JPH033802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は開放型瞬間湯沸器等の開放型燃焼装置
に関し、詳しくは、燃料供給量調節自在なバーナ
ユニツトの炎口間に棒状熱伝導部材を配設し、そ
の熱伝導部材からの伝導熱を蓄熱する部材の温度
が設定以上となつたときに、前記バーナユニツト
への燃料供給を自動的に停止する長時間燃焼防止
機構を設け、長時間燃焼に起因した屋内CO濃度
上昇に対する安全を図つた開放型燃焼装置に関す
る。

〔従来の技術〕

上述の如き開放型燃焼装置を実願昭58−152345
号によつて先に提案したが、その内容は、棒状熱
伝導部材を炎口間に配置することによつて、燃焼
室に対する棒状熱伝導部材の突入量にかかわらず
棒状熱伝導部材を所定の加熱温度にまで安定的に
昇温させられるようにし、それによつて、例え
ば、棒状熱伝導部材を、その突入量によつて加熱
温度が大きく変化してしまう炎口間以外の燃焼室
内空間に単に突入配置するに比して、棒状熱伝導
部材の寸法設定を容易にしながら、つまり、設計
製作を容易にしながらも、適確な長時間燃焼防止
機能を発揮させられるようにしたものであつた。

しかし、その先の出願の実施例として棒状熱伝
導部材をバーナ炎口間の燃焼二次空気上昇路に配
置したものを開示したが、棒状熱伝導部材を二次
空気上昇路に配置すると、棒状熱伝導部材に対す
る上昇二次空気の冷却作用に起因して、燃料供給
量制御によりバーナの加熱能力を小に変更した時
に長時間燃焼防止機構が作動するに至るまでの時
間が長時間化し、長時間燃焼防止機構の作動が遅
れる問題があつた。

そこで、上昇二次空気の影響を軽減して小加熱
能力時における作動遅れを改善することを目的と
し、バーナ炎口間の燃焼二次空気上昇路に配置し
た棒状熱伝導部材に対する燃焼二次空気の吹付け
を阻止する遮蔽部材を前記二次空気上昇路に設け
たものを実願昭59−81820号により提案し、その
構成によつて、上述問題をある程度改善し得た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、棒状熱伝導部材の配設部近くにおける
バーナの燃焼を良好に維持しようとすればある程
度の二次空気流通を確保しなければならないこと
から、遮蔽部材を設けるとしても、上昇二次空気
を完全に遮断してしまうような構成は採用するこ
とができないのが実情であつた。

したがつて、遮蔽部材を設ける改良構成にあつ
ても、棒状熱伝導部材に対する上昇二次空気の冷
却作用を完全には解消することができず、そのた
めに、小加熱能力時における長時間燃焼防止機構
の作動遅れの防止を未だ十分には達成できなかつ
た。

殊に、燃焼装置設置域の雰囲気温度が低温の場
合、上昇二次空気の流通量が少量であつても棒状
熱伝導部材に対する冷却作用が大であるために、
上述作動遅れが一層顕著となる問題もあり、雰囲
気温度の変化によつて作動性能が変化してしまう
ということについても改善が必要であつた。

本考案の目的は、合理的な改良により、棒状熱
伝導部材の配設部近くにおけるバーナの燃焼を良
好に維持できるようにしながら、棒状熱伝導部材
に対する燃焼用二次空気の冷却作用を効果的に解
消する点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による開放型燃焼装置の特徴構成は、蓄
熱型長時間燃焼防止機構における入熱部としてバ
ーナユニツトの炎口間に配設する棒状熱伝導部材
を、複数の炎口列を上部に並設したバーナ本体の
上方で、そのバーナ本体が有する炎口列の間に配
置してあることにあり、その作用、効果は次の通
りである。

