JPH034047Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は太陽電池パネルに係り、詳しくは太陽
電池素子を表裏面ともに透明な素材で保護し、そ
の受光面にガラス板を、また対向する背面に背当
材を積層してなる太陽電池パネルにおいて、特に
背当材を改善してなる太陽電池パネルに関するも
のである。

（従来の技術） 太陽電池素子を透明な素材で被覆した太陽電池
モジユールを複数個枠状の架台に嵌め込み、その
表面で受光面に透明な素材、例えばガラス板をそ
の裏面に背当材を積層した太陽電池パネルが一般
に使用され、かかる背当材としては入射光のうち
光発電に寄与しない光を裏面側へ透過させて蓄熱
を避け太陽電池モジユールの温度上昇を防止する
ことを目的として、透明な材料、例えばガラス材
料、プラスチツク材料が主に用いられていた。
（特公昭57−4109号公報参照） （考案が解決しようとする問題点） ところが、このような透明な材料である背当材
は、比較的薄い材料であるため耐衝撃性に欠け、
またプラスチツクのみで構成されている場合には
熱収縮によつて太陽電池素子と背当材との間に剥
離が生じ、雨天の場合には水分の侵入によつて太
陽電池素子の起電力の機能をおかす欠点があつ
た。従つて、本考案はこれらの問題点を改善する
もので、薄くても耐衝撃性を有し、かつ熱収縮の
少ない、そして耐候性、耐透湿性に優れる背当材
をもつた太陽電池パネルを提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の特徴とするところは、複数個配列した
太陽電池素子を透明な樹脂の接着材で保護し、受
光面に透明部材を、そして背面に背当材を積層し
たものを架台に取付けた太陽電池パネルにおい
て、上記背当材がブチルゴムを主成分とする白色
のゴムシートからなる基材とエチレン・プロピレ
ン・ターポリマーを素材とする保護材からなる加
硫ゴムシートの積層体であつて、該背当材をその
構成部材である基材が上記接着材と接する状態に
置してなる点にある。

（実施例） 次に本考案の実施例を添付図面に従つて詳細に
説明する。第１図は本考案に係る太陽電池パネル
の一実施例を示す縦断面図である。太陽電池素子
１は結線を施した状態で平面状に均一に配列さ
せ、その表面と裏面には透明なエチレンビニルア
セテート樹脂フイルムあるいはポリビニルブチラ
ートである接着材２によつて保護され、かかる太
陽電池素子１の受光面にはガラス板３を、そして
背面には背当材４を設けることによつて太陽電池
パネル５が構成されている。

尚、図中６はアルミニウム製の架台であり、上
記太陽電池パネル５を固定している。

上記背当材４は、第２図にその断面構造が示さ
れるように、ブチルゴムを主成分とする白色のゴ
ムシートからなる基材７とエチレン・プロピレ
ン・ターポリマー（EPDM）を素材とする保護
材８から構成される加硫ゴムシートの積層体であ
る。この場合、背当材４は基材７が接着材２に接
する状態に置かれている。

背当材４の基材７は前述のとおりブチルゴムを
主成分とする白色シートからなり、かかるゴムシ
ート中には接着材２と良好に接合させるためにエ
チレンビニルアセテート樹脂が混入され、また入
射光を背当材４の表面で反射して入射光の吸収を
避けて太陽電池素子１を保護するために酸化チタ
ンを添加して白色度を上げている。上記エチレン
ビニルアセテート樹脂の混入量はブチルゴム100
重量部に対して10〜20重量部であり、10重量部以
下では接着力が向上せず、また一方20重量部以上
になると接着力が向上する反面寸法変化が大きく
なる。また、酸化チタンの量は加硫物性が変化し
ない程度のものでゴム100重量部に対して３〜80
重量部、好ましくは20〜40重量部である。

上記太陽電池素子２は常に乾燥状態に置かれそ
の起電力を充分発揮させる必要があるところか
ら、背当材４は耐透湿性が要求される。そのた
め、背当材４の基材７は主として耐透湿性を有す
るブチルゴムを主原料としているが、ブチルゴム
以外にも、例えばEPDMをブレンドしてもよく、
ブレンドされるゴムはブチルゴム100重量部に対
して多くて20重量部である。また、耐透湿性を発
揮させるためには基材７の厚さも無視出来ない要
件であり、本考案では0.1mm〜２mm、好ましくは
0.7mm〜1.2mm程度である。

更に、背当材４の保護材８は主として背当材４
自身の耐候性を長期にわたつて維持するために使
用される。もし、保護材８がなければ、ブチルゴ
ムを主成分とする基材７のみでは耐候性は充分で
ない。例えば、10年以上の屋外使用の場合には、
EPDMが60％以上必要とされており、これ以下
のブレンド配合をもつ素材であれば防湿性能が低
下する。そのため、保護材８はEPDMを60％以
上有するゴム配合物であつて、EPDMの他にブ
チルゴム等がブレンドされる。

上記背当材の保護材８の厚みは、0.1〜1.0mm、
好ましくは0.3mm〜0.5mm程度である。

（考案の効果） このように本考案によれば、太陽電池素子パネ
ルは表裏面共に透明な接着材で保護した太陽電池
素子の受光面に透明部材を、背面にブチルゴムを
主成分とする白色のゴムシート基材とEPDMか
らなる保護材の積層体の背当材を積層した構成か
らなり、かかる背当材がゴムシートであるために
太陽電池パネルは裏面側の耐衝撃性が向上して太
陽電池素子を充分に保護することが出来、また夏
期ににおいては白色基材の存在によつて背当材の
温度上昇を防止することが可能となつて太陽電池
素子を保護し、それと共に背当材の熱収縮を押え
て太陽電池素子と背当材間の剥離を防止すること
もできる。更には、背当材は基材によつて耐透湿
性を有し、一方保護材によつて耐候性を有するた
め、太陽電池素子を乾燥環境下に保持してその起
電力を充分発揮させることが可能となり、また背
当材を長期にわたつて使用することが出来る等の
種々の効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる太陽電池パネルの一実
施例を示す断面図、第２図は本考案の太陽電池パ
ネルに使用する背当材の断面図である。 １……太陽電池素子、２……接着材、３……ガ
ラス板、４……背当材、７……基材、８……保護
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数個配列した太陽電池素子を透明な樹脂の接
   着材で保護し、受光面に透明部材を、そして背面
   に背当材を積層したものを架台に取付けた太陽電
   池パネルにおいて、上記背当材がブチルゴムを主
   成分とする白色のゴムシートからなる基材とエチ
   レン・プロピレン・ターポリマーを主成分とする
   保護材からなる加硫ゴムシートの積層体からな
   り、該背当材をその構成部材である基材が上記接
   着材とが接する状態に置いたことを特徴とする太
   陽電池パネル。