JPH0338260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、地下道、地下鉄あるいは建物の入口
に設置され、異常出水や高潮の際、雨水や海水の
流入を防止する防潮板装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、地下道や建物の入口に設置される防潮板
は第６図に示すように開口部両側壁１，１に断面
コ字形の溝２を有する係止部材３，３を向い合せ
て設け、出水時には前記溝２，２に仕切板３の両
端部を嵌合させるようにしたものや、第７図に示
すように開口部床面５に仕切板６を埋設すると共
に該板６に電動あるいは油空圧で立上がり可能と
なるような装置７を取りつけ、出水時には前記装
置によつて仕切板６を立上がらせるようにしたも
のが知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来形の防潮板は以下に述
べるような欠点を有し改善が望まれている。

まず、第６図に示すようなものは、仕切板４を
別途保管しておく必要があると共に、非常時には
保管場所から運んできて、取りつけ作業を行わな
ければならず、手間がかかると云う難点がある。
さらに防潮板設置個所の側壁に溝を有する係止部
材を露出して設ける必要があり、美観、体裁の上
で問題がある。また第７図に示すものは、操作は
簡単であるが、構造が復雑で、設置に多大の費用
がかかると共に、平常時には仕切板上は通路とな
ることが多く、人車の重量で装置が故障しやすい
という難点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

ここにおいて、本考案は上記従来形の防潮板の
難点を排除すべくなされたもので、間口を遮断す
る仕切板に可撓性を有する材料を用い、しかも通
常は前記仕切板を床面に設置した格納ケースに収
納し、非常時には仕切板を引き出し、その両端を
側壁に設けた固定用部材に固定させ、間口を遮断
するような構成としたものである。

〔実施例〕

以下、本考案による防潮板について図示の実施
例に基づき具体的に説明する。

第１図は本考案の防潮板装置の実施例を示す正
面図、第２図は同側面図、第３図は同平面図、第
４図は同仕切板を格納した状態を示す側面図で図
中符号１０は開口間口に設置される防潮板装置、
１２は開口床面、１１，１１は同側壁である。

防潮板装置１０は緊急時に開口間口に立上げら
れる仕切板１３と開口間口床面に埋設され、平常
時に前記仕切板１３を格納しておく格納ケース１
４及び仕切板１３を立ち上げた時、仕切板１３の
両端部を固定するために側壁１１，１１に設置さ
れる固定部材１５，１５より構成される。

仕切板１３は一例として合成ゴム等の可撓性材
料からなり防水性を有し、開口間口幅よりやや幅
広のシート状で、下端部は格納箱１４内に配置さ
れた防水性の取付台１６，１６上に押圧部材１７
を介してボルト１８で取りつけられ、一方仕切板
１３両端部には固定片１９，１９が一体に形成さ
れて高さ方向の複数個所にボルト孔２０，２０，
２０が穿設されている。しかして、この仕切板１
３は平常時においては、床面に埋設した格納箱１
４に、第５図に示すように両端の固定片１９，１
９を内側に折込むと共に、一例として屏風を折た
たんだ状態で格納されるものである。

格納ケース１４は、床面１２の間口方向に埋込
まれる箱体で、底部には、比較的剛性を有するゴ
ム体から作られた上縁にＶ字形の溝１６ａを有す
る仕切板取付台１６，１６が間口方向に二列並行
に固定されており、前述したように、この台１
６，１６上に仕切板１３下端部が押圧部材１７を
介してボルト１８で取りつけられている。なお格
納ケース１４の開口上縁部には、ヒンジ２１，２
１，２１を介して蓋２２が開閉自在に、しかも閉
鎖した時、床面と同レベルとなるように取りつけ
られている。

