JPH0340480B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、プラズマエンジン或は核融合炉等に
於けるプラズマ発生装置の電極に関するものであ
る。

プラズマエンジンは、化学ロケツト等の推進装
置と比較して高速噴射が可能であり、従つて宇宙
空間に於ける推進移動のような長距離の進行に適
した推進装置として注目されつつある。

斯かるプラズマエンジンの実用化に伴い、プラ
ズマエンジンの大出力化が要求されるが、大出力
とした場合、その電極は著しく高温となり、溶
融、損耗することが考えられる。この為、該電極
を冷却し、損耗を最小限に止めることが、プラズ
マエンジンの実用化にあたつての解決課題の一と
なつている。

本発明は斯かる実情を鑑みてなしたものであ
り、冷却機能を有し且つ熱の回収を行い得るプラ
ズマ発生装置用電極を提供することを目的とする
ものである。

以下図面を参照しつつ本発明の実施例を説明す
る。

先ず第１図に於いて、プラズマエンジンについ
て略述すると、筒状の陽極１の中心に陰極２を絶
縁物３を介して設け、両電極１，２間に放電電源
４を接続しアーク放電させ、供給された推進剤
（気体）を電離させプラズマ化するものである。

第２図は本発明に係る陰極２の断面を示してい
る。

ポーラスメタルからなる外管５に、図示しない
推進剤供給源に接続された内管６を嵌挿する。前
記内管６に、該内管６の中空部８から延び内管６
の先端部外周面及び根本部外周面に開口する複数
の通孔７を穿設し、内管６の中空部８には前記推
進剤供給源から推進剤を液状のまま直接導いてお
り、中空部８に適宜ガラスウール等を充填して推
進剤の供給量を調整するようにし、前記中空部８
に導かれた推進剤を気化させ陰極２の先端部及び
根本部に集中して供給し得る様にする。

上記構成に於いて、中空部８に導かれた推進剤
は気化する際の潜熱、顕熱により陰極２より熱を
奪い冷却する。外管５は宇宙空間という高真空の
空間に露出しているので、気化した推進剤は、通
孔７を通つて外管５に到り、外管５内部の無数に
存在する細孔を通り、加熱されて外部へ露出し、
アーク放電によつてプラズマ化される。即ち、推
進剤が陰極２内部で気化し、外管５を通過する過
程で陰極２を冷却し、又同時に推進剤は加熱され
る。

しかも、第１図に示した通り、電流の流れは陰
極２の先端部及び根本部に集中し、先端部及び根
本部がより高温となるが、陰極２の先端部及び根
本部に集中して推進剤が供給されるため、陰極２
の冷却が効果的に行われ、溶融による損耗が防止
されると共に、プラズマ化が極めて効率良く行わ
れる。

又、上記実施例はプラズマエンジンの陰極とし
て実施した場合を示したが、プラズマ状態を利用
する核融合のプラズマ発生装置の電極にも実施し
得ることは勿論であり、該装置の場合推進剤は単
に電離剤となる。

以上述べた如く本発明によれば、プラズマ発生
装置の特に高温となる陰極の先端部及び根本部を
効果的に冷却し得て、溶融による損耗を防止し、
プラズマ発生装置の陰極の長寿命化を図り得ると
共に陰極部で発生する熱ロスを電離剤自体で回収
し、プラズマ化の効率（投入したエネルギの何％
が電離剤に供給されるか）が向上し、プラズマ発
生装置の大出力化を実現し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施し得る一例を示すプラズ
マエンジンの説明図、第２図は本発明の実施例の
断面説明図である。 １は陽極、２は陰極、３は絶縁物、４は放電電
源、５は外管、６は内管、７は通孔、８は中空部
を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 筒状の陽極の中心に陰極に絶縁物を介して設
   け、両電極間に放電電源を接続してアーク放電さ
   せ、供給された電離剤を電離させプラズマ化する
   プラズマ発生装置用電極において、該電極の陰極
   を、ポーラスメタルからなる外管と、該外管に嵌
   挿され電離剤供給源に接続される内管とから構成
   し、前記内管に、該内管の中空部から延び内管の
   先端部外周面及び根本部外周面に開口する通孔を
   穿設し、前記内管の中空部に供給した電離剤を前
   記外管表面の先端部及び根本部より集中して漏出
   させる様構成したことを特徴とするプラズマ発生
   装置用電極。