形成されて
いる。ミキサー２４の出口にはホース２６が連結
され、混合された液体はこのホース２６を介して
図示しないスプレーガン等の噴霧装置又はアプリ
ケータに送られる。

ポンプ１３は往復油圧モータ２７により駆動さ
れ、モータ２７は図示矢印方向から管３２を介し
て油圧油を受け入れ、排出管３４を介して図示矢
印方向に油圧油を排出する。同様にして、ポンプ
１５は往復油圧モータ２９により操作され、モー
タ２９は図示矢印方向で示されるように管３６を
介して油圧油を受け入れ、排出管３８を介して油
圧油を排出する。

油だめ３０には排出管３４，３８からの排出油
が還元され、給油管４０に油を送り出す。給油管
４０はマニホールド４２に連結され、マニホール
ド４２は計量シリンダ４４，４６の入口に連結さ
れている。シリンダ４４の往復ピストンはロツド
４５に連結され、シリンダ４６の往復ピストンは
ロツド４７に連結されている。ロツド４５，４７
はアーム４９によりシヤフト４８に連結されてい
る。シヤフト４８は空気モータ５０の一部をな
し、空気導入管５２を介して圧縮空気が圧入され
るとシヤフト４８が往復するように形成されてい
る。空気モータ５０に導入される空気圧を制御す
るためにレギユレータ５４を配設してもよい。空
気モータ５０は図示しない排気口を有し、空気圧
によりシヤフト４８を往復運動させる内部バルブ
装置を有する。計量シリンダ４４，４６はポンプ
１３，１５から所望のポンプ比を得るように選択
される。例えば、ポンプ１３とポンプ１５から圧
送される液体の比が１：２であるとき、シリンダ
４４の内部断面積がシリンダ４６の内部断面積の
１／２に等しくなるように設計される。もちろん、
ポンプ１３，１５から圧送される液体の比を調節
及び変更する場合は、計量シリンダ４４，４６の
大きさを変えるとともに、ポンプ１３，１５の大
きさもそれに対応させて変えることにより行なわ
れる。例えば、ポンプ１３のポンプ能力（流量）
がポンプ１５の能力の1/3であるように選択され
るとともに、計量シリンダ４４，４６の大きさの
比を１：２となるように選択される場合、流出管
１６，１８を流れる液体の容積比が１：６とな
る。

容器１２はそのポンプ及び駆動モータととも
に、容器１４、及びそのポンプ、駆動モータから
離して配置してもよく、更に、空気モータ５０及
びその関連装置とも離して配置してもよい。すな
わち各部品を連通する管体は油圧管であるので管
長を相等量延ばすことができる。同様にして空気
モータ５０とその関連装置はポンプ１３，１５の
どちらかあるいはその両方から物理的に分離して
もよく、更にバルブ２０，２２、マニホールド２
５、ミキサー２４からなる塗布部から分離しても
よい。

次に本例の装置の作用を説明すると、まず空気
モータ５０に圧縮空気が導入されると、モータ内
のピストンが往復し、それによつて計量シリンダ
４４，４６のロツド４５，４７が往復する。ロツ
ド４５，４７が上昇する際、油圧油が吸込マニホ
ールド４２を介して計量シリンダ４４，４６に吸
込まれ、管３２，３６を介して計量シリンダ４
４，４６から圧送される。逆にロツド４５，４６
が下降する際には、シリンダ４４，４６に吸込ま
れた油圧油が管３２，３６を介して外に圧送され
る。このようにして、油圧油は管３２，３６を介
して連続的に供給され、その流量はそれぞれの計
量シリンダのポンプ能力（容量）に依存する。そ
れぞれの油圧モータ２７，２９に圧送された油圧
油の作用により該モータ２７，２９が往復運動
し、これらと機械的に連結されたポンプ１３，１
５もそれと対応して往復運動する。ポンプ１３，
１５は両ポンプのピストンの上昇及び下降の両工
程で流出管１６，１８を介して液体を送り出すよ
うに設計されており、それによりバルブ２０，２
２が開いているときはマニホールド２５に液体が
連続的に供給される。マニホールド２５の液体は
ミキサー２４に送られ、そこで完全に混合され、
ホース２６を介してスプレーガン等の塗布装置に
供給される。

バルブ２０，２２が閉じている場合あるいはア
プリケータ自身が閉じている場合には、液体によ
る背圧がすぐに排出管１６，１８に現われる。こ
の背圧はそれぞれの油圧モータにより感知され、
各油圧モータによりそれと対応する背圧が各管３
２，３６に現われる。管３２，３６の内部の背圧
は計量シリンダ４４，４６に到り、ロツド４５，
４７の往復する駆動力と対抗する。この背圧が空
気導入管５２に導入される空気圧と平衡になる値
まで蓄積されると、空気モータ５０がその往復運
動を停止する。バルブが開くか又はアプリケータ
が開いて出口圧力が再び開放されて、空気モータ
が再び往復運動を始めるまでこの停止状態が保た
れる。空気モータ５０の停止状態は空気モータの
駆動ピストンの両側にかかる圧力が平衡状態にあ
ることであつて、この状態において空気モータが
損傷しないように何ら特別な安全装置を設ける必
要はない。