〔作用〕

つまり、上述配置により、バーナ本体、及び、
それが有する炎口列における壁状の火炎によつて
下方、及び、両側方を囲まれた位置に棒状熱伝導
部材が位置することとなるから、バーナ本体の横
側方を上昇流動する燃焼用二次空気が棒状熱伝導
部材に対して吹付け作用して冷却作用することを
ほぼ完全に回避でき、それによつて、バーナ加熱
能力の変更、ないし、燃焼装置設置域の雰囲気温
度変化による影響の少ない状態で、棒状熱伝導部
材を火炎壁間において火炎温度に近似して温度変
化の少ない高温雰囲気下で安定的に入熱機能させ
ることができる。

しかも、バーナ本体が複数の炎口列を有するこ
とを有効利用した改良であつて、燃焼用二次空気
の上昇流動を阻害するような部材を付設すること
が無いから、バーナの燃焼は極めて良好に維持さ
れる。

尚、第５図は、バーナ加熱能力の大小変更によ
り長時間燃焼防止機構の作動時間（ｔ）にどれだ
けのバラツキ（Δt）が生じるかを実験した結果
を示すグラフであり、図中破線は、棒状熱伝導部
材をバーナ炎口間の二次空気上昇路に単に配置し
た場合、一点鎖線は、炎口間の二次空気上昇路に
配置して二次空気吹付阻止用の遮蔽部材を設けた
場合、実線は、本考案構成を採用した場合を示
し、又、Ta，Tb，Tcは、上記各場合における
長時間燃焼防止機構の設定作動温度である。

上述実験結果から明らかなように、本考案構成
を採用した場合の作動時間のバラツキ（Δtc）は
他の二つの従前構成の場合のバラツキ（Δta），
（Δtb）に比して効果的に抑制されている。

又、燃焼装置設置域の雰囲気温度変化に対する
作動時間の変化について各種実験を行なつた結
果、棒状熱伝導部材を炎口間の二次空気上昇路に
配置して二次空気吹付阻止用遮蔽部材を設ける構
成の場合、雰囲気温度が25℃以下で、かつ、小加
熱能力状態では、燃焼時間が30分間経過しても長
時間燃焼防止機構が作動しないことがあつたのに
対して、それと同機種のものに本考案構成を採用
した場合、雰囲気温度が25℃以下で、かつ、小加
熱能力状態であつても30分以内で確実に作動する
ようになつた。

〔考案の効果〕

上述の結果、バーナ型式を選択することと棒状
熱伝導部材の単なる配置改良だけで、製作コスト
面での不利を伴なうこと無く、又、十分な二次空
気流通を許してバーナの燃焼を良好に維持できる
ようにし、それによつて、燃焼装置本来の加熱性
能を高く維持しながら、長時間燃焼防止機構の作
動を、加熱能力変更や設置域雰囲気温度の変化に
起因した外乱を効果的に抑制した状態で安定的に
行なわせることができるようになり、消火操作忘
れに対する安全性を大巾に向上できた。

〔実施例〕

第１図は、開放型燃焼装置の一例である瞬間湯
沸器を示し、上面部に排気口１を形成したケーシ
ング２に、第２図に示す如く列状バーナ３Ａを並
設したメインバーナユニツト３を内装し、そのメ
インバーナユニツト３の燃焼室４のフインチユー
ブ型の水加熱用熱交換器５を内装してある。

図中６はパイロツトバーナ、７は、パイロツト
バーナ６を点火させるためのサイドパイロツトバ
ーナ、及び、８は点火プラグである。

又、前記メインバーナユニツト３への燃料ガス
供給路９には、人為開閉操作するメインガス弁１
０、前記熱交換器５への給水量検出に基いて給水
量が設定水量以上のときにのみ開かれる水量応動
弁１１、ガスガバナ１２、及び、人為切換操作に
よつてメインバーナユニツト３への燃料供給量を
大小２段に切換える加熱能力切換弁１３を介装し
てある。

