JPH0340330Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば工作機から排出されるクーラ
ント液（冷却油）中から切屑、切粉等のスラツジ
を分離回収する濾過装置に関する。

〔従来の技術〕

この種の濾過装置としては、周面に沿つて濾過
スクリーン等の濾過材が設けられた回転ドラム内
に、上面を開放したコンベアダクトの後端側が水
平に挿入配設されたものが知られている（特公昭
61−61846号公報参照）。

これは、回転ドラムの周面に設けられた濾過材
によつて当該回転ドラム内に流入するクーラント
液等の原液中から分離されたスラツジが、回転ド
ラムの回転により上方に運び上げられて自重によ
り回転ドラムの内周面からコンベアダクト内に落
下すると同時に、当該コンベアダクト内に落下回
収されたスラツジが、掻出コンベアで運搬して外
部に排出されるように成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このように回転ドラム内で原液
中から分離回収したスラツジを掻出コンベアで運
搬して外部に排出させる場合には、当該掻出コン
ベアの掻板に切屑等が噛み込まれてコンベアの故
障を生ずることがあつた。

そして、この掻出コンベアは、回転ドラム内に
挿入配設されているから、故障が生じた際の修理
作業が非常に面倒であつた。

また、掻出コンベアを設けているから、濾過装
置全体の設備費が嵩んでいた。

そこで本考案は、回転ドラム内で分離回収され
たスラツジを掻出コンベアを用いることなく外部
に排出できる濾過装置を提供することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕 この目的を達成するために、本考案による濾過
装置は、周面に沿つて濾過材が設けられた回転ド
ラムの左右の端板に、スラツジを含んだ原液の流
入口と当該原液中から分離されたスラツジの排出
口が夫々開口形成されると共に、当該回転ドラム
内が左右に二分されて濾過室と洗浄液処理室が隣
接形成され、濾過室内には回転ドラムの内周面か
ら落下するスラツジを洗浄液の液流で運搬して洗
浄液処理室内に放出させるトラフが挿入配設さ
れ、洗浄液処理室内には回転ドラムの内周面から
落下するスラツジをそのまま前記排出口外に滑り
出させるスラツジ排出シユートが挿入配設されて
いることを特徴とする。

〔作用〕

本考案によれば、まず、回転ドラムの濾過室内
に流入してその周面に設けられた濾過材により原
液中から分離されたスラツジが、回転ドラムの回
転に伴つてトラフの上方に運び上げられ、当該回
転ドラムの内周面からトラフ内に落下回収される
と共に、当該トラフ内に回収されたスラツジが、
洗浄液の液流により運搬されて隣接する洗浄液処
理室内に放出される。

そして、洗浄液処理室内に放出されて濾過材に
より洗浄液中から分離されたスラツジが、回転ド
ラムの回転に伴つてスラツジ排出シユートの上方
に運び上げられ、当該回転ドラムの内周面からス
ラツジ排出シユート上に落下回収されると同時に
その上を滑つてそのまま排出口外に排出される。

したがつて、従来のように回転ドラム内に掻出
コンベアを挿入配設する必要がなく、コンベアの
故障による修理作業の面倒が解消されると共に、
装置全体の設備費が大幅に低減される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的
に説明する。

第１図は本考案による濾過装置を正面から見た
断面図、第２図は側面から見た断面図である。

本例においては、周面に沿つて濾過材となる濾
過スクリーンＳが設けられた回転ドラム１の左右
の端板２Ｌ及び２Ｒに、スラツジを含んだ原液の
流入口３と、当該原液中から分離されたスラツジ
の排出口４が夫々開口形成されると共に、回転ド
ラム１内が環状の仕切板５により左右に二分され
て濾過室６と洗浄液処理室７が隣接形成され、濾
過室６内には回転ドラム１の内周面から落下する
スラツジを洗浄液の液流で運搬して洗浄液処理室
７内に放出させるトラフ８が挿入配設され、洗浄
液処理室７内には回転ドラム１の内周面から落下
するスラツジをそのまま排出口４外に滑り出させ
るスラツジ排出シユート９が挿入配設されてい
る。

回転ドラム１は、その下半分が濾液貯溜タンク
１０内に収容され、上半分がタンク１０の上面に
被せられたケーシング１１内に収容されて、その
左右両端がタンク１０とケーシング１１との間に
固設された軸受１２Ｒ，１２Ｌによつて回転可能
に支持されている。

また、回転ドラム１の端板２Ｒには、排出口４
の外側に沿つて環状のスプロケツト１３が固設さ
れ、当該スプロケツト１３とタンク１０の上面に
設置されたモータ１４で回転駆動されるスプロケ
ツト１５との間に無端チエーン１６が平行掛けさ
れている。