一方、前記格納ケース１４の両端が位置する開
口側壁１１，１１には高さ方向に仕切板１３固定
部材１５，１５が取りつけられている。この固定
部材１５，１５は前記格納ケース１４の両端部に
断面コ字形のチヤンネル材２３をその開口部が間
口方向を向くように立設すると共に、このチヤン
ネル材２３の開口底面には、前記格納ケース１４
同様に頂部にＶ字形溝２４を有する仕切板取付台
２５，２５が高さ方向に取りつけられている。ま
た上記固定部材１５，１５には、ヒンジ２６，２
６，２６を介して扉２７が開閉自在に設置され
る。すなわち、この扉２７はチヤンネル材２３，
２３の外側フランジ２８，２８にヒンジ２６，２
６，２６を介して取りつけられるもので、格納ケ
ース１４に設置した仕切板取付台１６，１６上部
から、固定部材１５の上端面までを覆い、扉２７
の裏面には、断面コ字形の押圧部材２９，２９が
扉２７を閉鎖した時、その先端が前記仕切板取付
台２５，２５の上面溝２４，２４に当接するよう
に長手方向に固定される。また該扉２７はチヤン
ネル材２３に立設したボルト３０を扉２７に穿設
した貫通孔３１に挿通し、蝶ネジ３２で締めつけ
固定できるようになつている。

なお符号３３は扉表面にとりつけた把手であ
る。

次いで、上記構成を有する本考案の防潮板装置
につき、その使用方法について説明する。すなわ
ち、異常出水等の非常時に、水の流入を阻止する
には、先づ床面に設置した格納箱１４の蓋２２を
開け、格納してある仕切板１３を引き出す。つい
で、側壁に設置してある固定部材１５，１５の扉
２７を、蝶ネジ３３を外して開放し、立ち上げた
仕切板１３の両端取付片１９，１９を押し拡げる
と共に、ボルト孔２０，２０に固定部材１５のボ
ルト３１，３１，３１を挿通する。しかるのち扉
２７を締め、仕切板１３を固定部材１５，１５と
押圧片２５，２５によつて挟み込み、ボルト３１
と蝶ネジ３３によつて、締めつけ固定する。

〔効果〕

上記のように、考案による防潮板装置は、仕切
板を可撓性を有する材料から構成し、しかもこの
仕切板は平常時には床面に埋設した格納箱内に格
納しうるようにしたので、仕切板の運搬等の手間
を省くことが出来、迅速確実に緊急時態に対処す
ることができる。さらに仕切板は、下端及び両端
ともに、押圧材によつて、防水性を有する取付台
上に固定されるので、水漏れがなく、流水を完全
に遮断することが可能である。また平常時には、
格納箱、固定部材ともに蓋や扉によつて覆われて
いるので、これらが露出することがなく、美観、
体裁の上でも多大の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の防潮板装置の第１の実施例を
示す正面図、第２図は同側面図、第３図は同平面
図、第４図は同仕切板端部の固定状態を示す拡大
断面図、第５図は同仕切板収納時を示す側面図、
第６図乃至第７図は従来形の防潮板を示す図であ
る。 １０……防潮板装置、１１……側壁、１２……
床面、１３……仕切板、１４……格納ケース、１
５……固定部材、１６，２５……仕切板取付台、
１６ａ，２４……溝、１７，２９……押圧部材、
１８，３０……ボルト、１９……固定片、２０…
…ボルト孔、２１，２６……ヒンジ、２２……
蓋、２３……アングル材、２７……扉、２８……
フランジ、３１……孔、３２……蝶ネジ、３２…
…把手。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 緊急時に開口間口に立設される可撓性を有す
   る仕切板と、床面に埋設され、前記仕切板の下
   端部を水密に固定し、平常時には仕切板を格納
   する仕切板格納ケースと、前記格納ケースの両
   端に配置され、仕切板を立ち上げた時、仕切板
   両端部を水密に固定する固定部材とからなる防
   潮板装置。 ２ 格納ケース底面には、頂部にＶ字形の溝を有
   する防水性の仕切板取付台が間口方向に並行配
   置されており、仕切板が該取付台上にチヤンネ
   ル状押圧部材及びボルトナツトにより水密に固
   定されている実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の防潮板装置。 ３ 固定部材は、その開口底面に頂部にＶ字形の
   溝を有する防水性の仕切板取付台が長手方向に
   並行配置されると共に、開口面には、扉が開閉
   自在に取付けられており、しかも該扉の裏面に
   は扉を閉めた時、前記取付台の溝に対応する位
   置に押圧材が配置され、かつ該扉は開口底面に
   立設したボルトと蝶ネジにより、固定されてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の防潮板
   装置。 ４ 格納ケースと固定部材は一体に形成されてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の防潮板
   装置。