そして、それらバルブ類よりも上流側供給路９
に、人為操作によるメインガス弁１０の開き操作
に連動して開き操作され、かつ、パイロツトバー
ナ６により加熱される熱電対１４の設定以上の起
電力によつて開き保持される電磁安全弁１５を介
装し、パイロツトバーナ６の消火に伴ないバーナ
類３，６，７への燃料供給を自動的に遮断する燃
焼安全機構を構成してある。

第１図ないし第４図に示すように、一本の棒状
熱伝導部材１７を、列状バーナ３Ａ長手方向に沿
う姿勢で燃焼室４外部から内部に突入させる状態
でメインバーナユニツト配設部に臨設し、メイン
バーナユニツト３の燃焼作動に伴ない熱伝導部材
１７により伝導される熱を蓄熱すると共にメイン
バーナユニツト３消火時に自然放熱する蓄熱部材
１８を、棒状熱伝導部材１７の燃焼室外部側端部
に連設し、さらに、前記蓄熱部材１８の温度を検
出して、その検出温度が設定以上となつた時にの
み、前記熱電対１４と電磁安全弁１５とを結ぶ熱
起電力回路１９を開く感温スイツチ２０を蓄熱部
材１８の背面に直接的に取付け、もつて、湯沸器
の加熱作動に伴なう蓄熱部材１８の温度上昇を検
出することによつて、湯沸器が所定時間連続燃焼
作動したときに自動的に電磁安全弁１５を閉じて
加熱作動を停止させ、それによつて消火忘れに起
因した連続加熱作動による屋内CO濃度の上昇を
制限する長時間燃焼防止機構を構成してある。

前記列状バーナ３Ａとして、バーナ本体部の上
部に２本の炎口列Ａを備えたいわゆる双頭炎口型
のバーナを採用し、前記棒状熱伝導部材１７をメ
インバーナユニツト配設部に臨設するに、一つの
列状バーナ３Ａの本体部の上方で、その列状バー
ナ３Ａが有する２本の炎口列Ａの間に棒状熱伝導
部材１７を配置してある。

つまり、上述配置構成により、列状バーナ３Ａ
間を上昇流動する燃焼用二次空気が棒状熱伝導部
材１７に対して吹付冷却作用することをほぼ完全
に回避して、棒状熱伝導部材１７を火炎壁間の高
温雰囲気下で安定的に入熱機能させるようにし、
それによつて、バーナ加熱能力の大小変更、ある
いは、湯沸器設置室の室温変化にかかわらず。長
時間燃焼防止機構を安定的に作動させるように構
成してある。

〔別実施例〕

棒状熱伝導部材１７、及び、蓄熱部材１８夫々
の材質は適宜変更が可能である。

蓄熱部材１８の温度検出に基づいてその検出温
度Ｔが設定以上となつた時にバーナ類３，６，７
への燃料供給を自動的に遮断するための、温度検
出構成、回路構成、ないし、弁構成は種々の改良
が可能である。

バーナ型式としては、バーナ本体部３Ａの上部
に複数の炎口列Ａを並設した型式のものであれば
各種型式のバーナを適用できる。

本考案は、開放型瞬間湯沸器や暖房器等、種々
の開放型燃焼装置に適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体概略構造図、第２図はバーナユニ
ツト部の平面図、第３図は同側面図、第４図は棒
状熱伝導部材の配設位置を示す拡大断面図、第５
図は実験結果を示すグラフである。 ３……バーナユニツト、３Ａ……バーナ本体、
１７……棒状熱伝導部材、１８……蓄熱部材、Ａ
……炎口列。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料供給量調節自在なバーナユニツト３の炎口
   間に棒状熱伝導部材１７を配設し、その熱伝導部
   材１７からの伝導熱を蓄熱する部材１８の温度が
   設定以上となつたときに、前記バーナユニツト３
   への燃料供給を自動的に停止する長時間燃焼防止
   機構を設けた開放型燃焼装置であつて、複数の炎
   口列Ａを上部に並設したバーナ本体３Ａの上方
   で、そのバーナ本体３Ａが有する炎口列Ａの間に
   前記熱伝導部材１７を配置してある開放型燃焼装
   置。