ケーシング１１内の天井部には、回転ドラム１
の外から濾過室６内に向かつて洗浄液を噴射する
スプレー管１７が、トラフ８の真上に沿つて並行
に配設されると共に、回転ドラム１の外から洗浄
液処理室７内に向かつて圧縮エアを噴射するスプ
レー管１８が、スラツジ排出シユート９の真上に
沿つて配設されている。なお、スプレー管１７
は、トラフ８の流入口３側の端部に洗浄液を供給
する洗浄液供給管１９から分岐されており、当該
洗浄液供給管１９には、洗浄液となるタンク１０
内の濾液が循環供給されるように成されている。

トラフ８は、その底部が濾過室６内から洗浄液
処理室７に向かつて下方に傾斜するように成形さ
れると共に、その両端が原液の流入口３に挿入配
設された原液供給シユート２０と、軸受１２Ｒの
内側からスラツジの排出口４を通つて洗浄液処理
室７内に突設されたフレーム２１に夫々支持され
ている。

スラツジ排出シユート９は、フレーム２１上に
支持されて、洗浄液処理室７内から排出口４外に
向かつて急角度で下方に傾斜するよう配設され、
その傾斜端部の真下にスラツジ運搬用のベルトコ
ンベア２２が配設されている。

なお、回転ドラム１には、濾過室３内で分離さ
れたスラツジをトラフ８の上方に運び上げるフイ
ン２３と、洗浄液処理室７内で分離されたスラツ
ジをスラツジ排出シユート９の上方に運び上げる
フイン２４が、夫々その内周面に沿つて一定間隔
で配設されている。

以上が、本考案による濾過装置の一例構成であ
り、次にその作用及び効果について説明する。

まず、スラツジを含んだ原液が、原液の流入口
３に挿入配設された原液供給シユート２０を通つ
て回転ドラム１の濾過室６内に流入し、当該回転
ドラム１の周面に設けられた濾過スクリーンＳよ
つて濾過され、原液中から分離されたスラツジが
濾過室６を形成する回転ドラム１の内周面に堆積
する。

そして、このスラツジが、回転ドラム１の回転
に伴つてトラフ８の上方に運び上げられ、その自
重でトラフ８内に落下する。また、濾過スクリー
ンＳの網目に付着するスラツジもスプレー管１７
から噴射される洗浄液で吹き落とされてトラフ８
内に落下する。

トラフ８内に落下したスラツジは、洗浄液供給
管１９から供給される洗浄液の液流で運搬されて
濾過室６と隣接する洗浄液処理室７内に放出され
る。

洗浄液処理室７内に放出されたスラツジは、濾
過スクリーンＳによつて洗浄液中から分離され、
洗浄液処理室７を形成する回転ドラム１の内周面
に堆積する。

そして、このスラツジが、回転ドラム１の回転
に伴つてスラツジ排出シユート９の上方に運び上
げられ、その自重でスラツジ排出シユート９上に
落下する。また、濾過スクリーンＳの網目に付着
するスラツジもスプレー管１８から噴射される圧
縮エアで吹き落とされてスラツジ排出シユート９
上に落下し、当該排出シユート９上から排出口４
外にそのまま滑り出してベルトコンベア２２上に
回収される。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案によれば、回転ドラム内
に掻出コンベアを設けることなく、当該回転ドラ
ム内で分離回収されたスラツジが自動的に回転ド
ラム外に排出されるから、濾過装置全体の設備費
を従来よりも大幅に低減できると共に、掻出コン
ベアの故障による面倒な修理作業も不要になると
いう大変優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による濾過装置を正面から見た
断面図、第２図は側面から見た断面図である。 符号の説明、Ｓ……濾過スクリーン（濾過材）、
１……回転ドラム、２Ｒ，２Ｌ……端板、３……
原液の流入口、４……スラツジの排出口、５……
仕切板、６……濾過室、７……洗浄液処理室、８
……トラフ、９……スラツジ排出シユート、２０
……原液供給シユート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周面に沿つて濾過材が設けられた回転ドラムの
   左右の端板に、スラツジを含んだ原液の流入口と
   当該原液中から分離されたスラツジの排出口が
   夫々開口形成されると共に、当該回転ドラム内が
   左右に二分されて濾過室と洗浄液処理室が隣接形
   成され、濾過室内には回転ドラムの内周面から落
   下するスラツジを洗浄液の液流で運搬して洗浄液
   処理室内に放出させるトラフが挿入配設され、洗
   浄液処理室内には回転ドラムの内周面から落下す
   るスラツジをそのまま前記排出口外に滑り出させ
   るスラツジ排出シユートが挿入配設されているこ
   とを特徴とする濾過装置。