本発明の比率配分圧送装置は、主動空気モータ
に連結された所定比率に対応する大きさの計量兼
圧送シリンダに油圧油を導入し、これをそれぞれ
の油圧往復モータへ圧送し、各油圧往復モータに
よつて異種の液体専用の送液ポンプを作動させる
ようにしたので、各送液ポンプ及び各液の容器は
互いに十分に離隔配置され、従つて複数の液体が
たとえ極めて混合時の反応性の高いものであつて
も、早期乃至不測に互いに接触して反応を生起す
ることは十分回避できる。また、配分比率の大き
な変更に際して各計量シリンダを寸法の異なるも
のと取替える場合にも、計量シリンダはいずれも
共通の油圧油を利用しているので、異種液体の接
触等の煩しい配慮をする必要がなく、切換作業が
容易となる。さらに既述のように液の放出が一時
的に停止される場合にも、主動空気モータ及び油
圧油による動力伝達系が採用されているので、管
内に生ずる背圧は無理なく供給空気圧と平衡し、
従つて装置は安全であり、その度に原動機の停動
処理を要せず、しかも送液の再開は即刻、所定比
率を保つて順調に実施できる。

【図面の簡単な説明】

図は本実施例の装置全体を示す略系統図であ
る。 １０……圧送装置、１２，１４……容器、１
３，１５……往復ポンプ、１６，１８……流出
管、２０，２２……バルブ、２１……レバー、２
４……ミキサ、２５，４２……マニホールド、２
６……ホース、２７，２９……往復モータ、３０
……油だめ、３２，３６……管、３４，３８……
排出管、４０……供給管、４４，４６……計量シ
リンダ、４５，４７……ロツド、４８……シヤフ
ト、４９……アーム、５０……空気モータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも２個の液容器から共通の集配点ま
   で所定の比率に応じて液体を圧送する装置であつ
   て、 (a) 互いに離隔された各液容器に設けられた往復
   送液ポンプと、 (b) 各往復送液ポンプに連結され、油圧油の流入
   口と排出口を有する油圧往復モータと、 (c) 前記油圧油排出口の全てに連結された油だめ
   と、 (d) 各油圧往復モータに個別に連結され、互いに
   所定体積比のポンプ能力を有し、それぞれが油
   圧油の入口と出口を有し、かつその入口の全て
   が管路で前記油だめに連結され、その出口の
   各々がそれぞれ別の油圧往復モータの前記流入
   口に連結されている複数の油圧油計量圧送シリ
   ンダと、 (e) 前記油圧油計量圧送シリンダの全てに共通の
   駆動機構で連結された往復空気駆動モータと、 (f) 前記液容器に設けられたそれぞれの往復送液
   ポンプから共通の集配点まで液体を送り出す管
   装置と を有する比率配分圧送装置。 ２ 前記液体を送り出す管装置が複数の液体圧送
   管を含み、各圧送管の一端がそれぞれ各往復送液
   ポンプに連結され、かつ他端が共通の集配点にお
   けるマニホールドに連結されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の圧送装置。 ３ 前記共通のマニホールドがその出口を一つの
   ミキサーに連結されていることを特徴とする特許
   請求の範囲第２項記載の圧送装置。 ４ いくつかの液体組成物を所定の体積比で送る
   比率配分圧送装置であつて、 (a) 前記各液体組成物を個別に送る複数の往復送
   液ポンプと、 (b) 前記各往復送液ポンプから共通の集配点まで
   各液体組成物を送る管部材と、 (c) 前記各往復ポンプに連結された油圧往復モー
   タと、 (d) 前記各油圧往復モータに個別に連結され、か
   つ相互に所定の体積比に応じた大きさにシリン
   ダを形成された油圧油計量圧送シリンダと、 (e) 前記油圧油計量圧送シリンダの全部に給油管
   で連結され、かつ前記各油圧往復モータにそれ
   ぞれの油圧油排出管で連結された油だめと、 (f) 前記油圧油計量圧送シリンダの全てに往復駆
   動部材を介して連結された圧縮空気による往復
   空気駆動モータと、 (g) 前記往復空気駆動モータの圧縮空気導入管に
   付設された空気レギユレータと を有する比率配分圧送装置。 ５ 前記共通の集配点が前記管部材に連結された
   液体マニホールドとマニホールド出口に接続され
   た液体ミキサを有することを特徴とする特許請求
   の範囲第４項記載の圧送装置。